Flatのガンプラ製作日記

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flat2775

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2008.08.20
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カテゴリ: ガンダム小説




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これまでトーチャンガンダムというタイトルで、一年戦争におけるおやぢたちの
戦いを書いてきました。

コレから書く内容も一年戦争のおやぢたちの戦いを描いたものです。

が、彼らは戦闘はしません。

そうです、おやぢたちはいつでもどこでも戦っているのです、愛する者のために。




アナハイム・エレクトロニクス。



地球連邦軍からの兵器受注額ではトップを占めていたという資料もあるように
一般的には地球連邦軍寄りと思われがちだが、ジオン公国ともつながりを持って
いたことをご存知であろうか?

アナファイ・ケツァクウァトルニクス

という社名の会社がそれである。

ちなみに「ケツァクウァトル」とは中世期のアステカ神話における「全能の神」という
意味を表し、書類上もアナハイム社とは何の関係もないことになっている。

だが、実際にはアナハイム社のコピー品や、アウトレット品、さらには内部コンペで負けた
商品などを売りさばくルートとして、活用されており、この企業がアナハイム社とまったく
無関係と考えるものはほとんどいなかった。



「マスター・テラ、売り上げはどうだ?」

音声のみの回線で相手に話しかける。

「タートル軍曹、さながら、売れました!」

タートル軍曹と呼ばれた男は眉を吊り上げた。

「テラ、階級を呼ぶのは厳禁だぞ!あくまでもわれわれはアナファイ社の


「イエッサー!」

怒りを超えて、諦めムードが漂う。

良く見ると、タートルと呼ばれた男はパンツ一丁である。
空調が故障しているのか、しきりに手に持った紙で自身に風を送っている。

部屋には一生遊んでも遊びきれないのではと思えるほどのおもちゃが
整然と積み上げられている。
ごみ同然に見えるものも少なくないが、全部「商品」らしい。

タートルが「地震」という存在を知ったら、もうちょっと積み方を工夫するかも
しれないが、コロニーには地震というものは存在しない。

「もういい・・・で、何が売れたんだ?」

「例のザクが、2体です」

「ほう!あの新作のおもちゃが早速売れたのか!
 しかも2体も!
 やっぱりアレは売れると思ったんだよ。
 税関のアンチャンに握らせた甲斐があったってもんだな。
 ちなみに買ったのはどんなやつだ?」

「ソレが少々気になるところで。
 いまデータを送るので、そちらで照合お願いできますか?」

購入時の伝票が送られてくる。

「ふむ、14歳のハイスクールボーイ?コレのどこが問題なんだ?」

「そちらは問題なしです。もう一つのほうが少々気になりまして」

「ヒロロ・バスケットマン・・・ってコレ、本人か!?」

「はい、雑誌に載っていた写真と同じでした」

ヒロロ・バスケットマン。
天才的物理学者にして、ジオン公国軍とのつながりが持つ人物である。

「本人は子供用の誕生日プレゼントに買って帰ると言っていましたが・・・」

「となると、いまのところ、アレには気付いていないのか」

「まあ、見た目はおもちゃそのものですからねぇ」

「・・・」

もう売ってしまったものは仕方がない。

「まあいい。彼が気付いて、万が一実用化できたとしても、連邦軍からの
 発注が増えるだけで、困ることは何一つない」

「さながら、連邦軍担当の営業から、謝礼がもらえないのが残念ですな」

「ハッハッハ、そりゃ無理だ。俺たちはアナハイム社とは何の関係もない
 会社の人間だからな」

近くにおいてあった缶ジュースを飲み干す。

「さて、ヒロロ殿、あなたの天才振りを拝見させていただこうじゃないか」

続く





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Last updated  2008.08.20 10:03:56
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