Flatのガンプラ製作日記

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flat2775

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2008.10.02
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カテゴリ: ガンダム小説




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「では、二次テスト。アルファ伍長準備は良いか?」

「はい」

「それではエネルギー注入開始!」

ステインは淹れてきたコーヒーをヒロロに手渡す。

「彼は鍛えているから、5分以上かかるかもしれないな」

自分のコーヒーを飲みながら、ステインは独り言のような調子で言った。

「鍛えている・・・鍛錬することができるのか!?」


驚いた顔で、ステインを振り向いた。

「さあな、オレも良く知らんが、CHARINKOという道具を通販で
 買っているらしいぞ」

「CHARINKO・・・そんなものがあるのか。
 これは考慮するべき事項かもしれないな」

「少尉!」

「どうした伍長」

「ちょっと発射は無理なようです」

「確かに内圧が低いな」

データを確認しながら、ヒロロがつぶやく。

「もっと純度を上げて、試してみよう」



「ダメです。まだ溜めが足りません」

「ここまで来ると、アルファ伍長の鍛えているという
 説を信じざるを得ませんね」

畏敬の念のためか、丁寧語になっているヒロロ。

「少尉、申し訳ないが、最高純度でやらせてもらうが良いかね?」



「了解!最高純度のエネルギーを高速注入!」

・・・

「少尉!動きました!いけます!」

「よし、お前のタイミングで発射しろ!」

「了解・・・・ファイヤー!」

シルフ伍長が発射したときとは異なり、青白い色をしたビームは宇宙を
引き裂くかのようであった。

目標となったデブリは飲み込まれ、一瞬のうちに消失した。

「す、すげえ」

「実験成功。出力は想定の131%!」

ヒロロの声も興奮気味で、早口になっていた。

「内圧を高めることで出力は圧倒的に高まるということか。
 しかも、先天的な才能だけでなく、鍛えることが可能という
 ことであれば量産も可能ということになる・・・」

「いや、無理だな」

冷や水を浴びせられたようにビクッとしたヒロロはステインを睨み返す。

「お前も今の結果を見ただろう!」

「ああ、見た。だが、あそこまで内圧を高めるのは致命的なんだよ。
 ほら見ろ、アルファは失神寸前だぞ」

「!!!」

「作戦ごとに、機体とパイロットを失うことになるぞ」

ヒロロは言葉も出ない。

「それともう一つ。あそこまで高純度のエネルギーはもう用意できない。
 今回はテスト用だったんで、かき集めてきたが、あれで全部だ。
 ジオンにはもうロクな資源は残っていないんだよ」

「純度が低ければ出力が低くて実用性が低い。
 かと言って純度を高めようにも資源がない・・・」

「非常に面白いんだが、残念ながら兵器としては無理だな。
 アナファイ社がアレを玩具として販売している理由も分かった気がするよ」

それはヒロロも認めざるを得なかった。

改良を重ねれば、パイロットへの負担も、出力の問題も解消できる
可能性はあるが、非常に資金と時間がかかることが予想され、
ステインとヒロロだけで実現できるレベルを超えてしまっている。

「まあ、楽しかったから、それで良しとしようぜ」

ステインの慰めも耳には入らない。

ヒロロはがっくりと肩を落とした。

その視線の先では「暴君ハバネロ」が笑っていた(終)





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Last updated  2008.10.02 12:33:39
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