Flatのガンプラ製作日記

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2021.02.02
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カテゴリ: 本の感想
書籍の感想です。
今回は「未来職安」です。


未来職安 [ 柞刈湯葉 ]

近未来、機械がどんどんどんどん、発展して、さらにどんどん発展して、
およそほとんどの仕事が機械化されたとしたらどうでしょう?
レストランは自動化され、ウェイトレスもレジ係もおらず、料理も自動で
作られ、教育もタブレットで習熟度合いによって自動的に問題が配布される。
乗り物も自動で運転され、宅配も空からドローンがお届け、と何もかも便利な世の中。


まずなんでもかんでもシステム化されてしまったので、ほとんど仕事がない。
そのため、99%の消費者と1%の生産者に分かれ、99%の消費者は働かず
生きていく。生きていくのもギリギリなお金だけ渡されることとになりますが、
贅沢しなければ生きていける。また、奥さんや子供がいると手当てが増えるので
結婚し、子供を産む人が増える。
残りの1%の人は生産者として働く。とはいっても、生産者の中にも本当の生産者
もいれば、インチキ生産者もいる。
本当の生産者とは、自動化の仕組みを考える人とか、より少ないデータから
学習して、AIに反映するロジックを考える人とか。
で、インチキ生産者とは、万一自動運転車が事故を起こした場合に責任を取って
辞任する人、とか、高級店である風を装うために店頭に立っている人とか、


主人公の目黒奈津は県庁に勤めていたが、自動車が起こした事故の責任を取らされて
県庁を辞めさせられてしまう。
仕事がなければ実家に戻って消費者になるほかないが、どうしても実家に戻りたくない
奈津は伝手を辿って職安を経営している大塚のもとで働くこととなる。

しかし、大塚の職安で仕事を求めてくる人々は変わった人ばかり。


でも考えてみればそれは当然で、世の中マニュアル化できるような仕事は全部機械化
されてしまっています。
だから機会ができないことと言えば、超高度な内容で、資格も能力もない人が簡単に
できるようなものではありません。
だから、
・わざと監視カメラに写ってプライバシー問題を発生させ、解析等に使わせない
 ようにする仕事
・廃村の村に住み、人が住んでいることで村の統合を防ぐ仕事
とか本当に役に立たなそうな仕事が紹介されたりします。

なんか本当にそのうちありそうだな~と思って怖いなと思った小説でした。
でも、なかなか面白いです。

「いまの県警は司法器官が内蔵してあるからちゃんと警察法に準拠した操作ができるけど、
人間の警察が法律を破らずに捜査なんてできていたのだろうか、と時々不思議に思う」

なんていうその近未来の人の常識に照らして、逆に現代の様子をほわーんと俯瞰する
描写がそこかしこに出てくるのですが、とても考えさせられます。

そうですよね。人間ミスもするし、ルール全部覚えていられないですもんね~

となると、機械に任せたほうが良いのか?でも何もかも機械に任せたら、人間という
存在の存在価値はどこにあるんでしょうか?なんてことを考えさせられました。

とっても面白かったです。





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Last updated  2021.04.03 13:53:02
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