Flatのガンプラ製作日記

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2021.03.07
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カテゴリ: 本の感想
書籍の感想です。
今回は「コドモノセカイ」です。


コドモノセカイ [ 岸本佐知子 ]

私は子供のころ妄想癖が強かった気がします。
なので、しょっちゅう自分の妄想の世界に入り込み、
棒一本あれば、オールに見立てて大海原に漕ぎ出したり、
悪の帝国と戦ったりしていました。
親と出かけた時も「白いところを歩かないと悪の帝国に見つかる」

いたりとおよそ変なことをしまくっていました。

なんで結構変わった子なのかな、と思っていたのですが、
この小説なおよそ子供たちの風変わりな世界を描いてくれていて、
自分だけじゃなかったんだな、という不思議な感慨がありました。

普段はお仕事小説か、ファンタジー物、もしくはSFあたりが私の
小説の守備範囲で、こういった本はあまり読まないのですが、
ある方が「自分の人生に大きな影響を与えた」と書いていたのを
読んで、一度読んでみたいと思っていたものでした。

私にとっては、そこまで大きなインパクトがある本ではありませんでしたが、
なかなか良いな、と思えるお話もありました。
短編集で、各お話は全く独立しています。多くのお話は子供も妄想やずるさ

いくつかのお話はよく意味の分からないものもありました。

その中で私が非常に良いな、と思ったのは「豚を割る」と「七人の司書の館」
というお話です。
「七人の司書の館」は不思議な図書館にある日捨てられた子供話で少し
ファンタジー風なお話でした。少し希望と寂しさが混じったラストはなかなか


「豚を割る」は皆さんにも経験があるのではないでしょうか。
豚の貯金箱を割る、という経験です。
欲しいものがあるとおねだりした主人公の子供は親に豚の貯金箱を
渡される。そして、嫌いなものを飲んだら、お金をくれるというのだ。
欲しいもののために最初はイヤイヤ従っていたが、よく見るとブタが
可愛いことに気付き、ブタは主人公の唯一無二の親友となっていくのだ。

しかし、しばらくたったところで、親が「よく頑張ったな、これで
お前の欲しかったものが買えるぞ。さあ、ブタを割れ!」と言われてしまい、
主人公は頭が真っ白になってしまいます。

グズグズしている主人公に業を煮やした親は代わりにブタを割ろうと
します。
それを止めるべく、
「待って、明日の朝、もう1回嫌いなものを飲んで、
それを貯金箱に入れてから割る」
と言って1日の猶予をもらうのです。

そしてその日の夜、親友を助けるためにある決断をするのでした・・・

この「ブタを割る」という話はたった6ページほどのお話なのですが、
コドモノセカイ、そして、それを理解しない親、自分の世界を守る
ために精一杯頑張る子供が描かれていてとても満足感がありました。





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Last updated  2021.04.03 13:57:23
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