Flatのガンプラ製作日記

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2021.06.20
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カテゴリ: 本の感想
書籍の感想です。
今回は「雲雀坂の魔法使い」です。


文庫 雲雀坂の魔法使い (実業之日本社文庫) [ 沖田 円 ]

雲雀町という小さな町に居を構える魔法使いの話。
多くの魔法使いは旅しているのですが、この魔法使いはお店を
やっていて、薬草やお茶を販売しています。
基本的には薬草やお茶を売っているのですが、「魔法」を
当てにしてやってくる客も少なくありません。

魔法はかけてもらえません。
お金も名誉も脅しも泣き落としも効かないのです。
ただ、「興が乗ったら」魔法をかけてくれるかもしれない
というのです。
そんな魔法使い、翠の元に訪れるお客と翠の物語です。

この本では4人のお客さんが訪れます。
子どものころ、花火の際に友人を守るために火傷を負ってしまった少女。
大病を患い、人生の集大成として愛猫の絵を完成させたい画家。
アイデアが枯渇してしまったと感じる小説家。
そして、最愛の女性を亡くし、感情を失った兄を取り戻したい弟。

誰もが必死で、切実で、悩んでいるのですが、

「魔法で解決できたとして、あなたは嬉しいの?」
「魔法であなたの願いを叶えることはできる。
 でも、できることをやるかどうかは、私の自由さ」

などと依頼者の心の奥まで見透かしたかのように語り掛けます。
そして、自分は善人ではないと言い切り、やりたいことだけを


なので、依頼者のほとんどが魔法をかけることを断られてしまいます。

まあ、善人ではない、というのは本当かどうかは難しいところです。
魔法を使わないのは魔法を使うよりももっと良い解決策があると
考えているからなのかな、と思える部分が端々で出てきます。

例えば、依頼を断った後に依頼者と会って過去に魔法を使って起きたことを
話したり、関係する二人を呼び寄せ、話し合わせたり。
「面倒だから魔法を使いたくない」というだけなら、そんなお節介を
する必要はないのですが、みんなの役に立ちたいという思いは強いのです。

なので魔法を使うときは「魔法でしか解決できないことだけ」
自分で解決しないといけないことは「自分でやる」
つたないといけないことがあるなら「想いを言葉する」
という感じで、心温まる形で解決につなげていくのです。

個人的には「小説家の話」が一番好きです。

ラストで魔法使いの謎が明かされます。
魔法使いにとって魔法とか何か。翠がなぜ雲雀町に居を構えるのか・・・

とても素敵な小説でした。
おススメ。





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Last updated  2021.06.20 09:48:17
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