Flatのガンプラ製作日記

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2021.09.11
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カテゴリ: 本の感想
書籍の感想です。
今回は「まち」です。


まち [ 小野寺史宣 ]

小野寺さんの小説です。タイトルがシンプルなのでアフィリエイトから
商品探すのちょっと大変でした。
「まち」って入れるととんでもない数の商品が引っかかってきちゃうんですよね・・・

まあ、それはさておき、小野寺さんの作品は「ひと」に続き2作品目です。
「ひと」も良かったのですが、「まち」も良かったです。

決して東京の憧れたわけでも、でっかい夢を持って出てきたわけでもない。
東京の大学に入学したわけでもないのですが、「東京に出て、よその世界を知れ、
知って、人と交われ」というお祖父さんの勧めに従って、とりあえず東京に出てきます。

なので、やることと言えば、生きていかないといけないので、バイトとかに
なるわけですが、暮らしの中でバイトの方との交わり、同じアパートに
住む人との交わり、そして、田舎の人との交わりが優しいタッチで描かれていきます。

バイトなので、日々の暮らしはとても裕福とは言えませんが、慎ましくそして
正直に生きていく江藤君。
彼のお節介になりすぎない助けがバイト仲間を助け、アパートの隣人を助け、
同郷の仲間を助けることになります。
そして、それが彼に「幸せ」という形で戻ってきているのだと思います。



1、お節介になりすぎない。親切に何かをやってあげようとしても、自分の入ってきて
欲しくない領域にずかずか踏み込まれて嫌な思いになることってありますよね。
なので、江藤君は決してずかずかいかない。しかし、動くときは即動く。
2、人の意見を聞いて「そうなのか?」と思っても、「そういうこともあるのかも」と
考え、「いやでもないかもな」と両方の可能性を考え、否定も肯定もせず、とにかく

意見に同調していると取られるかもしれない。そもそも意見を求めていないのかも
しれないのだから、求められていなのであれば、意見を言う必要もない。

私もこういうコミュニケーションができる人のなりたいな。

江藤君の楽しみは周囲の散歩と図書館で本を借りて読むこと(無料だし)、そして
夕方割引になったお弁当を買うこと。
そんな中でも幸せはあって、助けた友達が幸せになることを願い、助けた隣人も
幸せになることを願い、それを幸せと感じるのです。

江藤君はずっと幸せな人生を歩んできたわけではありません。
むしろ、不幸な人生といっても良いのかもしれません。
小学生のころ、梶でご両親を亡くしているのです。それ以来、彼は
お祖父さんのもとで育ちました。
お祖父さんは山男なのですが、お祖父さんのまっすぐな性格が江藤君を育んだのかも
しれません。

ラスト色々あってバイトから新しい一歩を踏み出そうと決意した江藤君。
その挑戦がうまくいくかどうかはわかりません。
ですが、彼はきっと周囲の人を助け、そして周囲の人に支えられ、東京という
「まち」で暮らしていくのだと思います。

おススメ。





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Last updated  2021.09.11 11:40:47
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