曹操注解 孫子の兵法

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Feb 11, 2006
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カテゴリ: 戦略
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【キスカ・太平洋奇跡の作戦】

この映画の主役、三船敏郎の演技から、戦略理論を学ぶ人々は「男臭さのカリスマ性」を学ぶことができるだろう。

木村昌福少将は海軍兵学校同期の川島中将の抜擢で、キスカ作戦の実行部隊、第一水雷戦隊司令官に任命される。
この抜擢人事が実に鮮明である。

「なまじ手柄を立てたがる人間では、この撤収作戦は失敗する」

これは慧眼だった。
キスカ作戦を立案した参謀(中佐)が
「司令官は無礼です。軍令部では無能よばわりされ、那智の乗組員にはバカにされ、それでもジーッとガマンされています。あなたをかばっている長官の立場がわからないのですか」と非難する。

すると三船敏郎がいつものぶっきらぼうな調子で言う。

「長官に無礼だとか、そんなちっぽけな気持ちでは、(大局の)判断をあやまる。失敗するに決まっている。礼はいずれ、まとめて言う。それはキスカの五千二百人を無事に連れ帰ってきたあとだ」



濃霧が退き、地平線が見えかかってきたときである。
功名心にあせる人間に、この決断はむずかしい。
実際、母港・幌筵(ホロムシロ)に無事帰還した第一水雷戦隊を待ち受けていたのは第五艦隊のみならず、軍令部作戦部長(少将)までが艦隊司令部に出張して、木村少将更迭を主張する「作戦失敗」の責任追及の嵐だった。

これを川島中将は体を張ってかばった。

「これは失敗ではない。作戦は続行中だ」

前回の「学者の良心」の事件も、このような状況で起きた。



木村少将の現場のスゴ腕も見逃せない。

「レーダーを避け、キスカ島を西側から迂回して、キスカ湾に入港しよう」という奇策も出した。
これはキスカの研究段階で、実際にこの迂回ルートを発見した伊7号潜水艦艦長が
「潜って航行できました。水深20メートルある」と確約したからだ。
これは参謀たちも顔負けだ。


艦長以下、参謀も色めいて詰め寄った。
「司令官、突っ込んでください」

木村少将はこれを凶とみた。
「敵は待ち伏せているような気がする。両舷停止」
この予測は当った。



その前に司令官は決断した。
「島の連中にはもう1日辛抱してもらおう。艦隊は西へ回る」

西側迂回コースは岩礁が多く、潮の流れが速かった。
機関室は「潮流が速い。(ディーゼルの動きが)不安定になっている」と悲鳴を上げる。
操舵室は舵がきかず、艦長の額にも動揺の汗が見えた。

そこで見ていた少将が
「艦長、(指揮を)もらうぞ」
「はっ」
「両舷前進全速」

あっけにとられる艦長。
「全速ですか。司令官」
「(この潮の流れでは)これを乗り切るにはそれしかないっ!!」

この部分ね、三船敏郎の人気シリーズだった用心棒とか椿三十郎とか、ウルトラマンやスーパーマンのようにカッコいいわけ。

経営指導者はこうでありたいものだね。
多数決では戦略組織は決して成功できないということがわかるよ。





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Last updated  Feb 12, 2006 10:31:30 PM
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