FROM  NEW  YORK

May 11, 2005
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カテゴリ: ひとりごと
イラクで英国系警備会社「ハート・セキュリティー」の警備責任者、斎藤昭彦さんが武装勢力に拘束されたニュースを聞いて、あることがふと頭に浮かんだ。

新聞記事を読んでいると斎藤さんは20年以上日本に住んでいない。驚いた事にこの事件があるまで日本の家族ですら彼の存在や近況を知らなかった。拘束されて初めて安否を知る・・ 家族にとっては何と恐ろしい事だろう。でもそんなになるまで放っとく家族関係というものを私は窺ってしまう。

世界を放浪した...そんな言葉が思い浮かばれ、ちょっと格好いい響きに聞こえる。私には「放浪」というと人気作家が人気の絶頂点を過ぎ、ストレス解消兼「放浪」という名目の旅に出て紀行文を寄せるというロマンチックなイメージがあるが、本当の放浪は放浪なのだ。砂漠に住むベドウィンのよう。言わばその現代都市版。

斎藤さんはフランスの外国人部隊に21年間入隊していたという。21年とは長い年月だ。子供が生まれて社会的にも大人と認められる二十歳をもゆうに過ぎる年月。その間、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争(92~95年)や核実験施設解体作業などにも携わったと新聞に記載されてあった。フランス外国人兵士は外国人部隊は国籍や信条、宗教、志願・除隊理由などを一切問わないらしいが、3年勤続すると帰化することも可能となって、さらに15年間勤務すれば年金支給の資格が得られるという。斎藤さんも除隊後、その恩恵を受けていたという。

だが・・・

拘束されて表に立ったのは日本の政府。それは斎藤さんが菊の紋のついた日本のパスポートを持っているからだ。例え21年日本に住んでいなくて、税金なんて払っていなくても、この日本のパスポートがある限り日本の政府が「邦人の安否」を交渉してくれるのだ。

正直なところ、嬉しいけれど後ろめたい気持ちがする。それは私が斎藤さんの存在に近いからかもしれない。日本に住んでもいなければ、税金を納めたことも無い。けれど有事が起こった場合には、きっと日本領事館が助けてくれるハズ?だから。でもどうしてこんな気持ちになるのかは自分が一番知っている。

記事最後に記された斎藤さんの弟さんの言葉が気になった。

『わずかな望みにかけるより、8割ぐらいは戻ってこないと考えていた方がストレスが減らせる』






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Last updated  May 12, 2005 04:55:39 AM
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