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tajim

tajim

Nov 2, 2005
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カテゴリ: 簡単な言語学
昨日の音韻学の授業で先生が話してくれた余談です。

オーストラリアのアボリジニー言語の一つに、warlpiriという言語があります。
アボリジニーの中では話者が一番多い言語ですが、あまり研究がなされていなかった一昔前、Kenという言語学者(この話をしてくれた先生の恩師でもあるそうですが)がオーストラリアにその言語の研究に行ったそうです。当時5歳だった双子の息子を連れて行き、一緒にアボリジニーの中で生活したそうですが、1年後にアメリカに帰る頃には、もともと言語習得能力の達者なKenはもちろんのこと、2人の息子もすっかりwarlpiri語をマスターしていたそうです。

それから3人はその地に戻ることはありませんでしたが、Kenはせっかく息子達がこの言語をマスターしたのに使わないと忘れてしまう、と思い、アメリカに帰ってからも息子達にはwarlpiri語で話しかけていたとか。

それから何年も経ち、ある時オーストラリアからwarlpiri語を母国語とする人が、アメリカに言語研究をしにやってくることになった。Kenは息子達も連れてその研究者を迎えに行き、空港で落ち合うとすぐにその人とwarlpiri語で話し始めました。

その時、息子達は愕然としたそうです。

「自分達のほかにもこの言語をしゃべる人がいる!!」

息子達は、5歳の時にオーストラリアで暮らしたことも、そこでwarlpiri語を覚えたこともすっかり忘れていた。彼らにとってのwarlpiri語は、お父さんと自分達3人だけがしゃべる「秘密の言語」だったのです。そこに外からやってきた人がその秘密の言語を使って話しかけてきたもので、すっかりびっくりしたんですね。

なんてことないお話ですが、なんとなく素敵だと思いました。

私の先生もこのKenという先生のwarlpiri語講座を受けたそうで、maliki-kirli-rli-lki-ji-liとか kurdu-kurlu-rlu-lku-ju-luなんていう舌のもつれそうな単語を達者に発音します。





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Last updated  Nov 3, 2005 01:57:50 AM
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