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2005年12月27日
鳥取物語 番外編 不二一族物語 第17章●破瓜●
(4)
テーマ:
連載小説を書いてみようv(10278)
カテゴリ:
カテゴリ未分類
暗い・・・・・昏(くら)い、手足を丸めて泣きたくなるほどの深い闇。
ここがどこかのか──わからなかった。
なぜ、ここにるのかも──わからない。
不安は理性と焦燥の狭間で膨らんでいくばかり。
少年は声を限りに叫ぶ。
それでも、闇は揺らぎもしなかった。
次いで、詞(ことば)があった。
多君(おおいぎみ)は神々に丹精され、咲かせて散らされる花。
だが、確かな樹木があるかぎり、花は永遠に咲く。
確かな樹木。それは不二に流れる純血だ。
───
静まり返った洞の中。荒い吐息が揺れる。
それが、どのくらい続いたのか。
密は喉元で息が詰まるような錯覚に、唇を、喉を──痙攣させた。
思わず身体を丸め込んで呻きたくなるような、強烈な痺れだった。
こんな、頭の芯が灼けるような感覚を、密は──知らない。
荒神によって一方的に与えられるだけの刺激は、剥き出しの神経を容赦なく掻き毟られるような痛みがあった。しかも、神経の糸はピンと張り詰めるだけで、決して切れない。もはや男の性(さが)を逆手にとっての拷問に等しかった。
荒神は、まるで・・・・・。
足が、背骨が、ひくひくと痙攣を起こすほどに。
おもうさま頬を殴られるなら、歯を食いしばって耐えてみせる。
力まかせに引き裂かれるなら、辞世のひとつも吐けるだろう。
だが、身体の芯がじりじり焦げるような生殺しは、神経が先に挫けてしまう。
その高みから容赦なく突き落とされたとき、密は涙を抑えることができなくなっていた。
守宿や守宿 すくやすく
守宿の苧環(をだまき) 繰り返し
昔を今に為す不二もがな
思ひ返せば 古(いにしへ)も
月ひとつ 影ふたつ
恋しくもなし 憂き神の
今も恨みの 滝洞(たきうろ)に
身こそは沈め
名をば沈めぬ
事後の朝、嬲るだけ嬲って、それで気が済んだのか。
意のままになる玩具には興味が失せたのか・・・・・。
荒神の姿は実にあっさりと、朝日の曙光に溶け去った。
それを見届けると、密は最期に残った自らの誇りと尊厳をかき集め、半身から滴った自らの血潮で滝洞の岩肌に歌を書きつけた。
守宿に生まれたというだけで、何故に人はただ羞ずかしく、つらく、怖ろしいだけの契約をくり返すのか──それは己の幸薄い運命への、切ない糾弾の歌であった。
不二の名と、里の栄えを後世に残すために、私は身を滅ぼします──。
人と神との交換条件の犠牲にされた己が身を厭うて、錯乱した密はそれからためらいもなく断崖の淵にまろび進んでいった。
そこで一瞬ふりかえり、夜通し泣き濡れて潤みきった瞳が、夢見のうちの豊の眼差しに、しっかりと合わさった。
──あの、助けます。
まったく反射的にかけた言葉。その後に続くべき心構えも用意もなく。
だが、それになにか応えようとした唇は、わなないた末、二度とふたたび開かれることはなかった。
刹那。
彼はためらいもなく、その身を滝壷へとひるがえしていった。
───
不思議に現実感のある夢だった。
手を伸ばせば、彼らに触れ、その息遣いが聞こえるほどに──。
だが、豊の手は背後にきっちりと回されて、差し伸べられることはなかった。
そのもどかしさに、拘束されていることを忘れて大きく身じろぎをする。
ふたたび目を開けたとき、豊の身体は冷えきっていた。
あたりはもう暗い。
風が割れ目のなかに音をたてて吹き込んでくる。
目を開けた彼は手を括られていることを忘れてまっすぐ立ち上がろうとして、固い岩の天井に思い切り頭をぶつけ、また膝をついて沈みこんだ。
──いっ痛ぇ・・・・・。
猛烈な痛みにまばたきをしながら見ると、割れ目の入り口の向こうに銀色の光があった。月の明かりだ。
大慌てで豊は、身をかがめたままの恰好で、天井の高さを測りながら進んでいった。そのうちに邪魔なものなしに立てるようになると、もはや長居は無用とばかりに入り口に向かって一散に歩を進め、速度もゆるめずに歩いていくと、空き地のなかに眩しい月の光を浴びて立ち尽くした。
近くで夜通し晩をしているはずの兄たちの気配がない。
豊は高く鋭く口笛を吹いた。
なにも起こらない。
彼は空き地の奥へと歩いていき、また口笛を吹いて呼んでみた。
楡の木立ちのなかで、なにかが動く音がした。
はっとふり返ると、真っ白い大きな梟の体が舞い降りて豊の頭をかすめ、それから急上昇して、最後に一番高い楡の枝のなかに姿を消すのが目に入った。
この梟の出現はなんとも不気味で、豊は一心に峡谷のなかを引き返すことにした。
ふたたび入り口近くの洋々たる空き地に出ると、長い間海に潜っていた者がやっと水面に浮かび上がったときのような、ほっとした気持ちを味わった。
──誰だっけ・・・・・・密、さんだっけか・・・・・・。
豊は元気よく歩き、いま目覚め、生きていることにぞくぞくするほどの喜びを覚えながら、自分自身をあの奇妙な、不安をかきたてる夢のほうから遠ざけた。
あの夢がどこから来たのか、どんな意味があるのかは考えたくなかった。
いずれはこの身に引き寄せて物思いする必要があるのかもしれないことはわかっていたが、あまりに生々しく、あまりに深刻な映像をいま、自分のなかに甦らせることはできない。彼はほかのことに頭を向けて、その幻影をふりはらい、自分の素足が地面を蹴る柔らかな音に耳を凝らした。
けれども。
足を滑らせないことにのみ神経を尖らせていた豊は、足元の霧の色が少しずつ濃くなっていくことも、背後で音もなく岩肌が閉じてゆき、そこから横の岩壁が開いて別の通路とすり替わっていくことなど、まるで気づきもしなかった。
そうやって、どのくらい歩いたのか。
──しかし・・・・・・会わないな・・・・・。
本当にいるのか──【うろ様】とやらは。
眠るには眠った──だが、夢見のなかの荒神は、目覚めてしまえば姿かたちは薄ぼんやりとしか覚えていなくて、実体があったのかどうかも定かではない。しかも、今の豊のように、長い間ひとりきりにされた後に山の神に出会った者がいたことは・・・・・聞いていない。ならば、
──このぶんだと一晩中ヒマかも・・・・・・ん?
何気なく見上げた宙の一角。
目の前、すなわち空中で何かがぼんやり光っていた。
ぎくしゃくとあたりを見回すまでもなく、視線の先には黒ずんだ鋼(はがね)のように重々しい引き戸がひとつ設えられていた。
──祠・・・・・?
豊は瞬きもせず、凝視する。
気がつけば、そこ以外に行き先があるはずでもないのに、なぜか足が進まない。
重厚な扉が、その特異な存在感でもって豊の行く手を阻んでいるのではない。
まるで、何かが・・・・・。そう、誰かが、
──行くな!
と、豊の腕を抑えているかのようだった。
こういう感覚には、覚えがある。
いや、馴染みがあるというべきか。
豊にしかわからない、一種の『予感』めいたもの。
一瞬の閃き──というのではなく、明確な指針というわけでもない。
いつも感じるというものではなく、不意に、突然来る──何か。
豊はこの手のカンに逆らったことはただの一度もなかった。
けれども今、豊ははじめて、そんな自分の臆病さを振り切るように、まっすぐ扉を見つめた。
ここまで来て、今更、何をためらっているのか──と。
だが、その扉は、
──けど、これって・・・・・ほんとに開くのかよ?
そう勘ぐってしまいたくなるほどの、いかにも古めかしい造りであった。
頭上高く、双頭の狐が豊を睨み下げている。
目に大型の翡翠を埋め込んだかのような、雪のように皙い白狐だ。
──まさか、狐の目から、いきなりレーザー光線・・・・・なんてことはないよな?
先ほどから嫌になるほど感じるあの禍(まが)の籠もった感覚は、もしかしてこの視線だったりするのだろうか。
豊は大きく息をつくと、思い切って扉の前に立った。
その瞬間──扉が音もなく左右に開かれた。
束の間、わずかに頭をよぎった不安も、引くに退けない決意の方が勝った。
豊はその中にゆっくりと足を踏み入れていった。
今年も残すところあと四日。
年賀状など書いているヒマのない小夜子です(笑)。
明日は●出現●です。
豊がいよいよ荒神の出現を受けます。
古風だとばかり思っていた豊ですが、実は意外に現代っ子なのですね。
五百年も前の少年を書いていると、特に隔世の感が・・・。
タイムスリップして、彼のなけなしの勇気を支えてあげて下さい。
◆お読みいただけたら
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最終更新日 2005年12月27日 04時15分51秒
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