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レアメタル問題(4)引き続き本城論文により、レアメタル事情につき解説する。今日はロシアの供給事情である。【パラジウム、バナジウム】 ロシアは、パラジウムの生産、対日輸出で、世界第1位のシェアを持ち、またニッケルの最大生産国、バナジウムの最大埋蔵国である。【政治が法律の上位にある】旧ソ連崩壊後、鉱業法を制定し、投資環境の整備を図った。法制日の掛け声は高いが、実際の行政の現場では、実効性がないのが現実である。さらに貿易ルートの多元化による混乱や許認可権限が不明確なことによる供給体制の不透明感がある。すなわち、ロシアの資源政策については、法制度が不備で、政治が法律の上位に位置している。【輸出割当の決定に時間を要する】 例えば、2000年、パラジウム価格が高騰したが、これは世界生産の50%を占めるロシアが政治介入により、輸出割当を厳しく運用したことが原因である。輸出割当は毎年決定されるが、決定には時間を要し、このため毎年年初には供給が途絶えている。日本は裁量行政といわれるが、あくまで法律の範囲内だ。ロシアの場合は法律を超えて裁量行政が行われているようだ。
May 31, 2005
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【中国は一大原産国】 中国は、レアメタル31種の中で、生産量で8種、埋蔵量で6種、対日輸出量で8種について世界第1位のシェアを持つ世界最大のレアメタル資源国である。中でもタングステン・アンチモン・バリウム・ビスマス・レアアースについては生産・埋蔵・対日輸出のいずれも世界第1位である。特にレアアースについては、生産で88%、対日輸出で90%、タングステンについては生産で79%、対日輸出で74%のシェアである。【中国の戦略的鉱物資源政策】中国の鉱物資源に対する政策はきわめて戦略的であり、例えばレアアースについては、海外企業の鉱山開発への参入は認めず、鉱石の輸出は、輸出ライセンスの発給抑制により制限している。一方、レアアースの精錬・加工分野については、レアアースの磁性材料や蛍光体などへの加工度向上、新素材開発を図るべく、外国企業との技術交流や投資を奨励している。【今後の中国の出方】 中国のWTO加盟による経済の国化はプラス要因となるが、中国の資源政策が鉱種毎に区別化された方針を取っており、その動向は必ずしも透明ではないので注意する必要がある。 今後中国の高い経済成長に伴い、中国と日本の関係は生産国と消費国という関係から、将来、ともに消費国として競合する関係への変化して行くことが予想される。【日中レアアース交流会議】 レアアースについては「日中レアアース交流会議」が毎年開かれ、レアアースの流通・貿易状況・需要動向・」技術開発動向・資源の賦存・生産状況・レアアースの開発・利用に関する日中協力などについて情報交換を行い、日中相互の認識と理解の向上を図っている。日本にとって中国はレアアースの最大の供給酷である一方、中国にとっても日本は最大の輸出相手国であり、さらに中国はレアアースの加工度向上・レアアースを原料とした新素材の開発で、日本の技術協力や投資を求めている。そこで交流会議でコミュニケーションを深めることで一定の成果が上がっている。 報道によれば、1998年のレアアース資源の過剰生産と乱売による国際価格の暴落に対して、中国は輸出総量規制を行っていたが、98年はこれがうまく出来なかったため価格が暴落したことをふまえ、1999年の会議で、日本側から価格の安定化など管理強化が要望された。 2000年の会議では日本側が中国の輸出ライセンス発給が遅れたため、円滑にしてもらいたいとの要請を行っている。中国側からは、ライセンスの発給は、現業分野に移している、98年の改革後は、国家経済貿易委員会―対外貿易経済合作部―小規模今司(数社増加)―ライセンス発給となった。機構改革が定着してくれば、発給も早くなるとしている。 このようにコミュニケーションを深めることで日中両国にとってwin-winの関係を築く事を目指している。
May 30, 2005
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(1)備蓄 現在レアメタルに対する日本の備蓄は1983年創設されて、レアメタル31種のうち7種について備蓄対象とされ現在に至っている。 この7種とはニッケル・クロム・タングステン・コバルト・モリブデン・マンガン・バナジウムである。備蓄目標は我が国消費量の60日分であるが2003年度末で41.5日分であり、財政的制約を理由に平成9年度以降新規積増を停止している。 備蓄対象については、主に特殊鋼用途のマンガンやニッケルは廃止し、日本経済を牽引するIT産業や環境産業により直結し、かつ特定国への偏在度が大きく、かつ近年市場価格が実際に大きく乱高下したタンタルやパラジウム等に交換すべきであるという意見がある。 また、本城博士は点数付け(スコアリング)による動態的適正備蓄モデルを提示して31種のレアメタル毎に備蓄量を決めるモデルを提案している。(2)リサイクル リサイクルが進めば、国内に鉱山があるようなものであるから、リサイクルを促進する必要がある。リサイクルには、工程内スクラップからの回収および最終製品の回収の両面がある。 例えば、2000年の我が国のガリウムの使用量は139.5トンであったが、最終製品での使用量は16.9トンに過ぎず、122.6トンが公邸内のスクラップとなっている。このスクラップのうち93.7トンが回収されているので76.4%の回収率となっている。砥粒やオイルを含む粉城スクラップや加工廃液のような低品位スクラップの回収・リサイクル率は現状では低い水準であり、技術開発により向上を図る余地はある。 またレアアースは用途が多く、また製品価格も比較的安いため、永久磁石や蛍光体の製造工程の工程内リサイクルを除いて、リサイクルは現状では行われていない。しかし携帯電話・パソコン・ハイブリッド自動車などに使用されるニッケル水素二次電池中のレアアースについては、リサイクル関連法制度の整備が進展する中で、今後のリサイクル技術の開発等により使用済み製品からのリサイクルについても可能性があると言われている。 明日からはレアメタルの供給状況例を本城論文により、具体的に国別に記述する。3日間にわたって、それぞれ中国・ロシア・コンゴ共和国を取り上げる。
May 29, 2005
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日本は中国をはじめとしてカントリー・リスクのある国々に希少金属(レアメタル)の供給をほとんど依存していて、多角的な対応が必要となっている。レアメタルとはベースメタルと対になる概念である。ベースメタルが銅などの基礎的な金属であるのに対して、レアメタルは希少金属とも呼ばれ、地球上での天然の存在量がきわめて稀である31種類の金属の総称である。レアメタルは産出国が限定されており供給がきわめて脆弱である。この問題については読売新聞にも記事になったが、次の論文を入手できたので数回にわたって解説する。本城薫「供給障害リスクに対応したレアメタルの動態的適正備蓄モデルに関する研究」児嶋秀平「鉱物資源安定供給論」レアメタルは次ぎの金属であり31種類ある。ニッケル・クロム・マンガン・コバルト・タングステン・モリブデン・バナジウム・ニオブ・タンタル・ゲルマニウム・ストロンチウム・アンチモン・プラチナ・バナジウム・チタン・ベリリウム・ジルコニウム・レニウム・リチウム・ボロン・ガリウム・バリウム・セレン・テルル・ビスマス・インジウム・セシウム・ルビジウム・タリウム・ハフニウム・レアアースである。従来レアメタルはこれまでその大部分が特殊鋼の添加原料として、鋼材の強度、耐熱性、耐食性などを向上させるために使用されてきたが、近年は個々のレアメタル固有の金属特性を活用する部材に使用されるようになってきた。例えば、電子・情報関連では携帯電話のアンテナにはニッケル・チタン・ボロンが、液晶ディスプレイにはインジウムが、発光ダイオード(LED)にはガリウムが、発信機にはチタン・バリウムが、コンデンサーにはタンタル・チタン・バリウム・ストロンチウムが、コネクタにはベリリウムが、電力増幅器にはガリウムが、バッテリーにはコバルトとマンガンが使用されている。太陽電池にはテルル・インジウム・セレン・ガリウムが、自動車用排ガス触媒にはプラチナ・パラジウム・バナジウム・クロム・バリウム・レアアース・ジルコニウムが、石油精製脱硫触媒にはモリブデン・コバルト・ニッケルが使用されている。これらの希少資源は、レアアースの88%が中国に、クロムの83%が南アフリカに、ニオビウムの90%がブラジルに、バナジウムの50%がロシアに賦存している。これらのレアメタルは、暴動や突発的地域紛争の起こりやすいアフリカあるいは南アメリカおよび旧共産国家に集中し、カントリーリスクが大きい日本にはないので数々の供給障害が過去発生している。コバルトは1978年ザイールにおいて第二次ザイール・シャバ紛争で鉱山が操業停止となった。タングステンは1989年に中国の天安門事件による国内混乱による出荷が遅延し、1991年に中国は鉱石に新規契約締結を一時中止した。ニッケルは1987年に世界的にステンレス鋼増産出により価格が高騰した。1987年から1988年にかけてドミニカの輸出関税問題による輸出遅延があった。1997年から1998年にかけてインドネシアの旱魃による鉱山の減産があった。タンタルは2000年にITブームによるタンタルコンデンサー需要急増により価格が高騰した。モリブデンは1967年米国鉱山企業のストにより生産が停止した。また1978年から79年にかけて銅の減産によって随伴するモリブデンの供給が不足した。クロムは1997年から1999年にかけてカザフスタンの精錬企業の内紛により出荷が停止した。インジウムは2001年に中国広西省南丹県での鉱山事故により生産が停止された。パラジウムは2000年にロシア政府の輸出割当の厳しい運用による価格高騰があった。レアアースは2000年中国政府の輸出ライセンス発給の抑制による対日供給の抑制があった。クロムは1999年インドでのサイクロンによる道路冠水などで流通が停滞した。このような供給障害が発生すると、日本のものづくりに大きな影響がある。これに対応するためには備蓄・リサイクルに加えて、原産国との緊密なコミュニケーションが必要となる。明日はその点を見てみよう。
May 28, 2005
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今日も杉山徹宗「真実の中国4000年史」祥伝社ネタです。秀吉が1592年に大明国征伐のために兵を朝鮮半島に送った文禄の役の時、加藤清正も朝鮮に渡海しました。この清正の1万名ほどの部下の中に沙也可(さやか)という武将がおり、彼は常日頃から大陸の文化・礼節にあこがれ、尊敬をしていたので、朝鮮軍を攻めるのがつらく、悩んだ挙句、彼は自分の一族郎党2000人を引き連れて朝鮮軍に寝返ってしまいました。その際、当事の世界では最も優れていた日本の鉄砲技術を、明国や朝鮮軍に伝えたので、それまで日本軍に連戦連敗だった、明・朝鮮軍は一気に形成を逆転しました。沙也可(さやか)とは本名を隠しての名乗りでしょうが、彼は朝鮮式に「金忠善」(きんちゅうぜん)と名前を変えて、長く李氏朝鮮に使えたとのことです。その末裔が今でも韓国に住んでいるそうです。さらにさかのぼること7世紀にも負けています。唐の第三代高宗は663年、「新羅」の要請に基づいて朝鮮半島へ兵を出し、「百済」を滅ぼしました。唐軍は、このとき日本から到着した百済への援軍(水軍)を新羅と共に白村江(はくそんこう)の戦で破りました。日本水軍は白村江の海の干満の差が10メートル以上もあることを知らず、泥土に嵌(はま)ったところを唐軍の弓矢でいられたからとのことです。
May 27, 2005
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今日も、杉山徹宗「真実の中国4000年史」祥伝社ネタです。韓国や北朝鮮から批判されている日帝時代の「創氏改名」以前に朝鮮では姓名の強制的変更がありました。朝鮮半島を唐の力を借りて668年に統一した「新羅」の武烈大王は「唐」の文物を朝鮮に取り入れることに努めました。第一にそれまでは4~5文字前後が圧倒的に多かった姓名を中国風に二文字~三文字に統一することを強制しました。第二に「科挙」の制度を採用しました。第三に国王、貴族、官僚階級が使用する文字はすべて漢字としてしまいました。武烈大王は今日の韓国では国民的英雄とされていますが、杉山教授は日本の創氏改名政策を批判する前に自国の英雄の所業をもう一度国民に教育する必要があろうと述べています。
May 26, 2005
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1019年に五十数隻の船に乗って「刀伊」(とい)という部族は対馬・壱岐・北九州を襲った。この刀伊は女真(じょしん)族の一派である。この女真族とは、このころロシア沿海州、黒竜江下流域、松花江、牡丹江などで台頭してきた民族である。女真族は元来は狩猟民族であったが、中国文化に接して半農化した。しかし、刀伊は耕作を厭い、漢人や朝鮮人をさらってきて農作業をさせていた。つまり刀伊の目的は人さらいにあった。対馬など襲撃を受けた地方では、殺害された者365人、連れ去られたもの1289人、牛馬380等が被害にあった。杉山教授によれば、現在の北朝鮮が女親族の後裔であることを理解すれば、今日でも日本人拉致事件がたびたび発生する理由がわかるという。自民族のないものでどうしても欲しいものは、手段を選ばず人であっても拉致してしまうたいし体質が残っているからであるという。
May 25, 2005
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北京22日共同によれば自民党の武部勤、公明党の冬柴鉄三両幹事長は22日午後(日本時間同)、北京の人民大会堂で中国の胡錦濤国家主席と会談したが、その際に胡主席は歴史認識問題に関し「目にしたくない動きが日本にある」と指摘。具体的に(1)日本の指導者層の靖国神社参拝(2)台湾問題への対応(3)歴史教科書問題--の3点を挙げ、小泉純一郎首相の靖国参拝中止などを再度要求した。 その一方で、胡主席は「中日関係の友好発展は両国の根本的な利益にかなう」と述べ、両国の関係強化に努める考えを表明した。 また24日の産経新聞によれば中国外務省の孔泉報道官は23日深夜、談話を発表し、呉儀副首相の訪日期間中に、日本の指導者が連続して靖国神社参拝問題で中日関係改善に不利になる言論を行ったとし、「中国側はこれに強い不満を感じている」と述べて、呉副首相が同日突然、小泉純一郎首相との会談をキャンセルして帰国した理由を強く示唆した。中国外務省は孔泉報道官談話に先立ち、呉副首相の帰国は「緊急な公務」のためとの談話を出していたが、副首相が北京ではなく大連に帰着し、24日からのモンゴル訪問も予定通りと判明して、日本国内で中国側の名目に疑問や批判が相次いだので、改めて談話を出し、責任は日本側にあるとの立場を示した模様である。結果として副首相の訪問は日本に喧嘩を売りにきた結果となり、東アジア共同体構想も中国の自己中心主義に対する懸念が強まり前途が暗くなった。そもそも杉山徹宗「真実の中国4000年史」祥伝社によれば、中国の靖国の議論は全くナンセンスな議論であるとのことである。中国の論理は「靖国神社は戦没者と同時に、東京裁判でA級戦犯となった人々を合祀しているから、そこに参拝することは戦犯を拝むことになり、戦争犯罪人を美化することで容認できない」と言うものである。しかし杉山氏によれば大東亜戦争と言う戦争の結果で、勝者が敗者を裁くこと事態、前代未聞の厚顔無恥な出来事である。しかも裁判官が米英など日本の旧敵国人だけで構成されていた。本来の裁判は中立国の人間で構成されるべきである。しかも日ソ中立条約を破って無法にも日本の後ろから攻撃を仕掛けてきた国際法違反のソ連人を裁判官メンバーに入れていた。その上、日本を弁護し、戦犯すべてを無罪と談じたインドのパール判事の弁護は、法廷で読み上げることさえも禁止された。そもそも戦争行為は「戦時国際法」で認められた合法行為であり、兵器を持って敵を殺戮することは「犯罪」ではない。むしろ中国人が得意としたゲリラ部隊のように、一般人の姿をした兵士が兵器を持って敵の兵士を殺害することこそ、国際法では認められない卑怯な行為なのである。日本政府として東京裁判自体を公式に評価しなおすべき時に来ていると思う。
May 24, 2005
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文庫サイズの本ながら、現代に生きる日本人のために中国の歴史がぎっしり詰まった本である。四方を海に守られていた日本と異なり、漢民族は周囲から攻められることも攻めることも多い歴史だった事がわかる。特に王朝交代時には人口が激減しておりいかに過酷な殺戮が行われ飢饉があったかがわかる。著者は過去10年間で中国関連の書物を数百冊読んで、わからないところは実際に中国や韓国の関係機関と討論を行ってきたが、本書はその成果である。本書を読むと日本の山鹿素行が「中朝事実」で記述したことがなるほどと思える: 「漢民族は五胡16国時代から南北朝にかけての300年間、遼(りょう)時代の209年間、金時代の109年間、元時代の90年間、そして現在の清時代まで、野蛮人に支配され、かつ混血融合が進んだために、もはや純粋の漢民族とは言えなくなり、文明そのものも漢以来停滞をしてしまった。それに対して日本は純粋な漢民族であった孔子や孟子の教えなどを書物を通じて導入し、礼節、仁義など儒教精神を武士社会の中心に据えて発展をして来た。それゆえ、日本人こそが春秋時代の聖賢の教えを正しく受け継いだ民族であり、真の中華とは日本の事を指し、新の中国人とは、日本人のことを言う」 例えば、日本人の座り方の「正座」はもともと中国で始まり「唐」の初期までは一般に行われていたが、その後、度重なる胡人(異民族)の侵入によって、胡人が使用していた椅子とテーブルが中国に持ち込まれ、次第に正座を止めて椅子・テーブル・ベッドなどを使用するようになった。そして唐の末期には家の中に土間が出き、宋時代には正座の習慣は中国から完全になくなってしまった。方や日本では、畳が床一面に敷き詰められるようになった室町時代の15世紀末に、正座が完全に定着した。 日本は、平安時代の中期には既に唐から学ぶものは何もないとして、遣唐使を撤廃してしまった。この時点で日本は中国とは全く異なる独自の文化圏を作り始めた。例えば、日本では敵であれ悪人であれ、あるいは裏切り行為の卑怯者であれ、相手が死んでしまえば皆仏となり、死んでまで辱めを受けることはない。しかし「史記」によれば中国では楚(そ)の平王(へいおう)に父と兄を殺された伍子胥(ごししょ)はは、平王の墓を暴いて死体を引きずり出し、300回の鞭打ちを行ったが、こうした死者を辱めるやり方は、その後の漢民族しにしばしば見られる。 また、日本は中国で発達した宦官・纏足の制度を取り入れなかった。 本書が言いたいことの一つは、日本は古代中国の文化を範としてきたが、現実の中国は古代の聖賢の世界とは全く異なるものであるということである。
May 23, 2005
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反日意識の高い中国はカントリーリスクが高いのでかねてから親日的なタイ・インドへの投資が有効と考えているが、日本企業のインドへの投資例のプレス・リリースがあったので要約して紹介する(詳細は三井金属のホームページを参照されたい(http://www.mitsui-kinzoku.co.jp/):三井金属鉱業株式会社の4月27日プレスリリースによれば同社は インドに自動車触媒の生産・販売拠点を設立し、2006年10 月より自動二輪向けを中心に現地生産を開始するそうだ。今年から排ガスの規制強化が進むインドにおいて、自動車(二輪・四輪)排ガス用触媒の生産及び販売の拠点となる新会社をこのたび設立する。新会社は、本年6 月に設立し、2006 年10 月には、本格的な生産を開始する予定。設備投資額は、2007 年度までに約500 百万円の規模を見込んでいる。三井金属鉱業は従来、部品事業の一つとして、自動二輪車と軽四輪車向けを中心に排ガス浄化用触媒を生産・販売している。このたび設立する新会社は、インド国内において、同様の車種に向け排ガス用触媒の生産・販売を行い、年間400 万個の生産能力を有する設備を備える計画とのこと。現在、現地当局へ会社設立申請等の手続きを進めており、インドのデリー市南西90kmに位置するハリアナ州バウル工業団地を予定地としている。同工業団地は、数社の日系企業が進出しており、国道沿いの交通が便利な地域であることから事業に適すると判断し選定したもの。資本金は、200 百万ルピー(約520 百万円)とし、三井金属鉱業が100%出資予定。創業時の人員は、日本人3 名、現地採用36 名で対応する予定。生産立上げ当初の新会社では、タイの拠点であるMSC社から中間品を仕入れ、後工程の加工・仕上げを行い納品することで、立上げ時のリードタイムの短縮と品質確保を図る。計画では、2008 年度以降には前工程も行い、全工程生産を可能にする予定。なお、三井金属鉱業の触媒事業における海外拠点は、タイMSC 社に次いで2 つ目。2003 年、自動二輪車の世界における販売台数3,100 万台の内18%にあたる563 万台がインド国内で販売されており、同国は、中国に次いで世界第二位の自動二輪車の需要国。しかし、同国内に普及する自動二輪車の内、8 割近くが排ガス浄化のための触媒を装着していないのが現状。2005 年に入り、インド国内では、排ガスの規制強化が進められており、今後販売される自動二輪車に対し触媒の装着が急激に伸びると予想されている。既に三井金属鉱業は、タイのMSC 社からの輸出により、同国内の自動二輪車用触媒において30%近くのトップクラスのシェアを有している。今後、新会社設立によるコストダウン等の優位性を一層発揮すると共に、販売台数と装着率の伸びに伴う同国内の自動二輪大手数社からの大量受注を既に獲得していることをも背景にして、同シェアを約50%にまで高めていきたいと考えている。また、新会社は今後、触媒事業に止まらず、同じく当社の部品事業である自動車用ドアロック事業の生産・販売の実施をも積極的に検討していくとのこと。二輪車と共に、これから四輪車が普及する余地も極めて大きいインドにおいて、本格的なモータリゼーションの到来にたいおうしたいとのことである。
May 22, 2005
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4月から個人情報保護法が施行されており、各企業は個人情報の流出防止にやっきとなっているが、保険会社のAIUが個人情報漏洩保険を販売していることを知人から教わった。この保険の特徴は、個人情報が漏洩した時の損害を保障するだけでなく、対応についてのコンサルティングを行う点にある。個人情報の漏洩が判明した場合には、原因の特定・被害者の苦情対応・マスコミ対応・取引先への説明・訴訟対応、株主対応、行政対応など、いきなり対処する案件が発生する。大企業ならスタッフをいろいろ抱えているから良いが、中小企業の場合はそうもいかないので、いきなり社長が前面に立たなくてはならなくなる。このようなときに、詫び状の書き方も含めた被害者対応、記者会見を含めたメディア対応、株主対応、行政対応等のコンサルを行ってくれる。 私は、個人情報保護法の施行がセキュリティ関係のソフト以外に、このようなビジネスチャンスになるとは思ってもいなかったので、目の付けどころに感心した次第である。この種の保険は、他の日系損害保険会社でも扱っているそうだ。
May 21, 2005
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保険会社のセールスマンからは聞けない保険についてのノウハウを詳しく書いた本である。特に「転換」については有利な既得権(高い予定利率)を放棄させるので、「転換」を勧めるおねえさんや保険会社とはできれば縁を切った方が良いと手厳しい。
May 20, 2005
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毎月保険料を払っている人のための保険商品紹介だ。7パターンのニーズに分けて10の保険を紹介している。冒頭紹介されているソニー生命の逓減定期保険・喫煙リスク区分型は、保険金が逓減していく。これは、年をとれば必要保証額が減るのでもっともだと思った。また喫煙者と非喫煙者で保険料率が異なる(例えば7300円と5900円)。その他アリコ・ジャパンのドルとユーロの分散投資できる保険もおもしろいと思った。 本書を読んだきっかけは営業マンから、今契約している保険の転換を勧められたからだが、つくづく自分で勉強すると見方が拡がるものだと思った。
May 19, 2005
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福知山線の事故について、民営化のせいで公共性が失われたのが原因とする意見があるが、とんでもない。 私が通勤に使っている私鉄は、オーバーランは全くないし、ATSも新型をつけていると報道されている。私鉄はちゃんとやっているのだ。 むしろ今回の事故で見え隠れするのは、事故に対する組合等の親方日の丸体質、過剰な権利意識(非番に対する意識等)だ。動労系の組合がまだ残っているのにも驚いた。騒ぐだけでなく内部告発もありで、会社もさぞかし大変だろうと思う。民営化しなかったらどうなっていたことか。 さらに、JRの民営化によって、国会議員の圧力から自由になったことが大きい。もしも早く民営化されていたら、東海道新幹線が関ヶ原の豪雪地帯を通ることはなく、もっと南のルートを通っていただろうと言われている。経済的合理性を欠いた駅を作る必要もなくなった。
May 18, 2005
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Yahooの毎日新聞ニュース(5月13日)によれば、兵庫県赤穂市の少女が約3カ月監禁された事件で、小林泰剛容疑者(24)が逮捕されたが、犯行内容は東京都足立区内のマンションで少女を監禁し、中型犬用の首輪をつけ、鎖でドアのノブにくくりつけたり、着衣を脱がせてカメラ付き携帯電話で写真を撮ったり、また、少女に「ご主人様」と呼ばせ、ささいなことで暴行を繰り返していたとのことである。また17日には大阪府堺市の露天商手伝い・鄭隆之容疑者が逮捕された。この男は、出会い系サイトで知り合った17歳の少女をおよそ3週間に渡り、容疑者の自宅や車に手錠などで監禁した疑いが持たれている。小林容疑者は、女性を陵辱する「調教ゲーム」に影響されたようだが、あまり難しく考えないで、この際法律を作ってこの種のゲームを製造禁止・販売禁止にしてしまえばよい。言論の自由という人がいるかもしれないが、言論の自由とはそもそも政府を批判する言論の自由があればよい。男性に絶対服従する幼稚な女性像をベースとする作りもののゲームは女性の人権侵害を助長するものであり、言論の自由を口にする権利はない。
May 18, 2005
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韓国中央日報によれば、韓国代表のの看板FW、安貞桓(アン・ジョンファン) Jリーグ、横浜F・マリノスで活躍中で、11日、中国山東省で行われたアジアチャンピオンズリーグの山東魯能との試合に出場した。横浜が1-2でリードされていた後半、軽い負傷をした中国選手が競技場の隅でしばらく横になっており、進行要員4人がたんかを持って競技場へ入った。 中国選手をたんかに乗せ、進行要員らがゆっくり出て行こうとするので意図的に見える中国側の時間引き延ばしとして安は抗議をした。しかし、進行要員の1人が安に対して中指を立てて見せた。 これに激怒した安が抗議しようと進行要員に近づくと、またたく間に中国選手が駆け寄った。安を取り囲むと、ある選手(ドクター?)がこぶしで安の顔面を殴ったそうだ。暴行を受けた安選手は顔を覆うようにして運動場に倒れた。 こんな国で本当にオリンピックを開催して大丈夫か国際オリンピック委員会は十分検討した方がよい。
May 17, 2005
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韓国中央日報は情報源として重宝しているが、読者のコメント欄と掲示板は、匿名をいいことに記事の内容と関係ないものも含めてスパムまがいの書き込みがあり、読むに耐えないものがある。韓国中央日報はさぞかし当惑しているだろうが、いたずらは人類の性(さが)、掲示板に「荒らし」はつきものなので、全く内容に関係ない書き込みをしたアドレスからは書き込みができないようにするとか、amazonの書評欄のように一旦チェックした後掲載するとか、何らかの対応をした方がよいと思う。Yahooの映画評コーナーのようにトイレの落書き化しないように、非礼な書き込みには容赦ない削除を期待したい。
May 17, 2005
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本日の中国新聞によれば、中国地方で二〇〇八年度までに、八十三基以上の風車を新たに稼働させ既存の十八基を含めると百基を突破するそうだ。日本海からの風に恵まれた山陰を中心に、国内有数の風力発電地帯になりそうだ。【福禄太郎の私見】風力発電はクリーンエネルギーとされているが、採算性については雑誌「選択」2001年5月号によれば、風力発電は安定供給が難しく、コストが1キロワット当たり10円程度なので火力発電の4~5円に比べてコスト高だそうだ。日本野鳥の会の「野鳥」誌に寄れば野鳥にとっては迷惑この上もない。霧が出ると野鳥は風力発電のプロペラがわからずぶつかって死んでしまうからだ。生態系も含めた慎重な審査が望まれる。特に霧の多い地域および渡り鳥のルート上は禁止すべきだ。電力の安定供給のためには風が常に吹いている洋上に設置することが良いのだが、海鳥には迷惑だ。
May 16, 2005
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イラクで斎藤昭彦さんが武装勢力に拘束されたと見られる事件は、マスコミも騒ぎすぎだし、政府や外務大臣が全面に出る事件ではないと思う。本人の家族も無事は祈っているだろうが、これだけ騒がれると迷惑なのではないか。そもそも本人の意思で危険なガードマン業務を引き受けたのだから、せいぜい外務省の課長補佐レベルの対応で良いのではないか。これだけ重大事にするのなら、イラク政府に頼んで日本のパスポートを持っている人は入国させないようにするとか、入国した人から罰金を取るとか予防措置をきちんとすべきだ。政府・外務省はこのように自発的に危険に飛び込む人間には予防措置を中心に対応し、むしろエネルギーを、自分の意志に反して拉致された拉致被害者の方に注ぐべきだ。拉致被害は、外事警察を中心とする北朝鮮に対する防諜活動が法の整備も含めて甘かった等による結果であり、政府および政治家の責任はきわめて重いと思う。
May 15, 2005
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JR西の運転手2人が事故に遭いながら救出活動に参加せず出勤した件で辺見庸の「オウム事件とメディアの荒廃」というエッセイを思い出した。辺見庸はもと共同通信外信部次長で、「自動起床装置」で芥川賞受賞、「もの食う人々」で講談社ノンフィクション賞を受賞したライターである。以下要約する:辺見庸(へんみよう)のワンルームの仕事部屋は、地下鉄日比谷線・神谷町駅の近くにある。彼は桜田通りを歩いてそこに向かうところだった。神谷町駅にさしかかったとき、30歳くらいの女性が一人、うずくまってのどのあたりを手で押さえたり、目のあたりをしきりに手で拭ったりしていた。地下鉄の出口から、地下鉄の職員が、もう一人の女性を型で支えるようにして地下構内からあがってきた。それはもっと若い女性だった。辺見は職員に「どうしたのですか?」と訪ねると職員は「今日は、みんな、お客さんがおかしいんです。」と言う。社会部の記者として、取材がてら地下鉄構内にはいると、そこには線路の枕木のように足を投げ出してへたり込んでいる人がたくさんいて、その投げ出した足を、ひょいひょいと器用にまたぐようにして改札口を目指して行く多くの通勤者がいた。すべての関節が脱臼したようにぐったりし、おびただしい汗をかき、口の端に泡を浮かべた人もいる、声も出ないーそんな人たちが次から次へと運びあげられていく。地上に被害者が運び出されているというのに、当初見た救急車はたったの一台だったが、報道車両はいっぱい来ていた。新聞記者やテレビのクルーもたくさん来て、みんなまじめに仕事をしていたが、誰も助けようとしない。あれだけ多くの報道車両があるのなら、周辺の病院にどんどん運べばいいじゃないかと思うが、そうはしない。へどを吐きそうになっている被害者を捕まえて、「不振な物はいなかったか?」「薬物は見なかったか?」という質問を連続していた。にもかかわらず、あの現場には一つとして特別の悪意もなかった。通勤者たちは通勤者で一分でも遅れまいとして職場を目指し、新聞記者は取材に夢中だった。一番奮闘していたのは地下鉄職員だった。この地下鉄サリン事件については当初何が起こったかわからなかったこともあって日常の「慣性」(イナーシャ)に従ってみんなが行動していたのだと著者は観察している。私はそんなに難しく考えないで、学校教育で事故の場合は被害者救出を優先することを教え込み、会社の就業規則には「事故の被害者がいるのに放置して出勤してはならない」と書くことで、社会全体での助け合いを形から入っていくようにしないと駄目だと思う。特にマニュアル人間はそうだ。今回は脱線事故ということで事柄が明確だったこともあり、近くの工場の人も救助に駆けつけたのは良かったと思う。
May 14, 2005
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春香伝(しゅんこうでん)を読んだついでに、韓国の民話集(第三文明社)に収録されている他の民話も通読した。26の民話の中で3つの話に豊臣秀吉が登場する。残虐な侵略者としてである。簡単に紹介する:第一は「イーハンブッ(李恒福)の知恵」で、「秀吉軍が攻め入ったときにこれと戦った名将の中にイーハンブッがおります。」という文章からはじまっていて、具体的な戦争の話はないが、この将軍が小さいときから知恵者であったことが語られている。第二は「夢でめとった妻」で、李朝時代の智将チョンチュシン(鄭忠信)とその賢妻の話である。彼が17歳のときに、日本の秀吉軍が攻めてきて全国各地が火の海になった。チョンチュシンの住んでいた全羅道地方も日本の激しい攻撃にあった。この地方の総責任者は情勢(敵の軍勢・敵将の名前等)を義州の朝廷に知らせたかったが途中の道を敵に断たれてできなかった。チョンチュシンが連絡役を買って出て書状を預かった。途中の道で通った村の中には、家々が全部焼き払われ、働き手たちはみな日本軍にさらわれていき、わずかの年寄りと子供しか残っていなかったところがあった。また戦いで死んだ者たちの片手や片足のない姿や、頭を割られ脳みそが飛び出した姿などとても耐え難いものだった。敵の間を縫って進んで行ったが、検問の厳しい場所にぶつかった。たまたまそばにいた、へちま顔の女(やがて妻になる)のアドバイスで、彼は書状をこよりにしてわらじに縫いこみ、そのわらじを首にかけて検問を通過でき朝廷に書状を届けることができた。その後日本との戦争が終わると中国が攻めてきて、負けてしまった。チョンチュシンは中国からの無理難題を妻のアイデアを助言を生かして機知で乗り切ったというのが話の内容である。第三は「国を守った法術」という話である。これはユジュンという僧侶の話で、秀吉軍が朝鮮に攻め入ったとき、僧兵を率いてさんざん秀吉軍を悩ませたとのことである。このユジュンは法術(卵を一つずつ垂直に積み上げて塔を作るなどの不思議な術)を使えたとのことである。
May 13, 2005
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中川八洋「保守主義の哲学」を紹介する。 現在繁栄を謳歌しているアングロサクソンの国々のよって立つ政治思想に「保守主義」がある。これは英国に伝統を発し、コーク卿→ヘイル→権利章典→ブラックストーンという流れを経て、フランス革命と全面対決したバークの「フランス革命の省察」で大成されたとのことである。一方、米国では、このバークを経由せず、先述のコーク・ブラックストーンの法思想が、ハミルトンらによって、そのまま米国の保守主義思想となった。 保守主義は、デモクラシー(民衆参加の政治制度)の危険性を認識し、アナーキーな衆愚政治に転落しやすいし、また、専制もしくは全体主義へと反転しやすい制度と考える。 そこで憲法や裁判所で議会の暴走を阻止しなければならないと考える。適切な統治機構が会って初めて「自由」が確保されると考える。そして伝統・家族を重視する。従って大量殺戮が行われたフランス革命を徹底的に批判する。第1章では米国保守主義の父「アレグザンダ・ハミルトン」を中心に米国の憲法思想を論じる。中川八洋によれば米国憲法に関する誤った解釈が日本で横行している。第1に「人民主権」に基づく憲法といわれているが、実は「人民(国民)主権」を全面否定した憲法である。第2に「デモクラシー」を理想として建国したといわれるが、事実は「デモクラシー」への警戒と牽制で誕生した国である。第三に天腑の「人権」を尊重すると思われているが、「人権」を否定して「米国民の権利」を定めた。第四に州への「地方分権主義」といわれているが、実は州権は原則そのまま認めながら、そのうえに強力な中央政府を重ねており、分権などしていない。第四に「平等社会」を理想とするといわれているが、「平等」は全面否定している。ハミルトンは言う:「財産の平等はありえない。自由のあるところ不平等が存在する。不平等はまさしく自由があるから不可避的に発生する」(福録太郎の私見) なるほど、インベストメントバンカーは六本木ヒルズに住み、僕は狭い家に住んでいるのは自由がある社会だからか。
May 12, 2005
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私は仏教徒ですが、どうして不倫小説・不倫映画がはやるのか不思議でなりません。モーゼの十戒を破れば不幸になるのが古来から分かり切っているのに、あたりまえのことを描いて何がおもしろいのだろうかと思います。 そこで不倫小説の対極にある話を紹介します(以下はネタばれあり)。かねがね知日家の韓国人である呉 善花(オソンファ)さんの著書にあったので「春香伝」(しゅんこうでん)を読みたいと思っていたのですが、先日、韓国の民話集(第三文明社刊行)の中に収録されていましたので読む機会がありました。私はこの話に、素朴な力強さを感じました: 全羅道南原(チョルラドナモン)に住む春香(しゅんこう)は小さいときから賢くておてんばな女の子でしたが、親譲りの美しい顔立ちは誰からも好かれていました。この少女に代官の息子イーモンリョン(李夢龍)が恋して二人は婚約しました。イーモンリョンの父の代官が都に栄転に成ったので、この二人は別れなくてはならなくなりました。イーモンリョンは都で科挙(役人になる試験)を受験するのです。 さてイーモンリョンが都へ行った後、新しい代官としてピョンハクド(下学道)がやってきました。この代官は女好きで、領内の美女を集めるよう命じました。しかし春香が来ないのに怒った代官は春香を逮捕しました。そして自分の女になることを命じたのですが春香は「忠臣は二君に仕えず、烈女は二夫にまみえないと言います。私は死んでもあなた様のお言葉には従えません!」と言って、逆に代官の非道を非難しました。激怒したピョンハクドは家来に命じて春香を鞭で打ちました。次々に振り下ろされる鞭に春香は気を失ってしまいました。 イーモンリョンは科挙に合格し、代官の不正を暴く暗行御使(あんこうぎょし)の役職につきました。そして全羅道南原を調べると、自分の婚約者の春香が代官に見初められたものの、言うことをきかず獄につながれているということがわかりました。 ピョンハクドの誕生日になりました。歌と踊りの宴が進む中、春香が引き立てられて来ました。ピョンハクドは春香に「どうじゃ、心は変わったか」とたずねると春香は「いいえ、ますます決心が固くなりました」と答えました。怒ったピョンハクドは処刑を命じました。そのとき、部下を従えたイーモンリョンが現れ、ピョンハクドを逮捕しました。そしてイーモンリョンと春香は結婚して幸せに暮らしました。
May 11, 2005
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著者の福岡良男氏は東北大学医学部名誉教授であるが、1944年に陸軍の軍医として召集されインドネシアで2年間で勤務した経験を持つ。 本書はその経験を克明に記録したもので、大東亜戦争の実相をかいまみることができる。それは大東亜共栄圏の理想であり、アジア諸国の植民地支配からの解放の理想であり、現地への日本軍の無知、陸軍内部の暴力支配と無責任体制、陸軍と海軍の対立、現地住民の被害、慰安所等である。 特に医師としての分析は貴重である。第一は日本軍が定員を無視して輸送船に兵士を詰め込んだために熱射病で死者が続出したこと。第二に兵士たちが兵舎に長期間拘禁・隔離されているために拘禁性精神異常状態となるものが続出し、思考・感情・行為の障害、妄想・幻覚・自我意識障害などの精神異常症状が出てきて、上官に抵抗できない階級の下の物や現地住民に言いがかりをつけて私的制裁(ビンタ)を加えたり、嫌がらせをしたこと等である。 救いは、インドネシアに対するオランダの過酷な植民地支配(現地住民には医療を受けさせなかった)から一時的にせよ日本軍が解放したこと、敗戦後の日本兵の一部(1000名、半数は戦死)がインドネシア独立戦争を闘ったこと、そして著者の医療活動が現地の人に感謝され、現在でも著者がインドネシアとの友好に尽力していることである。
May 10, 2005
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日経の5月8日の記事によれば公立小学校について30ー35人学級の検討を中央教育審議会が行うそうです。先日柏餅を持って実家に帰る途中で、ある政党のポスターに「30人学級を!」と書いてあったので危ないと思っていましたが、とうとう来たかという感じです。昔は「40人学級を!」と言ってましたが、今度は「30人学級を!」かという感じです。最後は1人1学級まで行くのでしょうか???たしかに1クラスの人数が少なければきめ細かい対応はできるでしょう。しかしそのコストを誰が負担するのでしょうか。財政赤字で増税が迫っているというのにどうして効率的な教育をしないのか疑問です。現状40人学級なら効率性を高めて45人学級にするのが民間の感覚でしょう。私はこんなことのために消費税増税なんか真っ平ごめんです。私が小学生の頃は50人学級でも先生に権威があって十分教育ができていました。少子化でこのままでは先生のポストや文部系の役人のポストが余るという危機感があるのかもしれませんがそれは納税者を馬鹿にした話です。そもそも、コスト意識のない政治家・官僚は「良いことをどんどんしよう」という感覚で、パーキンソンの法則(人が増えただけ仕事を増やす)を忠実に守り、予算をとり、ポストを確保することのみをかんがえ、つけを後世代の納税者にまわすのを自分たちの仕事と考えているようです。しかし、少なくともキャリア官僚はそういう動きに抗する見識を持って審議会に提言して欲しいものですし、政権政党の政治家も増税につながる案件は早めに潰して欲しいものです。
May 9, 2005
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本書は保守主義の論客である著者のあるべきと考える憲法改正を論じたものです。この保守主義とは、デモクラシー(民衆参加の政治制度)の危険性の認識し、伝統をその歯止めとして考えることのようです。デモクラシーはアナーキーな衆愚政治に転落しやすく、専制もしくは全体主義へと反転しやすい危険性をはらんでいると著者は考えています。概要を紹介します: 第1部は正統の日本国憲法として中川氏の案が示されていて、日本の伝統を尊重した内容となっています。 第2部は国民の憲法の絶対3条件として、皇室・国防軍・家族を論じています。特に天皇家の継続性のため「宮家」の復活を提案しています。 吉田茂が憲法第9条を維持して国防軍の債権を回避し、警察と軍隊の中間的な実力組織である現在の自衛隊に止めようとした理由は、旧陸軍の軍人に数多くの共産主義者がいたからとしています。 国防については、日本は南下するロシア・東進する中共の脅威を認識すべきと訴えています。日本は1945年8月の満州の悲劇を忘れてはならないと書いています。155万人の在満の一般邦人に対し、ロシアは国際法もポツダム宣言もすべて無視して殺戮とレイプと強盗を繰り返し、主に婦女子13万人は日本の故国の土を踏むことはできませんでした。またシベリアに強制連行された105万人の関東軍の将兵・一般男児のうち帰還できたのは52万人ですから、差し引いた53万人が酷寒の中で餓死・凍死・病死したことになり、これは原爆被害の5倍以上になるとのことです。 また戦後の民法は日本の「家」制度を徹底的に破壊したので好ましくないと述べています。 第3部は国家簒奪・大量殺戮の思想を排除するというタイトルで、日本国憲法に内在するフランス革命の教理を改めることを説いています。それは国民主権・人権・平等・政教分離の思想です。特に政教分離については1989年2月24日の御大喪について葬場殿の儀を皇室の儀式と国事に分離したことを批判しています。 第4部は亡国にいたる三つの憲法改悪として読売新聞の改憲案を批判しています。「三つ」とは一院制、首相公選、地方分権です。中曽根康弘元首相の政治姿勢に疑問を呈し実は左翼ではないかと推測しています。 フランスの上院である元老院、特にその選出方法は、日本の参議院改革にとって貴重な参考例であるとしています。それは第1は選挙団による間接選挙であり、一般有権者の投票を排除していること。第二は地方が主としてこの上院議員を選出し、都市選出の上院議員を確実に少数となるよう工夫され、旧貴族階級から選出しようと意図しているとのことです。 首相公選制についてはアナーキーな衆愚政治に転落しやすいので否定し、議院内閣制を死守すべきとしています。(福禄太郎の私見) 現在議論されている憲法改正論議では天皇制の維持が世論の大勢を占めています。そのためには、「宮家」を復活したほうが天皇の後継問題について安定感のある運営ができ、今のように雅子様にプレッシャーを感じされることも少ないと思いました。
May 8, 2005
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保守派の論客の著者による日本の核武装の勧めです。 中国は対日戦争を準備しているので日本の核武装は必須であると論じ、また核超大国ロシアの脅威にも備える必要があるとしています。 また、日本はスイスにならって3000万世帯すべてについて核シェルターを建設すべきと説いています。 さらに日本は北朝鮮のノドン・ミサイルの脅威にさらされているので、ミサイル基地を核トマホークで先制攻撃し、金正日体制を崩壊させて始めて拉致被害者は全員無事に日本に帰還することができると論じています。従来の国際法は抑止を前提としてたが、抑止の効かないテロ国家には先制攻撃が許されるとするブッシュの理論は日本にとって好都合と評価しています。 (私見) 中国はロシア・インド・フランスなどの核保有国とは友好関係を結ぼうとしていますから、日中友好のためには逆説的ですが日本が核保有国になるのが手っ取り早いと思います。しかし、日本が北朝鮮に核の先制攻撃をすれば、中国は北朝鮮を保護してきた経緯から、中国にある日本企業の資産をすべて凍結しレアメタルなどの物資の輸出を停止すると私は予想します。それに日本の財界・国民が耐えられるとはとても思えません。著者は、日本企業の中国からの撤退を力説するのですが、日本の消費財の多くが中国で生産されている現状ではきわめて困難と判断します。
May 7, 2005
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首相官邸・環境省の主導する地球温暖化防止「国民運動」は愛称を「チーム・マイナス6%」と言います。 京都議定書による我が国の温室効果ガス削減約束である“マイナス6%”の達成に向けて、みんなで一丸となって地球温暖化防止に立ち向かおうとする運動です。小泉純一郎内閣総理大臣がチームリーダーです。 私はかねてから、夏服として背広にネクタイは不合理と考えていましたので即参加して、ブログのトップ自由欄にバナーを貼りました。メンバー登録をしたら2500番台でした。 沖縄を除いて、夏の日本で背広にネクタイが無くなるのは、まだまだ先のことと思っていたのですが、この気運に乗って今年から実現させたいものだと思いました。
May 6, 2005
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官房副長官を竹下・宇野・海部・宮沢・細川・羽田・村山の内閣で務めた官僚の中の官僚が自らの経験を顧みて政策・政治を論じたものである。官僚から政治家へ、中央から地方へという政策の流れと、ますます重くなる選挙民の責任を語っている。 以下は内容の一部の抜粋だが、地に足のついた議論が多く面白かった:1.政党助成金制度ができるときに、現実に選挙活動に政治家がどれくらい資金を必要としているかを調べて、その額を基礎に助成金の総額を算出した。それがマスコミを中心に金額が多すぎるという批判が出て、半分に削られて結局政治家は資金集めに走らざるを得なくなり、制度そのものの意味がなくなってしまった。2.中国政府は最近、官庁の有能な若手をアメリカの一流大学のMBAコースやロー・スクールに留学などさせ、人脈作りと大学の議論の中で中国の考え方を理解してもうことを狙っている。 日本でも、農産物交渉などのときに、官僚の海外留学組の個人のネットワーク情報で、アメリカ政府の本年を探ることができ、交渉にとても役に立ったことがある。だから官僚を積極的に海外留学させるべきだ。3.著者の友人の企業の人事担当者によれば、地方の国立大学の学生の学力の低さに驚くとのこと。大学改革をしなくてはならない。欧米では工学部系の大学に「プロフェッショナル・エンジニア(PE)」という公的な資格がある。世界の先進国でこのPEの制度を持っていないのは日本だけである。国立・公立大学の改革は、強大な権限を持っている教授会の力を少し弱くし、理事会や事務方などと対等の立場で改革の議論をしていくべき。4.55年体制派表面は激しくやりあう形を取りながら、実際は話し合いの元で、双方合意の上で役割を演じていたのであり、自社さ政権は裏で行われていたことが表面に出たということに過ぎない。5.竹下首相は不人気の消費税の導入を実現させたのでたいしたものだ。小渕首相は人の話を良く聞き状況判断がきちんとできた。世間の評価は高くないが村山首相は誠心誠意で私心がないところが良い。その結果、自民党政権でずっとペンディングになっていた課題をいくつも解決し、実行した。それは年金の至急年齢引き上げであり、機器のときの自衛隊機による邦人救出のための自衛隊法改正であり、消費税率引き上げ(3%→5%)であり、原爆被爆者援護法制定などである。6.阪神・淡路大震災で、神戸市の対応が遅かったのは神戸市長が自衛隊嫌いで有名といわれた人であったからではないか。被災者救出のために自衛隊と在日米軍が神戸の港湾の利用を要請したのに対して、神戸市側の対応は必ずしも迅速とはいえなかったと報道されている。7.夜に無灯火の自転車を取り締まることを警察はしていないのに、事故が起これば自動車側の責任となるのはおかしい。8.県知事や市長選挙は首相と異なり、県民や市民が自分の投票で代表者を選べる大統領型の選挙であり、ともすると人気投票的になりタレントといわれる人やマスコミで名前を売った学者、評論家が選らばれることがある。美濃部都知事は財政から教育まで東京をガタガタにした。青島氏は都市博覧会を中止したほかは何もしなかった。(福禄太郎の私見)著者は選挙民はしっかりしてほしいというが、私はこれは間接選挙または県議会で選ぶようなシステムにしないと解決しないと思う。横山ノックのようなセクハラ人間が選ばれる可能性は高い。最近の千葉県知事選挙でももう少し投票率が高かったら森田健作になっていたのではないか。その結果、先例踏襲主義の官僚の言いなりになるのだ。9.湾岸戦争のときに支援金について大蔵省が猛反対をし査定をして値切ったから海外から「too little too late」と言われてしまった。こういうときには政治が決断しないといけない。湾岸戦争で、自衛隊の掃海艇を出す議論の前に、救援の輸送協力をしようということになり、フライトを日本航空に依頼したら、パイロット組合が反対なので協力できないと言われ、管理職だけでもフライトできないかと話をしたが、これも保険がきかないところへは飛べないとだめだった。船会社に頼んだら、海員組合が反対でホルムズ海峡には入れないから出せないといわれた。結局日本政府はアメリカの民間会社の輸送機をチャーターして対応した。この問題を担当して、日本とはどういう国なんだろうと著者は思った。(福禄太郎の私見)日本は国防への敬意が少なすぎる点が問題だ。10.かつて、NTTが電電公社と呼ばれていた時代に、公社と組内の間で激しい闘争が行われた。このとき、当大卒エリートの若手電話局長が対応できず、ノイローゼになる一方で、高卒のたたき上げの幹部が問題をきちんと処理し、解決するケースが少なからず出た。ここから電電公社の経営陣は学歴は関係ないという判断に立ち、当時、5ないし6人しかいなかった理事(今の役員)ポストの一つを高卒者の指定席にした。11.大蔵官僚が20台で地方の税務署長になり、そこで「バカ殿教育」といわれる接待漬けになった。12.裁判に時間がかかりすぎるので司法改革は不可欠だ。13.一院制だったら、時代の流れで大きくぶれることがあり、一院制より二院制のほうが良い。14 明治から戦前までを見ると、強い官僚支配から政党に実権を取り戻そうというリーダーシップを持った有力な政党政治家が時々現れた。明治から戦前までの間、国会議員から首相になったのは原敬、浜口雄幸、犬養毅の3人である。その3人はいずれも強大な官僚機構と戦い、手ごわいと見た元勲や官僚たちの反撃情報に踊るマスコミによって金権体質と批判され、いずれも暗殺されている。これによって「政」の側は大きな打撃を受け、流れはまた軍部・官僚のほうに向かっていった。しかも、マスコミが報道したスキャンダルはほとんどが事実ではなく、跡で無実が証明されている。戦前、日本のマスコミは政治の問題点を大きく報道し、政治家を批判し続けている。しかしこれは結果的には「官」への支援となった。(なお、本書は絶版なので図書館または古本屋(ネットもあります)をご利用下さい。石原信雄氏は本書のほかにも、いろいろ書いておられるようです。)
May 5, 2005
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「ウェッジ」というJR系の雑誌の5月号に、占いコンサルタントに引っかかった事業家が破産した話が載っていた。占いがよくあたると評判の女性がいて、そのまわりには政治家や事業家が集まっていた。Qさんの父親も彼女の言葉を指針とも参考ともする一人だった。しかし、この女性占い師に事業家崩れの男がついた。この占い師は男の経営するA社の負債をQさんの父親が処理すれば事業成功間違いなしとそそのかした。Qさんは一生懸命働いたが、A社の簿外債務は20億円もあり、A社の債務処理どころかQさんの会社が不渡りを出すことになった。詳細に興味のある方はこの雑誌102頁の溝口敦氏のコラムを読んで欲しいが、私は、結構超能力系の話が好きなので、この手の「コンサルタント」には気をつけないといけないと思った。
May 4, 2005
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橋本内閣で首相補佐官を務めた江田氏が小泉政治について論じたものである。最近の政策についての議論は、やや粗い感じがした。例えば、給付と負担を均衡させる昨年の年金改革を評価していない点は勉強不足と思うし、イラク派兵や集団的自衛権に反対である点は対米関係を軽視していていかがなものか思った。しかし、さすが首相補佐官を務めただけあって、その経験に基づく部分はおもしろかった。第一に小泉政権が倒れない理由の分析は論点が豊富である:(1)金融の実態把握とセーフティネットの完備に基づき金融危機を回避していること。たとえばペイオフの延期、りそな救済などである。(2)影響力の強い財務省と二人三脚で行動していること。(3)新規国債発行30兆円枠というアバウトな目標を唱えて、状況の悪化でこの目標も捨てたように、よく言えば弾力的なこと。(4)在任中は消費税を上げないとしたこと。(5)「改革なくして成長なし」「自民党をぶっ壊す」「郵政民営化」など、政策を説明するキャッチコピーがうまいこと。また、定例の記者会見の他に、最低一日一回テレビカメラも入れての記者対応を習慣付けているなど国民に自らの考えや政策を訴える姿勢が鮮明であること。(6)基本政策について「ブレ」がないこと。第二に、江田氏が補佐官として勤めたときに得た知見は興味深い点が多かった。以下抜き書きする:(1)山一證券の自主廃業に見られるような金融ビッグバンは大蔵省が仕掛けたもので、その背景には、大蔵省の分割論議があり、財政と金融の分離を絶対阻止したい大蔵省は金融制度大改革を自分たちの存在理由としようとしたとのことである。(2)湾岸戦争のときガソリンやタバコの増税までして、合わせて130億ドルもの資金的貢献を日本がしたのに、終戦後クウェートが感謝をこめて出したニューヨークの新聞広告の載っていなかった。これは当初とりあえず、イラクに対する経済制裁措置やヨルダンなど周辺国に対する人道支援のため40億ドル規模の対策を決め、それを米英仏独などの外国プレスも招いて官邸で首相記者会見をしようとしたが、それが始まろうとするときに大蔵省が横槍を入れてつぶしたのだ。そこで外国メディアは手ぶらで帰らされた。その後政府内で改めて官僚的な手続きを踏んでから、同じ内容の支援策が数日遅れで発表されたが後の祭りだった。(3)PKO法の前身として企画立案された国際平和協力法案を外務省の所管として国民への説明や国会などへの根回しを担当させたが廃案となった。当時の外務省は条約の批准を除き、まともな法案を国会で通したことがなかった。その後官邸直轄にしてはじめてPKO法がとおった。(4)イギリスの鉄の宰相サッチャーが就任早々取り組んだのはEC予算へのイギリスの過大な分担金問題である。当時予算の70%以上がイギリスに恩恵があまり及ばない共通農業政策に当てられていたため、ECへの分担金の納付中止とECからの脱退までをも匂わせてイギリスの分担金大幅削減を勝ち取った。これにならい、日本は国連分担金は20%だが、常任理事国のロシアと中国は1%台でしかないので、ちゃんと交渉すべきだ。軍事情報筋からの情報が薄い日本にとっては常任理事国入りが不可欠である。
May 3, 2005
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北朝鮮が1日午前、東部沿岸から日本海に向けて短距離ミサイル1発を発射したことが明らかになった。日本は現在北朝鮮のミサイルの射程圏内にあり、迎撃体制もできていない。そこで以下の3点を提言したい:1. スイスのように全国でシェルター(防空壕)を建設しておくべきだ。首相官邸と皇居、警察庁、防衛庁は大丈夫だろうか?2. 雑誌「選択」2003年11月号によれば、防衛庁は米本土ミサイル防衛(NMD)の一部を活用し、日本列島上空にミサイル防衛を2008年をメドに稼働させたい考えだ。 ミサイル防衛と言っても簡単ではない。弾道ミサイルのスピードは音速の9倍以上であり、ピストルの弾をピストルの弾で撃ち落とすようなものと言われている。北朝鮮が二年以内に核弾頭つきのミサイルを手にする可能性があるとの情報もあり、日本のミサイル防衛網プロジェクトで間に合うか心配なところだ。 急ぐなら、緊急避難として米国の了解のもとに、すでに実戦配備にあるイスラエル製のミサイル防衛システム(アロー2)を緊急輸入すべきだ。これなら迎撃の実績が豊富だ。3.郵政民営化法案が国会通過後でよいから、首相が国会答弁で「日本には集団的自衛権があるが運用については慎重の上にも慎重を期す」と答弁すべきだ。これで日本と米国の軍事的なリンクが一層強いとのメッセージを北朝鮮に送ることができるので、抑止力にある程度なるだろう。 以上の考えは極端と思われるかもしれないが、ミサイルが日本の国土に落ちてからでは遅い。ミサイル落下の結果、日本中がヒステリー状態になって極右政権が誕生することも懸念される事だ。
May 2, 2005
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以前、元内閣官房長官 野中広務氏の本に、JRの地域分割を批判したくだりがあり、JR東海は収益はよくなるが、JR北海道やJR九州は苦しくなるだろうと書いていたのを思い出した。今回福知山線の事故があったJR西日本の場合、安全対策を急ごうと思ってもJR西日本だけの財源だとなかなか厳しいかもしれない。しかし収益の高いJR東海ともし一緒だったらそういう問題は少ないだろう。もしも安全対策で財源が不足するなら、JRの再統合を考えても良いのではないか。 また、私は出張についてJRも飛行機もよく利用するが、JALもANAもパソコンからインターネットで全路線を予約できるが、JRについては分割されてるためにそういうことができない。例えばJR東海については「エクスプレスカード」があり、これを持っていればインターネットで予約できるのだが、JR東海の路線のみに予約範囲が限定されている。だから東京から広島までのチケットを買おうとすると旅行代理店を使うかJRの窓口を使うしかないので不便だ。この点からもJRが統合されたほうが便利だと思っている。
May 1, 2005
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