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★ヒトデ:主に海に生息。ウニ類やナマコ類と同じ棘皮動物のひとつで、星型(多くは五芒星形)をした生物。 英語では starfish (星の魚)あるいは Sea star (海の星)と呼ばれる。先日、職場で仲の良かったパートさんが急病で入院した。早速僕は、お見舞いに行くことにした。病院は港に近く、その港へ続く河沿いに建っていた。微かな潮の匂いが鼻を衝く。横浜の工業地帯も近いので、水は濁っていて汚い。その深い緑で薄汚れた川底に、無数のヒトデが漂っていた。海が近い汽水域であったので、ヒトデの他にもコンクリートの壁に黒い貝やら牡蠣のような物がくっ付いている。濁った黒い川底の無数のヒトデを見ると、星空のようである。ヒトデはあまり好印象を持てる生物では無い。食べられるわけでもなく、人を癒す魅力も無い。沖縄に大量発生した「オニヒトデ」などは、毒を持つらしい。何より僕は個人的に、徹底的にヒトデが嫌いである。「星空」などとヒトデを美化して表現するなど許せない。・・・・それは、10数年前の暑い夏の日の事であった・・・・僕は、生物はなんでも好きである。哺乳類はもちろん、爬虫類、両生類、昆虫に至るまで生物であれば何でも観察し、名前を付け、溺愛した。ムカデやゲジゲジでさえ、プラケースに入れてしまえばポチやタマである。海へ行けば、海水浴はそっちのけで岩場へ行きカニやヤドカリを捕まえて遊んでいた。ウミウシやナマコ、もちろんヒトデも見つけ次第捕獲する。ヒトデにもいろいろな種類があり、ただ黄色い足が5本あるだけの地味なものから本当に星の形をして、グリーンやブルーの模様付きの派手なものまでいる。大概、前者のただ黄色い足が5本あるだけの地味なものがほとんどであるが、たまに本当に星の形をして、グリーンやブルーの模様つきの派手なものがいて、本当に星の形をして、グリーンやブルーの模様つきの派手なものを見つけた時は、何かに当選した時のような心境である。僕は当時、水族館の土産売り場で見かけたヒトデのオブジェが非常に気になっていた。「コブヒトデ」という、コブが沢山付いているヒトデを乾燥させたものらしく、ガチガチのヒトデが売り場のあちこちに飾られていた。僕は売り場に並ぶアザラシやイルカのぬいぐるみよりその「乾燥コブヒトデ」が欲しかった。ヒトデを乾燥させるだけなら自分でも作れそうである。ある日、家族で海に出かけた時、必死に「コブヒトデ」を探した。しかし湘南の汚れた海に、コブヒトデが居るわけもなく僕はコブヒトデを諦めた。そんな時、前述の本当に星の形をして、グリーンやブルーの模様つきの派手なヒトデを発見して僕は早速捕獲した。コブヒトデのような造形の美しさは無いが色では負けていない。形も可愛らしい星型である。僕が欲しいのとはちょっと違ったが、それでも乾燥ヒトデが欲しかったので、早速ヒトデを乾燥させることにした。手っ取り早くヒトデを乾燥させる場所を探した。夏に一番暑くなり、乾燥している場所といえば車である。僕はオヤジに車の鍵をもらい、着替えを取りに行くと言い車に向かった。僕は車のダッシュボードに、5匹のヒトデを並べた。帰る頃には乾燥ヒトデが出来上がってるだろう。僕はわくわくしながら車を後にした。数時間後、すっかり日も落ち、帰り支度をして車に向かう。そして、オヤジが車のドアを開けた。もう想像出来ると思うが、真夏の車内は予想通り、灼熱の世界であったに違いない。ヒトデはすっかり乾燥していた。表面は。ダッシュボードはヒトデから出てきた液体でドロドロに汚れていた。そして耐え難い悪臭。ヒトデはすっかり腐っていた。僕はオヤジにさんざん怒鳴られ、殴られた。当然である。誰一人車内に足を踏み入れる者は居ない。自分でも、吐き気がするほどの悪臭は、窓を全開にしようが芳香剤を撒こうが、効き目などあるはずが無い。完全にヒトデの勝利である。悪臭はすっかり染み付き、車を買い換えるまで悪夢は続いた。ヒトデの祟りとしか言いようが無い。それ以来、ヒトデは個人的に、徹底的に嫌いな生き物である。
2007/03/15
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