如月劇場

如月劇場

2011年11月25日
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悪い事は重なると言ってもこんな日があってもいいのだろうか。認めぬ。私は断じて認めぬぞ。


起床10時、快適な朝を迎えた私はもう一回も休めない、「マジで留年る(おちる)5秒前!」となったどうでもいいゼミへ行くべく颯爽と自転車にまたがったら後輪が何者かにパンクさせられていた。一瞬で沸点を迎え阿修羅のような形相になったが犯人は分からない。

もういいやと思って急いでバスに乗ろうとしたがバスが既定の時刻より20分たっても全く来ない。二条城付近で大破したのだろうか。アホったれ京都市バスなどはどうでもいいが、この時点で私はゼミ欠席が決定した。この怒りを誰にぶつければいいのか。じゃあもっと寝れたじゃねーかという割と根源的なところで後悔し始め、バス停で拳を握り締める如月。怯える子ども。

せめて存在意義をなくした自転車を修理に出そう。そう思い立ちいつもお世話になっている近所の老夫婦が営む個人自転車屋へ。私が玄関を開け「すいませーん」というと目の前には完全にこれから楽しい久しぶりのお出かけという装いの老夫婦。ばあちゃんの方はまるで愛しい初孫の授業参観にいくような気合の入りっぷり。きっとこの日のこーでねーとを二晩寝ずに考え抜いたのだろう。

そんな仲睦まじい老夫婦とパンクした自転車を引っ張りボケ面で突っ立っている私。お互いが「あ・・」と声を漏らす。
「お出かけされるんですか!?じゃあ全然大丈夫です!!」
「いや、大丈夫、30分で終わらせるから・・」
と自転車を私から奪うじいさん。おめかしばあさんは逃げるように奥へ引っ込んでしまった。なんてことだ。どこまで私はKYなんだ。きっと宝ヶ池の公園にでも行くのだろう。ピクニックだろう。ばあさんはおにぎりを作ってたのだろう!!!
いたたまれない気持ちで「お願いします・・・」と頭を下げる私。



銀行へ行って手続きをしていると、私が言えた義理ではないが目の死んだ受付のオヤジに「如月さん、これハンコが正規の奴と違うよ、これじゃあ作れないね」と突き返される。一体全体今日はなんだってんだ。そう思いながらしぶしぶとハンコ探しに明け暮れる私。総勢4つのハンコが家から出てきたがなんと4つ全部違うと言う。しかも若干オヤジが怒ってる。1ついわせてもらうが怒りたいのは私の方だ。事の顛末は私の愛機をパンクさせたどこぞのクソ野郎である。

結局、正規のハンコは実家にあることが判明。悲劇に震えた。私は日を改め来週に「印鑑の紛失による変更届」を出す運びとなり、最早全てのやる気を失っていた。これがなければ手続きなどもってのほかである。


途方に暮れ、学校へ。卒論ではない。私の祇園でのバイトが今、てんやわんやしているのだ。反対を押し切って勝手にやめると言い出したクソゲー・後輩ボーイ。ボーイは続けたいが実家に「厳格」を絵に描いたようなガンコ一徹オヤジがおり、ボーイのアルバイトを強制的にやめさせられそうな無理ゲー・ピュアボーイ。二人のやっかい野郎どもを何とかすべく話し合いと相談を行うためだ。


なんだって12月まで華麗にフィニッシュさせてくれないのか。功労賞とか普通あるだろう。これでは最早私の引退時期までもが不鮮明になってきた。いやだい、いやだい!

結局一人の後輩は辞めることになったのだがその旨を電話で伝えると「如月さん・・・すみませんでした・・今度、飯でも食いにいきませんか・・?」とのたまうではないか。
いいから!!そういうのいいから!!もう辞めちゃったらいいからあああ!!
と雄叫びを上げて天に召されたい気持ちになってもう一人の後輩の相談にのる。すでに如月のライフポイントはゼロである。脳内でダニエル・パウダーが流れ始める。

12月にオヤジと直接対決。それで決着をつけると結論がでたところで私は満身創痍になりながら一時間遅らせてもらったデートに向かった。せめて・・・せめて・・・
「せめて」のゲシュタルト崩壊である。


ガールフレンドと集合し、今日の大殺界的一日の一部始終を話す。話していると幾分か、気が楽になってきた。「あぁ、よかった・・・」胸をなでおろす。

しかし、追いうちに不意打ち、果てはとどめの一撃はまさにここからであった。


だが舐めてもらっては困る。私のグルメサーチを侮るな。早速二件目へ。すると、ダイニングバーであったはずのその店はなぜか完全なゆるふわお洒落系カフェへとなっていた。変わり果てたその姿に呆然とする私。ヘタななでられ方をされて機嫌の悪い猫のようにグルグル言い出すガールフレンド。よくない、よくないぞ。

なんてことだ・・・なんてことだ・・・脂汗を流しながらほぼ一年半前の記憶を頼りに3件目へ。「たしか落ち着いた雰囲気で値段は割高だが良い雰囲気だったはず・・・頼むぞ・・・」と思いながら入った瞬間「いぃぃいらっっせせせぇぇませえ!(アゲアゲ)」みたいな声を浴び、直感した。「俺の知ってる店じゃない」と。
店の雰囲気ってそんな変わりますか。一年前きたんすけど店長変わったんすか。リニューアルオープンすか。つか店員さんなんでジャンパー羽織ってるんすか。私服っすか。なんなんすか。なんなんすか今日。


明らかに意気消沈したガールフレンドと、なんかもう怒りとか悔しさとか情けなさでもみくちゃになってTHE・EMOみたいな顔した私。運ばれてくるぼったくりバーみたいなドリンク。かつてこれほど望まれなかった乾杯があるだろうか。

私は悟った。本当に、本当に今日は駄目な日のようだ。でもこのままでは帰れない。ガールフレンドの機嫌は、お金なんかじゃ買えない。この一日にクーリング・オフはないんだよ!



もうなんというか、本当に、こんな日があるのかと。私はそりゃあ割となんでもシレっとやってそこそこのことが出来る(と思う、今となってはもう自信がちょっぴりない)のだが、今日の自分のヤバさに恐れおののいていた。ガールフレンドにもそういうオーラを共有させてしまう自分がとてつもなく嫌になっていた。私の本日の出来損ないっぷりを肌で体感してもらったガールフレンドには励ましてもらった。心から救われた。


最後にプリクラを撮ったりしたのだが、笑顔のガールフレンドの隣にはなんか死神みたいな顔した男が悲壮感を漂わせながら立っていた。誰だこれは。


しかし、こんだけ嫌なことが続いたらもうこれからは当分大丈夫だ。何だかんだで一日は終わっていく。時間は色んなものを道連れにして、過ぎ去っていく。
終わりよければすべてよし、だ。それにこんなツイテない日でもいい事が一つもなかったわけじゃない。ガールフレンドをお迎えに上がった時、なんと親父さんからギターを一本頂いたのだった。決して高い物じゃないが、嬉しかったなあ。


このギターと、プリクラで死神の横に移るガールフレンドの笑顔が、今日の色んなバッド・シングスの引き換え賞品だったと思おう。十分じゃないか。そう、おれはポジティブシンキング。


追伸・・・なんかこれ打ってるキーボードがバグりはじめたんだけど。





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最終更新日  2011年11月26日 03時03分01秒
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