『頭ぐしゃぐしゃ』の彼方に・・・

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chang-wei

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August 6, 2004
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カテゴリ: カテゴリ未分類
今から59年前の今日、広島に原子爆弾が投下されました。


昨日、帰り道の上空を、いやに低空飛行で飛ぶ、旅客機とはあきらかに違う形の飛行機が2機、飛んでいくのが見えました。
夜だったから、暗くてよく見えなかったけれど。
あれは自衛隊の飛行機だったのかな? 何か胸を締めつけられるような、嫌な気持ちになりましたね。
なんとなく、8月6日頃になると、無意識のうちに、戦争についての無残な写真や絵などが頭を去来しているのかもしれません。

昔、「少年ジャンプ」で「はだしのゲン」という漫画が連載され、映画化もされました。
両方見ましたが、これは辛く悲しい話でしたね。
「非国民」という言葉も、この作品を通じて初めて知りました。



爆弾が投下された直後のシーンが特に痛々しかった。
爆心地は、物凄い高温に包まれ、一瞬にして皮膚が重いやけどを負ったようになって、全身の皮膚がズルズルむけていく。むけた皮膚を引きずりながら、血だらけの人が大勢で行列を作って、幽霊の大群のように歩いていくシーン。
この人たちが、痛さとのどの渇きに苦しんで「みずー、みずー」とうわごとのように口ずさみ、近く小川の水を飲んで死んでいくシーン。
ガラスの破片が全身に突き刺さって、目が見えないと泣き叫ぶ子どもを抱いて、自分も顔にガラスの破片が刺さったままの母親がおろおろしているシーン。

作者が自分で見聞きしたものを絵にしているので、漫画のほうは、物凄くリアルで痛々しいシーンが続く。
主人公のゲンと母親は、奇跡的にケガひとつなく助かるのですが、父親と姉、弟のシンジが家の柱の下敷きになって焼け死ぬんですね。
しかも、即死せず、生きている状態で「いたいよーいたいよー」と叫びながら、柱をどかして逃げ出したいのに逃げ出せない。家に火がどんどん燃え盛ってきて、痛くて熱い思いをしながら、焼けながら死んでいくわけです。

これらのシーンは怖かった。そして、悲しかった。
生きながらえた母親は、確か妊娠していて、原爆投下の後に子どもが生まれるのですが、栄養不足などですぐに死んでしまう。
また、その後、弟のシンジにそっくりな孤児が現れて、しばらく行動をともにするのですが、やがて別れが訪れるんですね(死別だったか孤児院に引き取られたのだったか忘れましたが)。

戦争を体験していない世代としては、こういうものを見たり読んだりしない限り、戦争というものがどんなに悲惨で恐ろしいものであるか、感覚的にわかっていない。

少々もどかしく感じますが、仕方のないことでもあります。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)というものの研究がはじまったのが、ベトナム戦争以後と聞きます。
その後、アメリカなどで、戦場に立った多くの人がPTSDに罹って苦しんでいる。
第二次大戦での日本国民の多くもまた、おそらくはPTSDに該当する神経症に罹ったことでしょう。まだそれに研究が追いついてこなかっただけのこと。

ただ、戦争以外の舞台でも、突然人がいわれもなく殺されたり暴力を受けたりして、その結果本人や家族がPTSDやパニック障害等、精神的に参ってしまうケースもある。


・・・話が横道にそれかかりましたが、この季節は、本当に戦争というものに対して、改めて考えさせられる季節です。
悩ましいことではあるのだけれど、大切なことでもある。自分たちの少し前の世代が受けてきた苦しみを、風化させてしまうことはできません。





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最終更新日  August 6, 2004 05:18:12 PM


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コメント新着

野鳥大好き @ Re:ちょいと試みに・・・(11/21) あのな…、解ったよん。
chang-wei @ Re[1]:やれやれ・・・(11/20) 野鳥大好きさん >やれやれ…でしたね。あ…
chang-wei @ Re[1]:やれやれ・・・(11/20) setattiさん >私のPCも時々おかしくなる…
野鳥大好き @ Re:やれやれ・・・(11/20) やれやれ…でしたね。あはは、赤ちゃんなん…
setatti @ Re:やれやれ・・・(11/20) 私のPCも時々おかしくなるから困ってるん…

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