『頭ぐしゃぐしゃ』の彼方に・・・

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chang-wei

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April 19, 2005
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カテゴリ: カテゴリ未分類
いやはや、昨日は全身にじんましんが出てしまい、かゆいやら恐ろしやらで

これまで規則正しく続けてきた受験勉強も、週末からほったらかしである。
明日は予備校の日だが、準備が殆どできていないので休むことにした。

2日ほど全く風呂に入ってなかったので、約10日ぶりに湯を張り替え、頭髪
を洗ったら、大量の毛がシャンプーの泡とともにドドドドッと抜け落ちて流れて
いった。
幸いにして、今のところ我が頭髪はふさふさと生えそろっており、当面のところ
「ハゲ」の心配はないとは思うけれど、不測の事態に備えて用心しておく必要

珍しく髪の毛の心配などしていたら、ハゲにまつわる昔の出来事を思い出した。

私の周りには、若くして「ハゲ」の仲間入りをしてしまった人が結構多い。
大学時代の、薩摩隼人の先輩は、在学中からすでに、頭頂部がザビエル風に
なって、うっすらと地肌がのぞいていた。せっかくの薩摩隼人が台無しである。
はじめの会社にいたボディビルダーの先輩は、男性ホルモンの分泌がハゲし
すぎて、頭髪にも影響が出てしまった。
今はパン屋を営んでいるらしい。
店のメニューに「ワカメパン」があるかどうかは、最近この人とは会う機会もない
ので、全く知らない(笑)。

以下は、最近まで勤めていた会社の先輩の話である。
この先輩は、俳優の寺脇某に似た二枚目なんであるが、私たちの会社に入って

激務に加えて、会社のボスの、職場でのアホ酒呑みに長時間つき合わされ、愚痴
と説教を浴びせられ続け、はけ口を失った彼は、必然的に頭頂部がだんだんと
カトリックの宣教師風になっていった。

揚句の果てに、この先輩は、会社がつぶれる少し前に、我々より先にリストラ
されることになったというのだから、理不尽極まりない。

その席で、同席したもう一人の先輩が、辞めていくこの「ハゲた」先輩を慰めて
ねぎらう意味も込めて、会社の悪口を延々と、1時間近くまくし立てた。
我々は黙ってうんうんとうなづいている。

ところがこの、もう一人の先輩は、基本的にしゃべるのが大好きな人だったのだ。
また、この先輩の頭のことなど、この場のタブーについてはあらかじめ知らなかった
し、あえて伝えることはしていなかったのも失敗であった。

ひとしきり会社とボスの悪口をしゃべって話題が尽きてしまったあと、あろうことか
この先輩は、ハゲの話をし始めた。
「ハゲ」の先輩はむつっと顔をこわばらせ、怒りをこらえて聞いている。
脇に座っている我々も、だんだんといたたまれなくなってきた。

話題を変えて、このしゃべり好きの先輩が好きなプロ野球の話に変えようと試みた
のだが、メートルが上がりきってしまった先輩は、なおも衣笠の頭髪の話を続けた。
そのうち、ふとしたきっかけで、日韓で行われたサッカーW杯の話題に切り替わり、
中村俊輔がトルシエに選ばれなかったことに対する話になった。
ホッとしたのもつかの間である。
私は脇の下に冷たい汗がツーッと流れるのを感じた。

この先輩はS学会の会員だったのである。
そのうち、話はS学会そのものの話になった。
で、会長のD氏本人をどこかの町で見かけたと、おしゃべりの先輩が話し出した。
「それでよ、あの人は学会では神様扱いなんだよな」と先輩が云った。
「ハイヤーから降りるとき、運転手が巻いたじゅうたんみたいな布をひろげてよ、
出迎えの人たちが頭を90度の角度で下げたまま、しばらく止まってるんだよ。
思わず笑っちまったぜ。まるで北朝鮮かナチスドイツだよなあれは」

「実際そんなことはないんだよ!」と、ハゲの先輩が、低い声を絞り出すようにして
云った。自分たちの教祖を侮辱されて、云わずにはいられないといった感じだった。
ハゲの先輩は、物凄く温厚で我慢強い人だったのだ。だから頭がこのようになる
まで、じっと不満の一つも漏らさず耐えていたのである。
けれど、この先輩から、若い頃はヤンキーで、湘南でしょっちゅういざこざを起こして
いたという話も、私は聞いていた。

険悪な空気が宴席を包み込んだ。
いい加減にしねえか! と、私はおしゃべりの先輩にアイコンタクトを送った。
私はおずおずと口を挟んだ。
「まあねえ先輩、こういう宗教の話も、店の中にいる誰が聞いてるとも限らないです
からねえ」
「関係ねえじゃねえかよ。俺はそういうことにこだわらないで今まで生きてきたんだ!」
そうかよ。私はあきらめた。どうやらつける薬はないらしい。

結局、これを境に、S学会の話はなんとなく不完全燃焼のまま終わったのだが、完全
燃焼していたら、あるいはこの宴席は血を見ていたかもしれない(笑)。
ハゲの先輩とは、帰りの電車の方角が途中まで一緒だった。
せっかくの送別会ですっかり気分を害した先輩に、話しかけるのは物凄く気まずかった。

幸いにして、私の同年以下の知人の中には、ハゲの人はいない。というか、いるかも
しれないけど、ハゲてからの「彼」とは会ってないので知らない。
それにしても、どいつもこいつも、ハゲの話を、ハゲがいる前でするなよまったく(笑)。





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最終更新日  April 19, 2005 08:47:09 PM


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コメント新着

野鳥大好き @ Re:ちょいと試みに・・・(11/21) あのな…、解ったよん。
chang-wei @ Re[1]:やれやれ・・・(11/20) 野鳥大好きさん >やれやれ…でしたね。あ…
chang-wei @ Re[1]:やれやれ・・・(11/20) setattiさん >私のPCも時々おかしくなる…
野鳥大好き @ Re:やれやれ・・・(11/20) やれやれ…でしたね。あはは、赤ちゃんなん…
setatti @ Re:やれやれ・・・(11/20) 私のPCも時々おかしくなるから困ってるん…

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