『頭ぐしゃぐしゃ』の彼方に・・・

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chang-wei

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April 25, 2005
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カテゴリ: カテゴリ未分類
新聞広告は、曜日によって、軒並み健康に関するものが「デデン!」と並ぶ日が

土曜日の朝日新聞のコラムに、アガリクスの広告に関する話が書かれていた。
アガリクスって、最近は新聞広告だけでなく、折込チラシなんかでも盛んに宣伝
している。
健康をテーマにした雑誌でも取り上げられてるしね。
私の実家でも、何年か前にかなり注目して見ていた。

アガリクスは、ガンに効くという。
どう効くのかとか、なんで効くのかまではわからない。

を何件にもわたって紹介した上で、
「これほどの大勢のお客様にご愛用いただき、まだまだたくさんの感謝のお手紙が
続々と当社宛に届いています」
みたいなことを、目立つロゴのデカ文字でチラシのど真ん中に書いてたりする。

余談だけど、近頃はほかに、フコイダンというのも随分注目されてますね。
メカブとかコンブなどの海草にたくさん含まれているとかいう、ヌルヌルのことね。
こっちのほうは、食物繊維の一種らしいから、肉食の多い人の腸をガンから守ると
いうことだと思うんだけど、他の効能があるのかとか、詳しいことはよく知らない。
別にこんなもの飲まんでも、毎日ワカメだとかコンブをいっぱい食っとけばいいのに、
と思うんだけど、サプリメントにしとけば、薬好きの現代人にはウケるらしい。

ウチの母は、父のガンが見つかったあとでこうした広告やチラシを見て、かなり真剣

またまた余談だが、この母は、少し以前に、私の目からはどう見ても「ただのリンゴ酢」
にしか見えない、三重県かどこかで製造販売している健康酢みたいなものを、
「驚異的な健康増進パワーを持つ飲料」
として、知り合いから勧められ、結構高いお金を払って今でも買って愛飲している。
「そういうのはマルチっぽいだからやめといたほうがいいよ」と再三諌めていたのだが、

やめた。
昔から万博には弱い。夢の中で「太陽の塔」に追いかけられるのはごめんなのだ(笑)。

で、話を元に戻すが、摘出手術の前後に、我々一家は、アガリクスの服用について、
医者に相談した。
医者はこたえた。
「国が認めた審査にもとづいた医薬品以外のものは、基本的にすすめない。
健康食品としてならば全く認めないつもりもないが、知る範囲では、アガリクスによる
ガン治癒の例は、今までのところごく少ないと聞く。
金額も保険が利かない以上廉価ではない。それを高いお金を払って買うよりは、病院
が指定する薬で改善を図るほうが良策だと思う」
この医者は、ともすれば我々を見下した、尊大な態度をとる人間だったので、どっちか
というと、というかかなり嫌いなタイプの医者だったのだが、この話にだけは納得した。

アガリクスのチラシに書かれている投稿の真偽を問うているわけではないが、これら
はあくまで個人の事例にすぎないのである。
だから、「すべての人が、その投稿者と同様の効果をもたらされるとは限らない」と
いう但し書きがある。はずだ。どこかに(爆)。
この言葉は、たぶん書かないと法律で罰せられるから、書いてあるのだろう。
だけど、購入したあとに、パッケージだとか同封されている商品の能書きを見ないと
はっきりとは書いてない。広告やチラシには、すみっこのところにちっちゃな字で書いて
あるのかもしれない。けど見つけにくい。

だからたいていの人たちは見落とすのだ。
アガリクスを使った健康食品のメーカーにしてみれば、
「どうか頼むから、そんなちっちゃなとこは見なくていいから、思い切って買っちゃって
くれい、ドシロウトのお客さんたちよ」
といった心境なんではあるまいか。
それで、「すべての人に聞くとは限らない」というところを見落とした人たちは、広告に
デカ字で書かれた効能ばっかり何度も何度も読み返しては、
「アガリクス=無敵」と思って、読めば読むほど買いたくなっていくことでしょうよ。

ガンというのは、昔は不治の病と云われていたし、今でも告知されると、本人だけ
じゃなくて家族にとっても結構キツい。
その「死の苦しみ」を回避できるというのだから、ガン患者たちにとっては、この広告
文字たちが、この上ない金言に見えることでしょう。
ところが、この金言の根拠というのを落ち着いてよく読むと、個人個人の体験談だの
事例のようなことばかりで、決して「ガンが治る確率○%」などという、統計的なもの
では決してないのだ。

私見であるが、一般的に消費者というのは、自分とはかけ離れた段階の話に関して
は事例を重視し、非常に身近で、たとえばまさに購入しようとする段階の話に関して
は統計を重視するように思う。
例外は果てしなくたくさんある(笑)。
専門家的な消費者は、事例をも重視するに違いないだろうしね。スーパーで食べ物
を買う段になって統計を重視する話は殆ど聞いたことはない。
ただ、一般的には、購入を決意する段階になって、より確実で安心できる材料として、
統計を見たいと思うのである。

にもかかわらず、アガリクスに関しては、なぜその「統計重視」の傾向を無視したような、
事例だけでも皆買っちゃう結果になるのか。
やっぱり「ガンを治す」ことというのは、奇跡に近いことと思われているのだと思う。
また、国内に統計の資料そのものが絶対的に少ないというのもあるんだろう。
これらを総合して考えると、「アガリクスがガンを治した事例の話」というのは、大変な
ことだと畏怖してしまうんだろうと思う。
ましてや中高年で、今までの人生の中で、周りの人たちが救う手だてもなくガンで命を
落とす姿を見ているんだとしたら、なおさらその畏敬に拍車がかかるのであろう。

それが絶対的なものでないのにもかかわらず。
病院での治療とどっちをとるかで、アガリクスをとりたいと思う人が、結構いるんだろうな。

それがいいのか悪いのか、という話は、ここではできない。
アガリクス使って、いい結果を生む可能性だって、もしかしたら高いのかもしれないわけ
だから。
ただ、かなりきわどい話ではあるからね。薬事法とか誇大広告の話も絡むと、販売する
会社というのは、ギリギリのところでやってるなあ、などと思ってしまう。

ただ民間治療というのは、決して医療の世界に比肩されることはないからね。
仮に統計を取っていたとしても、それが医療に匹敵するお墨付きをとれる確率など、
とても低いような気もするのだ。
だからどうしても、お墨付きがもらえる前に、中途半端な調査結果に尾ひれをつけて
先行販売しちゃおうとするのかもしれない。ましてちっぽけな、このアガリクスの売り上げ
で食っていこうとしてる健康食品会社の場合、そうでもしないと大手医薬品メーカーには
たち打ちできないから。
それが「あやしい」商法ということになっちゃう、という見方もあるし。

まあなんつーか、アガリクスの研究を、国がどんどんやっちゃって、国ができないなら
アメリカだのEU加盟国あたりでやっちゃって、近々日本でも保険で買える医薬品に
しちゃうか、スーパーやコンビニでも買えるドリンクかなんかにしちゃう、という方向に
なるんであれば、こんな話はどうでもいいんだけどね。
ただ「薬」にするのか「健康食品」にするのかで、また扱いが変わっちゃったりするから、
日本での取り扱いは、しち面倒くさくなるんだろうけどね。





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最終更新日  April 26, 2005 06:34:13 PM


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野鳥大好き @ Re:ちょいと試みに・・・(11/21) あのな…、解ったよん。
chang-wei @ Re[1]:やれやれ・・・(11/20) 野鳥大好きさん >やれやれ…でしたね。あ…
chang-wei @ Re[1]:やれやれ・・・(11/20) setattiさん >私のPCも時々おかしくなる…
野鳥大好き @ Re:やれやれ・・・(11/20) やれやれ…でしたね。あはは、赤ちゃんなん…
setatti @ Re:やれやれ・・・(11/20) 私のPCも時々おかしくなるから困ってるん…

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