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~『・・・僕は、一瞬あいつを裏切ろうとしたんだ。 取り返しのつかない過ちを犯そうとしたんだ。 だから僕は心に想い浮かぶ大好きなあいつに向かって 何度も、何度も、ごめんって、言ったんだ・・・・。』 僕の無声の慟哭が、初夏の漆黒の闇に響き渡った・・・。~ ある初夏の夜更け、庭の暗い片隅で蹲って夜空を見上げていた思春期の僕は、着ていた服を泥だらけにしながら、親友のあいつの事を、そして、あいつに約束した“ピアノリサイタル”の事を想ったんだ....。 『嗚呼、どうしよう、全然練習してないや....。』 あの日の僕は、本当はもう練習どころでは無い筈だったなぁ。だって、あの頃僕は何処にも行き場が無かったんだからなぁ。もちろん、僕は、もう下らない学校へは行くつもりは無かったし、家でも僕を苦しめる言葉と暴力が、一杯僕の硝子の心を粉々にし、また僕の色白の身体に一杯傷を創って血を流したから、僕の部屋にさえ辛くていれなかったなぁ。そう、部屋に入れなくちゃピアノは弾けなかったからね。あとさぁ、それでも僕を無理やり学校に連れて行こうとしてさぁ、僕が死んでも嫌だっていうのにね。だから僕はよく制服をぼろぼろに引き裂いたな。だってそんなもの僕を苦しめる場所の服だからね。嗚呼、それでもそれを無理やり着せられたっけな・・・・・。 そう、それがすっげームカついたから僕は徹底抗戦したんだ。たった独りでね。僕と一生相容れないだろう、僕の心を粉々にした大人や学校の言いなりの連中とさぁ。そうだ、僕がいちばんムカついたのは、泥だらけの僕を無理やり車に押し込めようとした時だったな。そう、大勢見てる中でね。そいつらはさ、みんな自分の事しか考えてなかったなぁ。僕見たいなやつがいるとクラスの恥だとか、家の恥だとか人様に言えないだとか言ってね、僕の気持ちなんて誰も理解してくれなかったな。だから、もうこのままじゃヤバイって感じたから、色の白かった僕は遂に牙を剥いたんだ!そう、誰にもなつかない真っ白な猫の僕は、シャーって唸ってさぁ、自分の都合しか考えられない腐った大人たちを思い切り引っ掻いたり蹴飛ばしてさぁ、ダッシュして声を詰まらせながらの涙声で、やだよって言って。そして、いつも僕の最後の隠れ家は、日の当たらないジメジメとした家の裏だったなぁ。そう、梅雨時だったから、僕が着ていた血みどろの開襟シャツはもう泥だらけで、降り頻る雨のせいで全身びしょ濡れだったなぁ。たった十年ちょっとしか生きてない僕はね、泥水でぐちゃぐちゃな地面に座り込んだんだ。なんかもう疲れちゃったって想ってさ。 そして僕は降り頻る雨を見ながら、あいつの事を想ったんだ。でも、あいつもさぁ、僕のピアノリサイタルの夢もさぁ、僕からだんだん離れて行くんじゃないかって想ったんだ。そして泥だらけの服を着た思春期の僕にも頻繁にやって来た、子供の終わりを告げる身体の変化....。嗚呼、ずぶ濡れでお腹が空いてるだけでもキツイのに、余計どうすればいいか戸惑ったよ....。でもあの場所には犬がいたんだよ。そう八犬伝に出てくる八房みたいな利口そうな病気がちの老犬がさぁ。でもあの犬も白い身体を泥だらけにしていたなぁ。じっと“泥だらけの真っ白な猫”の僕を見てたっけ。そんな時さぁ、もう誰にも抱きしめてもらえないって想った僕はね、想わずこの犬を抱きしめたんだよ!そうしたらさ、僕の身体に飛びついてきてね、僕の涙雨を全部ペロペロ舐めてくれたんだよ!くすぐったいのにさぁ、お構いなしにね!それがなんか温かくてさ、そうこの犬が僕の顔を舐めてくれるのが。だから僕は嬉しくてさぁ、あいつ以外にも僕の友達がいたって事にね!だから今度は僕は嬉し涙を一杯零したんだよ!そう梅雨時のいつ止むか分かんない雨みたいにね。でもなんか急に悲しくなったんだよ、だってさぁ、お互い言葉が通じない相手だからね。そんな時僕はこの犬に声にならない声で訴えたんだよ!寂しいってね。悲しいってね。そして僕は言ったんだよ。顔をペロペロ舐められながらさぁ。 『なんで、僕は独りきりなんだろう?』って.....。 それでもこの犬はずっと僕の顔を舐めたりしてたなぁ....。でも僕はこんな声を聴いたのを覚えてるよ。この犬が言ったんだよ、きっと。 「そんな事、キミのせいじゃないんだよ!」って.....。 『そんな事、僕のせいじゃない・・・・・。』僕は想わず胸が熱くなったよ!だってあいつもよく僕を庇ってくれた時に言ってくれたから.....。嗚呼、きっと、この声はあいつの声かも知れないなって。そう、あいつも僕の事を心配してるだろうなって想ったからね。僕の噂があいつの耳に入ったならさぁ。でももしかしたら、この八房みたいな犬もさぁ、“真っ白な猫”の僕の涙声を聴くのが耐えられなかったのかもしれないな。だからこの犬は僕にあいつ以外誰もかけてくれなかった“温かい言葉”をかけてくれたんだね。 僕は犬が寝てる横で、泥だらけに成りながら、こう想っていたよ。 僕に夢をくれた、親友のあいつの笑顔を想いながら。 そして、あいつと遊んだ楽しかったあの日を想いながら。 『そんなこと、僕のせいじゃない。僕のせいじゃない.....。』 ずっと、ずっと、心の中で叫んでいたよ.....。 いつ実現するか分からない、ピアノリサイタルを想いながら。 それに、今どうしてるか分からないあいつを想ってね.....。 そして、そんな泥だらけでも僕は心配したんだよ。 ずぶ濡れで、それに昼過ぎでもお腹空かせてたのにね。 明日、どうすればいいか、どうやって生きれば分からない、 大人の終わりの時を刻んだ、思春期の僕は.....。 『早く、月光ソナタの練習しなくちゃなっ.....。』って。 ピアノの練習すら、もう叶わないかもしれないのにね.....。 ピアノを弾く僕の白い筈の指は、泥と血にまみれていたよ.....。 残酷な運命に牙を剥いた、泥だらけの真っ白な猫は、 ただ、唯一なついた、あいつの事ばかり考えていたよ.....。 『大丈夫だよ。そんな事、・・・のせいじゃないよ!』 僕の名前を呼ぶ、あいつの声を、確かに僕は聴いたんだ.....。 To be continued.....
2005.09.28
~誰からも見放された 思春期の孤独な少年に、 身体の変化に独り戸惑う 硝子細工の少年に、 全くの闇の世界 さらに孤独な 冷ややかな夜が訪れた・・・・・。~ 「僕は、思春期が訪れた孤独な夜、そう、子供の終わりを告げる身体の変化に独り悩む夜、僕はあいつには辛くて言えなかった言葉を、独り夜空に向かって叫んだんだ。そう、言葉を失った少年の、心の叫び声で・・・・・・。」「本当は僕は親友のあいつに助けを求めれば良かったんだ。でもあいつが真実を知ったら悲しむだろうっていう想いと、あいつが僕の味方をしたら、あいつ迄酷い仕打ちを受けるだろうっていう想いが交錯してさ、それが僕の胸を締め付けたから、とうとう大切なあいつには、言えなかったんだ・・・・・・。」『あの日の次の朝から、僕は朝から晩まで、ずっと独りきりだったんだ。 そう、僕は、学校に行くのをやめちゃったんだ。それはね、僕が何にも悪いことしてないのにさぁ、おめーが悪い、おめーのせいだって言ってね、心がぼろぼろに成る迄僕を責め立てたんだ。それにさぁ、知っいて見て見ぬふりをする一応先生って呼ばれている、傲慢な大人と、内申点なんていうどーでもいいものに血眼に成っている人を蹴落とすことしか頭にない生徒にさぁ、僕はすっげームカついたからなんだよ。あとさ僕は色白の長髪だったじゃん、それが余計“あいつら”の気に障ったんだろうな・・・・・。でも僕は、例えどんなにムカつくこと言われたり、あいつらから、殴られ蹴られしても、僕は男だからやり返したんだよ!傷だらけ、泥まみれに成る迄ね。そう、そんなやつらに負けたくないからね.....。それに僕は、家でもそんな感じだったから、僕の胸からね、全く言葉が出なく成ったんだ。だって、僕は、何も悪いことしてないのにさぁ、おめーが悪いって言って、僕を苦しめたからなんだ。だから何も言えなくなった僕を余計からかったんだ、傲慢な大人も、こまっしゃくれたムカつくやつらも......。だから僕は、ある日学ランのまま逃げ出したんだよ。愛がない、優しさもない、それに夢も自由もない、そんな下らない場所から、僕が自由に成るためにね。それでも後を追いかけて僕を侮辱し続けるやつら。何を言ってきたか、嗚呼、悔しくて書けないや。だから僕はそいつらは“いない”って想うことにした。でもそうやって完全にシカトしなきゃね、硝子細工の僕は、多分、壊れていたかもな・・・・・・。あの日、僕は真っ赤な目を、長い前髪で隠しながら、歯を食いしばって、歩いたな・・・・・・。それに溢れる涙で前が余計見えなくなってさぁ、車に轢かれそうに成ってね、それが余計悲しくて、一瞬、轢いてくれって、僕は想ったんだよ・・・・・・。でも、そう想った瞬間、あの日、あいつが僕に言ってくれた、誰も僕にかけてくれなかった優しい言葉が僕を一瞬我に返らせてくれたんだ・・・・・・。「・・・の弾くピアノ聴いてみたいよ!」僕は、あの道端で、彼の声を確かに聞いたんだ!そしてそれは僕の身体をとっても熱くしたんだ!そう、僕にはまだあいつがいたってことに気づいてさ、誰もいない、近所の寂しい河岸に行って、僕は嬉し涙を一杯零したんだよ・・・・・・。でも僕は、一瞬あいつを裏切ろうとしたんだ。取り返しのつかない過ちを犯そうとしたんだ。だから僕は心に想い浮かぶ大好きなあいつに向かって何度も、何度も、ごめんって、言ったんだ・・・・・・。』僕の無声の慟哭が、初夏の漆黒の闇に響き渡った・・・・・・。To be continued.....
2005.09.21
この度、僕の日記「里見八犬士☆犬坂毛野の夢」が、5,555アクセスを記録致しました(嗚呼、涙が溢れて来ました。やめなくて良かったって....。)☆尚、5,555をヒットされた、afternoonbreathさまに、僕は最大級の感謝を捧げます(嗚呼、あなたで嬉しいな)wwまた、キリ番をゲットされたあなたには、ううん、何をあげようかな....。(じっくり考えます・微笑)勿論、いつも御越しの貴方様にも、“感謝の気持ち”を、一杯注ぎますよ~☆(熱いコメント、僕に下さいねww)ただ、僕は最近、辛い事が続いて日記が書けませんでした。でも僕は、あの“孤高の美少年・犬坂毛野”に負けずに、どんなに道が険しくても、そして生きる事が辛くても、この日記だけは書き続けます....。僕は、毛野の様に美しく、そして、しなやかに、粘り強く戦いたいな!!僕の冷酷な運命に打ち勝つために....。未だ見ぬ“僕の八犬士”の残り七人に出逢うためにも....。だから僕は、どんなに辛く、そして苦しくても炎の美少年・犬坂毛野の情念のみで僕の“成長記録”を書き続け、人生の幾多の艱難辛苦を呼ぶ冷酷な運命に徹底抗戦し続け、いつか完全に撃破します☆PS;僕に温かい御言葉を下さった貴方様には僕からの愛の言葉そう、“心の叫び”を一杯、一杯差し上げますwwこんな脆い僕ですが、どうかこれからも温かい御言葉一杯、一杯僕に降らせて下さいね☆平成17年9月吉日 里見八犬士☆犬坂毛野 拝
2005.09.20
「僕は思春期のあの日さぁあんまり独りきりだったから僕の胸がズキズキ痛むほど寂しくて、寂しくて言葉を全部失くしちゃったんだよ・・・・・そう、何も言えなくなったんだ!だから僕の心から僕につらいこと言って胸にいっぱい棘を刺すしかめ面の大人や子供をぜんぶ消しちゃったんだ!だから僕の心に映るのは部屋の小さい窓から見えるどこまでも透き通った空色の空自由な心を持った白い雲温かい光を注いでくれる太陽それにまだ青い空だったから少し照れくさそうな白い月そして、僕の庭に咲く花々その周りを楽しそうに舞う揚羽蝶、紋白蝶、シジミ蝶・・・・・だから僕は麗しい蝶に恋をしちゃったんだあまりにも優雅に、そして可憐に薔薇やさつきの花の周りで遊んでいたからねだからね、僕はいつも独りでこう叫んだんだよ涙を堪えながら、言葉に成らない心の声でね・・・・・」『ああ、僕はできることなら蝶に成りたいああ、美しい花の周りをふわふわ舞うように大好きなピアノを弾きたいよ・・・・・ベートーヴェンの月光ソナタであいつに感動して欲しいよ・・・・・今、僕のこころにあるのは空 雲 太陽 月 花僕が恋焦がれる揚羽蝶たったこれだけをずっと想ってあいつに約束した二人きりのピアノリサイタルをどうしても叶えたいからね胸がどんなに痛くても僕はずっとピアノの周りで遊ぶ麗しい揚羽蝶に成りたいよ!そう、あいにもう一度逢えるまでさぁ・・・・・』誰からも見放された思春期の孤独な少年に身体の変化に独り戸惑う硝子細工の少年に全くの闇の世界さらに孤独な冷ややかな夜が訪れた・・・・・To be continued.....
2005.09.16
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