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主に購入を迷われている方向けのネタバレなし感想です。
オトメイトゲームカタログではBYAKKO、十三支演義と合わせておすすめされていました。
REDさんの歴史モノという事で、他社の百花百狼が好きな方にも良さそうです。
【世界観】
平安時代後期、源平の命運を分けた平治の乱から15年後。と、言われましても・・・という方もいらっしゃるかと思いますので
ざっくり申し上げると、平家との政権争いに敗れた源氏の末子に生まれ、隠里で育ったヒロインが
敵・味方に属するキャラクターたちとの出会いを経て、自らの生きる道を探求するストーリー。
【キャラクター、グラフィック】
今作に関してはヒロインから。男子顔負けに戦う男装ヒロインの為、ここがまず人を選びそうなポイントになってくるかと思います。
デフォ名、呼びあり、顔グラはON/OFF可ですが頻繁に立ち絵が出ます。
凛々しくも美しい1人のキャラクターとして好感が持てました。
攻略キャラクターは史実上の臣下と、敵方の主要人物が主。
原案の方は初めて目にしましたが、まず目を引くのは衣装の描き込み具合。
描け分けもしっかりされていて、大柄なキャラクターの逞しさ、見目麗しいキャラクターの華やかさがとても素敵でした。
スチル、背景も含めグラフィックの綺麗さという点でとても満足度の高い作品です。
彼らを動かしているシナリオについては後述いたします。
冒頭の通りREDさんが携わっている事から、立ち絵とエフェクト、カットインで表現される戦闘シーンもしっかり見せにきている印象が残りました。
【シナリオ、糖度】
メインキャラクターは全12章編成で、 シナリオ全体がかなりボリューミー
。
キャラにより5~7章までは差分ありの共通ルートになるのですが
グッド・バッドにあたる恋愛・悲恋エンドの好感度分岐は比較的早め。(攻略にて後述)
他、ゲームオーバー的なバッドエンドが共通・個別それぞれに用意されていますが
字典コンプやコンプスチル解放には読んでも読まなくても影響ありません。
サブキャラクター4人とのif エンドが用意されており、対応するキャラクターの恋愛エンド読了で解放となります。if エンドに関しては共通から分岐するのではなく、フローチャートから直接選択する仕様のようです。
歴史モノの宿命になるのでしょうが、史実上の大きな流れはどのルートでも変わらない為
歴女さんもしくは源平モチーフの何らかを履修された事がある方ですと、進めていくにつれ少しダレてしまう可能性が高いのが難点。
全く同じテキストでも、ルートが異なるとスキップできない場面もありました。
比較的しっかり源平合戦の顛末が描かれており、ヒロインは女性である事を隠していますので
糖度に関しては控え目と思いきや。
しっかり乙女ゲームで、ここは嬉しい誤算だったように思います。
逆に、歴史モノでリップ音は聴きたくないという方には向かないかもしれません。
とはいえ時代背景+史実上での関係性は割と忠実に始まりますので
離れて育った肉親であったり、臣下=従者であったり、対峙せねばならぬ敵方だったり。
関係性重視の方には色々と摘まめて美味しい作品
ではないかと。
様々な関係性の攻略キャラがいる中、やや贔屓気味?の人物がいる事は否めません。
これに関しては、今作の真相に関わるので伏せておきます。
シナリオボリュームはサブキャラのif エンドチャプターにも該当します。
SS程度のおまけシナリオと思いきや、こちらもしっかり展開があるので
メイン以外のキャラクターが気になっている方にもおすすめ。※FDでは全員攻略可
【攻略】
・攻略制限
頼朝、知盛の2人とサブキャラクターには攻略制限があります。
頼朝、知盛…他3人いずれかの恋愛エンド読了で解放
平重衡…知盛の恋愛エンド読了
佐藤継信…春玄の恋愛エンド読了
佐藤忠信…弁慶の恋愛エンド読了
佐々木高綱…頼朝の恋愛エンド読了
・攻略推奨順
公式さんのおすすめ攻略順は 教経→弁慶→春玄→頼朝→知盛
となっています。
筆者は 教経→弁慶→春玄→知盛→頼朝
の順で攻略し
その後サブキャラクターをまとめて読了しました。
個人的には概ねこれで良かったと思いますが
この攻略順ですと先述の通り、史実上の大きな流れがほとんど変わらないシナリオをひたすらなぞっていくので、やはり少々ダレました。
制限なし3人の中ですと
教経→“敵方が相手だとどうなっちゃうの”?という疑問の答えや、萌えと燃えを補給できる点
弁慶→“今作がただの歴史モノではない”事をはっきりと置きにくる点
で前半、初手におすすめ
その後は徐々に真相へ近づいていく事になりますが
個人的には知盛→頼朝の方が源平合戦の終着点としては綺麗だったように感じました。
上記を踏まえると春玄はどうしても真ん中になってしまうので、箸休めにサブキャラを挟んでおくのがいいかもしれません。
・攻略
ヒロインのパラメータと相手の好感度がどちらもエンディング分岐に絡んでくる点。
グッドとバッドを分ける分岐が比較的早めな点。
そして愛キャッチがわかりにくい事から、 自力攻略は難しく、かつ時間がかかる
部類に入ると思います。
効率重視のプレイをするポイントとしては
共通2章目に大きな分岐点があるので、そちらで共通セーブを作成しておく事。
恋愛エンド一直線でクリアしてから、パラメータを下げてフローチャートの11章から開始すれば悲恋エンドは簡便に回収できます。
ゲームオーバーの回収は攻略サイト様を参考にされてください。
サブキャラクターのチャプターに選択肢はありません。
【システム】
今作はシナリオが長いので、選択肢ジャンプの快適さはプレイするにあたって重要だろうと思われます。間が長いと秒数増えますが、章毎に一区切り入るので、スキップ速度を上げた方がストレスフリーなタイトルもある中、使えるシステムだったと思います。
既読テキストの色分けなし、選択肢は色分けあり。
他、ADVとして特に不便だった点はありません。
+フローチャートがあるので、自力攻略や未読回収の強い味方になってくれそうです。
源平に明るくない方だと人物相関図を理解するのがやや難しいかもしれませんが、シナリオを読み進めるにあたってはさほど影響ないと思います。
【BGM、UIなど】
筆者は今作5周年前に履修しておりますが、当時も某fサクのような物議を醸したのでしょうか?
壮絶な運命を辿るシナリオのタイトル主題歌としては少々重みに欠けるような気もいたします。
特にEDに関してはもう少ししっとりした雰囲気が欲しかったですね。
UI周りはしっかり和風で良かったと思いますし、SEも戦闘シーンの迫力を盛り上げていたと感じました。
【総評】
歴史モノの盤石として(特に敵方相手だと)悲恋がベースで、乙女ゲームとしての恋愛エンドが用意されているというのは、致し方ない事だとは重々承知ではあるのですが。
恋愛・悲恋エンドまでの流れが同じなので、エンドチャプターで正に“一体何が分かれ目だったんだろうか”という印象を受けました。
ここをしっかり描いてくれていたら、更なる良作だったと思います。
とはいえ、グラフィックの美麗さと、様々な関係性を楽しめるという点がとても良かった。
糖度の項目と重複しますが、もう少しお堅めの内容だと思っていたので
お互いが始まりの関係から惹かれ合っていく過程や、しっかり乙女ゲームしてます!というシーンの数々は、ファンの心を掴んで離さない魅力の一つと感じました。
今作の真相に関わる内容は一切伏せましたので、是非ともご自身の目で確かめていただければ幸いです。
発売日:2020/09/17