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ガレの晩年のガラス作品群にルーブル美術館の方も感嘆したというコレクション展示室へ。*** (マリー・アントワネットの時代、ロココ絵画を堪能できる ヤマザキ・マザック美術館が当地にオープンしたのは2010年。 絵画のみならず、ガレなど花器や家具のコレクションも充実、 美しい館内で満たされたときを過ごせるのを愉しみに、今年も企画展・ 「エマイユの煌き」を鑑賞、その余韻覚めやらぬうちにヤマザキマザック美術館さんより「ブロガー募集」のメールを拝受。 「コンスタントにブログを更新している、美術館で開催されるブロガーデーに参加後、 一週間以内に展覧会の紹介をするブログをアップできる」などの応募要件のもと、 昨年に続いて幸運にも、閉館後の静かな美術館でスタッフの方のお話を聞きながら鑑賞、 一定の条件を守りつつ、館内の撮影をさせていただくことができました。ブログ用の0.3Mの朧な画像とメモ書きと記憶に頼った拙文ではございますけれども、 麗しい美術館の魅力を少しでもお伝えできれば幸甚に存じます。) ***ひとつひとつの作品を全方位から眺めることのできる展示室は静かなアクアリウムのよう。ガレ作「蜻蛉文脚付杯」は、死を前に友人たちに贈られた作品のひとつで、他はベージュに蜻蛉が映し出されているのに対し、この作品のみが青いのだそうで、さらに蜻蛉の姿は2体、実体と、その幻影がまるで飛翔するようにあしらわれています。機械技術が飛躍的に発達し、外観がすべて、人間さえも物質のひとつであり、生の終了をもって全ては無に帰すという考えが蔓延するなかで、死に際した芸術家は、ありふれた花や虫や鳥さえも美にしてしまう研ぎ澄まされた異国の手業と感性に触れて心なぐさめられ、己の内なるファントムを昇華する指針にしたのでしょうか。ガレ作「松文花器」ガレ作ペン皿「緑色の善良な小市民」赤と青に見える器は7つの色が重ねらているそう。繊細にカットされたガラスの色の層を数え確かめることも。ガレ作「海藻文花器」鮮やかな色合いと華麗なカットというイメージもあるアールヌーヴォーのガラスですがヤマザキマザック美術館のコレクションは落ち着いた雰囲気のものが多数。特に「海藻文花器」は「死を意識して」作られたのだそうで画像ではこの色合いですが展示室では様々な角度からライトがあてられ観る場所によって雰囲気がどんどん変わるガレの生と死に対する臨み方が刻々と変化してゆくのを現すような興味深い作品です。死を前にした作品といえば、学生時代に行った確かカナダで、ピカソの最晩年の、黒一色の人物の線描展を鑑賞したことがあるのですが、ギリギリと締め付けるごとく生への執着が全面に押し出された作品群に圧倒され、やや辟易した記憶があって。同じく死を前にした作品に囲まれていても、なぜかこのガレのコレクションの空間では心やすらぐのです。ガレのほかにドームやティファニーの作品も。不安定にみえるガラスの器ですが、建物そのものが耐震構造なことと、展示ケースにも最新の耐震技術が施されているのだそうです。夢のように楽しい時間は、ヤマザキマザック美術館の心意気を最初に感じた大通りの路上のロダンにご挨拶して、終了。皆さまも素敵な時間が過ごせますように。ご覧いただきありがとうございました。「ヤマザキ マザック美術館 公式HP」☆ 名古屋駅から地下鉄で7分、新栄駅の直通エスカレーターで美術館内に入れます。「アントワネットの文机の日記」「オペラ座の怪人の日記」
October 31, 2012
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花鳥風月をモチーフにした美しい家具やガラスを堪能できるアールヌーヴォーの空間は美術館の4階にあります。*** (マリー・アントワネットの時代、ロココ絵画を堪能できる ヤマザキ・マザック美術館が当地にオープンしたのは2010年。 絵画のみならず、ガレなど花器や家具のコレクションも充実、 美しい館内で満たされたときを過ごせるのを愉しみに、今年も企画展・ 「エマイユの煌き」を鑑賞、その余韻覚めやらぬうちにヤマザキマザック美術館さんより「ブロガー募集」のメールを拝受。 「コンスタントにブログを更新している、美術館で開催されるブロガーデーに参加後、 一週間以内に展覧会の紹介をするブログをアップできる」などの応募要件のもと、 昨年に続いて幸運にも、閉館後の静かな美術館でスタッフの方のお話を聞きながら鑑賞、 一定の条件を守りつつ、館内の撮影をさせていただくことができました。ブログ用の0.3Mの朧な画像とメモ書きと記憶に頼った拙文ではございますけれども、 麗しい美術館の魅力を少しでもお伝えできれば幸甚に存じます。) ***最初に案内される5階で18世紀から20世紀まで、ロココの華麗さからエコール・ド・パリまでフランス絵画をたっぷり味わったあとに、さらにアールヌーヴォーの美術工芸の珠玉を愉しめるヤマザキマザック美術館。展示室ひとつひとつが充実している上に、とても居心地よい空間ばかりなので素敵なサロンにお邪魔させていただいたように一日中でも過ごせるところ。10サンチームを入れて特別に動かしていただいた円盤ディスク型オルゴール。定期的に演奏会も開かれているとのこと。バカラのシャンデリアに照らされるビーダーマイヤーの食器100ピース。♪鳥の学校の先生は~♪可愛いらしいガレの箪笥。ガレ作「トンボのテーブル」ガレの庭にはシーボルトから購入した種から育てたものなど、422種類もの日本の植物があったそう。植物の育つ過程、葉や花に集まる鳥や虫などから、画や工芸品に現された手法がいかに生まれたのかというところまでイメージし深い眼差しを向けていたのでしょう。マジョレル作のテーブル普段は閉まっているトップを開けていただきました。マジョレル作の寝室用家具。ファブリックの色や柄も家具のモチーフになっている藤に合わせて作られているそう。次はガレのガラスの空間へ。「ヤマザキ マザック美術館 公式HP」☆ 名古屋駅から地下鉄で7分、新栄駅の直通エスカレーターで美術館内に入れます。「アントワネットの文机の日記」「オペラ座の怪人の日記」
October 30, 2012
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RENT レントこの世は 借り物ならばと 急いでこの秋を 越えん 「秋くれば やどにとまるを たびねにて 野辺こそつねの すみかなりけれ」*257「Portable Story 100 pieces 2」「Portable Story 1000 pieces」「Portable Story 1000 pieces 2」「Portable Story 1000 pieces 3」 【B57 パラスアテナ &アイオロス 】
October 28, 2012
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「当方の技術者がシャンデリアに電気の配線を施したことで当時の形が蘇ったのです。」天井に掲げられたアールヌーヴォーの美術品を見上げつつ同時代を舞台にした大好きな映画「オペラ座の怪人」の冒頭の台詞さながらの学芸員さんの説明に、心のなかで秘かに拍手喝采しつつ、あの壮麗なミュージカルナンバーを響かせていたいち見学者のわたくし☆*** (マリー・アントワネットの時代、ロココ絵画を堪能できる ヤマザキ・マザック美術館が当地にオープンしたのは2010年。 絵画のみならず、ガレなど花器や家具のコレクションも充実、 美しい館内で満たされたときを過ごせるのを愉しみに、今年も企画展・ 「エマイユの煌き」を鑑賞、その余韻覚めやらぬうちにヤマザキマザック美術館さんより「ブロガー募集」のメールを拝受。 「コンスタントにブログを更新している、美術館で開催されるブロガーデーに参加後、 一週間以内に展覧会の紹介をするブログをアップできる」などの応募要件のもと、 昨年に続いて幸運にも、閉館後の静かな美術館でスタッフの方のお話を聞きながら鑑賞、 一定の条件を守りつつ、館内の撮影をさせていただくことができました。ブログ用の0.3Mの朧な画像とメモ書きと記憶に頼った拙文ではございますけれども、 麗しい美術館の魅力を少しでもお伝えできれば幸甚に存じます。) ***美しくアールを描いたシャンデリアは、どこにも修理を引き受けてもらえなかったためヤマザキマザックの社員さんの一人が配線をしたのだそう。非常に細く、一度途切れたら取り返しのつかない当時の電気配線を辿り、美術品の繊細さに恐れることなく果敢に挑まれた結果、四階エレベーターを降りた途端、ガス灯さながらの陰影ふかい光に包まれ、アールヌーヴォーの世界に浸れるのです。ドーム作のシャンデリアはホタテ貝や巻貝がモチーフに、デュマ作の食卓用家具を水底に届く陽のようにやわらかく照らしていて。ナナカマドがあしらわれた家具一式は海を渡る際、材質が木ゆえに繊細なアールが伸びきってしまったのを、宮大工さんが修復されたのだそう。潮風さえ想定していなかった家具たちが、いまは海底にあるごとく静かに佇んでいる…などと来歴を知って愉しむことも。グリュベール作の衝立木目を生かした花鳥風月を愉しめる優美な家具の空間、さらに続きます。「ヤマザキ マザック美術館 公式HP」☆ 名古屋駅から地下鉄で7分、新栄駅の直通エスカレーターで美術館内に入れます。「アントワネットの文机の日記」「オペラ座の怪人の日記」
October 27, 2012
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ピカソ、モディリアーニ、ユトリロ、シャガールといった最もなじみ深い人気芸術家の作品を鑑賞することができるのが明るい青の部屋。*** (マリー・アントワネットの時代、ロココ絵画を堪能できる ヤマザキ・マザック美術館が当地にオープンしたのは2010年。 絵画のみならず、ガレなど花器や家具のコレクションも充実、 美しい館内で満たされたときを過ごせるのを愉しみに、今年も企画展・ 「エマイユの煌き」を鑑賞、その余韻覚めやらぬうちにヤマザキマザック美術館さんより「ブロガー募集」のメールを拝受。 「コンスタントにブログを更新している、美術館で開催されるブロガーデーに参加後、 一週間以内に展覧会の紹介をするブログをアップできる」などの応募要件のもと、 昨年に続いて幸運にも、閉館後の静かな美術館でスタッフの方のお話を聞きながら鑑賞、 一定の条件を守りつつ、館内の撮影をさせていただくことができました。ブログ用の0.3Mの朧な画像とメモ書きと記憶に頼った拙文ではございますけれども、 麗しい美術館の魅力を少しでもお伝えできれば幸甚に存じます。) ***モディリアーニ作「ポール・アレクサンドル博士の肖像」は最も存在感があるように。 青の部屋にある作品には、ドアの装飾に使われていたものも。よくよく見れば、形も大き目のドアサイズ、丸いドアノブの痕も残っていますので興味のある方は是非、お確かめください。同じ部屋の中央にある色鮮やかなピカソ作「マタドール」はマイケル・ダグラス主演の「ウォール街」にも登場する絵。学生時代に観に行った映画のあのゴージャスな雰囲気を高めていた絵が身近に掲げられていたとは!嬉しい驚きでした。スーティンの作品をまとまって観られるのも大きな愉しみ。次は4階のアールヌーヴォー時代の家具と花器の展示室へ。「ヤマザキ マザック美術館 公式HP」☆ 名古屋駅から地下鉄で7分、新栄駅の直通エスカレーターで美術館内に入れます。「アントワネットの文机の日記」
October 26, 2012
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展示室ごとに壁紙の色や照明で完全に印象が変わり、まるで5つの美術館を一度に訪れたような濃厚な時間を味わえるのも繰り返しヤマザキマザック美術館を訪れてしまう理由のひとつ。年代ごとに作品を分けて展示することはあっても、絵の印象が薄まらないようにするためか、白など、壁の色は単一、ましてやどんな照明が使われていたかということは、ほとんど記憶に残っていないのが、通常の美術館&博物館ではないかと。面白いなと思ったのが、2011年秋に改装の終わったオルセー美術館も以前は床や壁や天井にはベージュといった単色の色合いと明るい間接照明が使われていたのが、床は落ち着いた色合いのフローリングに、壁は展示室ごとに、どちらかというと暗めの色を採用したということ。ヤマザキマザック美術館が開館したのは、オルセーの改装工事真っ最中のときのこと。オルセーの壁や床の色が変わり、展示された絵の印象がさらに深くなったという分析をした美術番組をたびたび目にするのですが、それを先取りするような、そのさらに上を行くような思いをかけた素敵な美術館が名古屋に誕生していたのです。*** (マリー・アントワネットの時代、ロココ絵画を堪能できる ヤマザキ・マザック美術館が当地にオープンしたのは2010年。 絵画のみならず、ガレなど花器や家具のコレクションも充実、 美しい館内で満たされたときを過ごせるのを愉しみに、今年も企画展・ 「エマイユの煌き」を鑑賞、その余韻覚めやらぬうちにヤマザキマザック美術館さんより「ブロガー募集」のメールを拝受。 「コンスタントにブログを更新している、美術館で開催されるブロガーデーに参加後、 一週間以内に展覧会の紹介をするブログをアップできる」などの応募要件のもと、 昨年に続いて幸運にも、閉館後の静かな美術館でスタッフの方のお話を聞きながら鑑賞、 一定の条件を守りつつ、館内の撮影をさせていただくことができました。ブログ用の0.3Mの朧な画像とメモ書きと記憶に頼った拙文ではございますけれども、 麗しい美術館の魅力を少しでもお伝えできれば幸甚に存じます。) ***ロココの大作が並ぶ紅の大広間に続くのは、ロダンやルノアールの彫刻や自然主義、印象主義、野獣派といわれる芸術家の絵が集められた黄金色の回廊。マリアテレジアモデルのシャンデリアの灯りが紅の壁を照らすロココの大広間から、本当にガラリと印象が変わる、やさしい照明に空気が柔らかく輝く光りの空間で、風景画や女性の肌合いも佳く映えます。大々的に広められてはいないそうなのですが、実はこちらのロダンの彫刻は、手で触れてもOKとのこと。実際に触られたという目の不自由な方は、体の形、筋肉のひとつ一つを辿ってみることができて、とても喜んでおられたそう。初めてこの美術館を訪れたとき、建物の外の、名古屋の街なかの大通りに面した歩道の、目の高さで完全に触れられる場所にロダンの彫刻が置かれているのを、なんと豪気なことよと感嘆していたのですが、全ての絵画がガラス板でガードされていないのと同様、直に作品を愉しんでもらいたいという心意気が、この部屋にも満ちていました。次はピカソ、モディリアーになどの並ぶ青の部屋へ。「ヤマザキ マザック美術館 公式HP」☆ 名古屋駅から地下鉄で7分、新栄駅の直通エスカレーターで美術館内に入れます。「アントワネットの文机の日記」
October 25, 2012
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マホガニーの床、ハプスブルグ家御用達バックハウゼン社のロココ文様の壁、ベルサイユ宮殿のシャンデリアと同型のマリア・テレジアモデルのシャンデリアと、内装そのものが豪華な作品にもなっているロココの大作を中心とした広間へ。*** (マリー・アントワネットの時代、ロココ絵画を堪能できる ヤマザキ・マザック美術館が当地にオープンしたのは2010年。 絵画のみならず、ガレなど花器や家具のコレクションも充実、 美しい館内で満たされたときを過ごせるのを愉しみに、今年も企画展・ 「エマイユの煌き」を鑑賞、その余韻覚めやらぬうちにヤマザキマザック美術館さんより「ブロガー募集」のメールを拝受。 「コンスタントにブログを更新している、美術館で開催されるブロガーデーに参加後、 一週間以内に展覧会の紹介をするブログをアップできる」などの応募要件のもと、 昨年に続いて幸運にも、閉館後の静かな美術館でスタッフの方のお話を聞きながら鑑賞、 一定の条件を守りつつ、館内の撮影をさせていただくことができました。ブログ用の0.3Mの朧な画像とメモ書きと記憶に頼った拙文ではございますけれども、 麗しい美術館の魅力を少しでもお伝えできれば幸甚に存じます。) ***この大広間の作品は普段の鑑賞のときでもフラッシュなしなら撮影OKなのだそう。欧州の美術館では写生や撮影OKのところが多いのに、日本の美術館&博物館ではほとんどカメラも筆記用具もNGなのを長年、残念に思っていたところ。絵葉書でもあまり見られないロココ時代の作品が撮影OK、しかもヤマザキマザック美術館の絵画にはガラスのガードはなく、芸術家の筆致や細かい配色まで直に味わうことができるのです。ブーシェ作「アウロラとケファロス」は、美術館内で最も大きく、この作品に合わせて天井の高さが決められたのだそう。ポンパドール夫人が所蔵していたといわれるこのパステルカラーの大作を撮影してクリスマスカードにする方もいらっしゃるとか。ルブラン作「エカチェリーナ・フェオドロヴナ・ドルゴロウキー皇女」は大好きな絵で、自伝に目を通したりフランス語をかじるきっかけも頂きました。緑と赤の衣装が素敵で、アントワネットの肖像画家だったルブランが革命後にフランスを逃れてロシアに滞在中に描いた、異国情緒も感じられる作品です。ドラクロア作「シュビラと黄金の小枝」。あの大家の絵がここで観られるなんて…と驚く方もいらした、1845年のサロン出品作。こちらは少し時代を下ったロマン主義のもの。ブーシェ作「恋文」壁の色に合わせた結界のワイヤー。こちらはヤマザキマザック社製とのこと。すべての絵と視線を合わせながら座ることのできる紅のソファでマホガニーの床を足下にしつつ過ごせる贅沢。次は黄金色の部屋に移動します。「ヤマザキ マザック美術館 公式HP」☆ 名古屋駅から地下鉄で7分、新栄駅の直通エスカレーターで美術館内に入れます。「アントワネットの文机の日記」
October 24, 2012
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名古屋の誇る美の殿堂・ヤマザキマザック美術館のブロガーデーに今年も参加させていただきました。*** (マリー・アントワネットの時代、ロココ絵画を堪能できる ヤマザキ・マザック美術館が当地にオープンしたのは2010年。 絵画のみならず、ガレなど花器や家具のコレクションも充実、 美しい館内で満たされたときを過ごせるのを愉しみに、今年も企画展・ 「エマイユの煌き」を鑑賞、その余韻覚めやらぬうちにヤマザキマザック美術館さんより「ブロガー募集」のメールを拝受。 「コンスタントにブログを更新している、美術館で開催されるブロガーデーに参加後、 一週間以内に展覧会の紹介をするブログをアップできる」などの応募要件のもと、 昨年に続いて幸運にも、閉館後の静かな美術館でスタッフの方のお話を聞きながら鑑賞、 一定の条件を守りつつ、館内の撮影をさせていただくことができました。ブログ用の0.3Mの朧な画像とメモ書きと記憶に頼った拙文ではございますけれども、 麗しい美術館の魅力を少しでもお伝えできれば幸甚に存じます。) ***陽が傾き街の灯りが点りはじめた頃、流線形のスポーツカーが展示されたウィンドーに迎えらてすでにクローズの札が立てられた美術館のドアを潜り、魅惑の時間がスタート。日本の技術に裏打ちされた勢いは、まだまだ健在であると思わせてくれる企業の内に、かくも良質のコレクションが秘められていたというコントラストをも愉しく感じながらエレベーターで5階の展示室に運ばれると、まず目に入るのはボナールの絵画。「薔薇色のローブを着た女」は、美術館の完成を見届けたかのように惜しくも昨年亡くなられた山崎照幸館長の最初のコレクションとなった作品。日本の企業の中で、いち早く欧州へ進出、自社の工作機械を広めるために赴いていた際、休日には美術館の鑑賞を愉しみにされていたのだそう。本当に絵の好きな方が最高のタイミングで出会い、コレクションを醸成し、それを広く一般に鑑賞できるようになったという幸運をもたらしてくれた記念碑となる淡いピンクの作品のための一室を通って、いよいよ日本随一のロココ絵画の空間へ。正面にあるのは、若くして亡くなった寡作の芸術家の絵が日本にあることそのものが驚きともいわれるヴァトーの「夏の木陰」。ボタンで動く巨大なレンズを設置してまでも、ゆっくりと細かいところまで観てほしいという思いの込められた作品。プチ・トリアノンあたりの自然をイメージしながら絵のなかに入り込めば当時の恋の語らいが聴こえてきそうな、奥行きのある絵画です。パテル作「行軍(野営とペア)」ランクレ作「からかい」パテル作「野営(行軍とペア)」グルーズ作「犬と遊ぶ子供」次は大作の並ぶ紅の大広間へ。「ヤマザキ マザック美術館 公式HP」☆ 名古屋駅から地下鉄で7分、新栄駅の直通エスカレーターで美術館内に入れます。「アントワネットの文机の日記」
October 23, 2012
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身にしみのこる夏のあとさがし肌におぼえある秋のひをむかえ「さまざまに 心ぞとまる 宮木野の 花のいろいろ 虫のこゑごゑ」*256「Portable Story 100 pieces 2」「Portable Story 1000 pieces」「Portable Story 1000 pieces 2」「Portable Story 1000 pieces 3」 【B56 セントジャーメイン (サンジェルマン】
October 21, 2012
第三幕 第二場(宇治の院。 僧都と二人の僧が読経するなか、浮舟登場。 一人の僧が進み出て、浮舟の髪に鋏を入れる。舞台暗くなる。 やがて舞台中央に髪を下ろした浮舟。 浮舟、手を合わせてまだ覚束ない読経を始めると、妖火(実は光源氏)とわかる影が浮かぶ。 「春の夜の 夢の浮橋 とだえして 嶺にわかるる よこ雲の空」 読経に和歌が重なり、幕紫式部が描く物語の最終段階、宇治を舞台にした浮舟の悲劇は何故起こったのか。原作で「清げな男」とのみ言い表されている、浮舟を宇治川に導いた謎の人物の存在がずっと気にかかっていましたので、わたしが観たい物語として書き起こしてみました。拙文、ご覧いただきありがとうございました。「源氏物語の日記」
October 20, 2012
第三幕 第一場(宇治川のほとり。 白く広がる浮舟の衣。 松明を持った僧都と僧たち数人に続いて尼君と女房数人登場。 白い衣を見つけた僧都、近づいてみると、浮舟がいる)僧都 大丈夫か、気をしっかり持たれよ。浮舟 …あの方は…わたくしを…お連れくだらなかった…。僧都 物の怪にかどわかされたのだ。無事で良かった。尼君 心配いたしましたよ。(近づいて)でも…お顔の色が…少し良くなっておられるような…。僧都 そなたをかどわかした物の怪は、立ち去ったと見えるな。尼君 兄上のご祈祷のたまものでございますね。浮舟 あの方は…物の怪などではございません…。僧都 あの方…。そなたは…あの御方の顔を見て…何者か気づかれたのか。浮舟 いえ…ただあの方は、物の怪でも鬼でもございません。ただ…哀れな方。僧都 …いずれにせよ、そなたが無事で良かった。これも観音様に守られていられるからでしょう。尼君 そうですよ、この方は私の娘の代わりに、観音様が授けて下さった…。浮舟 わたくしは、人形(ひとがた)ではないのです。尼君 (よく聞こえず)ええ、なあに?浮舟 (僧都に)お願いがございます。 わたくしの髪を、どうぞ下ろしてくださいませ。尼君 何をおっしゃるの。浮舟 わたくしは、二度までも、みずから死に臨もうとした身…。このままではまた、同じようなことを繰り返し、さらなる罪を作ることになりましょう。俗体でいることは、もはや出来ませぬ…。どうか…。尼君 まだお体も癒えていない、そんな若い身で尼になるなんて…。浮舟 ますます苦しくなってからでは、尼になっても勤行もままならず、甲斐のないことでしょう。どうか、今このときに、髪を下ろしていただけましたなら、嬉しゅうございます。僧都 わかりました。それでは、受戒をしてさしあげましょう。尼君 兄上…。浮舟 嬉しゅうございます。続きます。「源氏物語の日記」
October 19, 2012
第二幕 第三場(宇治川のほとり。舞台中央に現れた妖火と浮舟。)妖火 初めてそなたを見たときから、私の心は変わらない。浮舟 あなたは…どなた…。妖火 私は…多くの女人を愛して彷徨い…多くの女人に先立たれ…見捨てられた身…。浮舟 そのように…神々しいほどの美しいお姿でありながら…。妖火 美しさが何であろう。 衰えぬ体を持った私は死ぬことも未だ出来ぬ…。 出家した身では、みずから死ぬことも出来ぬ…。 逝ってしまった女人たちの傍にも行けぬまま、勤行でも解けぬ煩悩を未だ抱えて彷徨うている身なのだ…。浮舟 彷徨うて…彷徨うて…わたくしと…同じ…。妖火 …。浮舟 八の宮さまを父上に持ちながら疎まれ、母上さまが嫁がれた家でも疎まれ、お姉さまの中の姫の館にも、薫の君さまがお連れ下さった宇治の山荘にも、匂宮さまがご用意下さった京の家にも参ることができず…。妖火…。浮舟 本当は…わたくしの…心の中の鬼が…違うのだ、ここではないのだと…甘くささやくのです。 誰かの人形(ひとがた)として、身代わりとして愛玩されるのではなく、真の心でわたくしを望んでくださる方をと…。妖火 本当は…私を呼ぶのも…そなたの…心ひとつなのだよ。浮舟 心ひとつ…。妖火 (浮舟ではなく遠くを見つめて)初めてそなたを見たときから、私の心は変わらない。それが、最も敬うべきものを裏切ることになろうと、たとえ鬼が巣食おうと、私の真の心は…変えられぬのだ。(顔を落とす)浮舟 …涙が…涙の川が流れるうちは、鬼ではないのでしょう…。妖火 …。浮舟 哀しいお方…。それでも…初めてわたくしを…真の心で望んでくださったお方…。妖火 私は…そなたを道連れにしようとしたのだ…。みずからの煩悩から逃れたいゆえに。浮舟 はい…それでいいのです…。わたくしもまた…どなたかに真に望まれたいという煩悩を抱えて…みずからの心ひとつも決めることが出来なかったのですから。妖火 …浮舟 みずから死ぬことが許されぬ身でありながら、朽ちぬ身を抱えて長く長く流離ってこられたあなたと…人形(ひとがた)として愛玩されることは出来なかったわたくしは…。なにを愛しいと思ってよいのか…どなたに…添うてゆけばよいのか…。妖火 みずからの心ひとつも決められなかった。浮舟 でも…よいのです…。あなたのおかげで…わたくしはみずからの真の心をみることができたように思います…。妖火 そなたは…。浮舟 どうぞ、お連れくださいませ…。あたなの望むところへ…。妖火 浮舟…。初めてそなたを見たときから…。(妖火と浮舟、静かに舞ううちにかき消えて、舞台暗転)続きます。「源氏物語の日記」
October 18, 2012
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すそにつめたくのこるくさつゆみみにすずしくさわるむしおと「夕されば 萱がしげみに なきかわす 虫のねをさへ わけつゝぞ ゆく」*255「Portable Story 100 pieces 2」「Portable Story 1000 pieces」「Portable Story 1000 pieces 2」「Portable Story 1000 pieces 3」 【B55 キリスト】
October 17, 2012
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山本耕史さん主演のBSドラマがNHK総合で今週から放送されますね。日時 10月18日(木)より 毎週午後8時~「陽炎の辻」は1から3まで、すべて視聴、ディスクにも残して秘蔵しているのですがこのところ、時代劇はBSに移行してしまったのを非常に残念に思っていました。それでも、同じくBSだった「新撰組血風録」が今年になって総合で放送されましたので「薄桜記」も…と期待していたところ、早くも地上波で観られることに。きっと多くの方が要望されたのでしょう。頼長公を妖演された山本さんの変幻自在ぶり、再び感謝して拝聴します☆「山本耕史さんのドラマ&舞台&映画の日記」「薄桜記 公式HP」
October 16, 2012
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そのことばひとつで心おれてしまうのはそのおもいひとつで生きるときめるのは「いかなれば うは葉をわたる 秋風に した折れすらむ 野辺のかるかや」*246「Portable Story 100 pieces 2」「Portable Story 1000 pieces」「Portable Story 1000 pieces 2」「Portable Story 1000 pieces 3」 【B46 放浪者】
October 14, 2012
第二幕 第二場(宇治の院、浮舟のいる小部屋、すぐ隣の祈祷場には僧が数人登場。 物の怪をうつすための憑坐(よりまし)、少し離れて座る。 読経が始まる。やがて憑坐(実は妖火)が苦しげに動き出す。)憑坐実は妖火 祈祷をやめよ…。僧都 お前はいったい、何者なのだ。申してみよ。妖火 私は…このように…お前たちのようなものに戒められる身ではない…。 昔は、宇治で勤行三昧をしていたが…ほんのささいなことで、この世にうらみが残り…漂い彷徨っていたのだが…宇治の山荘に…美しい女がいるのをみて…。その女がみずからの心の鬼と…この世をうらんで…。「何としても死にたい」と…夜も昼も望んでいたので…闇夜に乗じて…一人きりでいたところを…とり憑いてやったのだ…。僧都 何者か、名乗られよ。妖火 お前たちに名乗る名はない。僧都 なんと…それではやんごとない身でこの世に心残されたか。ではいずれかの納言か大臣であらせられるか。妖火 …。僧都 (憑坐に近づいて)…まさか…あなたさまは…。(憑坐の僧、立ち上がって浮舟の手をつかむと、二人は神隠しにあったように舞台から消える)僧都 待て、待たれよ。(祈祷をしていた僧たち、騒然となるなか、舞台、暗くなる。)続きます。「源氏物語の日記」
October 13, 2012
第二幕 第一場(宇治川のほとり、故朱雀院の領していた宇治の院、尼君の部屋。)尼君 兄上、よくお山を降りて、ここまで来てくださいました。僧都 あの女人の具合は…そんなに悪いのか。尼君 相変わらず…。兄上が宇治の院であの人を見つけられたときのままにございます。僧都 そうか。尼君 治して差し上げようにも、薬湯もとらず、何も食べようとも飲もうともせず…。こんこんと眠るばかりで…。 時おり目を覚まされても、ただ忍び泣いている様子…。僧都 何かやはり、訳あって彷徨ておられたものとみえる…。尼君 お姿も見につけていたものも上品で、高貴な方とお見受けしております。 それだけに、このような寂しい場所、普段は住む人もないようなところに、たった一人で倒れていたなど、よほどのことがあったに違いありません。僧都 宇治の院は元々の持ち主であられた朱雀院が亡くなられてから、弟御の源氏の院がお住まいになって勤行三昧、紫の上の菩提を弔っておられたところ。 源氏の院が逝かれた後は、宿守が一人居るばかりで、このように荒れ果ててしまったのだが…。尼君 まあ。こちらは、あの源氏の院ゆかりの場所でしたの…。僧都 私は京で、お若い頃の源氏の院をお見上げしたことがあるが、出家の身であることを忘れるほどのまたとない美しさであられた。 しかしながら、ここ宇治の院で勤行されているお姿は、齢五十を越えているとは信じられぬほどのお若さで、この方はお歳をとらぬのかと…。 それから間もなくお隠れになったと伝え聞いたときには不思議な気がしたほどじゃ。尼君 まあ、私も源氏の院をお見上げしとうございましたわ…。 いえ、兄上、それよりもあの人のことでございます。僧都 そうであった。 そなたと初瀬に参られた母上が帰る際、具合が悪くなったと聞いて。宿守とは知り合いゆえ、皆がしばらく過ごせるように設えてくれるよう頼みに来て…。 偶然にも、あの女人を見つけたのだが…。 暗闇でうっそうと茂った宇治の院の木の根元に、白く広がったものを見たときは…。 たしかに物の怪ではないかと…。尼君 物の怪などではございません。美しい、可愛らしい女人です。僧都 わかっておる。人とわかればこそ、見捨ててしまえば罪になると思い、こうしてそなたに世話をさせているのだ。尼君 実は私…初瀬の観音様にお参りしているときに、夢を見ましたの。亡くなった私の愛しい娘が帰ってくるというお告げで…。 ですから、あの人を見たときは本当に嬉しくて…。 お具合の悪い母上もさることながら、観音様の授けて下さった娘と思って心をこめて、あの人のお世話をしているのでございます。僧都 そうであったか。尼君 本当に上品な方なのですけれど、心に重く苦しいものを抱えていらっしゃるようで、泣いてばかり。口を開けば死にたい、宇治川に流して欲しいと言うばかり…。僧都 やはりまだ、物の怪が憑いているのかもしれぬな。尼君 はい、是非、兄上に、尊い御祈祷をお願いしたいと、ご修行のお邪魔になるとは知りながら、お願い申し上げたのでございます。 なにとぞ、あの人を苦しみから救ってあげてくださいませ。僧都 拙僧にいかほどの力があるかは分からぬが、観音様が授けてくださった方ならば、なおのこと、できるだけのことをして進ぜよう。続きます。「源氏物語の日記」
October 12, 2012
第一幕 第四場(宇治の山荘、浮舟の部屋。 中央の文机の前で、鬱々と顔を伏せる浮舟と、傍らに女房の右近が侍従の帰りを待っている。 侍従登場、外から戻って浮舟の部屋の前室に入る。)侍従 右近さん、右近さん。右近 まあ、侍従さん、遅かったではありませんか。侍従 時方さんを通して、匂宮さまをお返し申し上げるのが大変だったのですよ。右近 それでは、匂宮さまは…。侍従 ええ。右近 姫さま…。今宵は匂宮さまはお帰りになられました。浮舟 (顔を伏せていたのを少し上げて)そう…。右近 都へ迎えられる日も近こうございますね…。どうか、薫さまか、匂宮さま…どちらのご用意下さった御邸になさいますのか…。浮舟 …。右近 …お心の向く方をお決め下されば、私どもまわりの者たちは浮舟さまに付き従ごうていくばかりにございます…。浮舟 …右近…。右近 はい。浮舟 一人にしておくれ…。母上からの文の返事を書きたいから。右近 はい。(右近、前室にいる侍従を伴って、退場。 浮舟ひとり文机に向かい筆をとる。 文を書きながら泣いている様子。 周囲から静かに聞こえてきた魔を祓う読経と浮舟の歌が重なる。 「のちにまた あひ見むことを 思はなむ この世の夢に 心まどはで」 読経と共に遠くから鐘の音が静かに響くなか、浮舟の詠む歌が重なる。 「鐘の音の 絶ゆる響きに 音をそへて わが世つきぬと 君に伝へよ」 読経が高まるなか、筆を置いた浮舟激しく泣くが声は聞こえない。 読経だんだんと静まるとともに、浮舟のしのび泣きがほのかに聞える。 夢とも現ともわからぬ様になる浮舟。 やがて篝火に浮かび上がる、ようやく男とわかる影が、朧な声でうち伏した浮舟に呼びかける。)妖火 …浮舟…浮舟…。浮舟 (うち伏しつつも、衣が微かにふくらむ)…。妖火 …こちらへ…こちらへ…。浮舟 (やや乱れた髪のあいだから)…あなたは…。妖火 わたしは…そなたを愛しく思うもの…。 また…そなたが愛したいと願うてやまぬもの…。浮舟 (頭を少しもたげて首をふりながら)…わからないのです…。わたくしには…愛しいとは…どういうことなのか…。妖火 (ゆれる影)…。浮舟 (さらに頭を上げて前をみて)…愛しいという言葉を…わたくしは幾度も…幾人もの方から…かけていただきましたけれども…。 薫の君…匂宮さま……。かつて文を届けてこられた少将どの……。お母さま…。(思いがせきあがったようにいま一度、激しく顔を伏せる)妖火 …ここは暗く…静かだ…。浮舟 …。妖火 目をあけていても何もみえぬ…。浮舟 …。妖火 いまは何もみえぬ。浮舟 …。妖火 だが…この暗きところから、より暗き闇をみて…。浮舟 …。妖火 …そなたが…愛しいと口にしたとき…はじめに浮かぶ面影は…。浮舟 (座しつつもゆっくりと身体を起こして)いとしい、と…。 妖火 そうだ…。(秘かに浮舟に近づき)そなたが…みずから口にして…。浮舟 (前をみて)いとしい、と…。妖火 (浮舟の肩を覆うように)そうだ…。浮舟・妖火 (同時に)…愛しい、のは…。浮舟 (浮かんだ面影に怯えるように再びうち伏せようとするのを、妖しき男に抱き留められて) こわい…。妖火 そなたはみたのだ。浮舟 …ゆるされようはずもないものを。妖火 何にゆるされようというのだ。 浮舟 …妖火 母にか、裏切った男にか、それとも裏切らせた男にか。浮舟 …わたくしの…心の中の鬼がやさしくささやくのです…。 あの方…わたくしを…この鳥かごのような棲まいから連れ出し…橘の常磐の緑にかけて愛を語られた方のもとへ行けと…。妖火 …浮舟 …けれどその鬼の傍らで…わたくしのなかの人の心が…。 母上の望みに叶うお方…あの光る君と称えられた源氏の院に繋がるなかでも、もっとも芳しく誠実な方に申し訳ないとは思わぬのかと…夜に昼に責めたてるのです…。妖火 (浮舟の肩から離れて)…。浮舟 心の鬼と人の心…わたくしはどちらに従えばよいのでしょう…。妖火 …そなたが母の望みに…人の心に従いたくとも…そなたはもう、人にはなれぬ…。 誘い導いた者があったとしても、みずからの足で暗き川のほとりまで歩み、木の葉のような小舟で渦巻く流れにのり、向こう岸まで渡ってしまったのだから。浮舟 ああ…。妖火 …だがしかし…鬼にもなれぬ…。そうしてまだ…涙の川を流すなら…。浮舟 …。妖火 人にも鬼にもなれぬなら…。人でも鬼でもないわたしと共に来るがよい…。浮舟 あなたは…どなた…。(再び、読経が微かに響き、鐘の音が重なる。 妖火は浮舟を立ち上がらせ、何処へともなく導いてゆく。)続きます。「源氏物語の日記」
October 11, 2012
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まだわからないあきはきてるかまだわからないかぜはきてるか「秋きぬと 風もつげてや やまざとに 猶ほのめかす はなすゝきかな」*245「Portable Story 100 pieces 2」「Portable Story 1000 pieces」「Portable Story 1000 pieces 2」「Portable Story 1000 pieces 3」 【B45 ブレスオブラブ】
October 10, 2012
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早くからペアチケットを手に入れていたマリー・アントワネット展を鑑賞したのは夏休みに入ったばかりの頃、会場の名古屋市博物館は、まだそれほど混んでいなかったため、友人とゆっくり楽しむことができました。悲劇の王妃の物語は、小学生のときに出会った名作コミックでもう何度も何度も、ひとつひとつの場面から台詞まで思い出せるのは同行した友人も同じ。(おそらく会場にいた全ての女性も)。ハプスブルグ展でも、フランス展でも、ヴェルサイユ展でもなく、王妃の名前そのものを冠した展覧会に出かけるのは初めてのこと。昔日、同じタイトルの展覧会に親の保護下にある小学生のとき泣いて頼んでも行かせてもらえなかったほろ苦い思い出も蘇りつつ美しい展示品の数々を拝見。まず目に入ったのは、小さな頭部をもつ胸像。学生のときに訪れたマダム・タッソーの蝋人形館の、ルイ16世とアントワネットの頭部が並んでいるという衝撃的なコーナーが彷彿として。王妃のそれのあまりの小ささに、小顔などと当時は耳にしたことがなかったにも関わらずまさにその言葉そのものの印象が今だに残っているのですけれど、展覧会にあった胸像も結い上げた高い髪に埋もれるようで。マダム・タッソーが実際にフランス革命時の、断頭台の光景を目にしたと知るまではつい最近まで、想像で王夫妻の姿を作ったと思い込んでいたのですけれど、今回、この胸像をみて改めて王妃の、ファッションリーダーたる重要な要素を感じたのでした。次に目に入ったのが、チケットにもなっているルブラン作の肖像画。王妃の肖像画に携わった画家は何人もいたようですが、ルブランの肖像画は画家本人が可愛らしい路線の美人だったこともあるのでしょう、どう描けば最大限に美しく見えるか、知り尽くしているといった印象を受けます。1778年に最初に描いた全身像を元に制作されたという若い王妃の絵は、ぷっくりと紅い唇やふわっとした髪が白い肌にかかる様子、一番綺麗に見える視線の向きや頬のライン、可愛らしいのに知的にさえ見えるという顎や額の角度に加えて内面の輝きまで現したよう。「そう、私の姿は本当はこうなの、こう描いて欲しかったの!!!」という王妃の圧倒的な支持がうかがえる素敵な作品で、革命後、国外に逃れたルブランに描いて欲しいという女性が後を絶たなかったというのも肯けます。興味深かったのは、クリスタルで再現された例の「首飾り」。展示されたものを見ると、二つのパーツに分かれていて、アントワネットブルーと思われるリボンで結んで首まわりを飾るようになっているようでした。そのほか、錠前作りが趣味だっというルイ16世の手による「マリー・アントワネットの時計のねじ」、昨年、ヤマザキマザック美術館でも拝見した当時の衣装や軍艦を載せたヘアスタイル、王妃のサインを入れて物議をかもしたという侍女任命状などが印象深く。アートショップでは、図録を購入。嬉しいことに、あの素敵な肖像画が大きな帯になっていてさらに同じ絵の栞にピンクかブルーのリボンがついたものを選ぶことができましたので、当然のことながら、アントワネットブルーの方を頂いたのでした。静かに鑑賞した後は、アントワネットに関する話題を存分におしゃべりしながらランチ。日本中に遍く浸透している一大文化を今後も楽しめますように。「アントワネットの文机の日記」
October 9, 2012
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つめたくのこるあとをたどりてまだ手にのこるかれをさがして「ふみしだき 朝ゆく鹿や すぎつらん しどろに見ゆる 野ぢのかるかや」*244「Portable Story 100 pieces 2」「Portable Story 1000 pieces」「Portable Story 1000 pieces 2」「Portable Story 1000 pieces 3」 【B44 守護天使】
October 7, 2012
第一幕 第三場(舞台は第一場と同じ)時方 侍従どの、侍従どの…。侍従 (まだ夢見ごこちで)はい…。時方 とにかく、浮舟さまは匂宮さまの方にお心を決められたのでしょうな。 匂宮さまは、薫の大将さまに先立って、浮舟さまを都に迎えようとお住まいを整えておられるのですぞ。よもや…。侍従 (我にかえって)決めるも何も…。深窓の姫君のお心は…そばにいる女房次第…。 いえ、物語にもありますように、一度目は、周りの者も油断してお通ししてしまった男君から逃れられない女君でも、二度目は、何としてでもお拒みになることはできるはず…。 右近さんも私も、匂宮さまの立派さ、美しさに気圧されていたとはいえ、お仕えする主の真の心に添わないことは、決していたしませぬ。 匂宮さまをお逢わせいたしましたのも、浮舟さまのお言葉のうちにある真の心を汲みとってのこと。 時方 真の心…。侍従 薫の君、匂宮さま双方から御文がきましても、先にお読みになるのは匂宮さまの方。 これまで頂いた御文も、繰り返しご覧になるのは匂宮さまの方。お返事申し上げるのも…。時方 それでは…。侍従 あとは浮舟さまみずからが、真の心にお気づきになること…(侍従、時方のもとを辞して、宇治の山荘に戻ってゆく。)続きます。「源氏物語の日記」
October 6, 2012
第一幕 第二場(侍従の回想 舞台さらに暗くなってから、ちらちらと花に紛うほどの雪。 花道に先導の時方、浮舟の手を引いた匂宮登場。遅れて周りを気遣いながら侍従登場。 四人は舞台に進み、宇治川の岸辺に着けられた小舟に乗る。 時方が最初に乗り移り、浮舟を抱いた匂宮を助けて乗せ、 最後に時方に手を取られて侍従乗り込む。 小舟は静かに、宇治川の対岸を目指して進む。)時方 (竿をさし留めて)宇治の川も中ほどまで参りました。こちらに見えますのが橘の小島でございます。匂宮 (浮舟に)見てごらん。あんな小さな島に、ほら…はかなげな木だけれど、枯れ落ちぬ葉に白い雪が積もって…。 千年の先も変わらずに、そなたと共にあの緑の深さを愛でられたら…。 「年経(ふ)とも かはらむものか 橘の 小島のさきに 契る心は」浮舟 「橘の 小島の色は かはらじを この浮舟ぞ ゆくへ知られぬ」 わたくしのこの身は、いったいどこまで流れ流れてゆくのでしょう。匂宮 (浮舟をさらに引き寄せて)初めてそなたを見たときから、私の心は変わらない。 京より遥々と山々を越えて、またこの宇治の川を越えて、さらには薫との友情をも越えて、こうしてそなたの傍にいるのだ。侍従 (思わずつぶやいて)ああ、なんとお美しい匂宮さま。いにしえの光る源氏の君も、かくやと…。匂宮 (侍従を振り返り)これ、そこな者、わが名を誰にももらしてはならぬ。侍従 (声をかけられたことに恐縮して)は、はい…(やがて小舟は対岸に到着。 時方ゆかりの家の準備が整う間、匂宮と浮舟、これまで越えてきた宇治川の流れを振り返りつつ、静かに舞うなか、舞台暗くなる。 侍従の回想終わり)続きます。「源氏物語の日記」
October 5, 2012
登場人物 浮舟(うきふね 宇治に住む女人) 妖火(あやしび 実は光源氏) 匂宮(におうのみや 光源氏の孫) 時方(ときかた 匂宮に仕える男) 侍従(じじゅう 浮舟の女房) 右近(うこん 浮舟の女房) 僧都(そうず 浮舟を助ける) 尼君(あまぎみ 僧都の妹)第一幕 第一場(宇治川のほとり、宇治の山荘の垣根。 垣根の中と外では篝火が赤々と燃え、山荘の周りを護衛するものたちの影が見える。 山荘から少し離れた場所で人待ち顔の時方。 山荘の垣根を潜って、侍従登場。)時方 (待ちかねた様子で)いったいどうしたことです、この物々しいまでの人の多さ、守りの固さは。あの雪の夜にお訪ねしたときは、外の灯りもほんのわずか、宿直の者の垣根もなきに等しかったというのに。 今はまるで空を焼かんとするばかりの篝火で昼間のよう、人の垣根が都大路にあるごとく、この宇治の山荘を取り囲んでいるのは…。侍従 薫の君がお気づきになられたのですわ、匂宮さまと浮舟さまとのことを。時方 何と。侍従 都にいらっしゃるときから、匂宮さまは浮舟さまにご執心…。中の姫さまとお子までなしながら、その妹君の浮舟さまにまで目を留められて…。時方 匂宮さまは美しい女人には身分のことなど気にせず、尽くされる方ですからな。侍従 (少し怒って)まあ…。浮舟さまは、元々、亡くなられた大姫、中の姫と浮舟さまには姉君にあたられる女人に思いをかけておられた薫さまのために、呼び寄せられた方なのですよ。 私たちと同じく、女房の身でありながら亡き源氏の院の弟君である八の宮さまの情けを受けた方が、お産みになったのが浮舟さま。 もっとも八の宮さまは、大姫や中の姫と母君と違って、身分の低い方が産んだと下げずまれて、お子様とはお認めにならなかったそうですけれど…。 それでも、浮舟さまはれっきとした、王家に連なる方なのですよ。時方 まあまあ…。侍従 それを…浮舟さまが中の姫さまのお部屋近くにいらしたところを、匂宮さまがそのお美しさに気づかれて…。 匂宮さまの手が及ばぬうちにと薫の君が浮舟さまを、この宇治へ、元々は中の姫さまとお姉さまの大姫が八の宮さまとお住まいになっておられた宇治の山荘へお移しになったというのに…。 まさか、あの雪の夜が宇治での二度目の逢瀬とは。時方 侍従どのは知らなかったのか。侍従 あの夜、お側付きの右近さんが顔色を変えてやってきたときに、はじめて…。 確かに一度目は。薫の君と匂宮さまはお二人共に、あの光る君と称えられた、いまは亡き源氏の院の御子孫であられるのですもの。ましてや火も落とした闇のなかでは、右近さんもお二人を取り違えても仕方のないことだけれど…。時方 匂宮さまは、薫さまの芳しさを羨まれて焚き染める香りまで真似をされていますからな。侍従 もし間違いに気づいたとしても、物語にもあるように女房ごときには、「朝になったら、御迎えに来るように」とでもおっしゃったでしょうけれど…。時方 それはまあ、源氏の院が…若かりし頃に空蝉と呼ばれた方との逢瀬で使われたお言葉でして…。たしかに匂宮さまも、これまでも何度か女人との逢瀬でお使いに…。侍従 (かるく睨んで)とにかく、二度目にお越しのときは、さすがに右近さんも一人では隠し通すことはできなくて、この侍従をも仲間に引き入れたのだけれど…。 でもまさか、高貴な方があんな思い切ったことをされるなんて。時方 それはすべて、この時方の采配にて。侍従 昼間でさえ、勢いが激しくて、覗き込むのも恐ろしいほどの宇治川を、凍えるよう な雪の夜、小舟で越えてゆくなんて。 時方どの、本当はあなた、前にも他の女人を乗せていったことがあるのでしょう(と抓る)。時方 めっそうもない、侍従どの。 私はとにかく、匂宮さまのご命令に従って、なるべく人目に触れぬよう、宇治川の向こう岸の、この時方ゆかりの家へご案内申し上げたまでのこと。侍従 それにしても…雪明りに照らされた匂宮さまの…ああなんと、お美しかったこと…。浮舟さまも…。時方 やはりお心が傾かれたか。侍従 めったにないような危うい橋を渡っての逢瀬だもの…。 ましてや深窓の姫君、ほとんど外に出ることもない方が…心動かぬはずはないでしょう…。私だって…。時方 この時方に心奪われて。侍従 (かまわずに)匂宮さまのお美しかったこと…。***紫式部が描く物語の最終段階、宇治を舞台にした浮舟の悲劇は何故起こったのか。原作で「清げな男」とのみ言い表されている、浮舟を宇治川に導いた謎の人物の存在がずっと気にかかっていましたので、わたしが観たい物語として書き起こしてみました。続きます。「源氏物語の日記」
October 4, 2012
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いちにのさんではじまった恋のいちじんのかぜふきいれる隙の「をしなべて 草葉のうゑを 吹風に まづした折るゝ 野辺のかるかや」*243「Portable Story 100 pieces 2」「Portable Story 1000 pieces」「Portable Story 1000 pieces 2」「Portable Story 1000 pieces 3」 【B43 クリエイティビティ】
October 3, 2012
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京都で双頭の鷲のモデルに関する展覧会を鑑賞できた9月。4つの映画にも足を運ぶことができました。まだまだ暑さの続くなか、読んでいた本は ヨーガの講演会の予習復習で読んでいたのが、取り寄せたのは日本ヴィヴェカーナンダ協会が出版したもの。ショーペンハウアーをはじめ、古今東西で読み継がれているのだそうです。京都の旅のお供にしたのは2008年の藤原竜也さんの舞台で「かもめ」を観ていたのですがNHKの「100分de名著」で交わされた台詞の言葉つきに記憶があったのでテキストに加えて、新訳の方も取り寄せてみたのでした。10月の「100分de名著」は方丈記とのこと。以前、原典を目にしたとき、描かれた惨状に慄いたものでしたけれども。改めて読んで、新しき学びにできますように。9月に鑑賞した映画&展覧会「I'M FLASH」「夢売るふたり」「鍵泥棒のメソッド」「シネマ歌舞伎 籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)」えきKYOTO「エリザベート」展京都大丸「平山郁夫」展貨幣資料館「人物東海道&東海道張交図会」展「感謝したこと」を手元の手帳に書き留めること、今年も続けます。9月のギフト・ヨーガで新しい出会いをいただいたこと。・京都行きを愉しめたこと。・神戸&大阪の旅の計画を立てたこと。・生活プランを見直したこと。・家族が共にいられること。***日常がどんなに喜びに満ち溢れているかが、目で見てもわかり、潜在意識にも教えてあげられる方法。皆さまに佳きものが齎されますように。「今月のギフトの日記」
October 2, 2012
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