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皆さん、こんにちは。以前の日記にちょっと書いたように、前に働いていたNGOから仕事の依頼が入り、ヨーロッパまで来ているのを利用して、そのNGOの本部があるイギリスまで出張することになりました。明日から数日、行ってきます。その後は、夫と合流して帰国予定です。よって、このブログは約一週間、お休みすることになると思います。帰国後、またお会いしましょう。
2006.11.24
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私たちの住む国には映画館がないので、映画を観に行くのは、海外に出た時の夫と私の楽しみのひとつです。昨日は、「バベル」という映画を観てきました。モロッコの山奥の村の人たち、アメリカ人の夫婦、アメリカに不法滞在しているメキシコ人の女性、そして東京に住む親子。一見、何のかかわりもなさそうな人たちの話が同時進行で進み、そのうちに少しずつかかわりが見えてくる、興味深い設定でした。乾いた禿山の合間に家々が並ぶ、別世界のようなエキゾチックなモロッコの田舎の風景と、そこに暮らす人々のつつましい様子。典型的な野放図な大都会のエネルギーがあふれるメキシコシティ。そして、そこに生きるひとりひとりの人間が飲み込まれてしまうような巨大な近代都市、東京。それぞれの街での暮らしは、まるで違って見える。そこに生きる人たちはみんな、一生懸命に、せいいっぱい生きている。そして、遠く離れたところに暮らす人たちが、何かの形で関わり合っていて、その中で、確執やひずみが生まれることもある。そんな現代の様子が淡々と描写されていました。何よりも私の心に残ったのは、様々な状況に生きる人たちが、それぞれの形で家族を思う心があたたかく描かれていたこと。まるで、色々な社会問題が家族を崩壊させていくのにあらがうかのように。とても切なくて、でも何だかいとおしい気持ちにさせられました。時代が変わっても、形が違っても、家族を作り、その中で喜怒哀楽を味わい、学び、社会と関わっていくのは、人の営みの基本なのかもしれませんね。
2006.11.24
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ハーグの街では、寒い雨の日が続いています。冬のない国に生まれ育った夫は、かなり参っている様子。私も、冬の寒さには慣れているものの、やはり積極的に出歩く気にはなりません。ある本屋さんの中に、ワイアレスのインターネットが無料で使えるカフェを見つけ、長時間粘っても何も言われないのをいいことに、ほとんど毎日のように、パソコン持参で入り浸っています。おいしいコーヒーや紅茶と、時にはケーキなんかを頼んで、BGMと適度なざわめきを耳にしながら、メールを打ったり、ブログを書いたり読んだりするのは、なかなか心地いいものです。(↓ハーグの街の風景です)さて、以前の日記に書いたように、10月の初めからしばらくは、私にとって、何もしないでいることが必要な時期だったようです。その間、私は、気が進まないながらも、Love in actionを意識して、自分の内面に目を向けつつ、一日一日を丁寧に過ごすようにしてみました。やってみると、今まで見えていなかった色々なことが見えてきたり、自分にとって心地良い暮らしのペースがつかめてきたりして、意外と悪くない……。そんなふうに思い始めました。それからかれこれ一ヶ月ほどが経った頃、流れが変わり始めたようです。以前勤めていたNGOからコンサルティングや翻訳の仕事を頼まれたり、前に触れたように、かねてからやりたいと思ってきたことを実現できそうな機会がやってきたり。ここのところ、これらの新しい活動の準備で、けっこう忙しい日々を送っています。「何もしない」のんびりした暮らしのペースを少々なつかしく思ったりしながらも、また動く時期がめぐってきたのかな、と、ちょっぴり気が引き締まるような、ワクワクするような気持ちです。自分から特に働きかけたわけでもないのに、来るべき時には、そういう機会がめぐってくるものなのですね。流れに身を任せてみると、ちゃんと、なるようになっていくんだな、と実感しています。自分がどういう時期に身を置いているのかをきっちり分かって、それに合った過ごし方をしてみる。力を蓄えたり、空白を作ったりするべき時はじっくりと待ち、動くべき時には、蓄えた力を思い切り発揮する。流れが滞っているように思える時にも、焦らずに、ゆったりと身を任せてみる。その感覚がちょっぴり分かったような気がします。次に、「何もしないでいるべき時」がめぐってきた時には、もう少し上手に流れに乗ることができるかもしれません。
2006.11.21
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先日からお伝えしているように、夫と私はオランダのハーグに滞在しています。ちょうど、数ヶ月前まで夫と一緒に仕事していた友人とその奥さんがアムステルダムに来ているというので、昨日は彼らに会いにアムステルダムまで足を伸ばしました。みんなでゆっくりと昼食をとって、とても楽しいひとときを過ごしました。夫の元同僚は、フランス人。奥さんは、カメルーンというアフリカの国の出身。二人は数ヶ月前に結婚したばかりで、今はフランスに住んでいますが、早速、奥さんのビザや滞在許可を取るのに、かなり厄介な思いをしているとのことです。なんでも、フランスでは、つい最近、法律が変わったばかりで、フランス人と結婚していても、アフリカの人が滞在許可を取るのは簡単じゃないそうなのです。かく言う私も、彼らほどではないものの、結婚する時の書類の手続きには、かなり悩まされました。日本で取り寄せた書類が正式なものかどうか、内容に間違いがないかどうかが、夫の国の省庁にも分かるように、面倒な手続きが必要だったようです。家族や知り合いに助けてもらって何とかなりましたが、それでも、書類が整ったのは結婚の数日前でした。色々な利益が絡んだ偽装結婚が増えている中、やむを得ないんだろうなあ、と思いつつも、何だか腑に落ちない気もしました。今は、違う国との間を行き来するのも、コミュニケーションをとるのも、少し前とは比べ物にならないほど簡単になっていますね。そんな中で、国際結婚とは、結婚したい相手が、たまたま別の国の人だっただけのこと。そもそも、色々な民族が移動したり、征服したりされたりする中で交わることは、今のような形の「国」が出来るずっと前から行われてきたのですね。それを、国という枠の中であれこれと振り回されると、当事者としては、不可解な気がするものです。昨日、そのカメルーン人の彼女は、こうも言っていました。今ある形の「国」が整ってきてから日が浅いアフリカの国々では、人々が「ここに属している」と感じるよりどころになるのは、国よりも、家族や村、民族などのことが多いのだと。そして、同じ国の人たち同士でも、連帯感を持つ代わりに、互いの違うところを探そうとする傾向があるのだそうです。この時代、国民の暮らしの基本的なところをがっちり守って、サポートしていくのは、国の大事な役割です。でも、いつか、それにとらわれず、この地球に生まれたというだけで、みんなが自然に連帯感を持てるようになるといいな。ちょっと夢のようだけれど、そんなことを思った昨日でした。
2006.11.20
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昨日は私の誕生日でした。メールやブログや電話を通じて、家族や沢山の友だちから「おめでとう」のメッセージをもらい、本当に嬉しかったです。夜には、仕事を終えた夫が、アジア系のフュージョン料理の店でお祝いしてくれ、とても楽しいひとときを過ごしました。冷たい風に身をすくめつつ、夫と手をつないで、雨の降るハーグの街を歩いていると、これからはいつも、この人と一緒に誕生日を祝えるんだな……と、しみじみと思いました。昨年の誕生日から今日までの一年間は、自由気ままな一人暮らしと、大好きだったNGOでの仕事を「卒業」して、パートナーと決めた人と共に歩みながら、今後の人生をどう生きるのか、いわば白紙に戻って考え続けた一年でした。その中で、喜怒哀楽の全てをたっぷりと味わいました。今、振り返ってみると、その全てから何かを学ぶことができたように思えます。そして、これからの一年の間にも、また予想もしなかったようないろんなことが起こるのでしょう。来年、それらを振り返ってみる時のことを思うと、ワクワクするような、ドキドキするような気持ちです。今までと同じように暮らしていれば、すべてがつつがなく流れていく、という安心感が欲しくなることも、なくはありません。でも、激しい流れの中でもがいたり、あたふたしたりしながら、ふと気がつくと、ちゃんとたどり着くべきところにたどり着いている、そんな経験も悪くない。そして、やみくもにあたふたしたり、もがいたりすることなく、ハラを決めて流れに身を任せてみられるようになりたい、と思います。
2006.11.17
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皆さん、こんにちは。「避難旅行」前の日記にあたたかいコメントをいただき、ありがとうございました。昨日から、夫が勤めるNGOの本部があるオランダのハーグに滞在しています。私たちの「脱出」は、ちょっぴり緊張した状況の中で行われました。午前中は何事もなく過ぎたのですが、空港に向けて出発する直前になって、少しずつ、キナ臭い情報が入り始めました。「大統領候補の一人の私兵たちが○○地域に集まっているから、空港に行くのには、その近くの道は避けたほうがいい」というのに始まり、「フライトがキャンセルになっているらしい」とか、「政府が便の離発着を禁止したそうだ」とか、本当か嘘か分からない情報が舞い込んできます。一方、その日の午後6時に選挙の結果発表や記者会見がある、なんていう噂も入ってきます。私は、とりあえずいつでも出られるように荷造りを済ませ、夫の帰りを待ちながら、大使館やら、旅行会社やら、空港やらに電話をかけまくりました。私たちの乗る便が飛ばないという決定的な情報はつかめなかったので、あわただしく帰ってきた夫と一緒に、とにかく出発することにしました。空港に向かう車の中では、夫の運転手と、荷物を運んだりするために同行してくれた門番のジョンも交えて、面白おかしい会話が交わされました。「あ、ほら、飛行機が下りてくる!大丈夫だ、飛行場はちゃんと機能してるよ。」と夫。「でも、もしかして、川を隔てた隣国の空港に着陸するのかもしれないよ。」と、夫の運転手。「そうしたら、隣国に渡ればいいさ。」と夫。「でも、夜はフェリーが動いていないのよね……。明日の朝まで、川のそばで夜明かしね。」と私。「いや、泳いで渡るっていう手もあるよ。みんなで競争だ。」と、夫の運転手。「私は、きっとジョンが勝つと思うわ。いつも身体を鍛えてるものね。」という私の言葉に苦笑するジョン。飛行場に着くと、ヨーロッパ行きの便が出る日は、いつもは沢山の旅客でごったがえしているのに、その日は閑散としています。「逃げる人は、もうみんな逃げちゃった、って感じだね……。」と夫が言います。とりあえず、滞りなくチェックインが済み、ほっと一安心。出発まで大分時間があるので、みんなでビールを飲んでいました。すると、私たちが乗る飛行機が着陸するのが見えました。そこで、またみんなで歓声を上げて乾杯。そのうち、激しい雨が降り出しました。そうなると、悪天候で欠航なんてことになるとイヤだね、などと誰かが言い出します。雨は、私たちが飛行機に乗り込んだ後も降り続けました。案の定、悪天候のため出発が遅れることになり、飛行機の中で待つこと約一時間。やっと離陸した時は、さすがにホッとしました。翌朝、アムステルダムの空港に着くと、そこは別世界。ずらりと並ぶ免税店に、早速目移りする夫と私(笑)。乗り込んだタクシーが、なめらかな高速道路を音もなく滑るように走るのに身を任せながら、昨日までの緊張感が遠く感じられて、何だか不思議な気がしました。私たちの住む国では、昨夜、選挙の結果発表があり、負けたほうの大統領候補が、裁判所に不正の申し立てをしていて、その結果が出るのに、いましばらく時間がかかるとのことです。引き続き、様子を見る日々が続きそうです。
2006.11.16
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昨日の日記に書いたように、この国での初の民主選挙の結果発表を控えて、夫と私は今夜の便でヨーロッパへ発ちます。帰国は、今月終わりの予定。でも、この国の政情がどうなるかによっては、最悪、戻って来られない可能性も、無いとは言えないのです。(もちろん、そんなことにならないことを祈っていますが……)昨夜、夕食をとりながら、夫とそのことを話しました。ひょっとして、戻って来られないかもしれないことも考えて荷造りしなきゃね、と。お金、コンピューター、ジュエリー類は当然のこと、あと、何を持っていくか、ちょっと考えてしまいました。旅行カバンに詰められるようなもので、本当に持って行きたいものって、意外と少ないのですね。12年ほど前、一人暮らしを始めた時、新しい部屋に持ち込んだのは、衣類と本とCDと、最低限のお皿やキッチン用品、それにベッドとテーブルと椅子くらいでした。その後も引越しの多い暮らしを送ってきた私は、その度に要らないものを整理してきました。それでも、時間とともにモノは増えていきます。中でも愛着がわくのは、贈り物としてもらったものや、旅先で買った思い出の品々。特に、結婚祝いにいただいた食器、グラス類、写真立て、テーブルクロスなどは、私にとってとても大切なものです。目にしたり、食卓に並べたりするたびに、贈ってくれた友人や家族の顔が目に浮かびます。モノ自体には比較的執着がない私ですが、モノに付随する思い出は、かけがえのないもの。そして、思い出が沢山つまったモノたちは、暮らしを豊かに彩ってくれるように思います。残念ながら、今回の旅行には連れて行けないのですが......。いざとなったら、健康で無事であることが一番ありがたいことを充分かみしめつつ、思い出の品々に再会できることを祈りながら旅立ちます。
2006.11.14
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前の日記に書いた撃ち合いがひとまず終わり、嵐の後のような平和な静けさで迎えた日曜日。この日は、前から友人夫妻を昼食に招いていました。昨日のことがあったばかりだし、外出したくないからキャンセルする、って言ってくるかな?と思っていましたが、予定どおり来るとのこと。張り切って料理し、先日の旅行の時に買ってきたワイングラスや、結婚祝いにいただいたお皿を総動員して、ちょっと豪華なテーブルセッティングにしてみました。みんなで、食べて、飲んで、おしゃべりして、とても楽しい時間を過ごしました。デザートのアイスクリームとコーヒーの後は、プール・タイム。友人夫妻も水着持参で来ていて、午後の太陽を楽しみながら、泳いだり、おしゃべりしたりしました。みんなで口々に、「忙しい一週間と、昨日の緊張状態の後では、こういうリラックスした時間が必要だね。」と言い合いました。そうして楽しい時間を過ごした後、停電が始まりました。しばらくして電気が戻ったのはいいのですが、この国では電圧がとても不安定。電圧が上がったり下がったりして、電気機器が壊れてしまうのを防ぐための道具(他の国では見たことがありません……)を使うのですが、今回は、そんなものが効かないくらいひどく電圧が上がってしまったようで、CDプレーヤーやら、電子ピアノやら、ケーブルテレビのアンテナやらが壊れてしまいました。さらに、家の電気系統の調子が悪くなって、家のほんの一部でしか電気が使えない状態。延長コードを沢山ひいて、何とか冷蔵庫にだけは電気を確保しました。一息ついた後、夫が、「昼食の時に開けたワインが残っていたっけ」と言って、ボトルを持ってきました。暗い部屋で一緒にワインを飲んで、開け放した窓から入ってくる雨の匂いのする風に吹かれていると、不思議と、まあ、いいか、という気になりました。私は大好きなピアノが弾けなくなって、夫は大好きなテレビが観られなくなって、シャワーも浴びられなくて、二人とも、気落ちはしていたのですが……。何はともあれ、元気で一緒にいられることのありがたさが身にしみたからかもしれません。今朝、門番兼、我が家の「何でも屋さん」のジョンが頑張ってくれて、家の大部分には電気が戻りました。おかげで、パソコンもインターネットも使えるというわけです。めまぐるしく色々なことがあって、色々なことを考えさせられた週末でした。
2006.11.13
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先日の日記に書いたように、ここ数日、夫の勤めるNGOが他の団体と一緒に企画したワークショップが開かれていました。どんなふうに話がまとまったのか、興味があるし、最終日の土曜日の午後、顔を出そうかな、と思っていました。その日の朝、いつものようにゆっくりと朝食をとった後、メールチェックなどしていると、懇意にしている日本大使館の領事の方から電話。「いやあ、どうも、始まっちゃったらしいですよ。」と、領事の方。「え? 始まっちゃったって? 何が?」と、私。「大統領候補の私兵同士の撃ち合いが……。」「あら~、とうとう、始まっちゃいましたか……。」「また、状況はご連絡しますが、とりあえず、外出は避けて下さいね。」以前からお伝えしてきたように、この国は今、大統領選挙の真っ只中。10月の末に二回目の投票が行われた後、開票が進んでいて、今週中に結果発表がある予定です。選挙のやり方に不正があったという不満も聞こえ始めていて、結果発表の後は政情が緊迫する可能性大、とは、皆、思っていました。しかし、それを待たずに撃ち合いが始まろうとは……。ワークショップを見に行くどころではなくなってしまいました。とりあえず、夫と連絡を取り、お手伝いさんのズズに状況を伝えました。彼女は、「本当なの? また? もう、いい加減にしてほしいわ……。」と頭を抱えていました。私も同感。真っ先に思ったのは、「いい加減にしろ!!」でした。「歴史の中で、それぞれの国がそれぞれのステージを通っていく過程を、温かい目で見守りたい」と先日の日記に書いたばかりですが、こういう状況を眼にすると、やっぱり「冗談じゃない」と思ってしまいます(笑)。隙あらばと、争いの機会をうかがっているように見える兵士たち。撃ち合いを始めることが(私たちから見れば)いかに意味のないことか、こういう状態が繰り返されることに、普通の人たちがどんなに飽き飽きしているか、彼らには興味なんてないのでしょうね。幸い、銃撃戦は数時間で終わり、街は普通の状態に戻っています。しかし、選挙の結果発表の後は、また何が起こるか分かりません。夫と私は、夫の出張を兼ねて、明日の夜の便でヨーロッパに「避難」することにしています。いざとなれば避難することができる私たちはいいけれど、もし、大事になってしまったら、他にいくところのない、普通の人たちはどうなるんだろう。ズズや彼女の赤ちゃんは? 夫の運転手や、門番のジョンやドドとその家族は? そう思うと、いたたまれない気になります。このようなことが繰り返されず、選挙の結果発表がつつがなく終わって、平和な状態が保たれることから新しい国づくりが始まるのを「避難先」から祈っていようと思います。
2006.11.13
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昨日から、夫の勤めるNGOと他の団体が企画した、あるワークショップが始まりました。夫が見に行っていいというので、同行しました。先日の日記に書いたように、夫はあるNGOでエイズ対策のプロジェクトを統括しています。そして、ワークショップの内容は、エイズに感染している人たちが暮らしやすい環境をつくることを考える、というもの。参加者の多くは、そういった活動をしている団体の人たちや、実際に感染している人たちです。みんなで集まって共通のテーマを議論し、一緒にやっていけることを決めるのが、ワークショップのねらいです。(↓会場の庭の写真です。緑が多く、とても心安らぐ場所でした。)*本当は参加者の写真も撮りたかったのですが、エイズ感染者のプライバシー確保のため、写真撮影禁止でした。さて、イベントが始まり、冒頭のいくつかのスピーチと参加者の自己紹介が終わって、始めのグループワークの説明に入った時のこと。参加者が次々と手を挙げて発言を始めました。参加者の「人選」に異議を唱える人もいれば、グループワークについて、「個人や地域によって状況が違うんだから、みんなで集まってやるなんて意味がない」と言う人もいます。議事進行の担当が上手にその場をとり仕切りましたが、私はちょっとびっくりしてしまいました。NGOで働いていた時、同じようなワークショップは、何度も見たり、参加したり、企画したりしてきたけれど、「みんなでやるなんて意味がない」という発言を聞いたのは、初めてです。この国が、ひとつのまとまった国として動き始めてから、まだ日が浅いことを、改めて思い出させられました。植民地から独立した後、30年以上にもわたってこの国を支配した独裁政権は、人々が集まって蜂起するのを防ぐため、わざと地域と地域とをつなぐ道路を分断させたそうです。(そのせいで、いまだに他の地域に行くには、飛行機で移動するしかない状態です。)その後は、長年にわたる内戦続き。ワークショップの参加者が、他の地域から来た見知らぬ人たちと一緒にグループワークをする気にならないのも、無理のないことなのかもしれません。言葉も民族もほとんど同じ日本という国に生まれ育つと、国としてのまとまりがない、という感覚が、どうしてもピンと来ません。が、思えば、戦国時代や江戸時代など、日本にも似たような時代はあったのですね。そして、日本が近代国家としての形を整えるにも、沢山の時間がかかり、試行錯誤がありました。歴史の中で、それぞれの国がそれぞれのステージを通っていく過程を、温かい目で見守りたい。そんな気持ちにさせられました。そして、このワークショップのような小さな機会を通じて、みんなで力を合わせることのパワーが広まっていくといいな、と願いました。
2006.11.10
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先週の木曜日に旅行から帰ってきて以来、我が家では一度も停電がないまま、一週間が過ぎようとしています。10分くらいの短いものにせよ、10時間以上にわたる長いものにせよ、少なくとも3日に一度は起きていた今までの経験からすると、ほとんど奇跡的なことです。私たちが住んでいる首都は、それでもまだマシなほうなのです。先月訪れた地方の街では、電気がないのが当たり前。商売をやる人たちも、病院も、自家用発電機に頼らざるを得ません。その維持費やガソリン代が上乗せされるので、当然物価は高くなります。一方、選挙期間のゴタゴタや、政情が不安定なことからでしょうか、ここのところ、この国の現地通貨のレートは急降下中。貯金や給与のベースが外国通貨の私たちにはありがたいのですが(笑)、そのツケは、やはり物価にはね返るようです。昨日、門番のジョンに卵を買いに行ってもらったら、なんと、つい3ヶ月ほど前の値段の1.5倍になっていました。(渡したお金が足りなくて、再度買いに行ってもらわなければなりませんでした。)現地の貧しい人たちは、日に一度しか食事しないなんていうのが普通だそうです。夫は、あるNGOでエイズ対策のプロジェクトを統括していますが、既に発病している人たちの治療のネックになるのが、この食事の状況だそうなのです。エイズの薬は、効き目もあるけれど、強いものなので、ちゃんと食べてから飲まないと、胃を悪くしてしまう。でも、それだけの食べ物を買う余裕が、患者にはない。そんなジレンマがついて回るということです。これまでにも何度か書いてきたように、この国では、今年になってから、初の民主選挙が行われました。つい先日、投票が終わったばかりで、今は誰もが結果を心待ちにしています。聞くところによると、大統領候補者の一人は、電気の供給を外注委託してサービスを良くすることを優先的にやっていきたい、と言っているそうです。もう一人の候補者の方は、道路の整備なんかを掲げているそうです。これも、この国では大きな問題のひとつ。同じ国の中で2時間の時差があるような大きな国なのに、街と街を結ぶ道路が整備されていないのです。移動するのに使えるのは、飛行機だけ。モノの輸送や人の行き来が割高になって、これも、当然、物価にはね返ります。どの候補者が当選しても、やることは山積み。ひとつかふたつでも、何かちゃんと達成できれば、ちょっとでも暮らしやすくなって、人々の気持ちも明るくなりそうです。(停電が一週間ないだけで、こんなに快適なんですから……)そうなることを心から祈りつつ、選挙の結果発表前の一週間を過ごしています。
2006.11.08
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先日、ちょっと変わった形で、かねてから、いつかやりたいと思っていたことを実現できそうな機会がやってきました。始めは、またとない機会のような気がして、がぜん乗り気だった私ですが、企画の詳細を見るにつけ、ためらい始めてしまいました。当初思っていたよりも、経済面でリスクのある内容だったからです。結局、うまく行かなくて持ち出しになってしまったら、イヤだなあ、とか、やっぱり、私にはまだ準備ができていないかな?とか、いろいろな思いが頭をよぎります。 相談した夫の見解は、単純明快(笑)。「君がやりたいことなら、やってみたほうがいいよ。何をするにも、リスクを負うことは必要なんだから。」その通りだなあ、とも思いつつ、悪いタイミングでリスクを負うのはもうこりごり、という気もしました。実は、以前、同じことを実現できそうな機会がやってきた時、思わぬ展開になって、大金をまるまる棒に振ってしまった、苦い経験があるのです。動いてみようと思っても、その時のショックを思い出すと、ついつい、足がすくみます。そんなこんなで、色々と考えあぐねて夜を明かした今朝。いつものようにテラスで朝食をとっていると、あたりを飛び回る鳥たちの姿が眼につきました。流れるように軽々と飛んでいく鳥たちもいる中で、風に乗り損ねたのか、ちょっと焦ったように羽をバタつかせて、止まるところを一生懸命探しているような鳥もいます。それを見ていると、ふと、こんなメッセージを受け取ったような気がしました。「初めて飛んだときは、僕たちだって怖かったんだよ。もちろん、上手になんか飛べなかった。でも、思い切って飛び立ってみるのが、はじめの一歩なんだよ。まず、飛んでみなければ、いつまでたったって、上手に飛べるようにはならないでしょ?」ふと、空を見上げると、先ほどまでしとしとと降っていた雨が上がって、心なしか、空が明るくなっている様子。さらに、朝食を終えて書斎に入ると、机の上に生けてあった庭の花の枝が、鮮やかな黄色い花を咲かせています。昨日まではつぼみだったのに……。飛び立ってみる時期が来たのかもしれない、という気がしました。怖い気持ちがなくなったわけでは決してないし、まだうまく飛べないかもしれない。でも、先のことをゴチャゴチャ考える代わりに、無心でとび込んでみよう。そんな決心ができそうです。
2006.11.06
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昨日の日記に書いた旅行で滞在した街には、小さなショッピングセンターがいくつかありました。その中を歩いていたときのこと。私は、ある店のショーウィンドウに飾られていた深紅のワイングラスに、眼を惹かれました。「これ、素敵だわ……」と、そのワイングラスに見入っていた私に、夫が何気ない口調で言いました。「じゃあ、買って帰ろうか。」私は、ちょっとびっくりしてしまいました。こちらは、単なるウィンドーショッピングのつもりで、素敵だとは思ったけれど、買う気はまったくありませんでした。しかも、今回の旅行には、夫も私も、小さなスーツケースに荷物を詰めてきていて、ワイングラスが入る余地など、とてもじゃないけれどありません。夫はこれからあちこち動き回る旅になるし、既に、大きな手荷物もあるし、持って帰るのも大変……。ゴチャゴチャと思い煩う私を横目に、夫はスタスタと店内に入ると、値段を確認して、言いました。そんなに高いものじゃないし、買っていこうよ。それでも、どうやって持って帰る?と懸念する私に、大丈夫、僕のスーツケースは頑丈だから。と、何ということはなさそうに答えます。今まで、私は旅行や出張に行く時、荷物を極力少なくすることをとても大事にしていました。買い物をするにしても、簡単に持ち帰れるものならまだしも、こわれものや、かさばるものは、断じてパス。そんなものを持って空港の中を歩き回ったり、機内で収納するスペースを探したりすることなど、考えただけでストレスになりました。だから、大きな彫刻やら、免税のお酒やらを買い込む人たちの気持ちは、まったく理解できなかったのです。でも、ここは夫の好意に乗ることにし、ワイングラスを6つと、よく合ったキャンドルスタンド2つまで買ってもらいました。荷物をたくさん抱えての帰りの旅は、確かに、ちょっと大変でした。でも、家に着いて、キャンドルスタンドをテーブルに並べてみたら、大好きな深紅の色の美しさと、私を喜ばせようとしてこれを買ってくれた夫の優しさとが心に染みました。ちょっと大変でも、買ってもらってよかった、と思いました。夫はいつもそんな感じです。計画は立てないし、思いついたらすぐ行動。よく言えば柔軟、悪く言えば行き当たりばったりの典型です。夕食の支度が済んだ頃、「今日、外においしいものを食べに行こう」と誘ってくるなんて、日常茶飯事。旅行の日程だって、ぎりぎりになって変更する可能性もあるから、いつまでたってもチケットが買えないし、その間にどんどん値段は高くなる(笑)。私は、そんな夫にふり回されるように感じて、疲れてしまうこともありました。でも、いつも、つくづく思うのです。彼は、その時、その時で一番したいこと、一番いいと思うことをしているだけなんだって。だから、ちょっと前に決めたことも、その「瞬間」で判断が変わるんだって。知らないうちに自分を縛ってしまうこともある自分の「ルール」を、時には脇において、心の赴くままに動いてみるのも、楽しい……。そんなふうに思わせてくれる夫に感謝、です。
2006.11.04
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皆さん、こんにちは。旅行から無事帰ってきました。いろいろな事情で、予定より少し早く帰国することにしましたが、なかなか楽しい滞在でした。訪れた国、ザンビアの首都ルサカは、私たちが住んでいる街に比べると、ずっと小さくて、人も少なく、のどかな印象です。地区にもよりますが、おおむね、道路がきちんと整備されていて、その両側や中央緑地帯には色鮮やかな花を咲かせた木々が立っていて、本当にきれい。街中を走っているだけで、ちょっとしたドライブ気分になれることもありました。週末には、夫と一緒に、自然動物が放し飼いになっている巨大な敷地を持つサファリロッジのようなところへ日帰りし、サファリツアーとおいしい昼食を楽しみました。娯楽の少ない国に住んでいる身には本当にありがたい、楽しい休日でした。(↓ここで撮ったキリンの写真です)何よりも印象的だったのが、人が皆、本当に親切なこと。お店やレストランやインターネットカフェに入ると、皆、にこやかに話しかけてくる。ちょっと何かを聞いたり、相談したりすると、とても親身に対応してくれる。そんな中にいると、こちらの心もゆったりと解けていくようでした。自分でイヤだなあと思いつつ、ついつい、今住んでいる国の人たちと比較してしまいました(笑)。つくづく感じたのは、環境が与える影響って大きいんだなあということ。長く内戦が絶えなかった国と、長年平和を保ってきた国。ほとんど機能していない政府と、貧しいながらもそれなりの成果を上げてきた政府。極論すれば、その違いが、我先にと眼の色を変えて自分の利益を確保し、そのためには手段を選ばない「文化」と、穏やかに周りの人たちと助け合う「文化」を創ってきたように見えました。その「環境」を作っていくのも、私たち一人一人。それをしっかり頭に入れて、自分のひとつひとつの言動が、素敵だと思える環境を作っていけるようにしたいな。そんなふうに思いました。それを、この国の環境の中に身を置きながら続けるのは、簡単なことじゃないなあ、とは正直言って思いますが、それが今の私に与えられたチャレンジなのかもしれませんね。
2006.11.03
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