関西ひとりジョーズ紀行

関西ひとりジョーズ紀行

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

kimama

kimama

コメント新着

ひとり旅@ Re:本場の茶会に飛び込み参加@京都・大徳寺(05/28) 古い記事にコメントしてごめんなさいね。 …
ぎっ太@ Re:正倉院展をスムーズに見るには...@奈良国立博物館(10/29) 観覧の日割りの仕方、すごく参考になりま…
eggplapla@ さすが! 中村親方のお言葉は身にしみます。 多謝…
kaorita@ 楽しみです はじめまして! 私も明日こちらの卯庵に…
kimama @ Re:プリセツカヤのアヴェ・マリア(03/30) あの姿を見ると、 舞台に出るに至る努力…

フリーページ

2005年09月15日
XML
カテゴリ:
だんじり祭と言えば、大きな山車が威勢良く市内をかけまわり、時に観客を蹴散らし、周辺の建物にぶつかる、危険と隣り合わせのお祭り。その威勢の良さが岸和田出身者の血中ヤンキー度の高さを物語ります。2日間でマラソン2回分の距離は走るというハードな内容、祭りに至るまで毎日のように積み重ねられる打ち合わせ(「寄り合い」と呼びます)から生み出される密接な近隣関係など、普通の都会では失われつつある濃厚な何かが感じられます。


岸和田駅を降りると、「トントコトン」と調子の良い囃子が聞こえてきました。その方向に歩を進めると、大きなだんじりが「うりゃー」という声と共に走り抜けていきます。だんじりの通り道の端を歩いていましたが、すんごい迫力です。危うく轢かれそうになりました。

だんじりは、幅2.5m×高さ3.8m×長さ4m、重さ4トンとずんぐりとした感じの山車です。ケヤキで出来ていて、全体が彫刻作品のように繊細にできています。釘を一切使わずに出来ているということで、専門のだんじり大工がいます。英語では「moving shrine」(動く神社)と説明するみたいです。このお祭りには、地区(町)ごとに分かれた合計21台のだんじりが登場します。

一台のだんじりに、引き手、屋根の上で踊る大工方、お囃子方、だんじりの前後で方向を決定づける前梃子や後梃子など、数百人から千人近くが関与しています。それぞれの町でハッピの色やデザインが違いますが、どれもどこかモダンな柄と落ち着いた色彩が魅力す。だんじりが走り去ると、その町の住民らが後ろを追って走っていきます。これがなんとも楽しそうな、すがすがしいような印象がありました。

祗園祭の山鉾と同じように、だんじりは直進しかできません。重さ4トンの芸術品がカーブする際に、京都の山鉾はゆっくりと慎重に回すのに対して、このお祭りではてこの原理とスピードで豪快に曲がっていきます。このコーナリングが通称「遣り廻し」と言われていて、だんじり祭りの最大の見どころです。これをいかに早く美しくキメるかが問われます。美しいコーナリングのためには、200人を越す引き手と、左右のてこを操る担当の阿吽の呼吸が必要です。ドリフト的な要素もあって、坂を攻めるのではなくて、街角を攻める…それがヤンキー魂に訴えるのかもしれません。


向かったのは、だんじりが最も頻繁に通過するスポット、「カンカン場」。T字型の交差点の両脇から、次々とだんじりが入ってきます。午前9時にもかかわらず、沿道にはびっしりと観客が立っていました。この祭りを何度も見に来ているような慣れを感じます。

だんじりは、曲がり角の手前までゆっくりと曳行されてきて、一旦停止します。「綱元」と呼ばれるだんじりの引き手が、綱を握り、両腕を肩と同じ高さに水平に広げ、首を下げてスタンバイ状態に。だんじりにはお囃子方が乗車していて、発車前はゆっくりとした調子で笛が鳴り、太鼓や鐘が叩かれます。発車の合図が出る直前は100m走のスタート前に似た緊張感が走ります。

「ピーッ」とホイッスルが鳴ると、お囃子のピッチは一気に上がり(これがなかなか名調子)、汗だくの綱元は「うりゃー」などと声を出しながら引っ張ると、だんじりは一気にスピードアップします。ここカンカン場は目抜き通りということで力が入るのか、他のコーナーよりもスピードが出るようです。あるだんじりは膨らみすぎて電柱に衝突、別のだんじりは、てこの原理を効かせすぎて、曲がり角の内側にある観客席の土台に突っ込みました。このスリルこそ、だんじり見物の醍醐味。おおー、梃子係は生きているのか?

だんじりは丸2日間、走り続けます。その間、綱元や囃子方がローテーションで交代することはありません。つまり、ずっと同じ役割。しかも直前の一週間は「寄り合い」という打ち合わせとリハーサルに追われて、ほとんど寝る時間がないそうです。以前、ある綱元が万歩計をつけたら、1日の歩数が6~7万歩に達したとか。1歩80センチとして計算したら、1日にマラソン以上の距離を、だんじりを引きながら走るわけです。しかもそれが2日間続く。これはアドレナリンが出まくっていないと完走できないです。



だんじり祭では、「合理性」とか「目的」といった言葉が意味を持たないように感じました。祭りに至るまでに重ねられる町内での濃密な縦と横のつながり、エネルギーを爆発させる2日間。参加者にとっては、毎年同じことをしているようで違う風景があるそうです(詳しくは晶文社「だんじり若頭日記」をご覧下さい)。ふるさとのお祭りがこうだったとしたら、幸せなんだろうなと思いました。


だんじり祭りは、曜日に関係なく毎年9月14日・15日に開かれてきました。以前は敬老の日が15日に固定されていたので、大きな通りは観客で埋め尽くされていたということですが、今年は両日ともに平日のため、地元の人は「今年はえらいすいてまんなあ」と話してました。目抜き通りは大きな人垣ができていましたが、来年からは週末開催に変更されるということで、さらなる混雑が予想されます。今年行っておいて、よかった!





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005年09月21日 22時50分36秒
コメントを書く
[旅] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: