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2005年10月06日
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テーマ: 京都。(6436)
カテゴリ: 伝統文化
生麩田楽をはじめ、京都の麩はもっちりとしておいしい! 麩をつくって316年という老舗「半兵衛麩」の11代目に、伝統未来塾の講座を通してお話を伺うことができました。これは、老舗の教訓に満ちたお話で、とても勉強になりました。以下、メモをもとにした抜粋です。

「麩は中国で生まれたもので、中国では「麺筋」と呼ばれていました。小麦粉を練って練ってどんどん水を加えて、チューインガムのようになったものを煮たり焼いたりして食べます、要するに小麦たんぱく質のかたまりです」

「京都の水は花崗岩を通ってくるので、軟水なんです。これが麩をやわらかくする作用があります。関東の場合、火山灰(関東ローム層)を通ってくるので、硬水なんです。その場合、麩が固くなってしまうんです。だから、おいしい麩は京都でしかできないんです」
→ここで京都の軟水を生かした食文化の話がでてきました。食べ物と水が合っているということを聞くにつけ、昔の暮らしが合理的にできていたことを物語っているように思えます。軟水は昆布だしがとりやすく、硬水はかつおだしがとりやすいそうです。

「半兵衛麩の初代は京都御所でご飯造りと門番の仕事をしていました。なかなか生計が立てられなくて、軌道に乗ったのは3代目のときです」

「京都府の老舗調査によると、老舗の伝統が残されるのは、3代目が頑張ったかどうかなんだそうです。逆に言えば、大半の会社は3代目でつぶれるんです。初代が立ち上げたビジネスを2代目が楽に引き継ぎながら、夜は遊ぶ。3代目は2代目が遊んでいることを間近で見ているから、さらに遊んでしまう。ですから、3代目が踏ん張るかどうかが生き残るかどうかのカギなんです」

「3代目が学んだのは、石田梅岩の<石門心学>です。仏教・儒教・神道などを取り入れたもので、士農工商の時代(江戸時代)に慎むべきとされていた商人の営利活動を積極的に認めたところが大きな特色です。松下幸之助さんや、稲森和夫さんなども、この学問を学び、実践に移しています。その心は、<金儲けのためにではなく、人の役に立つために物を動かす(商売をする)>、<利を求めない者は商人にあらず。ただし、儲けたら必ず(使って)世の中に還元せよ>などということです」

「こうして石門心学を学んだ三代目が残した家訓のひとつが<先義後利>です。これは荘子の言葉ですが、<人として正しい道を優先させ、自分の私利私欲は後に回せ>という意味です。もうひとつ紹介すると<不易流行>です。これは<物の本質を変えずに、時代の流れに沿いなさい>という意味です」

「我が家では具体的な話をしながら、家訓を伝えています。例えば、あられを食べるときには欠けているものから食べなさい、と言います。これは嫌なことから先に済ませよう、という意味です。嫌なことから始めれば、後が楽になる。平穏な気持ちで過ごせるわけです。昔、銀行員が融資の審査をする打ち合わせの時に、あられを出して、欠けた物から食べる人には融資をして、きれいなものから食べた人にはお金を貸さなかったそうです」



「伝統とは、今まで受け継がれたことを守ることではありません。<不易流行>の精神で、常に新しいことに取り組むことを言います。受け継がれたことを守るのは<伝承>というのであって、日本ではただひとつ、伊勢神宮の式年遷宮(20年に一度)のことを指すのです」

***
ふむふむ。言うことなるほど、ごもっとも。歴史を乗り越えた重みをひしひしと感じました。半兵衛麩は、戦争中、営業活動を一切せず、家宝を売ってしのいだそうです。戦後、「あんたら、ようがんばったなあ」と、お客さんが長年の苦労を認めて戻ってきたということです。ホントに、いいお話です。

お話をうかがったあとで、<むし養い>という名のランチをいただきました。麩料理のフルコースでした。生麩田楽や麩のしぐれ煮など、色彩もバリエーションも豊かでした。なぜ<むし養い>と呼ぶのかというと、腹が減るとお腹の虫が鳴きますよね。それを鎮める、つまり「これでも食べて、腹の虫を養ってください」というお店のメッセージだということです。食べてみたら、腹の虫を養うどころか、かなりしっかりお腹にたまりました。

半兵衛麩:むし養い





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最終更新日  2007年03月26日 02時08分53秒
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