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2005年11月12日
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カテゴリ: 伝統文化
奈良で開催される展覧会だというのに、東京の主なターミナルでも大々的にポスターが貼られていた「正倉院展」。今年、主催が朝日新聞から読売新聞に移って、読売がかなり気合いを入れて宣伝した結果なんだそうです。その大宣伝につられて、奈良国立博物館に行って来ました。奈良の持つ歴史の重みを実感しました。つまり、奈良時代から平安時代にかけての歴史。京都が歴史の表舞台に登場する前の時代。日本文化のルーツはここにあるのです。

正倉院展は毎年10月末から2週間、奈良国立博物館で開かれます。例年、週末は大変な混雑で、万博のパビリオンのように、博物館の前には長蛇の列ができる、という話を聞いて、閉館間際に入場する戦術をとりました。とは言っても、様子は見てみたいと思い、午後2時30分に近寄ってみると、予想通りの混雑。入場までに40分は待つということでした。

その前に、まずは正倉院の建物を見に行きました。建物に入ることはできませんが、近くで見ることはできます。普段は平日の午前9時から午後3時、しかも土日祝はすべて閉まっているので、サラリーマンには非常に敷居の高いところですが、この正倉院展の期間中だけは、午後4時まで門が開いています。

これが見てびっくり、なかなかの迫力です。校倉造り、高床式の建物は、高さ14メートル、幅33メートル、奥行9メートルと大きく、巨大ログハウスといった感じ。これが黒に近い焦げ茶一色で建っているのは、迫力増幅効果がありました。建物は南・中央・北の三つに分かれていて、それぞれの扉に封印がしてあるということでした。これが奈良時代には出来ていたとは。正面一カ所からしか見られないのが残念でした。せめて周りを歩くことぐらいできればいいのに。

さて、肝心の正倉院展ですが、博物館の前の列がなくなった頃合いを見計らって入場しました。解説がないと、来た意味がないと考えて、写真の美しいパンフレットを購入。にわか知識でも頭に入れようと、前書きを読んでいたら、これが長くて、入口前でしばらく立ち読みのようになってしまいました。

今回、展覧会で展示される品数は69点。毎年少しずつバリエーションが変わるということですが、おおむね10年でほぼ一通りが見られる仕組みになっているそうです。

印象に残った宝物を挙げると、
○平螺鈿背八角鏡(へいらでんはいのはっかくきょう)
 8世紀に唐から伝来したもの。螺鈿や琥珀が散りばめられて、華やかです。

 ポスターにも載っていた碁盤。側面の彫刻はギリシャやエジプトの壁画のようなデザイン。碁石を入れる引き出しが両サイドについていて、片側の引き出しを引くと、反対側の引き出しも飛び出すからくりが入っています。
○4種類の碁石
 マーブルチョコレートのような小さな碁石です。紺と赤の碁石には、枝をくわえて飛ぶ鳥の姿が描かれています。あと、黒と白の碁石は、透明感があって、とても昔の物とは思えない輝きがありました。


この日の展示品を見るのは、実にあっという間。普通は「きれいだねぇ」とか「よく残っていたね」という感想に終わってしまうのですが、ひとつひとつの宝物の価値を理解するには、歴史や文化に対する体系的な知識が必要なことがわかります。宝物が、その後、どのように変容していったか、つまり日本文化のルーツを探ることもできます。このへんに、京都にはない、正倉院展の奥行きの深さがあります。これは毎年見て、目を肥やす機会にするのがいいかも。来年も行かなくては。それにしても、あっけなく終わってしまいました。


※国立博物館の周囲では、正倉院展の期間に合わせて様々な特別公開が行われます。ということで、入場時間を午後4時半頃と仮定して、それまでの間、そういった特別公開のお寺などを回りました。

中でもオススメなのが、興福寺北円堂。一年のうち、正倉院展の期間でしか公開されないお堂です。建物が国宝なら、中にある仏像もことごとく国宝。まさにお宝満載なのです。中でも、無著・世親菩薩像は、日本の肖像彫刻の中でも最高傑作とされるそうです。年老いたお坊さんの像ですが、確かにリアル。表情が厳しくて、しかも知性を感じる。制作したのは、運慶・快慶という鎌倉時代を代表する仏師。あまり仏像に詳しくない人間が見ても、その迫力は印象に残ります。建物も八角形で優美な形をしています。

このほか、奈良国立博物館の常設展も、国宝や重要文化財の仏像が多数並んでいて、仏像の系譜がわかりやすく展示されていました。正倉院展が混雑しているときは、列に加わる前に、ここに寄ってゆっくりと見学するのもいいかもしれません。





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最終更新日  2005年11月17日 00時52分17秒
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