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2006年10月08日
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カテゴリ: 旅
きょうは一日限定の特別公開やイベントが多く、どれに行こうか、非常に迷いました。その中で、まず午前中に向かったのが、奈良と京都の境にある浄瑠璃寺です。

その理由は、
・国宝の三重塔が開扉されていること(毎月8日。ただし、雨の日は中止となる)
・吉祥天女像が特別公開されていること(11月30日まで)

こうやって列挙すると、必ずしもきょう行かなくてもいい気がしますが、まあ8日が週末にあたっていて、特別公開と重なる日は、1年に数日もないでしょう。

浄瑠璃寺は、マイカーのない人間には、かなり行きづらいところです。バスは1時間~3時間に1本で、奈良から35分、最寄駅の加茂駅からでも15分かかります。近鉄奈良駅から午前中に出発するバスは、9時43分に出る1便のみ。当然のことながら、かなり混雑していました。10時過ぎに到着して、帰りの時刻を調べると、次のバスは13時7分!これにはビックリです(10月15日からは臨時便が出るそうですが...)。寺に近づくと、車道を堂々とトラクターが走っていました。しかも次々と。収穫の季節で忙しいのでしょうか。

小さな山門をくぐると、「まず三重塔へお参りして、そこから本堂に向かって拝むように」という指示が出ています。浄瑠璃寺は、東に薬師如来を祀る三重塔が建ち、池を挟んで西に九体の阿弥陀如来が並ぶ本堂が建っています。この配置は、現世の苦悩を薬師如来に救済を願ったのちに、煩悩の河を越えて、来世の極楽浄土に至ることを願う、という仕掛けになっています。そうそう、このことは、造園家・中根史郎さんの授業(伝統未来塾)で習いました。これは、末法思想が広まった平安時代に特有の浄土式庭園の形なのです。

三重塔に近づくと、幅15センチくらいでしょうか、狭く扉が開いています。これが特別開扉とは...あまり広く開けてしまうと、内側の装飾文様が消えてしまうからだそうです。暗がりから、金色に光る薬師如来像が見えました。現世の悩みをしっかりと受け止めてくれそうな、落ち着いたたたずまいです。薬師如来を拝んでから180度ターンすると、そこには、横長の本堂が見えます。国宝にふさわしい、威厳のある構えが印象に残りました。

池を回って、本堂に入ると、九体の阿弥陀如来像が並んでいました。藤原時代の仏像だというのに、神々しく金色に光り、ふっくらとして安定しています。人間の努力や心がけで9つの往生の段階があるという考えから、九体の如来が祀られているということです。いま九体の如来が揃っているお寺は、ここだけです。このほかに、四天王のうちの持国天と増長天(いずれも国宝)、そして特別開扉中の吉祥天女像を見ることができました。いずれも阿弥陀如来ほどの大きさはないものの、今でも豊かな色彩を見ることができて、しかもその姿は端正です。こんな充実した仏像のラインナップはなかなか見ることができません。本堂にしばらく身を置いているだけで、厳粛な気持ちになっていきます。



お寺に行くと、大抵は、伽藍と仏像に見どころが多いタイプか、庭が美しいタイプかに分けられますが、この浄瑠璃寺はどちらも見どころがあって、その由来を知っても面白いし、お堂も仏像も国宝と、中身も充実しています。特別開扉で秘仏・薬師如来や吉祥天女像も見ることができたし、非常に満足しました。







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最終更新日  2006年10月08日 22時35分09秒
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