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2006年12月16日
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テーマ: 京都。(6436)
カテゴリ: 伝統文化
錺金具(かざりかなぐ)とは、伊勢神宮の柱の先や、二条城や西本願寺、大徳寺の唐門、神輿、書院建築の釘隠しや、ふすまの引き手などにつけられる装飾金具のことです。伝統建築になくてはならない重要な部分を担います。これはいったい誰がつくるものかと思っていたら、やはり専門の職人がいるのです。今回は伝統未来塾の授業として、美しい作品が並ぶ資料館で話を聞くことができました。話は脱線して、日本社会や文化の衰退にまで及びました。

錺金具

今回、お話をされたのは、森本安之助さん、78歳。その道ひとすじ58年。国から選定保存技術保持者と認定されています。明治10年に初代が創業してから、彼が3代目。今は息子さんが継承しています。
「主な仕事は国宝や重要文化財の修理の仕事です。信仰の対象になるものをつくっている自覚をもって仕事をしていますが、実態は家業を継いで、細々とやっているといった感じです。この工芸の最盛期は大正から昭和初期です。寺社仏閣以外に、財閥からの発注も多かったのです」
「主な素材は銅板です。これに水銀を塗って、金箔を5回は貼付けます。水銀を焼き抜く時の煙が有害ですが、これが伝統的なやり方です。欧米では禁じられているやり方です。でも今の電気メッキではできない仕上がりになるんです」
「桃山時代のデザインの特徴は細かいことです。今は立体的なデザインが多いね」

ここまでの概略は簡単におわって、森本さんは自分の仕事を巡る環境が年々悪化していることを切々と訴えるのでした。
「今の建築は箱ものしか教えないから、錺金具のことなんて、誰も知らない。昔は建築家が勉強して、金具の図面も描いて、こっちに発注してきたものなのに、今はこっちで描かないと駄目だ」
「役人もゼネコンも勉強不足だ。仕事は丸投げ、何をどうしたいか、方針をはっきり言わない。モノ作りの心がわからないんだよ。それでいて責任を取ろうとしない。京都迎賓館だって、不充分だよ。」
「今は金持ちの金の使い方がダメだね。外国の文化はやたら詳しいのに、日本文化のことは全然勉強が足りないんだ」


あまりにも悲観的なので、こっちも聞いていて辛くなってきてしまいました。でも、その通りだと思うところも多くて、日本文化のピークは昭和初期だったと思いますし、戦後、それまでの日本のあり方が否定される中で、文化も置き去りにされたまま、高度成長期・バブルと突き進んで、真剣に日本の歴史と文化を研究して向上させようとする人が少なくなってしまった。特に、富裕層が日本文化を勉強して育てようとしなかった(今もそうですが)のが大きい。これからリタイアする団塊の世代は、その埋め合わせをしてくれるのでしょうか?

森本錺金具資料館には、京都の有名な旅館や、吉兆の高麗橋本店。桂離宮の襖の引き手など、様々なサンプルが並びます。これらの美しさは、本当にうっとりします。これから家を建てようという人には、ここを見学して、インテリアのアクセントのひとつとして活用するなどして、錺金具をもっと盛り上げていってほしいものだと思いました。





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最終更新日  2006年12月17日 01時32分44秒
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