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2007年06月09日
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テーマ: 京都。(6436)
カテゴリ: 伝統文化
京都駅の近くには、目ぼしい観光名所がなかなかありません。近くても東寺、三十三間堂、もう少し足を伸ばして、清水寺というところでしょうか。ところが、出張帰りの寄り道にも良さそうな、美しい庭園がありました。国の名勝に指定されている、渉成園です。今回は伝統未来塾の茶室探訪企画に沿って、庭園の周囲に点在する茶室を見学することができました。(普段は中に入ることができません)

渉成園は、京都駅から歩いて10分ほどのところにある、広大な庭園です。東本願寺門首の別荘として使われ、当初は枳殻(からたち)を生垣に用いたことから、「枳殻邸」(きこくてい)とも呼ばれます。

茶室研究の第一人者、中村昌生さんによると、渉成園の茶室は「文人趣味」だと言います。それは茶匠が築き上げた茶室とは対照的だというのです。例えば、滴翠軒(てきすいけん)の茶室。

滴翠軒の床の間@渉成園


床の間が板張りで、框(かまち)に節が入ってます。側面の壁は半月状になっています。天井は竿縁天井で2本、3本と吹寄せられています。これらの形は茶道本来の茶室にはない表現ですが、形の崩し方が上品であるところが良いのだそうです。確かに、書院造で漆をかっちりと塗った真塗の四角い框が入ったら、全く違う印象になってしまいます。

蘆庵の円窓@渉成園

「文人趣味」は、このほかにも二階建ての茶室「蘆庵」(ろあん)の円窓や二重棚にも見られます。このお茶室は煎茶の茶会に使われるのだそうです。中村さんは、茶室は「異風になく」「目立たず」「手際よくリファインされた」ものがよろしい、と指摘します。渉成園の茶室は、型破りで自由ですが、学芸的な裏付けにもとづいたアレンジで、センスの良さを感じさせます。

印月池@渉成園

渉成園を作庭したのは、(京都北東部で人気の)詩仙堂を建てた江戸初期の文人、石川丈山と伝えられています。石川丈山は、漢詩の素養があって、武士から「隠者」となって、文人の世界に生きた人です。同じ時期には、石清水八幡宮の社僧、松花堂昭乗もいて、互いに仲間としてサロンを形成したそうです。

庭園の中央には、傍花閣という楼門があります。両脇の勾配のきつい階段など、どこか中国の建築様式の雰囲気を残しています。

楼門@渉成園

茶道の創始者、村田珠光は、茶の湯の極意について「和漢の境をまぎらかすこと」と定義しましたが、この傍花閣こそ、和漢の境が紛れたような意匠です。これが茶匠の系譜とは対照的な文人趣味の庭園の中心にあることは、非常に皮肉に見えてしまいます。

回棹廊の懸魚@渉成園

庭園の中心には、印月池という大きな池があります。この池の一部を露地と見立てて、池縁の待ち合いから本席のある島まで船で向かう、という演出もできます。しゃれてますね~






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最終更新日  2007年06月15日 05時17分26秒
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