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どや！阪神４連勝！新井、代打で意地の満塁Ｖ撃！！

エメラルドグリーンの人工芝の上を鋭い打球がはった。打てば大統領、天を仰げば戦犯になりかねない大舞台で、代打新井が４連勝を呼び込む一打を放った。

　「思いきって振っていこうとしか考えていなかった。初球からどんどんいこうと思っていました」

　４－４で迎えた八回一死満塁が仕事場だった。直前に藤浪が３点リードを守れず、降板。今季から切り札を務める男が燃えないはずがなかった。右腕・田島の高め直球に「ストライクならドンドンいく」と迷いは皆無で、三遊間を破った。１１日の巨人戦（甲子園）で右前適時打を放って以来、３試合３打席ぶりの安打で三走・マートンを生還させた。“鬼門”のナゴヤドームで球団通算６７勝目（１３２敗５分）を決定的にさせる値千金の仕事だった。

　春季キャンプ、オープン戦期間中も打撃好調だったが、ゴメス加入の影響でスタメンの座を失い、今季は１１試合すべて途中出場。関本とともに右の貴重な代打要員となっている。出番は限られているが、新井は「自分に与えられた場所でしっかり結果を残せるように頑張っています」と黙々と汗を流している。

　１３日の巨人戦（甲子園）では九回一死満塁のサヨナラ機に福留の代打で登場したが、一ゴロ併殺打に倒れ、本拠地のため息を誘った。

　「終わったことは変えられない。次へ。それしかないんです。過去はどうしようもないですから。体の準備というよりも、心の準備を…」

　“神様”桧山（進次郎氏）もかつて代打稼業について「体が冷えないようにベンチ裏でダッシュをしたり、目を慣らすためにベンチに入ったり」と苦労を語っていた。練習も感覚も先発出場時とはまったく異なる。好球必打を胸に刻み努力を積む。後悔だけはしない。

　６月中旬には新井とファンとを結ぶアイテムがアドバイザリー契約を結ぶファイテン社から発売される予定だ。ブレスレット「ＲＡＫＵＷＡブレスＳ」の新井モデル。担当者によると、グッズを通じてファンと交流を深めたいという新井の強い思いから実現したという。球界屈指の歓声が背中を押してくれているからこその感謝の意だ。

　「雰囲気もいいですし、まずは次の試合、次の試合と目の前の試合だけを見て戦っていきたいです」

　ナインの層が厚い。ゴメス、上本の躍動も大きい。そんな中、黒子に徹するお兄ちゃんの存在こそ、今の猛虎を証明している。　

新・満塁男や！阪神・上本、集中力切らさずトドメ２点打

塁に出られる、走れる、走者も返せる－。つまり、なんでもできる。新・満塁男、上本が２点タイムリー。終盤までもつれた試合を、決定づけた。

　「それまでの打席が良くなかったんで…」

　第４打席までは凡退が続いていたとあって、試合後は反省の弁が口をついたが、あれは効いた。４－４で迎えた八回。代打・新井の適時打で１点を勝ち越したあと、なおも二死満塁。中日４番手・田島の真っすぐを弾き返し、左前へと運んだ。

　和田監督も「そこまでの打席の内容は悪かったけど、走者を置いたときの集中力が、上本の持ち味。いいところで打ってくれた」と賛辞を贈った一打。抜群の集中力を証明するようなデータが残る。

　この日の適時打を合わせて、今季満塁機では３打数３安打４打点。走者が埋まれば、１００％打ってくれるのだから、これ以上頼もしいことはない。

　二回二死一、三塁では右飛。四回二死二塁では遊ゴロに倒れており、上本は「最初から打てるように、しないといけない」とあくまで自分に厳しいが、７戦連続安打となる価値ある一打となった。

　この日、負傷離脱している西岡がフェイスブックで近況を報告したが、いつしか「代役」の２文字は消えている。元気いっぱいの虎のリードオフマンが、快進撃を呼んでいる。　

データＢＯＸ
　◎…阪神は１０－４で勝ち、６日のヤクルト戦（○１５－８）以来となる今季４度目の２けた得点を記録。ちなみに昨季は７度記録している

復調気配！阪神・今成、今季初猛打ショー「しっかりできた」

復調だ。２試合連続スタメンの今成が３安打。今季初の猛打賞を記録した。

　「状況に応じた打撃がしっかりできた。コースに逆らわずに打ちに行けた」

　二回、一死一塁で迎えた第１打席は山井の１３８キロ直球を右翼にはじき返して福留の先制犠飛につなげた。同点の八回でも一死一塁で中前打。九回にも左前打。好機を演出し、安打の後はすべて得点に結びついた。

　３安打をそれぞれ異なる方向に打ち分け、「打球が前に飛ばない」とぼやいた一週間前までの不調がうそのような復調ぶりだ。代打で出場した１８日のヤクルト戦（甲子園）で７打席ぶりの安打を放つと、スタメン出場した２０日の同戦でも２安打。１７日の時点で・１０７まで下がった打率は・２３７まで戻った。

　「トンネルは抜け出したって書いてもらいたいけど、まだまだですね。もっともっと高い目標を持ってやっていきたい」　１２球団最多の１３３得点を挙げている猛虎打線に、乗り遅れた男が帰ってきた。

阪神・藤井、２点打＆筒井好リード！“抑え捕手”の存在感がキラリ

好調！阪神・鳥谷、２戦連続マルチ＆５戦連続安打

鳥谷は三回と五回に安打を放ち、２戦連続のマルチ安打を記録。三回の第２打席は一死から山井のフォークを中前打し、ゴメスの２ランに結びつけた。五回の第３打席でも山井のフォークを打って右前打。九回には先頭で四球を選んだ。１７日の広島戦（マツダ）から５戦連続安打と好調を持続している。

阪神・福留、４試合ぶりスタメン復帰で犠飛＆３出塁

打率１割台前半という極度の不振に悩む福留が４試合ぶりにスタメンに復帰した。二回に先制犠飛を放ち、九回には遊撃内野安打。２四球を含めた３出塁で勝利に貢献したが、「（打点は）最低限の仕事」。安打は６試合１７打席ぶりで、打点は７試合１７打席ぶり。こんな表現が並ぶこと自体が福留にとって屈辱だが、わずかな上向き気配は感じる。

阪神・福留、好プレイに安打ならずとも先制犠飛「当たって良かった」

「７番・右翼」でスタメン復帰した阪神・福留孝介外野手（３６）が二回、目下セ・リーグ防御率１位の中日・山井から右犠飛を放ち、先制点を奪った。

　４日連続で特打を行ったベテランにとって背水の陣だった。ここまで１５試合、打率・１２８、１本塁打、３打点。スタメン起用してくれた和田監督の期待に応えるチャンスが、１打席目からやってきた。

　二回一死から、マートンが四球で塁に出ると、続く今成が右前打で一死一、三塁。ここで打席に立った福留は、山井の１４２キロのストレートを弾き返すと、右翼手・平田のジャンピングキャッチの好プレイで安打とはならなかったが、先制犠飛に。最低限の仕事に「バットに当たって良かったです」と言葉少なだった。

不振に陥っていた阪神・マートンが１７打席ぶりＨ

マートンが九回二死から中前打。１８日のヤクルト戦以来１７打席ぶりの快音だった。開幕以来、指揮官が「神が舞い降りた」と評するほどに絶好調だったが、信じられない不振に陥っていた。それでも、二回の四球では福留の犠飛で先制のホームを踏み、八回に選んだ四球では新井貴の左前打で決勝のホームイン。３出塁がすべて得点に結びついた。

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