王道ロマンス小説にハマったので感想ブログを作ってみた

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一夏5413

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2022.01.10
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カテゴリ: 電子書籍

2019年1月発売
アマゾナイトノベルス
著者:ヤマトミライさん


「​​ 『一目見た時から私の心は貴方に奪われていた。どうか私の妻になって欲しい。私の愛しい人』
​ 「不義の子」と父親に娘としてすら認められず、使用人以上に酷使され満足に食事も与えられなかったシェリルは愛情に飢えていた。 ​

そんな彼女に届いた一通の手紙。
私を選んでくれた唯一の人。私に愛を注いでくれる人。
もうすぐ心暖かなセノーデル辺境伯様に会える!

そう願ったのもつかの間、シェリルは予想だにしない言葉を投げつけられる。
「いったいお前は誰だ!?」
​​ 幸せを夢見て、彼の元へと嫁いだシェリルに待っていた悲劇とは?!」

↑アマゾナイトノベルス商品ページよりあらすじ引用



小説家になろうで連載されていたTL小説をまとめて加筆訂正されてるものです。
コミカライズ版がもうかなり長いことピッコマの恋愛、TLジャンルでランキング上位に入っているので、この原作よりそちらを読んだことがある方の方が多いかも。
去年末くらいまでは小説の方はなろうでも読めていたのですが、どうやら削除されてしまったようです。
まあ、なろうにも改訂版で載ってたし内容も変わらないからコミックサイトから削除するよう言われたのかな。


さて、ここからネタバレと感想です。
詳細ではないですが先の展開は知りたくないっ、な方はブラウザバックお願いします。


ヒロイン・シェリルはハルウェート侯爵家の長女でありながら一族の特徴である銀髪も青い瞳のどちらも受け継がない黒髪黒瞳で生まれたため、父からは不義の子と蔑まれ娘とは認めてもらえていません。
加えて、母の死後すぐ迎え入れられた継母や2歳下の異母妹からは使用人よりキツイ仕事をさせられる毎日。
食事すら満足に与えられない時も多々ありそんな不遇な生活を20年近く耐え忍んできました。

このシェリルがとにかく可哀そうなのと侯爵家の連中の言動が胸糞過ぎてマジ許すまじ
何でここまでするかな、彼女が養子とかならともかく実の家族やで。

とは言え、一応この手の不遇ヒロインものお約束のざまぁ要素も含まれてるので最後にこの家族はそれなりの報いを受けます。

辛い日々を過ごしていた冬のある日、シェリル宛にセノーデル辺境伯と名乗る人物から求婚の手紙が届きます。「あなたに一目惚れしたから是非私の妻に」的な内容が書かれていたものの、必ず家族全員で出なければならない催し以外は屋敷で働いているシェリルにはとんと覚えが無い。
美人と評判の妹・リリアならそんな話もあるだろうけど、と混乱する中、このクソ親父ついにはどこかでこっそり色目使って引っ掛けて来たんだろうと責める始末。
それでも厄介者の娘を追い出すいい機会とばかりに了承の返事を出すと、後日輿入れの支度金2000万ジェンが届き、更にその数日後迎えに来た馬車で(結構な破格ぶりらしいのを思うと、おそらくジェン=日本円の万と捉えていいかと)シェリルは王都から片道何日もかかる雪深いセノーデル領へ。

当然、支度金は一切彼女の嫁入り準備のためには使われず、持ち込まれた荷物は妹のおさがりである季節外れのドレス数枚と唯一の趣味である裁縫道具を詰めたトランク一つのみ。

そんな彼女の到着を待ちわびていた夫・セノーデル辺境伯グレイグは現れたシェリルの顔を見た途端誰何の声を上げます。

実はグレイグが一目惚れし求婚したのは妹のリリアであることがすぐに発覚しますが、その美貌から数多くの男性と浮名を流し醜聞の多いリリアは外で初対面の相手にはシェリルと名乗っており、当のグレイグのことは鼻にもかけていませんでした。
早馬でハルウェート家に経緯を問い合わせたグレイグは返信を読んで茫然。
結婚の了承を貰ってすぐ貴族院にシェリルの名で婚姻届けを出してしまったので今更撤回できず、しかも法律上最低1年間は離縁することができません。
人違いなのだから離縁後はリリアと再婚も考えましたが侯爵家側はそれを拒否、リリアも国境に近く雪国で田舎(と思われてる)辺境伯領に嫁ぐのはまっぴらだったので。

フられただけでなく騙されていたショックからか、リリアでなければ離縁後に誰と結婚しても一緒だと吐き捨てるグレイグに地獄のような日々から引っ張り出してくれた上、ハンサムな彼に一目で好感を持ったシェリルは誰でも一緒なら自分ではだめなのかと縋るも、リリアの策略でシェリルこそ男狂いの好きものということにされていた彼女を妻になどとんでもないと突っぱねます。
だが、書類上だけでも妻ではあるため、一年だけは屋敷に置いてやると豪華にあつらえた妻用の部屋ではなく客間に押し込まれたシェリルはそこで一人寂しく過ごすことに。
父からは離縁されても屋敷に戻ることは許さないと、問い合わせの返信に同封されていたメモ紙のようなものに書かれており途方に暮れるシェリル。一年後離縁されたらどこに行けばいいのか。
支度金をガメといてホントムカツクわこの家族怒ってる
この件、グレイグが訴え出れば普通に詐欺罪になるのではと思いつつも、一応シェリル宛に求婚出してるからなぁ、何にせよリリアの周到さに唖然。

ここから数か月もの間シェリルはグレイグには放っておかれるんですけど、潤沢な支度金を渡してるにも関わらず彼女の荷物があまりにもみすぼらしく少ないことを顔も見ようともしないグレイグは知る由もない中、執事のテリーは年の功か件の噂を疑います。
世話をしながら話をするうち段々と彼女の人となりを知り、疑問は確信に変わり何くれと気にかけてシェリルに優しく接してくれるようになったテリーとセノーデル邸の使用人達。

ここまで読んだ時点では侯爵家の面々より多少はマシでもグレイグがしょうもない男に見えるんですが、まー何もかも悪いのは姉の名を騙っていい顔した挙句、気を持たせるようなことをしてた上に自分の醜聞まで姉に擦り付けてたリリアですからね。
何でグレイグもこんな女に惚れたのかといえば、一目惚れされる程の美人なのと、しょうもない噂の多い姉妹を気遣い庇う(勿論リリアの大嘘)姿に心動かされたかららしい。テリーのモノローグによればグレイグにとって初めての本気の恋だったというから。
ちょくちょく女遊びはしてたらしいけど、早くに両親を亡くし愛に飢えてたこともあり、ああもショックを受けていたのも致し方ないのかもしれない。

そんな生活が続いた中、グレイグが商談による隣国への長期出張中に起きた領地と屋敷に蔓延した流行り病の際に1人奮闘していたシェリルの働きを実際に目にしたことで彼女への誤解は解け、二人の仲が改善されることとなります。
お詫びとお礼を兼ねて招待された夕食の席で、事情の説明を促されたシェリルは実家の無礼と自分が侯爵の嫡子ではないと土下座して詫び、続いてその口から侯爵家のことが語られます。
一族の色味を持たない子を産んだと妻を責め追い詰め死なせた挙句、残された娘を不義の子と言い続けて使用人扱いしていた侯爵にグレイグも憤慨してましたが、それが普通の反応というもの。
本来シェリルに使われるはずなのに用途不明となっている支度金のことも含め、やっぱりどう考えてもおかしいのは侯爵家の面々。

グレイグは自らの過ちを心から詫び、こんな寒い雪国で季節外れの薄い生地の古着しか持たない彼女に暖かくセンスのいい高価なドレスを何着も贈り、時には領地にある市場への視察に気晴らしになればと二人で出かけ、毎日食事も一緒に採るようになる頃にはもうシェリルに惹かれていることを自ら内心でも認めます。
なのに、離縁したら行き場のなくなる彼女の居場所を作ってやろうと次の嫁ぎ先を探し始める主人にテリーも困惑。
清楚な見た目で優しく気立ての良い娘だしグレイグももう惚れてるのだから離縁などせずそのまま嫁として迎え入れればいいのに、今まで何か月も無視した挙句辛い思いをさせてしまった自分には夫の資格はないという。
この時点で使用人たちがじれじれするほど二人は両片思いのドツボにハマってました(苦笑)
グレイグ、ここからどんどんと本来のいい男に戻っていくのだけど、グルグルし過ぎてスパダリにはなりきれておらず、色々と惜しい。

が、離縁のタイムリミットであった一年が終りに近づいた頃、昔からの友人の招待で訪れた隣国で二人の仲を決定づける大事件が起き、ついにグレイグはシェリルを妻に迎えることを決意。
屋敷の使用人たちに祝福され晴れて二人は夫婦となりましたが、幸せな新婚生活を過ごしていたシェリルのもとにグレイグの留守中、もう一年経ったし離縁するんでしょ?とリリアが次の辺境伯夫人になるべくセノーデル邸に現れ、屋敷を占拠するというどエライことをしでかします。
幸い手遅れになるギリギリのところで帰宅したグレイグの一計により事なきを得て、リリアは相当の報いを受けることになります。

ここはもう読んでてスッキリしました。よしよしよくやった!
どうやら、リリアはシェリルが嫁いだ後もアレコレやらかして王都にいられなくなっていました。
大金ではあったけど支度金をガメてた時点でおかしいと思ってたら、やはり侯爵家の家計はひっ迫しており、頼みの綱は大物を引っ掛けてくれそうな美人のリリアでした。
でも、彼女の醜聞が社交界では広がり過ぎていて都の貴族への輿入れはもう無理。
そこで侯爵が持ってきたのは隣国の金持ちだがリリアよりかなり年上でしかも嗜虐趣味があると言う噂のある子爵との婚姻。
身売り同然な縁談から逃げ回っていたリリアは、あんな金額の支度金をポンと出す裕福な地方の辺境伯であるグレイグを思い出し、姉の離縁後にその妻になってしまえば、起こした行動だったのです。
身から出た錆とは言え実はかなり追い詰められてたのね。
結果、セドリックは意趣返しとして、屋敷から緊急の知らせを受けた帰りの道中で件の子爵に連絡を取ってリリアを迎え来させており、そのまま彼女は子爵に連れていかれ事件はあっけなく終わりました。

正式に式を挙げて数年後、顔はグレイグ似ながら銀髪碧眼の男の子を産んでいたシェリル。
王太子の婚姻で訪れた王都で孫の姿を見た侯爵は愕然。
娘を二人とも嫁に出してしまった侯爵家は跡取りがおらず、ハルウェート家の先行きは暗い。
その後、侯爵から何通もの謝罪と孫との面会を求める手紙が届きますがシェリルはそれを拒否。
さすがに今更、母への仕打ちと虐げられた年月を無しには出来ませんでした。
セノーデル家から養子をとることはもう無理でしょうし、リリアが子爵との間に産んだ子は二人ともハルウェート家の色味を持っていなかったのは報い以外の何物でもない気はします。
多分、シェリルの髪と瞳の色は母方の血の隔世遺伝とかだったんだろうに愚かなことをしたもので。
この一連の侯爵家へのざまぁ要素は読んでてスッキリ。
しかしながら少々ツッコミ部分も。


どうもこの作者さん、物語の都合でか辺境伯をただの地方の田舎貴族として書いてる節が見受けられたのが気になって。
国境の警備まで任されてるのかは不明なれど、地方長官のような役目と独自の権限ががあるらしい辺境伯が領地と屋敷を守る騎士団くらい持っていないのは・・・。屋敷がある国境付近で隣国と小競り合いでも起きたらどうすんの(^_^;)
おまけに使用人の数は妙に少なく、主人の不在中とは言え、たかがリリアとボディーガード兼メイドの女二人に屋敷が制圧されてたことに違和感しかなく。
それなら敢えて辺境伯になどせず、普通にグレイグは田舎に領地を構えている羽振りのいい伯爵とかでも良かった気がします。
あと、グレイグの腹を決めさせるため入れたのでしょうが、体調を崩したシェリルが二人で招待された舞踏会でとある男に介抱の名目で連れ出され凌辱されかかるんですけど、とにかくこのシーンがねちっこくて肝心の二人の初夜のシーンより力入っててなんだかな、と。
正直ドン引きレベルな胸糞場面なので、ヒロインがヒーロー以外に無体な真似をされるのを読むのが苦手、という方はご注意を。
大筋は面白かったし不遇のヒロインものが好きな方にはおススメできます。



評価:★★★★
★3つ半と迷いましたが、不遇なヒロインのシンデレラストーリーは大好きなので★4つで
絵柄が綺麗で可愛いコミカライズ版の方が読みやすいのですが、こちらも電子オンリーなの残念。
やっぱり好きな話は紙媒体で手元に持っておきたいかな。





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最終更新日  2022.01.16 11:37:59
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