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一夏5413

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2026.03.30
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カテゴリ: ビーズログ文庫
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2026年1月刊
ビーズログ文庫
著者:朝森さな(敬称略)
無実の罪で処刑されたコライユ王国の聖女ジゼル。その魂は隣国の皇女アンジェラに生まれ変わり、三人の兄たちに溺愛され育つ。だが15歳になる頃、コライユ国王が降嫁を要求!しかもそれを伝えにきたのは、前世で唯一彼女を信じた少年ー今や王弟となったリオネルで!?自分を処刑した相手に嫁ぐくらいなら「私はあなたに嫁ぎます!」と宣言するが?


登場人物

 アンジェラ=サフィール帝国の皇女。前世の記憶を持っている。
   ジゼル=冤罪で処刑された聖女。
  リオネル=コライユ王国王弟。ジゼルを慕っていた。
   ナタン=コライユ王国国王。リオネルの異母兄。
 オルタンス=王妃。
 テュレンヌ=オルタンスの父で宰相。


サフィール帝国皇帝の末っ子として産まれたアンジェラには前世の記憶がある。海を隔てた隣国・コライユ王国の聖女・ジゼルとして民のため国のため尽くしていたのに、突然王妃暗殺の嫌疑をかけられ弁明する間もなく火刑にされた。その辛く恐ろしい記憶は度々彼女を苦しめた。
今でも火を見ると恐怖に支配されそうになるが、母と三人の兄たちからたっぷりの愛情を受けた彼女は美しく優しい少女へと育って行った。

トラウマのような記憶に苦しめられることは大分減ってきたが、それとは別に気掛かりなのはリルのこと。五歳下のリオネルはコライユ国王の隠し子で、王妃の悋気に触れないよう王宮ではなく神殿に預けられていた。彼は処刑間際の際も一人無実を信じ一緒に逃げようとも言ってくれたけれど結局叶わず、その日のうちにジゼルは処刑されてしまった。

せめて元気でいてくれれば・・・。

数年後、十五歳になったアンジェラを訪ねてコライユ王国のロシェル公爵がやって来た。お忍びで市場に買い物に来ていた彼女は市で見た炎で久々に発作を起こしかけた所を一人の青年に助けられ、思わず息を飲んだ。
懐かしい黒髪に青い瞳、左目を黒い眼帯で覆っているが間違いない、リオネルだ!しかし、姿かたちの違う自分がジゼルだと名乗る訳にも行かず、礼を言ってその場は別れたが、歓迎の宴に現れたリオネルがロシェル公爵と知ってビックリ。しかも彼はアンジェラに縁談を携えて来ていた。
お相手はコライユ国王ナタン。
その名を聞いて怖気が立つ。体調の悪い王妃を治癒の力で直したジゼルを暗殺犯と決めつけ、その日のうちに処刑を言い渡した浅はかな男。そんな男の妃になれって!?冗談じゃない。
それにナタンは既婚者のはずだ。だが、あちらにはあちらの都合があるらしい。
王妃オルタンスを妻に迎えて十年以上子に恵まれず、ジゼルが死んでから国は不運続き。ナタンの王としての采配も疑問視されているそう。そこで目を付けたのがサフィール帝国との縁組。
アンジェラと結婚すれば援助も見込めるし世継ぎもとの考えのようで、相変わらずの浅い考えに呆れる。それならせめて当人が来ればいいのに、面倒なことは異母弟に丸投げと言うのも気に食わない。
兄たちもカンカンだし、とにかくあの男の妃なんてまっぴらごめん。
でも、成果を得られず帰国したらリオネルが叱責を受けてしまう。
暫し思案したアンジェラはナタン陛下との結婚はお断りだが、リオネルさまの元になら嫁ぎますと宣言。縁談が失敗し、あなたがナタン陛下から罰を受けたら申し訳ない。だから契約婚でどうでしょう?


何とアンジェラはジョゼフィーヌの実子ではなく、父が侍女に手を付けて産ませた婚外子であった。産褥死した侍女をジョゼフィーヌは気の毒に思い、息子たちと分け隔てなく育てた。実母はコライユ王国出身の子爵令嬢だったとも聞き、自分はまだよくよくあの国と縁があるのだと思い知る。
ならやはりこれは聖痕なのね。
首筋に浮かんだバラの花のような痣は聖女の証。この身体でも治癒力が使えるのが幼い頃から不思議でならなかった。なぜなら聖女はコライユ王国でしか生まれないから。
だがこれもきっと何か意味があるはずだ。
リオネルとも再会できたし、あとは王妃の死の真相を知りたいと思う。今更真犯人に復讐したいとは思っていないが自分が死ななければならなかった理由くらいは知ってもいいはず。


そしてやって来た王都でついにアンジェラはナタンに再会。
まぁ向こうはジゼルが帰って来たとは思っていないだろう、やたらと媚びを売って来るナタンに辟易しつつ、結婚は受け入れたが相手はあなたではないとキッパリ。
リオネルさまに嫁ぎたいと思いますと仲睦まじさをアピールするとナタンは呆気に取られ、どういうことだとリオネルに詰め寄った。
先に部屋に案内され彼を待っていると案の定ナタンから責められたみたいだが、適当に言い包めて来たらしい。そもそもまだ離婚もしていないのだから受け入れられないは当然。下手に帝国の機嫌を損ねない方がいい。どちらにせよ、援助ならばリオネルとの結婚ででも得られるはずだとも。

それで納得すればいいけれど、まぁ無理でしょうね。
前世ではジゼルを平民生まれと毛嫌いして来たくせに、帝国の皇女になるは取り入るのに必死になって何いる。その姿が酷く滑稽に見えた。
さて、あとは先の王妃ディアーヌの死について調べてみるか。
しかし、念のため行ってみた図書館の禁書エリアの光に導かれたアンジェラは自分が転生した真相を目にして・・・。


転生ものです。
冤罪によって処刑され短い人生を終えた彼女は時を待たずして隣国の皇女に転生。前世の記憶を持っていることでトラウマに苦しめられつつも新たな家族からの愛情を受け幸せに暮らしていました。
その後成長した彼女の元に自分を死に至らしめた男との縁談が舞い込み、冗談じゃないと突っぱねた彼女は初恋の少年とも再会。どうせなら彼と結婚しますとかつての故郷へ。
先の王妃・ディアーヌを殺したのは誰なのか?
せめてその真相を知る権利はあるはずと調査に乗り出した彼女は禁書エリアで信じられない光景を目にします。なんと幼いリルがジゼルを今度こそは幸せに生きられるよう願い、禁書の一つと契約。ジゼルの遺髪と自らの左目を対価にジゼルの魂を転生させていました。
リオネルにこの過去の光景を禁書に見せられたことを知られたアンジェラは彼の想いを知って涙し、共に真相究明を誓います。
検視報告書は特に異常なし、でもだからこそ不審でもありました。
確かにディアーヌは体調を崩していたものの、ジゼルの治癒でほぼ回復していたはず。なのにその直後に突然死したのだから怪しさ大爆発ですよね。
考えられるのは毒殺。でも検視報告ではシロとなっていて、もしかして経口摂取ではないのかもと思い当たる二人。肌からじわじわ浸透させる毒もある。美に執着していたとも言うし白粉かな?
そういえば治癒した際、王妃の目は瞳孔が開いていたと思い出しそこからある過程に行き着いた二人はある罠を仕掛けて、と言う展開です。
見事に引っかかって犯人は確保されるんですけど、アンジェラはきちんとした取り調べを希望。自分の時は全く聞き入れてもらえなかった、だからこそそういう理不尽が二度とないようにという訴えからでした。いやもうほんと、序盤の冤罪から即処刑の流れが胸糞すぎたので当人だからこその意見だと思います。ナタンも一連のことで責任を問われるのは必至でリオネルは異母兄を引き摺り下ろし、国の再建を図ると誓います。その時はアンジェラに隣にいて欲しいと願い彼女もまた頷いて物語は幕。
主役二人の強い絆のお話でしたが、ヒーローの苦労が報われて何より。


評価:★★★★☆





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最終更新日  2026.03.30 16:34:57
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