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一夏5413

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2026.07.02
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カテゴリ: スターツ出版文庫



2026年4月刊
スターツ出版文庫
著者:藍せいあ(敬称略)
傷を癒す異能を持つ梨花。父と継母、義姉はその能力を利用して医院を営むが、梨花への還元は一切なし。それどころか、梨花は奴隷のように扱われていた。そんなある日、断片的な未来を見る異能を持つ義姉・綺羅羅が『皇帝の花嫁に選ばれる未来』が見えたと言う。翌日、凛々しく眉目秀麗な皇帝・白牙が確かに家にやってくるが…。「姉ではない。お前が俺の花嫁だ」綺羅羅の予知はとんだ勘違い。花嫁に選ばれたのは梨花だった。白牙に愛され、懐妊する梨花。嫉妬に狂った綺羅羅は新たな予知をもとに、梨花を追いかけ後宮入りするが…。


登場人物
  梨花=庶子なことから義母に虐げられていた少女。
     優れた治癒の力を持つ。
  白牙=白虎の国の皇帝。梨花を妃に迎える。

 綺羅羅=梨花の異母姉。わずかながら未来予知の力がある。


王都からほど遠い・蘭の村で医院を営んでいる父の家で梨花は使用人以下の扱いを受けていた。特に義母からの当たりが強く、今日も何かと難癖を付けては梨花を鞭打ち憂さを晴らすのを、異母姉の綺羅羅が止めに入り漸く理不尽な折檻が終わった。
美しく優しい姉は家族の中で唯一の味方だ、自慢の娘の執り成しで渋々鞭を引っ込めた義母は先程とは打って変わって笑みを見せた。美味しいお菓子があるからと綺羅羅を促し母屋へ帰っていくのを見送り、身体を起こした梨花は痛みに耐え傷が治るのを待った。
類稀な治癒力、戯れに手を突けた女が産んだ娘を持て余しつつ、父はこの力を喜び大いに利用した。朝昼晩問わず義母にこき使われ、合間には病院の手伝い。毎日へとへとになりながらも病一つにも罹らないのは自身をも癒す治癒の力のおかげだろう。


綺羅羅をしっかり磨き上げろと厳命された梨花は目も回るような忙しさだった。だが、こんな時まで彼女は嫌がらせを受け、しまいには花街に売られそうに。
皇帝が迎えにやって来る日は、梨花もこの家を出される日。
お前は絶対納屋から出るなと閉じ込められていた彼女は、突然開けられた扉の音に驚いて身を起こした。見ると銀色の髪に上等な着物をまとった青年が立っている。

俺の妃をこんなところに閉じ込めたのは誰だ!?
その問いかけに父と義母はしどろもどろ。ビビりまくりの両親を他所に私を迎えに来て下さったのではないのですか?と青年に問いかけているのを見て、この方が皇帝なのだと思い当たる。
皇帝は梨花の前にやって来ると迎えに来た、そう言って手を差し出した。
諦めきれない綺羅羅が追いすがるのをお前は誰だ、とひと睨みで黙らせ、梨花を乗って来た馬車に乗せると慌てて走って来た父達に梨花に対する扱いについて問い質した。返答如何によっては罰を下す。その言葉にちょっとした誤解があったのだと苦しい言い訳をしていた父は冷や汗ダラダラ。綺羅羅の無礼な態度については不問にしてくれると判った上、後に梨花の支度金も寄越すの言葉に父も納得がいったようだ。文句を言いたげな義母を黙らせ、馬車を見送った。
しかし、こんなことはあってはならないと馬車を見つめる者が一人。私、ちゃんと予知夢を見たのに!あいつが陛下を盗ったのよ、絶対許さない。美しい顔を歪ませた綺羅羅は異母妹への恨みを募らせた。

あの日から暫く経った。
世話係の仔巴に髪を梳かされ、美しい衣に身を包んだ梨花は今でも夢の中にいるようだった。白虎皇帝・白牙の寵愛を受け、世継ぎの誕生を心待ちにされているのはかなりのプレッシャーだが、幸せでもあった。仔巴から聞いた話によれば、白虎の矢で選ばれた妃とでなければ皇帝は子を成せないのだそうだ。どういうシステムなのかは判らないが、そのせいで度々跡継ぎ問題に直面しているそう。
先帝の皇妃は白牙を産んでくれたが身体を壊し早くに亡くなっている。その後妻である皇太妃が未だ権力を持っており、白牙の頭を悩ませていた。

皇帝の本能で選ばれた皇妃に皆一抹の不安や不満を覚えていることも承知している。だからこそ、もっとちゃんとしなければと思う。
白牙と皇太妃が火花を散らす中、梨花が懐妊。
大喜びの白牙は梨花を気遣い、仔巴には一層気を配るよう命じた。

梨花が御子を産めばその地位は盤石のものとなる。
未だ皇太妃の元にある首飾り・妃の証も漸く返却さるだろう。あれがまだあの女の元にあるおかげで、皇太妃につく者も多い。愛は与えられないが、と先帝が後妻に渡したのがあの首飾りでそれが皇太妃を増長させた。それ故少しでも早く取り戻しておきたい。



自分の未来予知は絶対、と信じ込んでた綺羅羅でしたが、多分、梨花の未来を視たんだろうなぁ。白牙に全然相手にされてないのに勝手な思い込みで梨花の傍仕えになったのは良かったものの、なかなか白牙に近づけない。業を煮やして私も御子を授かりましたと妊婦のフリをした綺羅羅によって梨花は窮地に陥り、という展開です。
綺羅羅が最後までバカ女だったおかげで、皇太妃の計画はパァ。
実は、梨花が選ばれた理由も最後に語られててああそういうこと、と矢が云々とか言う伝説より妙に納得。最後は、皇帝の子が一人じゃ不安なんですよ、みたいな意見で即妃を迎えろと煩かった宰相も黙っちゃったんじゃないかってくらい、結構な子沢山になったらしい二人が最後まで仲良くやっていたらしくほっこりしました。なるほど、それで梨花が丈夫と何度も言及されてたわけね・・・。
ヒロインの親切心が最後色んな形で戻って来るのも良いです。





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最終更新日  2026.07.03 00:21:36
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