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一夏5413

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2026.07.03
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カテゴリ: ヴァニラ文庫



2023年5月刊
ヴァニラ文庫Miel
著者:あかつきもも花(敬称略)
留学先で出会った公輝と恋に落ちるも、身分差を感じて彼の前から姿を消した美那。その後、妊娠が発覚し、一人で息子を産み育てていた。そんなある日、会社の副社長として公輝が目の前に現れる。「二度目は逃がしてあげないよ」別れから四年がたっているのに、一途に美那を求めてくる公輝。息子ごと愛情を目いっぱい注がれる日々が始まって…!?
​     ↑楽天ブックスよりあらすじ引用

登場人物
 前川美那=留学時代の恋人との子どもを育てているシングルマザー。
戸ノ崎公輝=大企業の御曹司で副社長。美那の元カレ。
前川乃恵瑠=公輝と美那の息子。



ショッピングモールの運営会社の企画部に勤める美那は、三歳になる息子と二人暮らしのシングルマザー。魔のイヤイヤ期も終わってもまだまだ手のかかる時期。退勤時間になり、数分歩く従業員向けの保育園にいる息子・乃恵瑠を迎えに行く。

交換留学先のニュージーランドで出会った公輝とは三か月間だけの交際だった。何も告げずに帰国し、少しして妊娠に気付いたのだが海外用の携帯は解約してしまっていたので連絡しようも無かった。
いや、本当は電話番号も覚えている。
勝手に姿を消したのも連絡絵を入れなかったも単に自分の意気地がなかったからだ。住む世界が違い過ぎるのよ・・・。
だからこの選択に悔いは無い。そう思っていた。

数日後、新しい副社長として就任の挨拶に現れた男性を見て、美那は茫然。なんでここに公輝くんが。しかも副社長!?金持のお坊ちゃまだと思ってはいたけれど、うちの会社の御曹司なら納得だ。
ニュージーランドでは現地スタイルに則り、お互い下の名前でしか名乗らなかったため、今思えば彼の名字も知らなかったのよね。挨拶の言葉を述べる彼はまだ末席にいる美那に気付いていないようなのが救いだが、これは終わったら早々に退席しないと。
しかし、結局彼に見つかってしまい、話がしたいから時間を作って欲しいという言葉に渋々頷く。翌日、よく眠れなかった彼女は先輩社員の岸に相談。さすがに名前は伏せたが、息子の父親に図らずも再会してしまったと言うと、岸もあんぐり。乃恵瑠を引き取りたいとか言われたらどうしよう。心配なのは息子の親権だ。彼のことだから息子がいると判ればそのままにはしないはず。
不安を吐露する美那にまぁ初っ端からそんな急展開にはならないよと励まされ、それもそうかと心を落ち着けた。取り敢えずちゃんと話すよう諭され、公輝からのコンタクトを待った。
が、まさかの社員用の個別アカウントにメールが入っててギョッとしつつ、そう言えば私のメアド向こうは知らないんだったとガックリ。

翌日、実家の母にお迎えを頼み、美那は待ち合わせ場所へ。
人目を気にしないための配慮からか、ホテルの一室で公輝と向き合うと、一昨日会社の保育園から子供の手を引いている君を見たんだ。徐に言われた話に彼女は観念してあなたとの子よと告げると、もしやと思っていたのかやっぱりと彼は肩の力を抜いた。

でも、子どもまで産んでくれたのにどうして俺の前から消えたの?
当然の疑問に美那は嘆息すると、ただ自分に自信が無かっただけだと答えた。あなた、激安スーパーでさらに値引きされた総菜買ったことある?どう考えても育ちの違うあなたとは多分格差を感じて辛くなるから、当時は本気でそう思い込んでいたのだ。
今思えば、公輝に対して勝手にレッテルを貼っていたのだと思う。
それに拍車をかけたのは、彼の父からかかって来た突然の電話だった。
公輝の父は別に交際に反対だとかは言ってなかったはず、寧ろ息子を頼むめいたことを言われた気がするけれどどうしてだかそれを素直に受け取れていなかった。やっぱり住む世界が違い過ぎる。


一方、公輝も敢えて美那を探そうとしていなかった。
きっと彼女なりに何か思う所があったに違いない。それでもずっと忘れられず、意外な場所で再会した時は心底驚いたそう。しかも息子まで産まれていたとは、嬉しさ半分戸惑い半分な気持ちだと打ち明けられ、この人もこんなに動揺するんだなと妙な感動を覚えた。
息子に会いたいと頼まれ、今度連れて行くと答えれば泣きそうな表情に胸が痛くなる。その際、結婚を前提に再び交際を申し込まれたが、乃恵瑠があなたを拒絶するようなら結婚は出来ないときっぱり。
子どもの気持ちが最優先という条件に彼も頷いた。
次の週末、公輝のマンションに乃恵瑠を連れて行くと最初は人見知りを発動し、彼の顔を見ようとしていなかった。これは拙いか、と心配していると部屋がホテルのようだとそのうち大はしゃぎ。
帰る頃には随分と彼に打ち解けていたのでホッとした。
思ったより早く公輝に慣れてくれたおかげで、息子を交えての二人の交際も順調に進んでいる。それから数か月。互いの両親にへの挨拶について考え始めていた頃、どうも彼の様子がおかしい。
何か懸念事項でもあるのかと思い切って尋ねると、もしかしたら少し騒ぎになるかもしれないと神妙な顔で告げられた。
要は私も一応の覚悟しておけということか。
そんなある日、突然社長室に呼び出された美那は、数日後に公輝と自分のことが週刊誌の記事になると聞いて驚愕。しかもその書かれ方が、自社のシンママと交際している副社長が云々という醜聞めいた内容だった。社長は公輝の叔父に当たるため、こういう記事が出るのは甚だ遺憾だと言う。
君たちが真剣交際しているのは報告を受けて知っているが、と前置き、申し訳ないがと言い渡されたのは美那を九州支社に転属させるという辞令で・・・。


シークレットベビーものです。
彼氏が桁外れの金持ちなことにビビり、逃げ出してしまったヒロインが妊娠に気付き、後に出産。両親を始め、色々な人達の手を借りて息子を育てていたら数年後に彼氏と再会。
母になったことで心身ともに逞しくなっていたヒロインは当時の自分の弱さを認め、お互いまだ思い続けていたこともあって復縁します。
でも結婚は息子の気持ち最優先にしたのは英断ですね。公輝は実父ですけど、息子にしてみればただの母親の知り合いですから、まったく懐かないと言う可能性もあったわけで。
シンママの再婚相手と上手く行かず、が原因で起きた傷ましい事件も多いから、息子が嫌がるなら結婚は出来ないときっぱり言える当たり、偉いよ美那さん。
まぁ、結局この辺りは完全にただの懸念だったので、そろそろ入籍をと考えていたらなんと二人の交際を面白おかしく書き立てた記事が週刊誌に載ると聞いてビックリ。
会社と甥を守るため、申し訳ないけど君たち親子は九州支社に行ってくれないかと非情な命令に困惑しているとその必要は無いですよ。そう言って入って来たのは公輝でした。
この記事は差し止めたこと、まったくよくもやってくれましたね、と彼は社長を見据えます。僕がいなくなれば総帥になれると思ってましたか、叔父さん。
公輝の言葉に見る見る狼狽える社長は、兄である会長にも見限られて退職に追い込まれるのでした。この社長さん、物凄く優秀で人を見る目もあるのにそれよりもっと出来の良い、双子の兄(公輝の父)には勝てず、甥を追い落として次の総帥の座に就くつもりだったのです。
長い間積もっていたコンプレックスのせいで自ら墓穴を掘るとは、随分と勿体ない事をしたもので。突然の社長辞任という騒動後、二人は結婚。エピローグではその二年後の戸ノ崎家の様子が描かれて物語は幕。ヘイトキャラがいなかったおかげでサクサク読めるお話でした。
にしても、乃恵瑠って結構なキラキラネームですよね。


評価:★★★★





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最終更新日  2026.07.04 13:12:52
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