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一夏5413

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2026.09.02
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カテゴリ: ベリーズ文庫


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2026年7月刊
ベリーズ文庫
著者:朝永ゆうり(敬称略)
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大病院の理事を務める父の紹介で外科医の瑞樹と結婚した万智。「結婚したのは院長になるためだ」と言う瑞樹とは、愛など一切ない完璧な仮面夫婦。もとから恋愛に夢を見ていない万智は、院長を目指す彼のため妻の役目に徹していたが…。周囲の嫌がらせにも屈せず夫を守る万智の姿に、瑞樹の庇護愛が燃え上がり!?「俺が愛の存在を教えてやる」-溢れる激情に万智も心を揺さぶられ…。


登場人物
 望田万智=病院理事長の娘。政略結婚相手の瑞樹に尽くす。
 持田瑞樹=エリート心臓外科医。次期院長の座を狙っている。
鴎川沙久良=病院長の娘。




光前寺総合病院の理事長の娘・万智は、父の命令で心臓外科医の望田瑞樹と政略結婚をした。現在、光前寺総合病院は理事長派と院長派に分かれている。
外科医を娘婿に迎えたり、働き方改革を積極的に行っている事から院長派が一歩リードと言った所。ならばこちらも、と父が考えたのがこの結婚。
とにかくお前は彼が次期院長になれるようサポートに徹しろ。と厳しく言い含められた。

万智の母は碌に父とは口も聞かないくせに、家事は一切手を抜かず、父を支え続けた。両親もまた政略結婚だったそう。母はいつも夫をサポートするのが妻の務めと口を酸っぱくして言っていた。それほど尽くしても愛情も感謝の言葉も貰えないのに?
子供のころはそれが不思議でならなかったが、大人になってこうして政略結婚を受け入れている辺り自分も染まっていると思う。
だって、夫となった瑞樹からも万智と結婚したのは院長になるためだと初日から釘を刺されているのだ。元より愛情を求めるだけ無駄なこと。

やはり宣戦布告に取られていたか。
結婚披露パーティーに現れた鷗川夫妻は、晴れの日に嫌味たっぷりのコメントを言うとさっさと帰って行った。院長の娘・沙久良は底意地の悪い女だ。有明会というこの病院に勤める医師の夫人たちの集まりで頂点に立ち、気に入らない者はいびり倒して追い出していた。その会に万智を勧誘しているのを耳にして瑞樹はギョッとした。つい嫌なら断ってもいいんだぞ、と柄にもない事を言ってしまい押し黙る。
その態度にどう思ったのか、瑞樹さんの立場が悪くなってはいけませんから。そう言って入会を希望していた。彼女との結婚で実質鷗川の婿養子・翼と瑞樹はライバルになった。腕で瑞樹には敵わないと向こうも熟知しているはず。万智が酷い目に遭わなければいいが・・・。

瑞樹の嫌な予感は的中。
沙久良によって万智は幾度も嫌な思いをさせられることに。
会の集まりでは主旨を詳しく教えて貰えず恥をかかされ、望田家で集まりたいと言うので頑張ってもてなしの用意をすれば難癖を付けられ大事に活けたフラワーアレンジメントを台無しにされた。
そして、病院内の花の管理を任されたのはいいものの、花のチョイスを馬鹿にされた挙句、花瓶の水に細工をされたのか花は夕方には枯れていて大ショック。
せっかくトキさんにも褒めてくれたのにな。

その表情を思い出すと申し訳なくなる。ため息を吐きつつ新しい花に取り換え、何とか無事だった分は持ち帰り自宅に活けなおした。

綺麗だな。病院に飾ってあった花だろ?
珍しく瑞樹に話しかけられ、はいと肯定する。
自分の管理不足で大半を枯らしてしまったのだと話せば、あの女に嫌がらせされてるんじゃないのかと問われ慌てて否定する。嘘が下手だなと思うが本人が言いたがらないのを無理に聞き出すのは悪手だろう。理事長から鷗川が横領をしていると聞いて尚更これ以上のさばらせておけないと思う。しかも、夫の立場が悪くなると黙って嫌がらせをされている万智のことも気掛かりだった。
彼女はどこか亡くなった瑞樹の母を想起させる。

無駄口を聞かず、リラックスが出来ればと瑞樹の為に気分が落ち着く香を毎晩焚き、家事も一切手を抜かない。母と彼女の姿が重なって何とも言えない気持ちになる。

その日を境に瑞樹の態度が軟化。
実は美術館巡りが好きなんだ、と彼が連れて行ってくれたのはアート系美術館。人気作品をモチーフにしたイヤリングも買ってもらい、万智の胸は高鳴った。
しかも、有明会の会合にも付いて来て、沙久良の嫌味な物言いに眉を潜めていた。時間が合えば今後も一緒に行く。彼女にそう告げながら、沙久良への怒りが募る。
あれでも今日は瑞樹がいたからソフトだったんだろう。それでもあの言い方は無い。家柄的には上になる万智をまるで貧乏人扱いまでしていたのを思い出し更に腹が立った。
これは早々に調査を勧めないと。
そう決意した矢先のことトラブルが。
元大物政治家の胆嚢結石の切除は翼の担当だった。
研修医でもこなせる簡単な手術なのに、名乗りを上げたのは患者が元大物政治家だから。しかし、手術日前日に結石の裏に大動脈瘤があるのが判りそれが破裂寸前。患者も体調不良を訴え、瑞樹が手術することに。結果手術は成功したのだが、翼は家族にいいように説明し手柄を横取り。瑞樹も業腹だったが、ここはいい気にさせておいた方が後の逆転が生きると判断。これまでに揃えた院長たちの不正の証拠を揃えて告発の日を待った。だが、数日後の病院の創立記念パーティー当日、万智が何者かに攫われ・・・。


次期院長の座を巡っての争いが激化する中、瑞樹は万智を愛しく思うようになっていました。そして、万智もまた。
そんな中、翼のミスを瑞樹がフォローしたことで形勢逆転されそうな鷗川サイドは大焦り。こうなったら万智が不貞をしたとでっち上げてスキャンダルで瑞樹を追い落とそうと画策して実行に移します。
もうね、どうせ沙久良の案なんでしょうが、やることが下種過ぎてドン引き。これまでの嫌がらせを思うとあなたの方がよっぽどお育ちが悪いですよ?
万智が無事救助された後、怒り心頭の瑞樹によって鷗川院長による横領が暴露され、彼らは退陣に追い込まれるのでした。当然、沙久良は醜い悪あがきをしましたが、会のメンバーにも見放された上、実は華道の家元だったトキさんに完膚なきまでに叩きのめされます。
これまで散々、万智の花に文句付けてたからこのシーンはスッキリ。
ってか、人の作品にケチ付けられるほどの腕じゃなかったのかいぃっ。
騒動後、理事長の推薦で瑞樹が次期院長に決まり、思いが通じた二人の仲睦まじい様子が描かれて物語は幕。じれじれ系なかぁと思いきや、ヒーローが割と早くヒロインに心を許したので、優しくなるのも早かった。判り易いヘイトキャラへのザマァもあってテンプレながら面白かったです。


評価:★★★★☆





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最終更新日  2026.09.02 09:00:04
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