P-Blog アイデア&インプレッション

2003.12.27
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駅前の本屋に行くと、9月から4ヶ月にわたって行われた、 ファシリテーションのワークショップ 吉田典生さん さんの新刊が平積みされていた。題名は「40歳からの人生を簡単にする99のコーチング」(講談社)という。
むむっ、最近、似たような題名の本を読んだぞと思い、近くを見回すと「40歳からの「バカになれる脳」の鍛え方」(高田明和:講談社)という本が目に入った。この本は、今年流行の「バカ本」の一冊ではあるが、自分的には、養老孟司の「バカの壁」よりも、読みやすく、具体的で、分かりやすいという感想を持っていた。
この本は、「本当のバカ」になる事によって、利口な人より、よい事をする、良い仕事をするようになり、壮年期、熟年期という、人生の正念場を向かえ、自分の能力を衰えさせることなく、逆に、自分の能力を向上させる事を目的にしている。
「ケータイを持ったサル」(正高信男:中央公論新社)では、40歳を越えると、社会的賢さを失いやすく、しかも、専業主婦など、自分や身内だけの生活をしていると、その社会的賢さの低下、つまり、ある種の脳の老化が早まるという事を、実験の結果で出ていると書かれていた。
これを、解決する方法として、高田氏は、この本で、平常心を保つことが、セロトニンが分泌され、脳の活動を活発化させることを提案している。ただ、この平常心は、妄想や欲望を減らすことであり、これは、時によっては「バカ」に見えるというのである。
この「バカ」に見えるという事は、岩月謙司の「女は男のどこを見ているか」(ちくま書房)に、その「バカ」に見える状況が記されている。たとえば「賢人なのに、どこかひょうひょうとしている」・・・・。
そして、平常心というところからすると、これは「孤独力」と大きく関係するように思う。こちらは、別の日に詳しく書いているので割愛する。

これは、今年の「バカの壁」で大きく盛り上がった「バカ本」ブームがいかに、出版界に大きく影響したのかがわかる。
「バカの壁」以降の「バカ本」の特徴は、「バカをバカにする本」以外の「バカ本」が多く出版されている。それは「バカをバカにする本」以外の「バカ本」を読者に認知されたという事である。これで「バカ本」の幅が広がり、ブームになった。
さて「40歳から」本は、楽天ブックスで検索すると、177タイトル。そして「40代から」本は、128タイトルが検索され、合計300タイトルを越えている。
特に、ここ数年積極的に出している出版社は、講談社と主婦と生活社である。1999年以降、この5年間で、講談社は、なんと27タイトル、主婦と生活社も20タイトル出している。次いで、PHPと青春出版社がそれぞれ3タイトル、小学館、光文社が2タイトルという事から見て、この2社がいかに力を入れているかがよくわかる。
まず、主婦と生活社であるが、「40代から、もっときれいになる本」という人気シリーズがある。これは、1999年10月に最初のものがでてから、最新のものでvol.15を数えている。他の5冊の「40歳から」本は、そのバリエーションと言っていい。
とすると、「40代から」本の仕掛け人は、講談社ではないだろうか。
1999年以前にも、講談社は「40代から」本を出していたが、タイトルを見ていると、このあたりから「40代から」本のテーマが変化してきている。
1999年以前の「40代から」本は、ゴルフの上達術も含め、身体の衰えに対応するものと、資産運用なども含め老後の備えというテーマのものが多かった。しかし、1990年代は、バブルが崩壊した後で、リストラという流行語のもとに、本来のリストラクチャリングとは全く違う、ただのクビキリが横行し、終身雇用制度が崩壊した。もう、40代から定年後の生活など考えられない。そこで、あたらしい概念の「40代から」本が必要になったのだ。
その一つの切っ掛けは、1996年の「40代からの知的生活術」(現代情報工学研究会:講談社)ではないかと思う。この本は、帯に「「心と精神の人間ドック」で、知的に充実したライフスタイルを」と書かれている。
わたしが、この本に出会ったのは、偶然のことだった。それは、2年前、この本の著者となっている現代情報工学研究会の方から、ある取材を受けた、サンプルとして頂いた。
「知的生活術」シリーズは、人気があり、この本で4冊目となるが、2年前までに、既に通算で30万冊を売っていた。きっと、今なら、さらに何万冊かは上乗せされているだろう。

これは、講談社にとっては、脅威だったに違いない。まず、人気シリーズだった「知的生活術」シリーズの当時の最新版とタイトルが酷似している。その年の6月に出した「40歳からの快適居住学-「長生き人生の家」6つのおさえツボ-」という本より、新しいコンセプトで本が作られているという事である。しかも、それが、自社の本の題名とそっくりだから、たまったものではない。しかし、同時に、この本の発売は、自らの先見性を証明される形となった。
また、同年の10月には、主婦と生活社の「40代から、もっときれいになる本」が、ヒットを放つ。これも、40代から、自分を見つめなおし、精神的な充実を図ろうという企画と共通している。
そこで、翌年から本格的に「40代から」本をシリーズ化したのではないだろうか。
それは、知的生活をすることで、今を楽しく生きるためのヒントを提供している。
別に、講談社の肩をもつもりはないが、けっこう面白い本が多いので、書店などで、手にとってみてもいいと思う。



40歳からの人生を簡単にする99のコーチング
著者:吉田典生|出版社:講談社|発行年月:2003年 12月
ISBN:4062722321|本体価格:880円


40歳からの「バカになれる脳」の鍛え方
著者:高田明和|出版社:講談社|発行年月:2003年 10月
ISBN:4062722216|本体価格:740円


40歳をすぎてからの賢い脳のつくり方
著者:高田明和|出版社:講談社|発行年月:2002年 09月
サイズ:新書|ISBN:4062721554|本体価格:880円


バカの壁
著者:養老孟司|出版社:新潮社|発行年月:2003年 04月
サイズ:新書|ISBN:4106100037|本体価格:680円


ケータイを持ったサル
「人間らしさ」の崩壊
著者:正高信男|出版社:中央公論新社|発行年月:2003年 09月
サイズ:新書|ISBN:4121017129|本体価格:700円


女は男のどこを見ているか
著者:岩月謙司|出版社:筑摩書房|発行年月:2002年 09月
サイズ:新書|ISBN:4480059644|本体価格:720円


40代から、もっときれいになる本(vol.15)
著者:―|出版社:主婦と生活社|発行年月:2004年 01月
サイズ:ムックその他|ISBN:4391617749|本体価格:880円


40代からの知的生活術
著者:現代情報工学研究会|出版社:講談社|発行年月:1996年 09月
サイズ:文庫|ISBN:4062561514|本体価格:583円


40代からの知的時間術
価値ある自分人生をつくる77のヒント
著者:野村正樹|出版社:PHP研究所|発行年月:1999年 07月
サイズ:文庫|ISBN:4569572901|本体価格:533円
※12/28現在楽天ブックス品切れ





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最終更新日  2004.01.19 21:56:02 コメント(1) | コメントを書く


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