P-Blog アイデア&インプレッション

2006.04.28
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上智大学アジア文化研究所が主催(共催 Sophia Tunami Volunteers、インドネシア民主化支援ネットワーク"NINDJA")し、アチェ州北アチェ県から現地のNGO"Jari Aceh"で働いている方を呼んで、「アチェの声-紛争と津波を乗り越えて」と題した講演会が行われた。
京都の方で、アチェの方を呼んで現地の話しを聞いたという小さなイベントがあったという事は知っていたのですが。現地(弱小)NGOの活動報告を含めた形での現地報告は、おそらく日本で初めてだと思われる。
会場には、80余名の聴講者にスタッフ・関係者も含めて、100人以上が集まり。熱心にアチェの声に耳を傾けた。

DSCF0554.jpg
受付も大混雑

いろいろお話しを聞いていて気になった事がいくつかある。

それは、様々な不信感である。
まず、津波の2ヶ月後に、避難所から元住んでいた地域に戻る人が増えたそうだ。これは、避難所にいても支援を受けられないということで、諦めて家に戻るという事が発生したそうだ。
それだけでなく、国軍に囲まれる可能性があるという噂が出回ったことも、家に帰ることを促進したようだ。
アチェ州は、30年続く独立運動があり、インドネシア軍が入り込んだため、いわゆる紛争地域となっていた。津波後の昨年8月に、和平合意が行われた。

現地を訪ねる海外のジャーナリストなども出頭が義務づけられていて、出頭報告書がないとしょっ引かれてしまうそうです。
これは、アチェの人の多くが地元の言葉を使っているためインドネシア語が話せないということで、誰が敵かどうかを見分けるために行っていることだそうだ。
そこで、たまたま書類を持っていなかったら、怪しいということで、引っ張っていく。
以前、元日本兵が戦争体験を話すビデオやイベントで、怪しいと思ったら連行したり、殺してしまうということは行われていたわけで。紛争(戦闘)地域では当たり前の事のようだ。
おかげで、農耕作業などにも支障が出ていたそうだ。

次ぎに気になった話題は、支援活動が、援助をする国の論理や政府(やお金持ち)の論理で行われ、現地では「第二の津波」と言われる現象が起きたということだ。
これは、2004年2月に 以前記事に書いたUNDPのシンポジウム で話し合われた事そのものだが。実際の津波への支援の現場は、シンポジウムで話し合われた事と程遠い状態だったようだ。
タイの方でも起こっていたことだが、誰かが英語が話せるかどうかで、支援が受けられるか受けられないかの格差が起こったり。
現地の習慣を理解しない援助方法をし、アチェの伝統的な相互扶助の習慣に対し、有償で支援活動をさせたため伝統が破壊され混乱が起きたそうだ。
また、ニーズ調査を十分に行わずに支援活動を行い、ニーズに対応していないばかりか、十分なモニタリングをしていないので、プロジェクトが途中で頓挫してしまったままとなり機能しなかったり、評価をしていないがために、単発でしかもやりっぱなしになっているプロジェクトが多いそうだ。


配布された資料に、面白いコラムが書かれていたので引用させて頂きます。

「真の英雄は犠牲者であり、生存者だ。ボランティアでも、役人でもない。ボランティアになることは、人道的な義務に導かれるもので、ほかの目的ではない。役人や政治家たちは、これが任務だからおこなわなければならないのだ。彼らは国家、つまり国民から給料を得ている。彼らが政治的義務と任務を果たしたからといって、英雄的なことでもなんでもない」(Air Putih)

さて、今回、日本にいらっしゃった現地のNGO"Jari Aceh"は、住民の意見を聞き。必要なプロジェクトを実施した。
たとえば、魚や海老を捕るための道具づくりだ。
それぞれの村に合った材料を買ってきて、それで道具を作るのだ。

DSCF0571.jpg

現地にはもっと大きいものもある

この道具で魚や海老を捕り、救援物資で届いた米なども食べることで、現状では食うにはあまり困らない状況になっているそうだ。

そのほかに、紛争のさなかに焼け、津波でさらに流されてしまった、学校の建築なども行ったそうだ。
これも、様々なヒアリングを行った結果、この地域では、学校がほしいということになり、プロジェクトが行われたということだ。
資金源に乏しい、弱小NGOとはいえ、素晴らしい成果を挙げている。

資金源に乏しいと言えば、今回、このNGOの活動の資金源として、民芸品を作っているのだそうで。その民芸品が会場で販売されていた。けっこう、出来がいいです。
今回、学校のイベントだったということで、とてもお安くなっていました。


話しは飛んでばかりだが・・・

8月に和平合意をすると言った後、アチェにも変化が起きているようだ。

インドネシアは、イスラム教を重視している国だが、アチェにはアチェのイスラム教があるのですが、国の重視しているイスラム教のスタイルを踏襲するようにというような圧力が掛かるようになったそうだ。シャリア警察という宗教警察が配備されたりと、アチェの人からすればなんとなく、今までとは違う形で住民への締め付けがなされているような感じになっている。

また、アチェ行政法案というのを、インドネシア国会に提出しているのだが、アチェ独自の合意形成組織がネックのひとつとなっていて、法案が希望通りに通るかが微妙になっているそうだ。
この話し合いによっては、津波をきっかけに和平へ進み出したのが、元通りになる可能性もあるようだ。

さて、これからの課題だが、民主化の問題もあるのだが。津波については、いろんな所から支援を得られるチャンスがあるのだが。和平や従来からある女性などの人権の問題については、支援が得られにくい状況があり。そのあたりをどのようにして活動をしていくかという問題がある。
津波から時間が経つことで、アチェの様々な問題も含めて忘れ去られることにより、問題解決が遠のく可能性があるだけに、継続的にアチェのことに注目してゆきたいところだ。

今回は、インドネシアのアチェから来て頂けたという幸運な機会に恵まれたが。いわゆる途上国では、国外に出るということは、とても困難なだけに、どのように継続的に情報を伝えるかという課題もある。これは、タイの津波被災地域も同様だ。




◇インドネシアの事を知るオススメサイト◇

ニンジャ (NINDJA = Network for Indonesian Democracy.JApan 日本インドネシア民主化ネットワーク)
http://www.nindja.com/
最近は、アチェの替わりにパプアの方に国軍が行っているらしい。アチェと同じ悲劇が繰り返さないように注目したいところだ。








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最終更新日  2006.04.29 02:34:10
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