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2020.06.04
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カテゴリ: カテゴリ未分類



テレビカメラが200メートルほど先に立っている巨木を映し出す。
すると、傍らから初老の男がひとり、「わーっ!バオバブだ!」と叫びながら、子供のように駆け出していく。
カメラが追うその後ろ姿からは、抑えきれない歓喜のようなものが伝わってくる。
やがて、バオバブの根元にたどり着いた男は、平手で幹をバチバチ叩いたり、抱きついてみたり、はしゃぎ回ってもう大変。
ハイテンションにしてオーバーアクション、ここに極まれりといった感じで、そのキャラはこの異形の木に少しも負けていない。
「この人、変わっとるなあ」
これを見て、思わずそう呟いてしまった。

番組名は『巨樹は語る はるかないのちの物語』(初回放送2005年)。

プレゼンターは樹木希林。
それぞれの木を案内する旅人は、2番手から並べると、忌野清志郎、日比野克彦、吉増剛造、大竹しのぶ、立松和平といった面々で、そのトップバッターがマダガスカルまでバオバブの木を見に行った漫画家の楳図かずおというわけだ。

バオバブはアフリカ大陸のみならず、マダガスカル島や、オーストラリア大陸でも見られ、それぞれ種類が異なっている。
どれだけ違うか、写真で簡単に確認しておこう。


Wikipedia より

これがアフリカ大陸のサバンナで見られるバオバブである。
せっかくなので、増沢武弘さんに解説してもらおう。

ケニア山のふもとでは、人の生活とバオバブは強くつながっていて、巨大な木があるところには必ず人家がある。太い幹と大きく広げた枝から、「天を支える木」として古くから大切にされてきた。大きなものでは幹のまわりが10メートル、高さは20メートル近くになり、樹齢は約2000年になるといわれる。大木に近寄ってみるといささか不気味な感じさえする。特に乾期で葉のついていないバオバブは、まるで天に向かって伸ばした無数の手が、動いているようにも見える。この様子を現地では、根がひっくり返って空に伸びたものだと表現している。この木が「さかさの木」ともいわれる理由でもある。


阪急交通社より


『滅びゆく植物』より

マダガスカル島に分布するバオバブは6種類あると言われているが、中でも有名なのが、「バオバブアベニュー」で知られる背の高いやつ(グランディディエバオバブ)と、太っちょのフォニーバオバブだ。


見てのとおり、これはまさに貯水タンクだ。
実際、幹の中はまるでスポンジのようにスカスカの構造で、水が何10トンも蓄えられるようになっているという。
それにしても、こんなに太い幹に対して、付いている枝葉の数が少なすぎるように見えるんだけど、これで大丈夫なんだろうか。
葉が少ないのは水分蒸散量を最小限に抑えるためだが、それでもこの木が大樹に成長できるのには、その貯水能力の他にもう一つ理由がある。
なんと、葉を落とす乾期には樹皮の下にある葉緑素によって、幹が光合成を行うのだという。


地元の人たちはバオバブのことを「精霊が宿る木」と呼ぶそうだが、映像で見るだけでも、なるほどとうなずける。
ついでに言うと、この木とドンピシャなくらい波長が合ってしまった楳図かずおの魂もエレメンタル系で間違いないだろう。笑
そう言えば、この人、途中でこんな意味深なことも言っていたなあ。

「私たち人間も永遠に生きているのに、永遠という感覚を忘れているのかもしれない。永遠に生きるには永遠という感覚を思い出せばいいのかもしれない」





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Last updated  2020.06.27 19:50:44
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