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「9.11と金融危機」
21世紀に入って起きた、世界を変えた大きな事件である、「9.11によるWTCビル崩壊」と今回の「金融危機による金融市場崩壊」には何か共通点があるだろうか。
幾つかの興味深いご意見をいただいたが、私が考えたのはむしろシンプルな物理的なモデルとして似ていると感じている。
つまり、リスクヘッジしたはずが、実際は機能しておらず、実際にリスクが発生したときには連鎖が拡大し誰も食い止められなまま、崩壊まで一気に達してしまうという点だ。
WTCは、当時最新の建築工学で強度対策はしっかりなされていたはずだった。
しかし、航空機が突っ込んだ後、ある階が火災による鉄骨の強度低下をきたして、床が抜けるとその下の階は支えきれず、やはり床が抜ける。
2階分の加重を支えられないその下も当然、床が抜け・・・という連鎖が続き、あの巨大な超高層ビルが一瞬にして崩壊してしまったのである。
金融危機についても同じ連鎖構造が見られる。
サブプライムローンなどのリスクの高い債権を証券化し、リスク分散のために世界各国の金融機関に販売する。
一見、リスク分散に見えるが、実はお互いに支えきれるわけではなく、何があったときは共倒れの構造になっているのだ。
その「何か」がリーマンショックである。
(WTCの場合は、もちろん航空機の突入)
それが金融危機の本質だと思う。
「リスク分散」という名の「共倒れ構造」には注意しなくてはならない。
特に、それが「最先端」という衣をまとっているときに・・・