あの、ゆるやかな日々
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大河ドラマ「江」の視聴率がよくない。たしかに、これまで視聴率のよかった大河ドラマを見ていて感じたような高揚感、わくわく感がない。最近では「篤姫」「天地人」などは毎回、「もう終わっちゃった。早く来週にならないかな」と思いながら見ていた。逆に「風林火山」は冗長だった。「龍馬伝」「功名が辻」はどちらとも言えない。なぜか。なぜ「江」はおもしろくないのか。最近のひと月くらいを見ていて気がついた。登場人物に“覚悟”がないのだ。是非は別にしてわれわれは運命を甘受して自分の使命を全うする人に感銘を受ける。たとえば、新撰組は自らも幕府の時代ではないと思いながらも幕府に殉じた。それが彼らの使命だからだ。われわれは、彼らのそうした覚悟に感動する。明治新政府の立場からすればただの人斬り集団だったかもしれないが、この際新撰組の存在の是非は関係ない。そして、「江」だ。舞台は戦国時代。好むと好まざるとにかかわらずいくさに明け暮れている時代だ。にもかかわらず、二言目には江も秀忠も「いくさはいやじゃ」といった発言をする。いったい田渕久美子さんは何を描こうとしているのだろうか。戦国時代を舞台に平和主義、非武装中立の思想を喧伝するつもりだろうか。そこがドラマとして弱い。主人公の側に位置する徳川家康にしても、北大路欣也さんが演じているにも関わらす、なんとなくダーティな印象になっている。そして、それをなんとなく隠しているような、恥じているような演出になっている。豊臣家の家臣という立場でありながら天下をねらっていることがあたかも悪いことのように。もう少し、家康には堂々としていてほしい。と、思って見ていたのだが、前回の放送で、秀忠の侍女が出産したあとの描き方は秀逸だった。普通は、江が嫉妬に荒れ狂い、恐妻家の秀忠が侍女の子どもを城から追い出す、といった描き方になるのだが、ごく自然に秀忠と江の夫婦関係を描きつつ、庶子の扱いを描いていた。このあたりはやはり三姉妹を主人公においたことによるこだわりだろう。四男の保科正之をどう描くかが楽しみだ。まあ、「江」がおもしろくなってくるのはこれから、ということなのだろう。
2011年09月21日
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