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北アルプス・焼岳に登ってきました。毎日あるぺん号で早朝に着いた上高地、定番の河童橋からの吊尾根の風景です。この日目指した焼岳。なのですが、焼岳に向かう前に、まずは小梨平のキャンプ場に向かいました。往路の「毎日あるぺん号」は予約が取れましたが、山小屋の予約は取れず、夜行日帰りにしようかとも思ったのですが、色々考えてテントを持って行ったのです。前回のテント山行は2019年4月29日~30日、つまり平成最後の日に、穂高連峰の涸沢に幕営して以来、実に7年ぶりのテント泊です。体力が落ちており、テント山行の荷物を担いで長距離を歩く自信がないので、上高地バスターミナルから徒歩10分、標高差0m(笑)の小梨平キャンプ場に幕営することにしたわけです。ちなみに、今は幕営料が1人1泊2000円です。幕営料が1人1泊500円から1000円に値上がりした時は驚いたものですが、さらにその倍になっています。そして、テント内に食料の残置は禁止となっていました。臭いに誘引されてツキノワグマが近寄るのを避けるためです。食料はすべて、キャンプ場内の2か所に置かれた20フィートコンテナに保管することになっています。そんなこんなで、テントの設営と荷物の整理、幕営受付を済ませ、7時15分頃に出発しました。焼岳は活火山です。実は今年1月に警戒レベルが2に引き上げられて、3月に1に引き下げられた経緯かあります。警戒レベルが2に引き上げられていた間は、火口(山頂直下)周囲1kmは入山が規制されていました。ただし、後述しますが、1月から3月までの期間は、今回通過したルートは実質的に通過不可能です。焼岳の斜面には所々、山崩れで山体がえぐれた跡が残っています。その一つの脇を、登山道が通過しています。と参道には何ヶ所かの梯子がかかっています。そのうちの一つがこれです。この梯子、冬季になると外されてしまいます。写真奥の梯子など、これが外されたらここを通過することはほぼ不可能になってしまうのです。一番最後に出てくる梯子が一番長大です。上り下りする際は、感覚的にはほぼ垂直に思えますが、写真で見てわかるように、実際には垂直ではありません。ここも、梯子が外されている期間はほぼ通行不能です。これを登り切ると・・・・・さらに厄介な一枚岩の急登が待ち構えています。梯子は見た目のインパクトはありますが、あえて言えば所詮梯子です。登り下りが危険かというと、そんなことはありません。この一枚岩の急登の方が面倒だと感じます。焼岳小屋を過ぎてひと登りすると視界が開けます。笠ヶ岳が目前に見えます。目指す焼岳山頂。なお、警戒レベルが2に引き上げられると、おおむねこの写真を撮った場所から先が、通行禁止になります。ホタルブクロ。焼岳は、高山植物の花はあまり豊富ではありません。西穂高岳と、一瞬だけ雲の合間から奥穂高岳が姿を見せました。右端は前穂高岳。前穂高岳。活火山なので、あちこちに噴気が見られます。眼下に焼岳小屋が見えます。梓川と上高地が眼下によく見えます。頂上直下の岩場の急登。以下次回に続きます。
2026.07.27
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数日前の記事に高田純という「学者」の名を出したら、何というタイミングか、この「学者」が賞を受賞したのだそうです。あの田母神氏、渡部氏も激賞 「真の近現代史観」放射線論文が最優秀賞 「福島県民は誰も甲状腺がんにならない」元航空幕僚長の田母神俊雄氏が第1回の最優秀賞に選ばれて騒然となった「真の近現代史観」懸賞論文。第4回の選考では札幌医科大の高田純教授(57)による論文「福島は広島にもチェルノブイリにもならなかった~東日本現地調査から見えた真実と福島復興の道筋」が最優秀賞(賞金300万円)となった。理系論文での異例の受賞で、現地調査を積み重ねた上での大胆な結論は世間に衝撃を与えそうだ。田母神氏も激賞する論文の中身とは…。(溝上健良)昨年12月8日、日米開戦70年の日に開かれた表彰式では、主催したアパグループの元谷外志雄代表が「今回の論文はすばらしいが、近現代史という観点から(受賞は)どうか、という話もあった。ただ戦後の歴史は核をめぐるせめぎ合いの歴史であり、核を抜きにして歴史を論じることはできないのではないか、ということで審査員が全員一致で最優秀賞に選出した」と選考経緯を明かした。選考にあたっては氏名、経歴などは伏した上で論文の中身だけで判断したという。核をめぐる現代史の裏面を描いた論文も見事だが、審査委員の見識が光った選考結果だったともいえる。受賞論文はアパグループのホームページで全文を読むことができる。(以下略)----あの、アーパー、もといアパグループの懸賞論文ですか。右翼的イデオロギーと、それなりの肩書き(航空自衛隊幕僚長とか)があれば、中学生の作文レベルでも300万円の懸賞金をくれる懸賞ですね。で、問題の論文の全文は、こちらに掲載されています。アパグループ 第4回「真の近現代史観」懸賞論文 最優秀藤誠志賞いや、もう何というか、この人の致命的な問題はダブルスタンダードである、という点です。つまり「中国の核は悪い核だから、核実験で数十万人死んだ、日本の原発はよい核だから誰も死なない」簡単に言うとそういうことなんです。そんな馬鹿な話があるわけなかろーが。当然のことながら、放射能の人体への影響は中国でも日本でも同じであり、中国の核実験でそれほどの被害が生じているなら福島第一原発の放射能も危険であり、福島第一原発の事故が人体への影響がないなら、中国の核実験の被害もたいしたことがないはずなのです。実際問題として、中国の核実験による被害は当然あったでしょう。しかし、この「学者」が主張するような規模だったとは、とても思えないのです。ちょっと考えれば分かることです。中国の核実験場は新疆ウイグル自治区のロプノール湖なのですが、このあたりは人口希薄な砂漠地帯です。ロブノール県の面積は5万9千平方キロ、日本の四国と九州を合わせた面積よりも広い。そこに人口は10万人しかいないのですから、全員が死滅しても数十万人の死者にはなりません。それに、論文の中で高田純は「私は大学院博士課程時代の広島黒い雨の調査を原点に、チェルノブイリ原子炉核分裂暴走災害、カザフスタン・ビキニ・楼蘭での核爆発災害を調査した。そのなかで世界最悪の核災害は、NHKが長年古代ロマンのみを報じてきた楼蘭周辺のシルクロードである。(中略)昭和三十九年十月の東京オリンピックの開催中に始まった中国の核爆発は、平成八年まで続いた。NHKの大型番組に誘導されてシルクロードを観光した日本人は二十七万人と推計される※6。日本人旅行者たちの被害は甚大にちがいない。」と、いかにも自分で調査したように書いているんだけど、実際には本人が中国で現地調査を行ったわけではないそうです。(だいたい、核実験場周辺の放射能測定を。中国が外国人に認めるわけもないのですが)タモさんと高田純教授 その2。より高田純教授の著作『中国の核実験』(ちなみに、高田教授は、中国の核実験に関しては実際に現地に行って計測したわけでなく、推測に基づいて計算をしています。参考資料には自著がずらりと並んでいます。)ですら、(強調は引用者)ところで、本当に日本人のシルクロード観光客への被害は甚大なのでしょうか。中国の核実験は1996年まで行われましたが、大気圏内核実験は1980年までで、それ以降は地下核実験です。地下核実験でも放射能は漏れ出しますが、格段に少ない。そして、高田がやり玉に挙げるNHKのシルクロード特集は同じく1980年のことですが、この当時のシルクロードは、まだ一般旅行者が容易に近づけるところではなく、シルクロードへの旅行が増えたのはバブル期以降だろうと思います。言うまでもなく、核実験場の近くなんて、外国人旅行者が近づけるわけもありません。それでもなお日本人観光客の被害が甚大だとしたら、当然福島第一原発の事故の被害も甚大に決まっているでしょう。核兵器も原発も、ウラン235の反応によってエネルギーを放出している、という限りにおいて原理は同じです。当然、発生する放射能も同じです。違うのは、核兵器の爆発は、あらゆる種類の放射能(半減期の長いものも短いものも)が大気中にまき散らされるのに対して、原発事故では、半減期の短い放射能は外気中に放出される以前に減衰しているという点です。だから、原発事故では半減期の比較的長い放射能による被害が中心になります。が、これを逆に言えば、核兵器も爆発から日数が経てば原発事故同様に半減期の比較的長い放射能しか残っていない、ということでもあります。つまり、爆発から日数のたった核爆発の放射能被害と、原発事故の放射能被害はかなり似通ったものになるということです。さて、広島の原爆では、「入市被曝者」という方が数多くいます。広島に新型爆弾投下という報により、救援のため広島に来て被曝した人々です。原爆投下から2週間後に広島に来て、被曝によって健康被害を受けている人もいます。このことから考えて、原発事故による比較的半減期の長い放射能も人体に危険であることは明らかです。論文ではなく、産経の記事によると、高田純は「広島でセシウムによって死んだ人はいない。広島の死者は熱線、爆風、そして半減期の短い強力な放射能によるもの。セシウムの放射線はそれほど強いものではなく、今の日本で起きているのは集団ヒステリー状態だといえる」と言っているそうです。広島でセシウムによって死んだ人はいない、などと、どんな根拠に基づいていっているのでしょうか。何の各種による被曝が直接の原因かなんてことが、分かるわけもないのに。少なくとも、前述のように原爆投下から2週間も経って入市して被曝した人の被曝原因は、半減期の長い放射能であることは間違いありません。「セシウムの放射線はそれほど強いものではなく」というのも、メチャクチャな話です。そもそも、シーベルトという単位は、放射能の人体(生物の体)への放射線の影響大きさを測るための単位ですから、1シーベルトの放射能というのは、それを発するのがプルトニウムでもストロンチウムでも、もちろんセシウムでも人体への影響は同じです。ただし、内部被曝に関しては、その物質を体内に取り込みやすいか否かという違いはあります。たとえばラドンは体内に取り込んでも、人体にとって異物なので比較的すぐ排出されますが、ストロンチウムやセシウム、ヨウ素などは人体が必要とする元素と区別できないため、長く体内にとどまります。セシウムの生物学的な半減期(体内にとどまっている時間)は100日程度といわれます。生物学的半減期については、私も過去に記事で紹介したこともあります。ただ、そのときは気がついていなかったのですが、100日経ってセシウムが体外に排出されたとしても、そのとき環境中にまだセシウムがあれば、結局は次々と体内に取り込んでいるわけだから、結局は環境中のセシウムが減らない限り、体内のセシウムも減らないわけです。そのセシウムが、今回の事故では広島原発の168倍も大気中に放出されました。広島原爆は10キロトンから15キロトンの規模ですから、おおむね2メガトンの核爆発と同等のセシウムということになります。それで何もないわけがありません。「筆者自ら行った調査時の個人線量計の積算値から推定する現地の三十日間線量は、四~五月、六~七月で、それぞれ、二十km圏内と周辺が一・〇ミリシーベルト以下、会津~福島が〇・一〇ミリシーベルト以下であった。以上から福島県民の平成二十三年の年間外部被曝線量は、十ミリシーベルト以下、多くは五ミリシーベルト以下と推定する。」とも書いてありますが、数日前の記事で紹介した、文部科学省の放射線量等分布マップによれば、20km圏内から、一部その範囲を超えて、空間線量が毎時19マイクロシーベルトという地域が広がっています。毎時19マイクロシーベルトというのは、年間に直すと166ミリシーベルトです(風雨によって流されたりして、実際はこれよりもう少し減るでしょうが)。この数値は、被曝によって健康被害が明らかに起こると証明されている数字(100ミリシーベルト)よりずっと上です。ましてそこに継続して何年も住み続けたら・・・・・・。もちろん、文部科学省の数字だって、絶対に正しいかと言われれば、それは分かりません。だけど、高田純という「学者」の言う「安全だ」という念仏と、どちらの方がより信用に足るかといえば、言うまでもないでしょう。私は少なくとも、こんなでたらめなことを言っている人の言い分を信用する気にはなりません。
2012.01.16
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陸自、独断で海外情報活動/首相や防衛相に知らせず/文民統制を逸脱/民主国家の根幹脅かす陸上自衛隊の秘密情報部隊「陸上幕僚監部運用支援・情報部別班」(別班)が、冷戦時代から首相や防衛相(防衛庁長官)に知らせず、独断でロシア、中国、韓国、東欧などに拠点を設け、身分を偽装した自衛官に情報活動をさせてきたことが27日、分かった。陸上幕僚長経験者、防衛省情報本部長経験者ら複数の関係者が共同通信の取材に証言した。自衛隊最高指揮官の首相や防衛相の指揮、監督を受けず、国会のチェックもなく武力組織である自衛隊が海外で活動するのは、文民統制(シビリアンコントロール)を逸脱する。衆院を通過した特定秘密保護法案が成立すれば、自衛隊の広範な情報が秘密指定され、国会や国民の監視がさらに困難になるのは必至だ。陸幕長経験者の一人は別班の存在を認めた上で、海外での情報活動について「万が一の事態が発生した時、責任を問われないように(詳しく)聞かなかった」と説明。情報本部長経験者は「首相、防衛相は別班の存在さえ知らない」と述べた。防衛省と陸自はこれまで別班の存在を認めておらず、 小野寺五典防衛相は27日夜、「陸幕長に過去と今、そのような機関があるのかという確認をしたが、ないという話があった」と述べた。関係者の話を総合すると、別班は「DIT」(防衛情報チームの略)とも呼ばれ、数十人いるメンバー全員が陸自小平学校の「心理戦防護課程」の修了者。同課程は諜報、防諜活動を教育、訓練した旧陸軍中野学校の後継とされる。別班の海外展開は冷戦時代に始まり、主に旧ソ連、中国、北朝鮮に関する情報収集を目的に、国や都市を変えながら常時3カ所程度の拠点を維持。最近はロシア、韓国、ポーランドなどで活動しているという。別班員を海外に派遣する際には自衛官の籍を抹消し、他省庁の職員に身分を変えることもあるという。現地では日本商社の支店などを装い、社員になりすました別班員が協力者を使って軍事、政治、治安情報を収集。出所を明示せずに陸幕長と情報本部長に情報を上げる仕組みが整っている。身分偽装までする海外情報活動に法的根拠はなく、資金の予算上の処理などもはっきりしない。冷戦時代の別班発足当初は米陸軍の指揮下で活動したとされる。陸幕運用支援・情報部長の直轄となった現在でも「米軍と密接な関係がある」と指摘する関係者は多い。【解説】 陸上自衛隊の秘密情報部隊「別班」が独断で行ってきた海外活動は、政府や国会が武力組織を統制して暴走を防ぐ文民統制(シビリアンコントロール)を無視するもので、民主主義国家の根幹を脅かす。これまで元別班員らが出版などを通じ、冷戦時代の活動の一端を語ったことはあるが、防衛省と陸自は別班の存在すら認めてこなかった。今回、陸自トップの陸上幕僚長経験者と、防衛省で軍事情報の収集や分析を統括する情報本部長経験者らが別班の存在を認め、海外展開を初めて明らかにした。万が一発覚した場合に備え、陸幕長にも海外の展開先や具体的な活動内容をあえて知らせず、自衛官の身分を離れて民間人などを装った佐官級幹部が現地で指揮する。(以下略)---「北朝鮮にスパイ送った」 元陸自別班メンバーが実態語る首相や防衛相が関知しない独断による情報活動が明らかになった陸上幕僚監部運用支援・情報部別班(別班)。国内担当だった元メンバーが28日までの共同通信の取材に、陸自内部でも存在そのものが秘匿されてきた情報部隊の実態を語った。▽養成突然上司に命じられ、諜報や防諜の教育、訓練をした旧陸軍中野学校の流れをくむ陸自小平学校の心理戦防護課程に入校。同期は7、8人でごくまれに海自、空自の隊員もいる。追跡、潜入、張り込み…。教室の鍵は昼間も厳重で、小平学校長でさえ入室できない。同課程を修了して別班員になると、外部との接触禁止に。「身分証明書は自宅で保管し、持ち歩くな」「年賀状も出すな」と指示され、防衛大の同期会は当然欠席。休職扱いか、いったん自衛官の身分を離れるが、給料や退職金は満額が出る。▽任務別班の本部は東京・市谷の防衛省地下。民間のビルの一室を借りた「アジト」が東京都内に数カ所あり、組織を秘匿するため、渋谷、池袋、新宿…などを転々とする。班員は数人ずつのグループで活動。他のグループのメンバーとは本部でたまに会うだけで、本名さえ知らない。在日朝鮮人を買収し、スパイに仕立てて北朝鮮に送り込んだこともある。▽資金活動資金が足りなくなれば、防衛省情報本部にもらう。金が余り、内輪で豪華宴会をしたこともある。領収書は一切いらない。別の班員から「数百万円まで湯水のように使えた」「協力者には数十万円単位で使えと言われた」「金を使わないと仕事をしていないと思われた」と聞いたこともある。---大きなスクープであるにも関わらず、他マスコミからあまり後追い報道が出ていないようです。そして、政府の対応はというと防衛省「これ以上調査ない」 陸自「別班」による海外情報活動報道で陸上自衛隊の秘密情報部隊「別班」が独断で海外での情報活動をしていたとの報道に関し、防衛省の辰己昌良報道官は29日の記者会見で、小野寺五典防衛相が2度にわたり陸上幕僚長らに、別班が過去も現在も存在しないことを確認したとして「これ以上、今の段階で調査をやる状況ではない」と述べた。(以下略)---これだけの反応なのです。27日の夜に報道が出て、2日後には「これ以上調査しない」けれどそのような部隊は「存在しないことを確認した」というのです。たった2日で何をどう調査したのかは分かりません。「陸幕長に確認した」からと言いますが、その陸幕長ら制服組が、防衛庁長官らに対して存在を隠していた、と報道されているわけです。いわば、「あいつは泥棒だ」と第三者から名指しされている人物に対して、「お前は泥棒か?」「いいえ」「泥棒ではないと確認しました」と言っているようなもので、まあ、調査の名には値しないでしょうね。もし本当にそんな組織が存在しなかったとすれば、共同通信の世紀の大誤報ということになります。誤報だったら、政府の反応はこんなもので済むはずがありません。「撤回しろ」と大騒ぎになっていたはずです。それなのに、このようにあっさりした対応というのは、事実上「そこは触れたくないんです」と言っているようなもので、そういう組織が実際には存在する、ということを暗に認めているとしか思えません。実際のところ、記事にもあるように、過去に元別班員がその存在を暴露したこともあるし、共産党の「赤旗」が報道していたこともあるようです。(検索した中では、この記事で、陸自の秘密情報機関、「陸幕二部別班」に触れている)だから、スクープと言っても、大手マスコミが正面から取り上げたのは初めてということと、元班員だけでなく元陸幕長や元情報本部長など陸上自衛隊の中枢部経験者からも証言を得た、つまり信頼度の非常に高い記事であるということに意味があるのであって、情報自体は「青天の霹靂」というものではありません。そうすると、しかし次の問題は、「本当に首相や防衛相(防衛庁長官)はそれを知らなかったのか」ということになります。秘密組織とは言え、詳細はともかくとして。断片的にはこれまでも存在が流布されていた組織について、歴代の防衛相、防衛庁長官が本当に何も知らなかったとは、考えにくいのではないかという気がします。知らなかったことにしてある、ということではないか、と。ただし、知っていたとしても、「あとから発覚した」という可能性も充分あり得ます。国外に拠点を設けてスパイ活動というのは、もしそれが相手国にばれて摘発された場合、国際的な大問題になる可能性があります。そのようなことを、政治の判断抜きで自衛隊の独断で行っていたとしたら大問題です。政府がそのような行動を知っていて、自衛隊の火遊びを黙認していたとしたら、それもまた大問題です。共同通信も、あえて秘密保護法が成立しそうな今の政治状況を踏まえてこの報道に踏み切ったのでしょうが、秘密保護法ができてしまうと、こういう報道もむつかしくなるでしょう。特定秘密保護法案には、以下の条文があります。第二十二条 特定秘密の取扱いの業務に従事する者がその業務により知得した特定秘密を漏らしたときは、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下の懲役及び千万円以下の罰金に処する。特定秘密の取扱いの業務に従事しなくなった後においても、同様とする。第二十四条 第二十二条第一項又は前条第一項に規定する行為の遂行を共謀し、教唆し、又は煽動した者は、五年以下の懲役に処する。特定秘密の取扱いの業務に従事しなくなった後でも、特定秘密を漏らしたら処罰の対象になる。そして、それらの行為を共謀、教唆、煽動した者もまた処罰の対象になるのです。つまり、元陸幕長や元情報本部長など、今は自衛隊を離れている人間でも処罰の対象になりうるし、聞き取りを行った記者だって、秘密漏洩を共謀、教唆、煽動となりえます。あとは、この「別班」情報が特定秘密に含まれるか否かですが、常識的に考えて、(ガセネタでないなら)特定秘密に含まれるに決まっている。いずれにしても、何が秘密なのかは秘密、だというんだから、それが特定秘密なのか否かは、逮捕されてみないと分からない、地雷のようなものです。国民の知らないところで、「国防」に名を借りて秘密保護法のガードを受ければ、誰のチェックも受けず、やりたい放題のことができるという、恐ろしい時代になってしまいそうです。なお、この記事を書くにあたっては、はBill McCrearyさんの記事を、大いに参考にさせていただきました。
2013.12.02
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TBS報道番組にイスラエル大使が大激怒『これは何だ?』連呼 ネット上では「国際問題」「子に罪はない」BS‐TBSで11日に放送された「報道1930」にジャーナリスト、重信メイさんが出演したことに対し、イスラエルのギラッド・コーヘン駐日大使が13日の記者会見で「これは何だ?」と連呼し、怒りを表明した。コーヘン大使は、日本外国特派員協会で記者会見。番組の画面が印刷された紙を手に「50年前にイスラエル人を暗殺した犯人の娘が日本のテレビでコメンテーターをしていた。これは何だ?これは何だ?」「これはひどい。こんなのを見てしまって本当に残念」「殺人者とテロリストの家族に発言の場を与えるのを許すべきではない」などとまくしたてた。重信さんの母は「日本赤軍」重信房子元最高幹部で、父はパレスチナ人。日本赤軍は1972年、イスラエルの空港で旅行客らに自動小銃を乱射し、24人が死亡する事件を起こしている。11日の番組で、重信さんは「中東やパレスチナ問題を長年取材しているジャーナリスト」という紹介で出演。「例えて言うと、日本の学校で毎日のようにいじめられていた子が初めてやり返したら、それに焦点が当たったような状況」「なぜかパレスチナは『抵抗』ではなく『テロ』になるのは問題」などと語った。X(旧ツイッター)でも放送後から一部の界隈を中心に波紋が広がっていたが、この会見でさらに大荒れに。「ほら、見ろ。やべーぞ、国際問題じゃないか」「そりゃ駐日イスラエル大使も怒るよ。まあ別にイスラエルが正義だとは思わないけれど、それでもあれはない」「親がテロリストだからといって子に罪はないけどね」など、さまざまな反応が出ている。---イスラエルの駐日大使が重信房子の娘がテレビに出てきてパレスチナ擁護の発言をすることを容認できないのは、その立場から言って分かります。でも、別の立場なら別の主張がありますから、イスラエルの大使の言い分に従う義務はありません。重信房子がやったことは、確かに弁護の余地のない犯罪です。しかし、江戸時代なら親の犯罪に子も連座したしたでしょうが、現在はそんなことはありませんから、本人ならともかく、親が犯罪人だから子どもをテレビのコメンテーターにしてはいけない、などということはないのです。そもそも、テロリストの子どもがテレビのコメンテーターどころか、テロリスト本人が首相にまで登り詰めたのがイスラエルという国です。ベギン首相(在任1977-1983年)は、イスラエル建国前、ユダヤ民族軍事機構エツェルのリーダーであり、1940年代にはアラブ人の虐殺などのほか、イギリスに対するテロも引き起こしていたため、イギリス植民地当局からは指名手配されていました。主張への賛否はともかくとして、日本にパレスチナの専門家はそう多くはなく、その数少ない専門家の一人である重信メイが出演することに、問題があるとは思いません。また、先の記事で指摘したように、ハマスの今回のテロは論外としても、これまでイスラエルがパレスチナに対して相当酷いことをやってきたし今もやっていることも確かなのです。国際赤十字委員会は、イスラエルが通告しているガザへの攻撃について、こう主張しています。「イスラエルに対する恐ろしい攻撃があったからといって、ガザでの無制限の破壊を正当化することはできない。今回の退避要求は(ガザ地区の)完全封鎖とともに、国際人道法と合致しない」まったくその通りですが、イスラエルが耳を貸す様子はありません。この一連の経緯から目を逸らしてイスラエル擁護の発言のみを取り上げるべきだ、とは思いません。まあ、一言で言えば、大使の言い分は分かった、でもそれに従う必要性はないよね、ということに尽きます。
2023.10.15
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「無能の仕事ぶり」「恥ずかしすぎる」と批判殺到…高市首相の「寝てない自慢」は情けないし、国民の失望を招くのも当然だ7月20日に、高市首相がXに投稿した「苦労アピール」が物議を醸している。「泥臭く働くリーダー」「庶民的で真面目」というポジティブな演出を狙った投稿の内容が、「マネジメント能力の欠如」や「非効率な働き方」として受け取られて裏目に出てしまったからだ。問題の投稿では、7月以降の土日について、公邸で「骨太方針」「日本成長戦略」「地域未来戦略」に関する「分厚い資料を早朝から深夜まで読み続け」という出だしの後、特に睡眠不足に言及した「今日のお休みは本当に有難く、久々に5時間も睡眠を取れた上(総理就任以来、0時間〜3時間睡眠が常態化)」の部分が批判の的になっている。高市氏本人としては、「昼からは、手付かずだった大量の洗濯後のハンカチやインナーのアイロンかけと、お裁縫(スカートの裾のほつれのまつり縫いやジャケットの緩んだボタンの補強)を一気に処理」といった庶民的なエピソードで上手くまとめたつもりだったのだろうが、要するに、「成果が見えない中での『苦労アピール』」であったために、余計に大きな反発を招いてしまったのである。(以下略)---問題の高市のXへの投稿はこちらです。引用記事の趣旨も、確かにそうだ、と思うところがありますが、より大きいのは、多分多くの人が「それ、作り話じゃない?」(少なくとも話を相当盛っているんじゃない?)と疑っているのではないでしょうか。少なくとも私は、一読して「本当か???」と思いました。「風呂掃除、入浴、夕食、夕食後の洗い物、洗濯、簡単な掃除」って書いているけど、そりゃあ、入浴と夕食は他人に代わりに風呂に入って飯を食べてもらうわけにはいかないけど、「公邸の」風呂掃除、洗い物、洗濯、簡単な掃除を本当に首相が自分でやったの?というのは、というのは、極めて疑問なわけです。端的に言って、女性の首相は史上初めてで、今までの首相は全員男性だったうえに、奥さんが一緒に公邸に住む、ということは基本的になかったはずです。つまり、風呂掃除、洗い物、洗濯、掃除は、そのための担当者(会計年度任用職員か、委託業者からの派遣か知りませんが)がいるはずです。高市首相になった途端に、それらの使用人はクビですか?そんなはずはないと思うわけです。高市首相でも、「風呂掃除、洗い物、洗濯、掃除」は自分でやっているはずなどありません。ちょっとだけ家事をやるポーズだけ見せて、それを誇大に言っているだけだろう、としか見えないのです。アイロンがけだってそうです。首相は激務でしょうから、そんなことを自分でやる必要はないし、自分でやってますアピールをする必要もないのです。誰も首相にそんなことを期待していない。だから「あざとい」としか見えないのです。今、ホルムズ海峡のタンカーの通過は再び止まり、再開の見込みは立たず、物価高と円安はとどまるところを知りません。それなのに、高市が今一番力を入れているのは、皇室典範改正案?国旗損壊罪?副首都法案と衆院定数削減法案?そして、そのことに冷たい視線が集中して支持率が下がり始めると、真実性の怪しい庶民アピール。全てに渡って、力を入れるところが違うだろう、としか言いようがないのです。また、この件で、代3.11の際の民主党政権枝野官房長官が不眠不休だったこと(実際には1~2時間程度まどろんでいたと後に本人が述懐しているようですが)に対する「枝野寝ろ」という反応と比較する記事があります。「0~3時間睡眠」高市首相の"多忙アピール"はなぜ逆効果に 支持率4割政権を追い込む「発信リスク」しかし、両者には決定的な害があると私は思います。枝野は、「睡眠不足」を自分でアピールなどしなかった。不眠不休っぽい活動ぶりをテレビで見た人たちが「枝野寝ろ」と言っていただけで、本人が自分でそんなことを公言はしていませんでした。勿論、緊急事態であったという事情もあります。あの時、本当に不眠不休で救助活動や復旧に当たっていた人たちは、被災地に何千人何万人といたはずです(私自身も、被災地とは言えない東京在住ですが、あの晩は避難所に派遣されて、1~2時間しか寝ていません)。もし睡眠不足を自分でアピールしていたら、枝野だって凄まじいバッシングを浴びたことは確実です。しかし、枝野はそれほどバカではなかったので、そんなことはしませんでした。睡眠時間0~3時間アピールにしても、3.11のような異常事態に短期間なら可能でしょう。しかし、何か月にもわたってそんなことを繰り返すことは、人間には不可能です。無理矢理やったら、当然正常な判断力を失い、やがては死につながることになります。まあ、だから正常な判断力を失って、他のより重要なことは後回しにしても皇室典範改正を優先させるという滅茶苦茶なことをやった、とも言えますが、睡眠時間が恒常的に0~3時間という話も、おそらく「盛っている」のだろうなという気しかしないのです。いずれにしても、高市首相におかれましては、アピールなどしなくてもよいから、一刻も早く、「風呂掃除、洗い物、洗濯、掃除」は自分でやり、睡眠時間は毎日6時間程度は取れるような立場に降りていただくのが良いです。本人の健康上もその他大多数の日本国民のためにも。
2026.07.23
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反戦はお花畑?なぜ平和の声は伝わりにくいのか トランプ氏ら為政者の「平和の悪用」の現実 平和の“曖昧さ”と戦争の“単純化”の危うさアメリカとイスラエルが始めた戦争の出口が未だ見通せない中、世界では戦争に反対し、平和を求める声が大きくなっています。一方でその声は伝わりづらいとも言われています。そのわけを考えてみました。~世界各地でも、イラン攻撃に反対する抗議デモが拡大。日本でも4月、国会前をはじめ、全国47都道府県で抗議の声が上がりました。参加者「何があっても、戦争によって人が命を落とすことがあってはならない」その一方で、「反戦」を訴える難しさも露わになっています。参加者の中で、目についたのが「ウサギ」のイラスト。その訳は、SNSにあげられた「世界中から戦争がなくなりますように」との言葉を添えたウサギのイラストに、「絵を描いても戦争はなくならない」「自己満足」と批判が殺到し、削除を余儀なくされたからです。参加者「SNSで発信すると『そんなのお花畑だよ』みたいな。特にネットが最近激しい」「まっとうなことを言っている人を、蔑むというか。ただただ不思議」「『平和であって欲しい』という願いすら拒否される世の中ってどうなんだろうと」戦争への率直な反対表明が、批判の対象になってしまう現状。こうした「平和を訴えることの難しさ」の一方で、「戦争を訴えることの容易さ」を指摘する専門家がいます。かねて紛争国からの留学生などと、コミュニケーションの観点から「戦争と平和」を研究してきた、早稲田大学国際教養学部講師 asobot代表 伊藤剛さん「『平和』って言った時にイメージしているものが人によって違う可能性がある。『戦争とは何か』は共有できるけど、平和観みたいなところで折り合わない。平和の尊さというのは戦争と相対する中でしか語りづらい、理解されづらい」伊藤さんが例として挙げたのが画像検索。「WAR=戦争」と検索すると、銃や戦車など戦場の具体的なイメージが出る一方、「PEACE=平和」では、ピースマークや鳩など抽象的なものばかり。「戦争」は、その具体的イメージによる分かりやすさが、悪用されてきたといいます。(以下略)---私自身は、今回まだ国会前行動などに参加していませんが、反戦運動を大いに支持しているところだし、そのうちに参加するだろうと思います(正直言って、最近はあまりその手の集会に参加していませんでしたが)。ところで、引用記事にあるとおり、最近は「戦争反対」を叫ぶと「お花畑」だの「自己満足」だの、「ごっこ遊び」だのと揶揄するのが流行りらしいです。百万歩譲って、仮に自己満足、ごっこ遊びだとしても、自己満足したい人が自己満足すること、ごっこ遊びをしたい人がごっこ遊びをすることを、他人にあーだこーだと言われるいわれはありません。だいたい、デモや集会というアピール方法は、左翼、反戦派の専売特許ではなくて、在特会などのネトウヨ勢もこれまで散々やってきたわけですが、当然それらも「自己満足」「ごっこ遊び」だということなんですよね?さて、戦争に反対することが「お花畑」とはどういうことでしょうか。今集会が盛り上がり始めているのは、一般論としての戦争ではなく、明確に米国とイスラエルによるイラン攻撃に対する反対、ということです。勿論、この戦争に日本は参戦はしていません。しかし、戦争の一環として行われているホルムズ海峡封鎖によって、日本は極めて大きな影響を受けています。その戦争に反対することが、悪いことですか?2月末に戦争が始まって、我々の生活に、何か一つでも良いことがありましたか?ホルムズ海峡封鎖によって、ほとんどの船舶が通過できず、石油が入ってこない、それによって様々な石油由来の製品が不足を来し始めています。ガソリンの価格も大幅に上がっています。もっとも、補助金を入れて引き下げているので一般消費者の目には直接的には分かりませんが、それは戦争がなければ投入する必要がなかった余計な財政支出です。緒戦では大敗を喫したイランは、何一つ譲歩しておらず、また譲歩させられる見通しもありません。トランプ政権が言っていたことを、何一つ実現できそうにありません。「濃縮ウランを放棄しろ」と言って始まった戦争だったはずですが米側の要求は「20年間濃縮を停止しろ」に変わっています。在米資産の凍結解除も俎上に上がっているようです。停戦によるホルムズ海峡封鎖解除という話が、2度報じられ、2度とも直後にご破算になっていますが、このままホルムズ海峡の封鎖が続いた場合、今の状況はまだ序の口で、世界は、とりわけ湾岸諸国への石油依存度が高い日本は、これから更に厳しい状態に追い込まれていきます。イランは峻険な山岳地帯が多く、米軍と言えども地上戦で勝てる可能性はありません。また、イランは食糧自給率も高く、勿論現代文明の血液たる石油に不自由することはありません。つまり、イランは世界中から孤立しても耐えていける国であり、太平洋戦争末期には食糧も燃料もない状態に追い込まれた日本より、よほど戦争に強い国なのです。成算があれば戦争をやってよい、というものではありませんが、成算もない、出口戦略もないまま、「ハメネイを殺せばイランは降伏するだろう」という、あまりに安易な見通しでイランに戦争を仕掛けてしまったトランプの責任は極めて重いと言うしかありません。その安易極まりない戦争計画こそが「お花畑」です。勿論、こんな戦争を推進したり賛同する連中もです。というわけで、反戦を「お花畑」だと言いたい奴は勝手に言っておけ、としか私は思いません。言っている奴らの方が「お花畑」だし、ホルムズ海峡封鎖による日本の苦境が今後も続くことを是とするような連中なんだから。日本への影響一つとっても、この戦争に賛成する理由は一つもないし、出来るだけ早く戦争が終わらないと、日本はもっと悲惨なことになります。ならば、戦争などやめろと声を上げる、あるいはせめて、トランプ政権など見切りをつけて、ホルムズ海峡通過について個別にイランと交渉しろと日本政府に要求する、そういう声を上げるのは、私は必要なことだと確信しています。
2026.04.20
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京都府八幡市長が産休正式表明 「よりよい制度設計向け議論加速を」京都府八幡市の川田翔子市長は26日、産休取得を正式表明した。出産予定は9月中旬で、産休の期間は7月20日から11月上旬ごろの予定。現職の女性首長の産休取得は全国初とみられる。特別職の市長には労働基準法の産休の規定が適用されず、市の条例でも規定がない。このため市職員の休暇などに関する条例施行規則や市議会会議規則に準拠して産前8週・産後8週の産休を取得する。川田市長は会見で「今回の産休取得をきっかけに、よりよい制度設計に向けて議論が加速することを願っている」と話した。市役所には今月21日の報道後、約70件の意見が電話やメールで寄せられた。「産休取得はすばらしい、がんばって」といった賛同の意見が多かった。ただ、「任期が決まっているのになぜ今か、無責任ではないか」という批判的な意見もあったという。産休中は、副市長が市長職務代理を務める。副市長が「市長権限の全て」を代行するが、川田市長へ週1回以上、オンラインで主要案件を報告する予定という。---勿論育休中は他の市幹部の負担は増すでしょうし、それはそれなりに大変なことでもあるでしょうが、基本的にはめでたい話だと私は思います。が、そうは思わない人が一定数いるようで、「任期が決まっているのになぜ今か、無責任ではないか」なんて意見も寄せられているとのことです。そんな意見の持ち主の一人が、この人物のようです。田母神俊雄氏、公務にある者の長期間休暇...「古い世代の私としては大変違和感」 市長の産休取得めぐって元航空幕僚長の田母神俊雄氏が市長などが「産休の取得」をすることについて、Xで私見をつづった。田母神氏はXで、「京都府八幡市の川田翔子市長(35)が産休の取得を表明した。産前産後で4か月ほど休むということが報道されている」と投稿した。~田母神氏は、この件で「しかし公務にある者がこんなに長期間休暇を取るということに、古い世代の私としては大変違和感を感じる」と主張。「公務にある間は長期間休まないで済むような配慮をすべきだ。長期間休むことが予測される場合には市長等に立候補すべきではないと私は思う」と持論を展開した。田母神氏の主張には「任期中は川田さんという私人では無く川田市長という公人として職務に集中して欲しい」といった声のほか、「こんな考えでいる年配者が多いから、少子化待ったなしなんですよ」「公務だからこそ前例を示す意味もあると思います。産休を取りづらい企業や職場が『変わるきっかけ』になれば」などの声もある。(以下略)---何だかねえ、ため息が出ます。そもそも、「公務にある者がこんなに長期間休暇を取るということ」に違和感と言われると、公務にあるものは当然市長だけでなく、一般公務員も同じなので、では公務員が産休育休を取ることにも違和感がある、というのでしょうか?だとすれば、とんでもない考え方と言わざるを得ません。余談ですが、川田市長は産休を取るとは報じられていますが、育休を取るとは、現時点では報じられていないようです。あるいは、一般職員は違う、市長だから問題だということかもしれませんが、そうだとしても、とうてい同意できる意見ではありません。世界を見れば、市長どころか、女性首相が出産した例だってあります。パキスタン・ブット首相(1990年、長女を出産)ニュージーランド・アーダーン首相(2018年、長女を出産)市長の出産くらいで、史上初めてなんて言っている場合じゃないだろうと思います。パキスタンのブット首相は批判を恐れて産休を一切取らずに職務を続けたようですが、ニュージーランドのアーダーン首相は産休も取得しています。もちろん、この間に28年の時間差がある点は見逃せません。1990年当時だからブット首相は産休を取りませんでしたが、今なら恐らく判断は違ったでしょう。それとの対比で考えても、市長が出産して産休を取ることは、なんら不思議ではないし、それを批判の対象にすること自体、私に言わせれば時代錯誤です。出産するなら市長に立候補するな、を本当に無理強いした場合(仮定の話ですが)、おそらく出産の方をあきらめた可能性が高い(川田市長の結婚が、市長当選より2年以上後であることからの推測です)と思います。どう考えても、「市長に立候補なんかせずに子どもを作ろう」という選択になるとは思えません。田母神みたいな意見の主は、口先ではどう言うか分かりませんが、本音ではこのような二者択一を迫られた女性には、市長(のような責任ある立場)をあきらめて出産を選択してほしい、選択すべきだ、と思っているのでしょう。しかし、その二者択一を迫れば、今の女性は出産の方は選びません。彼らの願望はかなわないのです。従って、そのような二者択一を迫ることは、子どもがほしいと思っている女性に出産を断念させる効果しかありません。というわけで、こんな意見が幅を利かせているような社会では、そりゃあ少子化が進行することはあっても、解決する方向に進むはずがありません。
2026.05.26
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2026.3.23追記:Youtube動画の多くがリンク切れになっているため再編集しました。続と名付けましたが、前編である「コンドルは飛んでいく考」は、実に4年も前に書いた記事です。その中で、私は本来「コンドルは飛んでいく」は3部構成の曲です。1部は「ヤラビ」と呼ばれるゆったりしたメロディー(世間的にもっとも有名な部分)、2部は1部のメロディーを少し変形して、「フォックス・インカイコ」または「パサカージェ」と呼ばれる行進曲調にしたもの、最後の3部はワイニョというアップテンポのリズムでメロディーも違います。で、正式には3部構成なのですが、真ん中を抜いて1+3の2部構成で演奏するグループも非常に多いのです。と書きました。ところが、です。私の知人である、ラテンアメリカ研究者の水口良樹さんが、「コンドルは飛んでいく」に関して、驚愕すべき事実を書いています。知られざる「コンドルは飛んでいく」2014.05.06まあ、論より証拠、「コンドルは飛んでいく」が発表されて4年後の1917年に残されている最古の録音があるので、これを聞いてみてください。※埋め込みでは再生できないようですので、YouTubeのサイトでご覧ください。「世間的にもっとも有名な部分」である第1部(ヤラビ)が、オリジナルの「コンドルは飛んでいく」には、ないのです。2部(フォックス・インカイコ)と3部(ワイノ)しかない。先に「2部は1部のメロディーを少し変形して」と書きましたが、事実は正反対で、2部(フォックス・インカスコ)のメロディーが先にあって、それを変形して、後の時代に創作されたのが1部(ヤラビ)、というのが真相であるようです。現在知られている「コンドルは飛んでいく」のヤラビが、オリジナルからはメロディーが改変されていることは、私も聞いたことがありました。通説では、その改変部分は以下のとおりです。上段が現在の「コンドルは飛んでいく」で、下段がオリジナルだ、という話です(赤い部分が付け加えられたところ)。この通説は、事実ではあったのですが、ただし、改変されていたのはメロディーだけではなく、リズムも変えられていたわけです。もともと、「コンドルは飛んでいく」は、ダニエル・アロミア・ロブレスがサルスエラ(スペイン語圏の民族的なオペラ)のために作った組曲です。その一部をつなぎ合わせて1曲にしたものが、世の中に知られる「コンドルは飛んでいく」です。このオペラの内容はかなり政治的なもので、米国人の経営する鉱山で1911年に事故が起きた際、経営者側と、先住民労働者の間に起こった激しい紛争を描いています。当時勃興しつつあったインディヘニスモ(先住民復権運動)や労働運動をテーマとする作品だったのです。当時、大変な人気を博して、ペルー全国で上演されたようです。では、そのオペレッタのための組曲としての「コンドルは飛んでいく」はどんな音楽だったのか。ペルーでは、「コンドルは飛んでいく」誕生100周年だった2013年に、オリジナルの台本と譜面に基づいてサルスエラが再演されています。この記事を書いた当時はその音楽部分だけを集めた音源がYouTubeに公開されていたのですが、残念ながら現在は削除されています。現在は、サルスエラ全体の動画が4部に分けて公開されています。日本語字幕はないませんので、劇の部分はスペイン語が分からないと意味不明ですが・・・・・・※追記:2026年現在、すべて視聴できないようです。ただし、再現されたサルスエラの音楽部分だけを抜き出した動画(映像なし音声のみ)があります。第1部~第4部(リンク切れのため削除)第3部の冒頭に、現在のアレンジの第3部、ワイノの部分が出てきます。第4部の一番最後に、現在のアレンジの第2部、フォックス・インカイコが出てきます。先の1917年の録音も同じですが、ケーナなどのフォルクローレの民族楽器は一切出てこない、クラシック音楽の管弦楽の音楽として作られていたことが分かります。そして、確かに、一番有名なヤラビのメロディーはどこにも出てきません。フォックス・インカイコは全体の中で一番最後の曲だし、第3部(ワイノ)は真ん中あたりの曲になっています。舞台の中では、ワイノのメロディーは第2幕のオープニング(なお、この部分はアロミア・ロブレスの作曲ではないそうです)で、フォックス・インカイコのメロディーは全体のフィナーレの曲だそうです。また、今日知られている「コンドルは飛んでいく」の前奏には複数のバージョンがありますが、それらのメロディーも(必ずしも前奏としてではなく)組曲の中に収められていることが分かります。そうすると、誰もが知っている、第1部の有名なメロディーは、いつ、誰が作ったのでしょうか。明確には分からないのですが、前述の水口良樹さんの論考によると、可能性としてはロス・インカス(サイモンとガーファンクルのバックで演奏しているグループ)である可能性が高そうです。だとすれば、その編曲をしたのはリーダーであるホルヘ・ミルチベルグということになります。なお、インカスによる「コンドルは飛んでいく」の最初の録音は1963年のようです。冒頭に書いたように、現在知られているコンドルは飛んでいくの「正統な」構成は1+2+3の3部構成ですが、「ロス・インカス」の演奏は2部を抜かした1+3の2部構成なのです。もし彼ら自身が、第2部のメロディーを改変して第1部を創作したとすれば、「コピー元」(?)の第2部を省略して2部構成にしたことは辻褄が合います。もう1人、昨年亡くなったアルゼンチンのギタリスト、エドゥアルド・ファルーも、1960年代から「鷲は過ぎ行く」という邦題でこの曲を演奏しています。YouTubeには、1967年録音として、この曲を含むファルーのライブ演奏がアップされており、やはり今日知られているあの曲調とワイニョの2部構成になっています。(27分20秒頃から「コンドルは飛んでいく」)ファルーのコンドルが1967年でインカスが63年ならば、やはりインカスの方が先でしょうか。あるいは、彼らより前からこのようなアレンジは存在したのでしょうか。ファルーは亡くなったし、ミルチベルクは生きている(多分)けれど、本当のことは言わないだろうから、それをはっきりと確認することは不可能でしょう。彼は、様々な伝承曲や他に作者がいる曲を、自作曲として発表した前科が多数あるのです。ただし、盗作と言えば盗作なのですが、曲をそのままで名義を横取りしたわけではなく、元のメロディーラインだけを生かして大幅にアレンジを加えている(コンドルは飛んでいくも、その例の一つと言えそうです)ので、「自作曲みたいなもの」と言って、全面的に間違いだとは言えないかな、とも思います。しかも、そのアレンジがなかなかセンスがよい。アロミア・ロブレスの「コンドルは飛んでいく」も名曲と思いますが、多分、ミルチベルグが今の形にアレンジしていなければ、サイモンとガーファンクルが取り上げて世界的にヒットすることはなかったでしょう。ホルヘ・ミルチベルグは、少なくとも2012年10月の時点では、現役で演奏活動を行っていました。相当高齢のはずなので、1年半後の現在も演奏しているかどうかは分かりません。(追記:2022年に93歳で亡くなりましたが80代後半まで演奏活動を行っていました)左端でチャランゴを弾いているのがホルヘ・ミルチベルグ。追記:コメント欄ではさみさんが指摘されている演奏についてもYouTubeに動画があります。この録音は時期は明確ではないものの、1962年8月にVol1が録音された後、ということのようです。しかし、改めて聞いていただくと分かりますが、第2部の部分の曲調、リズムは現在我々が知る「コンドルは飛んで行く」のヤラビになっていますが、メロディー自体は第3部から改変されていません。一方、"Machu-Picchu"(SONORADIO SE8031)の音源はYouTubeでは発見できませんでしたが、同じアレハンドロ・ビバンコがケーナを吹くコンドルは飛んで行くの音源は発見することができました。こちらも聞いた頂くと分かりますが、先に譜面で示した赤字の改変部分のうち後半部分(ソミが2回繰り返しになった)は取り入れられていますが、前半の改変部分(ミレシが付け足された)は取り入れられていません。なお、こちらの音源は、同じ音源を紹介する別動画によると、1975年1月1日リリースとなっていますので、かなり新しいものです。従って、今のところ、ロス・インカスが1963年に発表したコンドルは飛んで行くより古い、現行のアレンジは、YouTube上では発見できていません。今回の記事は、水口良樹さんの論考を全面的に参考にさせていただきました。ありがとうございます。---まったく余談ですが、「コンドルは飛んでいく」の現存する最古の録音が1917年というのは、非西欧世界で音楽が録音された年代としては、最古に近い部類ではないか、という気がします。日本で現存する最古の録音は、1900年、川上音二郎の「おっぺけぺ節」ですが、これは日本国内ではなく、パリの万国博で録音されています。(同じ時期に、他の日本人の声も録音されている)日本国内で録音された音楽、という条件だと、最古の録音がいつ頃なのかは分かりませんけれど、「コンドルは飛んでいく」と、そう大きくは変わらないのではないかと思います。
2014.05.07
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ウィンブルドンで再び乱入者、女子試合でパズルなどばら撒き引きずり出される<テニス>テニスのウィンブルドンは6日に女子シングルス1回戦が行われ、~この試合の途中、観客が紙やパズルをまき散らしながらコートに乱入し、試合が一時中断された。この試合の第1セット~チェンジコートを迎えたところで男性が紙やパズルを撒き散らしながらコートに乱入し試合が一時中断となった。乱入した男性は大会関係者にコートから引きずり出されたが、試合はこの影響で約10分間中断を余儀なくされた。~この試合の前に同コートで行われていた男子シングルス1回戦でも同じ事案が発生しており、大会側の警備体制に課題が残された。---少し前にも、スポーツ大会で似たような騒動がありました。陸上ゴール前で妨害の愚行 警備員も間に合わない“犯行の一部始終”に日本ファン非難「身勝手」2日に行われた陸上のダイヤモンドリーグ(DL)のレース中に環境活動家が乱入して妨害行為に及んだ。~事件が起こったのはDL第7戦、ストックホルム大会の男子400m障害。東京五輪金メダルのカールステン・ワーホルムがトップでゴールインしようかとしていた。しかし、ゴールから10mほど前に乱入者3人が座り込み、横断幕を掲げた。ワーホルムの順位には影響がなかったが、一部選手は走路を妨害され、順位が変わってしまった。(以下略)---何がどうなってこういう事態が引き起こされたのか、さっぱりわかりません。一般論として、私も環境問題には人一倍関心がある人間ではありますが、テニスや陸上の国際大会の開催がどう環境問題と対立するのかは、私の頭ではちょっと理解できません。競技施設の整備のための森林伐採などが問題視されるのは分かりますが (スキー関連の施設でそういう事態が起こりがち)、都市で開催されるテニスや陸上の大会会場とは関係ありそうに思えません。もちろん、世界中から選手と観客が集まる国際大会は、それだけ環境負荷につながる、とは言えるかもしれません。ただ、それを言い始めると、あらゆる人間の社会的活動はすべて環境負荷につながっているのだから、人間という存在そのものを否定しなければならなくなってしまいます。そういう中で、これらの大会が、少なくとも環境問題の面で特別に害悪視されるべき理由があるようには思えませんが、スポンサーが自然破壊企業だとか、そういうことでもあるんでしょうか?仮にそうだとしても、競技に乱入して妨害することが、抗議の手法として適切である(多くの支持を集められる)とは、到底思えません。実際には、スポーツ大会そのものが環境面でどう、ということよりも、世界的に注目されるスポーツイベントで、妨害行為によって自己の主張をアピールしようという魂胆の方が大きいのではないか、という気がします。だとすると、アピールの場に選ばれたスポーツ大会はいい面の皮というしかありません。いずれにしても、環境保護という目的が正しいからと言って、どんな手段をとってもよい、ということにはならないでしょう。思うに、狭い世界の中で、より過激な意見がもてはやされ、その結果こういう暴挙に至る、という構図はどこの世界にもありそうです。主観的には正しいのでしょうが、外から見れば心が寒くなる行為でしかない、それでは、むしろ環境保護という正しいはずの主張に対する支持を減らし反感を増やす、結果として環境保護政策の導入を難しくしているようにしか見えません。
2023.07.06
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トランプ、日本などがホルムズ海峡に「喜んで」艦船派遣しないことに不満。NATOも「我々が始めた戦争ではない」と冷ややかな反応アメリカとイスラエルが2月28日に軍事作戦に踏み切った後、イランはホルムズ海峡を封鎖し、航行しようとする石油タンカーを攻撃している。トランプ氏はホルムズ海峡の安全な通行を確保するために、艦船を派遣するよう同盟国に呼びかけているが、各国は慎重な姿勢を見せている。トランプ氏は3月16日、ホワイトハウスでの記者との質疑でアジア各国にも触れて「日本は95%、中国は91%、韓国もかなりの割合の石油、つまりはエネルギーをホルムズ海峡の石油に頼っている」と発言。「彼らは我々に感謝するだけではなく助けるべきだ。驚きなのは、彼らが喜んでそうしないことだ」と不満をもらした。NATO同盟国も、トランプ氏の支援要請に冷ややかな反応を示している。---このようなふざけた要求には絶対に応じるべきではありません。なるほど、「日本は95%、中国は91%、韓国もかなりの割合の石油、つまりはエネルギーをホルムズ海峡の石油に頼っている」のは事実です。だからこそ、この地域で戦争など起こらない起こさないことこそが日本の国益です。イランが一方的に他国を攻撃したならともかく、米国とイスラエルが国際法に反して一方的にイランに攻撃をかけて戦争が始まっています。自分で火をつけて戦争を始めておきながら、それが収拾できないから、石油をホルムズ海峡に依存する他国も参戦しろ、とか、夜郎自大にもほどがある。自分のケツくらい自分で拭け。そんな戦争に日本が参加して、日本の利益になることなど皆無です。しかも、イランがホルムズ海峡を封鎖(半分は口先封鎖ですが、それも含めて)することを、世界最強の米海軍が阻止できないのに他国が阻止できるわけがないのです。能力の問題ではなく地理的条件から言って、この海域は攻撃する側が圧倒的に有利、護衛する側が圧倒的に不利ですから。米国が侵略的であるのは今に始まった話ではありません。が、アフガン戦争でもイラク戦争でも、「国際社会を味方につけよう」という様々な努力あるいは工作(イラクの核開発疑惑の捏造など、デマも多々ありましたが)を行ってはいました。しかし、今やトランプは、「国際法など知らん」という意志を明確にしています。小国も大国も対等という考え方自体を否定して、「強いものが勝つ、弱い国の意志など尊重する必要はない」という態度が剥き出しです。とんでもない話ですが、それでも戦争をするというなら一人で勝手に戦争をしていろ、というしかありません。国際協調も何も関係なく、米国が勝手に戦争をするなら、他国に支援など求めるな。実際のところ、日本とイランは歴史的に対立点などなく、主に石油を巡って経済的には親しい関係にありました。1979年イランでイスラム革命が起き、対米関係が悪化して米国からイランが「テロ支援国」の烙印を押されても、従前の日本政府は米国の顔色を見てイランとの付き合いを控えるようなことはせず、イランはずっと日本にとって2011年まで第3位、18年まで第6位の石油輸出国でしたし、イランのアザデガン油田の権益を日本が持っていたこともありました。80年代頃にはイランからの出稼ぎ労働者が大勢日本に来ていましたし、2011年まではテヘランから成田まで、週2便イラン航空が飛んでいました。個人的には、90年代初めころ、引っ越しをした際に引っ越し屋の作業員がみんなイラン人だったなあ、という記憶があります。日本とイランの間には、石油という親しくすべき理由はあっても、対立点、対立すべき理由など何もないのです。そして、イラン国民も、日本に対する敵対心などほとんどないと言われています。日本にとって日米安保は生命線だ、という人がいます。安全保障を考えれば米国には逆らえない、という人もいます。私に言わせれば、そんなのは固定観念に過ぎないのですが、とりあえずその議論が主題ではないので今は触れません。「仮に」日米安保が大事だとしても、日本と第三国との関係まで米国の言いなりになるいわれはありません。そして、仮に日米安保が大事だとしても、石油の供給もまた日本にとってきわめて大事です。現代文明は石油の供給がなかったら1日たりとも維持できません。そしてその石油供給を、日本はほぼすべて輸入に、大半をペルシャ湾岸からの輸入に、頼っています。石油がなければ自衛隊の戦闘機も護衛艦も戦車も動かない、なんてことは太平洋戦争で痛いほど分かっていることです。だからこそ、従前は、日米安保があっても、その米国がイランをテロ支援国家扱いしていても、日本政府は「それはそれ」でイランと敵対などしなかったのです。いくら日米安保があったって、米国が日本に石油を全量供給してくれるわけじゃないんだから。ところが、前述のアザデガン油田の権益は2006年に米国の圧力で大半を放棄、残りの権益も2010年に放棄してしまいます。その後もイランからの石油輸入は続いていましたが、前回トランプ政権下の2019年に、日本はイランからの石油輸入自体を絶ってしまいます。石油供給という生命線すら、米国の言いなりになったわけです。日本がトランプの尻馬に乗って、イランとの戦争に参戦して、日本にとって何か益があるでしょうか?この先のイランとの関係、今は途絶えている石油輸入再開を見通しても、何も益はありません。唯一あるとすれば、「トランプ政権の歓心を買える」それだけです。しかし、トランプの歓心を買ってどうなりますか?あのトランプが、その「功績」に報いますか?日本を何か優遇してくれますか?他国が「喜んで米国を助けるのが当然だ」と公言する大統領が、そんなことをするはずがリません。つまりトランプの歓心を買ってもそれによる益はありません。そして、トランプの任期はあと3年で終わります。ここでトランプの要求を受け入れて自衛隊を派遣してイランとの戦争に参加してイランと決定的に対立するのは、あまりにバカバカしい選択です。
2026.03.17
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カルビー 主力商品パッケージを白黒に 政府がヒアリングへ中東情勢を受け大手菓子メーカーのカルビーが、主力商品のパッケージを白黒の2色に変更するとの方針について佐藤官房副長官は12日、企業からヒアリングを行う方針を明らかにしました。「印刷用インクあるいはナフサについて、現時点では直ちに供給上の問題が生じるとの報告は受けておらず、日本全体として必要な量は確保されていると認識しています。関係省庁が連携し実態を把握すべく関係企業との意思疎通に努めているものと聞いています。そうした中で本日ヒアリングを予定しているとの報告を受けています」関係者によりますとカルビーは、印刷インクなどの原材料の調達が不安定な状況になっているとして、「ポテトチップス」の「うすしお味」や「かっぱえびせん」など14の商品のパッケージを順次、白黒の2色に変更する方針です。佐藤副長官は、インクの材料としての合成樹脂などは必要量を供給することができており、印刷用インクの供給に問題はないとの認識を示しました。農水省は午後、カルビーに対してヒアリングを行い実態を把握したい考えです。---ナフサは足りている、目詰まりしているだけ、などと念仏を唱える人もいる中、現実は着実にナフサ不足による影響化社会の各所に噴出しています。パッケージを白黒に変更するという話もその一つです。官房副長官は「印刷用インクあるいはナフサについて、現時点では直ちに供給上の問題が生じるとの報告は受けておらず、日本全体として必要な量は確保されていると認識しています。」と言っていますが、それは単に現実を認識できていないだけなんじゃないですか?で、カルビーに対してヒアリングを行い実態を把握だそうですけど、何のヒアリングをするんですか?パッケージの印刷をフルカラーから白黒に変更することが、農水省の所管と何か関係あるんでしょうか?白黒印刷にすると、中身の食品の品質に、何か悪影響でもあるというのでしょうか?そんなことはあり得ないですよね。まさか、「ナフサ不足をアピールするな」と圧力でもかけるつもりですか?農水省がインクを手配してくれるとでも?結局、ナフサは(まったくない訳ではないけれど、必要量に対しては)足りていない、ということに尽きます。ホルムズ海峡封鎖が解除される見通しは依然として立っていないし、代替調達先も、従前の供給量を完全にだいたいはできていないから、こうなっているわけです。まだこれは序の口で、これから更に「あれも足りない、これも足りない」になっていくのは確実です。印刷が単色なんてある意味どうでもよいレベルで、食品トレイやパッケージの材料がないので食品、食材が出荷できない、という事態に至った場合、あっという間に破滅的な状況に陥ります。それをいつまでも「足りている」とか「年を超えて供給の見通しが立った」などと言いつくろっても、現実がそうではないことはもはや歴然です。いい加減事実を認めたらどんなんだと、私は思います。
2026.05.12
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菅内閣の支持率、48%に上昇…読売世論調査読売新聞社が5~7日に実施した全国世論調査で、菅内閣の支持率は48%となり、前回(2/5~7調査)の39%から9ポイント上昇した。不支持は42%(前回44%)だった。支持が不支持を上回るのは、昨年12/26~27の調査以来。前回調査の時点と比べ、新型コロナの新規感染者数が減少し、感染状況が落ち着いていることを反映したとみられる。政党支持率は自民党40%(前回37%)、立憲民主党6%(同5%)などの順で、無党派層は42%(同42%)だった。---48%という支持率は、それほど高いものではありませんが、それでも先月よりも9ポイントも支持率が上がった、支持率が不支持率を上回ったというのは、私にとっては絶句です。現状の政治状況のどこを評価すれば、支持率が不支持率を上回ることができるのか、私には分かりません。首相の息子が務める東北新社による総務省への接待攻勢とか、河井夫妻の選挙不正(河井は菅の子飼いの政治家)などスキャンダルまみれの上に、では、そんなスキャンダルなどかすむくらい経済状態が良いのかと言えば、その正反対です。このガタガタの経済状態の中、何故か好調だった株価についても、この数日に限れば急降下しているし、コロナ対策も右往左往、この政権の、いったいどこに評価するところがあるのか。もちろん、私はハナから自民党は大っ嫌いという先入観があるることは自覚していますが、それにしたって、「菅政権のここが素晴らしい」「ここが評価できる」という話を、ついぞ聞いたことがない。まだしも安倍は(いうまでもなく私は大嫌いですが)私の対極にある主張も持ち主たちによって熱く支持されてきたことは否定できませんが、そういう種類の人たちが菅も引き続き熱く支持しているようには見えません。前述のとおり、私は自民党は大嫌いですが、仮にどうしても自民党の中で人を選ぶとしても、もう少しマシな人物はいるんじゃないの?と思うんですけどね。でも、冷静に考えると、これはある意味必然なのかもしれません。ここでもうちょっとマシな選択ができているようなら、バブル崩壊後の日本は、ここまで沈没して来なかったでしょう。高度経済成長を成し遂げたのも自民党ですが(もっとも、その当時の自民党の少なからぬ部分は、後に自民党を割って出ている)、それ以降下り坂の日本を先導してきたのも自民党。現在のコロナ禍こそ全世界の問題ですが、バブル崩壊後の経済低迷を全体としてみれば、ほぼ日本だけの沈没現象です。この間、1年にも満たない日本新党と3年あまりの民主党政権時代を除き、自民党が、この「成果」を成し遂げてきました。日本人は地獄の底まで自民党について行きたいのかもね。安倍政権もそうだったけど、これほどまでにスキャンダルと政策ミスを繰り返し、経済状態という成果もガタガタの状態で、他の国なら、いや、10年前までの日本だって、ここまでくれば政権は吹っ飛びます。ところが今の日本では、ここまでやっても政権はひっくり返らない。何やっても政権を失うことまではないという安心感(?)があるから、この状態でもなお、自民党内にさほどの反省も、危機意識も、自浄作用も表面化してこない。このまま行けば、日本という国は地獄の底まで、自民党と心中し続けることになるかも知れません。私としてはごめん被りたいけれど、何を言ったって何も変わらない、なるようにしかならない、という絶望感、諦めに近いものもあります。政治に真剣に何かを期待しても、どうせ思うようにならずあとで失望するくらいなら、最初から期待なんか抱かない方が精神衛生によい、という感覚すら生じています。簡単にいえば、醒めてしまっている状態。ひょっとしたら私だけではないかもしれませんね、少なくない人がそう思っているのかもしれません。みんながそう思ってしまっているからこんな状況になっているのだとしたら、そんなことをいっている場合じゃないだろう、とも思うのですが、どうにも奮い立たない。こればっかりはどうしようもありません。
2021.03.09
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関東 ダム水位低下でコンクリ露出 新米への影響 取水制限は?関東のダムの水位低下。矢木沢ダムの貯水率は3割を切っています。新米への影響はあるのか、そして今後、取水制限はあるのか現地を取材しました。群馬県の最北端・みなかみ町にある「矢木沢ダム」。そこで8月以降、急激に変化しているのが…。水資源機構課長「木々が生い茂っている所と地肌が見えている場所があるが、そこが矢木沢ダムの満水」今、ダムの水位低下が心配な状況です。雪解け水でいっぱいの満水時と比べると、水位は20メートル以上も下がり、コンクリートが大きく露出。並べると、その差は一目瞭然です。5月中旬、梅雨入り前。設備が安全に作動するかを確認する年に一度の“点検放流”が行われたころからしばらくは「満水」の状態が続いていましたが…。貯水量のグラフを見ると7月以降から下がり始め、8月に入ると一気に平年を下回りました。今月3日10時時点で貯水率は23.7%です。---九州に台風が接近し、関東にも来るようです。東京からはまだ台風は遠いものの、今朝(9月4日)から東京は久しぶりに雨が降っています。東京で1mm以上の雨が降るのは8月16日以来なので19日ぶりですが、その8月16日に降った雨は1mmだけなので、実質的には、8月11日以来のまとまった雨です。しかし、雨雲レーダーを見る限り、記事執筆時点の9月4日の朝6時半頃の時点で関東で降っているのは東京23区頭部と埼玉南部だけのようてす。水源地には、記事執筆時点ではほとんど降っていません。水系別貯水量の推移上記の記事にあるとおり、そして矢木沢ダムだけでなく、首都圏の水がめである利根川水系、荒川水系、多摩川水系、いずれも大幅に貯水量が減っています。利根川水系と多摩川水系のいずれも、過去の渇水連に取水制限が行われた時点より、すでに貯水量が減っていることが分かります。奥多摩湖については、過去に給水制限が行われた年の貯水量も下回っています。というか、奥多摩湖は今年に入ってずっと貯水量が大幅に少ない状態です。7月までは利根川水系と荒川水系の貯水量が豊富だったため、多摩川水系だけ貯水率が低くても深刻な問題はなかったのかもしれませんが、8月以降いずれの水系も雨が少なく、深刻な水不足に陥っています。それにも関わらず、首都圏ではどういうわけか水不足の話がさほど報じられておらず、取水制限も行われていません。大丈夫なんでしょうか?多分、大丈夫ではないだろうと思います。今回の台風がこれから明日にかけて関東に接近し来ますが、これがうまい具合に首都圏の水がめ、特に容量の大きな利根川水系に充分な雨を降らせるかどうか、まだ何とも言えません。たった1個の台風が空に近いダムを満水にするほどの降雨をもたらすこともありますが、台風が近くを通っても微妙に外れて、水源地にはさほどの降雨をもたらさない場合もあります。もちろん、降り過ぎて水害が起きても困るのですが、この際できるだけ水源に雨が降ることを期待するしかありません。もし水源地にあまり降雨をもたらさなかった場合、さすがに遠からず取水制限、さらには給水制限ということになってしまうのではないかと思います。それにしても、雨は降り過ぎても色々な意味で困るし、降らなくても水不足で困る、降っても適切な場所に降ってくれないと困る、しかし、人間には降雨をコントロールする術はない、人間の文明というものは、実に不安定でもろい基盤の上に成り立っていると思わざるを得ません。
2025.09.04
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憲法大集会2023毎年行われている集会ですが、私は参加したことがありませんでした。ゴールデンウィーク中は山登りに行く、またはラテンアメリカフェスティバルで演奏するからです。今年も行く予定はなかったのですが・・・・・自民・大空こうき衆院議員がデモ会場に苦言「重要な防災拠点」指摘も物議自民党の大空こうき衆院議員がXで、5月3日に行われる予定の集会「憲法集会」の会場について、「災害発生時に速やかな撤収」を念頭に許可の経緯を確認したことを明かし、ネット上で物議を醸している。「つながろう 憲法いかして平和な世界を!2026憲法大集会」は5月3日に東京都・有明防災公園で行われる。集会について大空氏はXで「公園の一部を所管する国土交通省に対し、問題意識を共有するとともに、防災公園において数万人規模の大規模集会を許可している経緯について確認しました」と報告。同公園は大規模災害発生時における「極めて重要な防災拠点」とした。大空氏によると、公園の利用許可の条件は「災害発生時に速やかな撤収ができること」とのこと。しかし、前年の同集会では大規模なステージが設置されていたことを指摘し、「ステージ設備を速やかに撤収できるのか、確認をお願いしています」とつづった。大空氏は「念のため申し上げると、私が問題としているのは、集会やデモの内容ではありません」としながらも、「迅速な災害対応を確保する観点から、基幹的広域防災拠点において数万人規模の大規模集会を許可することについては、極めて慎重であるべきだと考えています」とつづった。ポストには、「公園に民衆が集まること自体を問題視した政治家なんて過去にいたか?」「『集会の自由』への弾圧」「防災公園自体が企画してやっている防災フェスも出来なくなる」「あからさまな憲法集会つぶし」という批判が集まっている。(以下略)---クソだな、こいつ、という感想しかありません。災害対策を錦の御旗にして、気に入らない集会に対する難癖をつけ始めたわけです。当然の話ですが、この集会は主催団体が毎年東京都に占用許可の申請を出して(おそらく使用料もかかるでしょうからそれも支払って)、許可を得ています。※※有明防災公園は、国の土地と東京都の土地に分かれていますが、この集会で使用するのは東京都の土地部分だけのようです。初めての行事ではなく、過去何回の行われている、その実績も踏まえて許可を得ているわけですから、何も問題はないわけです。辻元清美議員がXの投稿で、国交省などに確認した結果を報告しています。それによれば<確認①>当該公園は、国と東京都がそれぞれのエリアを管理している(ほぼ半分ずつ)。憲法集会が行われるのは都側である。発災時の運用については、合同現地対策本部や自衛隊・警察などのコア部隊ベースキャンプ、人員・物資輸送に使用するヘリポートなどで運用されるのは国側。都側は、被災地外からくる広域支援部隊やボランティアのオープンスペース、物資置き場などとして柔軟に活用される予定。<確認②>もっとも緊急性の高いヘリポートの利用確保を中心に、撤収期限は「発災後12時間」をめざして段階的に定められている。主催者側はその基準に沿ってステージなどの設置・撤収計画を立て、都から使用許可を得ている。避難時の整理誘導についても、都側の要請に基づき人員を確保している。<確認③>そもそも当該公園は、平常時には「魅力的な憩いの場」として利用されることが計画で定められ、整備にあたっては国費も投じられている。イベントの開催は、発災時の運用に支障をきたさない限り、本来目的に沿ったものである。ということです。そのような基準に基づく設置・撤収計画に基づいて使用許可を得ているので、何も問題ないわけです。ちなみに、集会が終わってデモ行進の出発待ちをしている間に、ステージ上のPAはどんどん撤去されていき、ステージもおそらく2時間そこそこで撤去は終わっちゃうだろうな、と思いました。その前にデモ行進に出発したので、実際の撤去所要時間は確認していませんが。というわけで、この胸糞悪い話を知って、「ならば行くか」という気になりました。もっとも、今日5月3日は長野方面は天気が下り坂の予報だったため、山は昨日1日の夜行日帰りにしたことも、理由の一つですが。というわけで、写真です。カメラを持って出るのを忘れたため、スマホでの撮影です。ステージまでだいぶ距離がありますが、大変な人です。毎年参加している知人によると、昨年よりはるかに参加者が多いとのことです。私と同様、大空議員の妄言がむしろ宣伝になって参加した人が多いのかもしれません。主催者発表では、参加者数5万人とのことです。私は午後1時半頃現地についたのですが、それよりはるか以前に主催者が配布していたポスターは終了してしまったようです。遠い遠い、ステージが遠い。最前列、ではありませんが、そのすぐ後ろ、辺りまでたどり着きました。ただ、通路なのでここにとどまり続けるわけにはいかず、数枚写真を撮って後方に引き返しましたが。この時、壇上では社民党の福島みずほがスピーチをしていました(個人的には一連の社民党の内紛で、いささか私の中で福島議員が色あせていますけど、それは集会とは関係のない話です)。共産党の田村委員長とれいわ新選組の議員もスピーチをしていました。なんと、このプラカードが登場!まったく見ず知らずの方ですが、通りがかりに偶然見かけて、思わず駆け寄って写真を撮らせていただきました。El pueblo unido jamás será vencido直訳すれば「団結した人民は決して負けない」一般的には濱田滋郎さんの訳「不屈の民」が日本語タイトルとして使われます。チリの民衆抵抗歌です。キッチンカーも何台か出ていました。後背にあるのが癌研有明病院です。実は、父はここで亡くなりました。入院期間は合計100日以上、ガン再発で再入院したのが1月1日の朝でした(その年、我が家に「お正月」はありませんでした)。なので、私もこの病院にはかなりの回数行っています。デモ行進にも参加しましたが、昨日山に行ったし、全行程歩くのは辛いので、途中、「ゆりかもめ」の東京テレポート駅で隊列から離脱しました。実は、ここで離脱したくなかったのですが、ここで離脱しないとその先どこで駅の近くを通るか分からなかったので。なんでここで離脱したくなかったかというと、頭上の高架通路から、右翼のおっさんがデモ隊を口汚く罵っていたからです。他にも歩道で叫んでいる右翼もいました。なので、迂回してこいらと鉢合わせしないようにましたが、杞憂だったようです。これらは警察に取り囲まれた状態だったから、何事も起きようがありませんでした。頭上からメガホンで口汚くののしっていた右翼のおっさん2人組の後ろを通った際、写真を撮多のですが、周りを取り囲む警察しか映っていませんでした(笑)もちろん、この集会に人が多く集まったから改憲が阻止できる、というわけではないのですが、そのための力の一つにはなるでしょう。改めて、改憲には反対です。
2026.05.03
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火山爆発指数5~6の規模か ピナトゥボが6、「破局噴火」は7以上南太平洋のトンガ諸島にある海底火山で日本時間15日に発生した爆発的な噴火は、噴煙が成層圏にまで達し、遠く離れた日本にも津波警報が出た。噴火の規模は、昨夏の福徳岡ノ場をはるかに超え、記録的な冷夏の原因にもなった1991年のフィリピン・ピナトゥボ山の噴火にも迫るとの見方もある。世界的な気候への影響も懸念される。地元当局などの観測では、噴火は日本時間の14日と15日にあり、特に15日午後1時ごろに発生した噴火が大規模だった。米海洋大気局や日本の気象衛星「ひまわり8号」の衛星画像などから、噴煙の高さは上空約20kmと成層圏にまで達し、半径260kmにわたって広がったとみられる。噴火があった周辺では2014~15年に海底火山の噴火があり、新島ができていた。世界の火山活動をまとめている米スミソニアン自然史博物館によると、昨年末から今月初めにかけて断続的に噴火があったが、その後は活動が落ち着いていたという。今回の噴火の規模について、防災科学技術研究所火山研究推進センターの中田節也センター長(火山地質学)は、噴煙の高さや広がりから、火山爆発指数で5~6だったのではないかと指摘する。「ピナトゥボ山の噴火が6で、それと同じか、やや小さいくらいだった可能性がある」と話した。---トンガでの噴火は、当初15日夜の段階では日本で津波の心配なし、ということでしたが、一夜明けて16日朝になったら全国に津波注意報(三陸に津波警報)が出ていてびっくりしました。地震による津波とメカニズムが違うので、予測等が難しいようです。気象庁は一時「津波ではない」と言ったり、その後「津波かどうかわからない」と言っているようですが、津波の発生原因は地震のみに限られるものではなく、火山噴火やそれによる土砂崩れ(地震・火山に起因するものに限らず、有史以降に記録はないものの、隕石落下によるものも含まれます)も含むので、今回の事象は当然津波の一種ということになろうと思います。そして、噴火の規模ですが、1991年のピナトゥボ火山の噴火に匹敵するか、やや小さいくらいの可能性に言及しています。別の報道では、18983年のインドネシア・クラカタウ火山の噴火に匹敵する可能性を示唆するものもあります。「デジタル台風」に今回のトンガの噴火と昨年の福徳岡ノ場海底火山の噴火の気象衛星写真が並べて掲載されています。出典:デジタル台風:2022年フンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ噴火今回のトンガの噴火2021年福徳岡ノ場海底火山噴火福徳岡ノ場海底火山噴火は、日本では戦後最大級、明治以降でも桜島大正噴火以来第2位の噴火規模とみられていますが、それでも噴火の規模は今回のトンガの噴火とは大差があります。もっとも、福徳岡ノ場は火口の水深が25mの海底なので、噴出物の多くは軽石として海中に放出され、空中に放出された火山灰はごく一部であることも、この差の一因ですが。引用記事に火山爆発指数が触れられていますが、無料記事部分は途中で切れてしまっています。火山爆発指数は火山噴火の規模を噴出物(溶岩や火山灰など)の総量で区分したもので、噴出物総量が1立方km以上だと爆発指数5、10立方km以上で6、100立方km以上の超巨大噴火、いわゆる破局噴火だと7、1000立方km以上(有史以降記録なし)だと8になります。過去100年間で最大規模の噴火は前述の1991年ピナツボ火山の噴火で、噴出物総量は10立方km、爆発指数は6でした。1883年のクラカタウ火山噴火の爆発指数は同じく6ですが、噴出物総量はピナツボ火山の2倍にあたる20立方kmでした。破局噴火の爆発指数7の最新の事例は1815年、同じインドネシアのタンボラ山で、噴出物総量は150立方kmと推定されています。これは、有史以降の火山噴火としても史上最大と推定されています。日本における爆発指数7の噴火は、7300年前の縄文時代、鹿児島沖の喜界カルデラの噴火(噴出物総量100立方km)が最新の事例です。というわけで、もし今回の噴火がピナツボ火山と同規模とすれば30年ぶりの規模であり、クラカタウ火山と同規模とすれば140年ぶりの規模ということになります。ちなみに、日本の主だった噴火の例で言うと、1707年 富士山宝永噴火 噴出物総量1.7立方km(マグマ換算0.7立方km) 爆発指数41914年 桜島大正噴火 噴出物総量マグマ換算1.6立方km 爆発指数51991年 雲仙普賢岳 噴出物総量マグマ換算0.2立方km 爆発指数4※2011年 新燃岳 噴出物総量マグマ換算0.02立方km 爆発指数32013-15年 西之島 噴出物総量0.16立方km 爆発指数42014年 木曽御嶽山 噴出物総量0.001立方km以下 爆発指数おそらく12021年 福徳岡ノ場海底火山 噴出物総量0.5立方km 爆発指数4※雲仙普賢岳:一連の噴火の合計であり、多くの死者を出した6月3日の火砕流単独ではない。となります。噴出物総量は記載ないものは地上に出た噴出物の体積ですが、「マグマ換算」とあるものは地上に出た火山灰や火砕流、軽石の体積の半分前後になります。いちぶ、どちらの数値が不明のものもあります。いずれにしても、これら日本の主要な火山噴火のどれより、今回のトンガの噴火は、はるかに大規模となります。火山の沖合15kmから撮影したという噴火の動画(動画部分は1:00より)火山からトンガの首都までは60kmあまりしか離れていないということで、通信網が途絶して現地の状況は明確には分からないようです。ただ、各国大使館からの衛星電話による断片的な情報では、人的被害は今のところ報告されていないようです。報告されていない(分からない)だけであって、皆無とは思えませんが、火砕流に覆われて死屍累々、という状況ではないことは確かなようです。ただ、あくまでも「現時点では」です。ニュージーランド首相の発表によれば、大量の降灰に見舞われて街並みが月面のようになっている、とのことです。1991年ピナツボ火山の噴火では、火山から30km圏内の住民全てを事前に避難させていたため、火砕流や溶岩、火山弾による直接の死者は出ませんでした。このことから類推して、ピナツボ山噴火とだいたい同規模とすれば、火山から約60km離れているトンガの主島トンガタブ島には火砕流は到達しなかったのは不思議ではありません。なお、グーグルマップで調べた限りトンガタブ島より火山に近い島はなさそうなので、他の有人島にも火砕流は到達していない可能性が高そうです。ただし、今後は分かりません。まず、噴火がこれでおしまいかどうかが分かりません。今回と同規模あるいは更に大規模の噴火が起こる可能性は、現時点では分からないでしょう。そしてもう一つ、火砕流や溶岩、火山弾による直接の死者が出なかったピナツボ火山噴火でも、その後ラハール(火山泥流)による土砂崩れや雨を吸って重くなった火山灰による家屋の倒壊などで、800人以上の死者を出しています。さらに、避難所生活での不衛生な環境によっても数百人の死者が出ており、合計すると1000人以上が亡くなったようです。前述のとおり、今回の噴火でも大量の降灰に見舞われているので、今後降り積もった火山灰による二次災害で多くの犠牲者が出る恐れがあります。そしてもう一つ、この噴火の影響は全世界に及ぶ可能性があります。成層圏まで吹き上げられた火山灰によって日光が遮られることによる「火山の冬」と言われる気候変動です。ピナツボ火山の噴火では、翌1992年と93年の北半球の平均気温が0.5から0.6℃下がり、地球全体で約0.4℃下がったとされます。日本においては、噴火直後の1991年と92年の夏も、冷夏気味でしたが、最大の影響は2年後の1993年で、記録的な冷夏となりました(観測史上唯一、沖縄・奄美を除く日本本土で梅雨明けが記録されず、「平成の米騒動」となった年)。この原因の大きな部分がピナツボ火山の噴火だと目されています。噴出物総量がピナツボ火山噴火の2倍に達したクラカタウ火山の噴火では、その後5年間平均で世界の平均気温が1.2度下がったというので、気温低下の程度もピナツボ火山の噴火を上回ったようです。ただし、この当時はまだ気象統計も断片的なので、正確な推計とは言えないでしょうが。※ちなみに、気象庁の統計で調べると、クラカタウ火山噴火の翌翌1884年の東京の年平均気温は12.9度、札幌は5.7度でいずれも観測史上の最低記録、鹿児島は15.9度で史上2位の低温記録、8月の月平均気温は東京24.1度で低温記録の史上5位、札幌18.4度、鹿児島25.7度でいずれも2位の低温記録です。それ以前の十分な長さの記録があるわけではないので(観測記録は東京1875年、札幌1877年、鹿児島1883年から)「それ以前との比較」は不明確ですが、少なくともそれ以降との比較では、1884年が記録的に寒かったのは確かです。なお、ピナツボ山は北緯15度、クラカタウ火山は南緯6度、トンガは南緯21度なので、過去の2例より南に位置しているため、北半球よりは南半球の方が影響は大きいでしょうが、そうだとしても北半休は影響なし、では済まないものと思われます。
2022.01.17
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韓国大統領の弾劾訴追案を可決 職務停止に 戒厳令巡り韓国の国会は14日午後、尹錫悦大統領に対する弾劾訴追案を可決した。野党や無所属議員の賛成に加え、保守系の与党「国民の力」の一部議員が賛成した。尹氏の大統領としての職務は停止され、当面の間、韓悳洙首相が権限を代行する。投票の結果、賛成204、反対85、棄権3、無効8だった。与党議員のうち少なくとも12人が賛成票を投じた。180日以内に憲法裁判所が弾劾訴追の是非を判断する。憲法裁が弾劾を認めれば、尹氏は罷免され、60日以内に大統領選が実施される。尹氏が3日夜に宣布した「非常戒厳」を巡り、最大野党「共に民主党」など野党6党は「違憲」だと批判。尹氏の弾劾を求める議案は7日、国会での投票に与党議員のほとんどが参加せず廃案となったが、野党側は12日に2回目の弾劾訴追案を提出していた。捜査当局は、内乱などの容疑で尹氏の立件を目指している。現職大統領には不訴追特権があるが、内乱罪は例外。尹氏は12日、「弾劾しようが捜査しようが、私はこれに堂々と立ち向かう」と述べている。(以下略)---当然そういう結果になるだろう、と言うとおりの結果になりました。一度目の弾劾では、その前に尹大統領が謝罪して、与党に人気を一任と早期辞任にも含みを持たせたことから、与党側が欠席という確実な弾劾回避策を取り、弾劾が回避されました。ところが、一度目の弾劾が回避されると、大統領は引用記事にあるように居直って戒厳令の正当化をはじめ、いったんは示唆した早期退陣も反故にしたことから、与党陣営が態度を硬化させ、それでも党としては弾劾「反対」としたものの、議員の強い拘束をかけられず、少なくとも12人の造反者が出たと報じられています。韓国憲法77条で認められている戒厳令を出してよい状況(戦時などの国家非常事態)にあてはまらない上に、憲法で定められている国会への戒厳令の報告及びその解除の表決を、国会封鎖と議員の拘束によって妨害しようとした時点で、明らかに違法、違憲の行動であり、クーデターの企てであったことは明白です。ところで、日本ではあまり報道されていませんが、今回のクーデター未遂事件は、12月3日に突然大統領が戒厳令を発令して始まった、というものではなく、もっと長い伏線があったようです。普段はこの人の投稿はあまり、というかまったく好意的には見ていないのですが・・・・・12月の韓国戒厳令事件は尹大統領による憲法違反の自己クーデター。10月の平壌無人機侵入事件も関連疑惑12月3日23時に韓国の尹大統領は突如として戒厳令の「非常戒厳」を宣布しました。しかし北朝鮮は一切何も特異な行動を起こしていませんでした。この戒厳令は韓国の少数与党による議会運営の停滞を打破するために、国会を武力を用いて制圧して野党の活動を禁止しようとした、信じ難い動機による行動です。~2024年10月11日に北朝鮮が「韓国軍の無人機が平壌に侵入して伝単ビラ(政治宣伝ビラ)を撒いた」と激怒して10月18日に回収した証拠の無人機の残骸の写真を提示した事件は、今から思えば、韓国側がわざと北朝鮮を挑発して攻撃を誘発して戒厳令を出す正当な根拠を得たかったのでは? そう疑われています。(以下略)---ミリオタの神聖3文字氏にしては、珍しく正論を言っています。そして、ほかならぬ韓国で報じられており、動かぬ証拠の写真もあることから、これについては事実と判定するしかありません。10月に北朝鮮が「韓国軍の無人機が侵入してビラをまき散らした」と発表した当時は、韓国側が否定していたこともあり、「また例によって北朝鮮のデマか」と思われていました。ところが、最初は関与を否定していた韓国軍は、この件について次第に肯定も否定もしなくなっていき、さらに、北朝鮮側から、侵入した韓国軍ドローンの残骸という「動かぬ証拠」を突き付けられてしまったわけです。北朝鮮が公開した写真に写っているドローンは、韓国軍が装備して、軍事パレードでも公開している「遠距離偵察用小型ドローン」と、細部に至るまで形状が完全に一致しており、かつ製造メーカーが韓国軍以外に納入した実績もない、ということです。つまり、韓国軍のドローンが侵入してビラをまき散らした、というのが北朝鮮のデマではなく、事実であったことが、ほぼ確認されてしまいました。作戦実務を担ったと思われるドローン作戦司令官は、「誰から指示されてどこから無人機を飛ばしたのか」という野党議員の質問に「確認することはできない」という答え方をして、やったこと自体を否定をしなかったことから(日本でいうところの「記憶にございません」でしょう)、実質的にやったことを認めたに等しいと受け取られています。そして、どうやらこのドローン攻撃が、尹大統領の意向によって北朝鮮との間に騒乱を引き起こし、それを戒厳令の根拠にしよう、というストーリーだったことが疑われています。ところが、北朝鮮はこの挑発に乗ってこなかった。考えてみれば当たり前の話で、北朝鮮は1万2千人と言われる兵力をウクライナに送り、多くもない弾薬の備蓄をロシアに売っています。それ自体はウクライナ侵略への加担であり、とんでもないことです。しかし同時に、大きな戦力をはるか遠方に出しているし、ウクライナで手いっぱいのロシアから支援が受けられる可能性もないこのタイミングで、韓国側の挑発行為に乗るのは明らかに自殺行為です。その程度の計算は北朝鮮もしたのでしょう。例の汚物風船程度の反撃はあったものの、それ以上の攻撃はなく、戒厳令の根拠にできるような戦争、事変その他の国家非常事態は起きませんでした。それで、尹大統領は焦って、根拠を欠いたままの戒厳令発令という愚策に追い込まれていった、というわけです。ドローン事件が本当に韓国軍のドローンの仕業だったとバレた時点でその責任追及が大統領まで及ぶのは時間の問題ですから、「座して死を待つよりは成算が低くてもやってしまえ」ということだったのかもしれません。もちろん、現時点ではまだ確認された事実ではありません。しかし、蓋然性はかなり高いと判断せざるを得ません。北朝鮮の奥深くにドローンを侵入させるという作戦を、大統領の意向もなく軍が勝手にやるとは、到底考えられないわけです。ということは、少なくともこの作戦が尹大統領の命令または承認のもとに行われたことは、ほぼ確実です。あとは、その時点で尹大統領に、北朝鮮と戦端を開いて戒厳令を敷く、というところまでの計画があったのかどうかです。この点についての動かぬ証拠が出てくるかどうかは分かりません。ただ、現時点でも尹大統領の行動(自己クーデター)が内乱罪に当たる可能性は高く、その捜査が進められていますが、一連の疑惑は「自らの政治的窮地を脱却するために北朝鮮との間に戦争を起こしてそれを根拠に戒厳令を布告して野党、反対勢力を取り締まろう」というさらに大規模なものであった可能性が出てきているわけです。もちろん、すでに明らかになっている部分だけでも十分にひどいのですが。そして、北朝鮮がこの挑発に乗らなかった(状況的に乗ることが不可能だった)からよかったものの、これが契機で小規模ではあれ※武力衝突に発展していた場合、日本も含む周辺諸国の受ける影響も甚大なものになったはずです。※この程度の挑発で、全面戦争にまで発展する可能性は、さすがに考えにくいですが、尹大統領が戒厳令を無理矢理こじつけられる程度の衝突まで拡大した可能性は否定できません。尹大統領は親日だからと擁護している人も日本の特にネット上では多いですが、そうなっていた場合の日本への悪影響は念頭に置くべきではないのか、と思います。
2024.12.15
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死者29万人超、全壊235万棟 南海トラフ地震で新たな被害想定30年以内に80%程度の確率で発生するとされる南海トラフ巨大地震をめぐり、内閣府の有識者検討会は31日、新たな被害想定を発表した。最悪のケースで死者は約29万8千人、全壊焼失建物は約235万棟に上り、約10年前の前回からの減り幅はわずかで、政府の減災目標を大きく下回った。検討会は、駿河湾から日向灘沖の震源域で発生するM9クラスの地震を想定し、最新の地盤や地形のデータを使い、震度や津波高、浸水面積を再計算した。2012年と13年の発表(死者32万3千人、全壊238万6千棟)以来となる見直しとなった。国は内陸を含む29都府県707市町村を防災対策の推進地域に指定し、昨夏に初めて発表した南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)の対象になった。今回の見直しで、震度6弱以上の揺れや高さ3メートル以上の津波のおそれがある自治体は福島県から沖縄県の31都府県の764市町村となり、指定の拡大につながる可能性がある。---地震の規模やどういう条件下で発生するかで被害規模も大きく左右されますが、別報道によれば、死者29万8千人は、冬の深夜に発生し、津波からの早期避難率が20%と低く、人口が多い東海地方の被害が大きい場合の想定、ということです。この場合の死者の内訳は、津波21万5000人、建物倒壊7万3000人、火災8700人ということで、津波による死者がもっとも多いと見積もられています。あくまでも最悪、ということであって、必ずこれだけの死者が出るという意味ではありませんが、それほどの被害に至る可能性は十分にある、ということは踏まえておくべきでしょう。問題は、次の南海トラフ地震がいつ起こるか、です。もちろん、これはだれにも分かりません。引用記事にあるように、30年以内に80%の確率、というのが公式の発生確率です。実際のところ過去の南海トラフ地震の発生頻度は昭和東南海地震1944年/昭和南海地震1946年安政東南海地震/安政南海地震1854年(2つの地震の間隔は約32時間)宝永地震1707年(東南海・南海地震が同時)(慶長地震)1605年(南海トラフ地震かどうか未確定)明応地震1498年(東南海・南海地震が同時か近い間隔)正平地震1361年永長地震1096年/康和地震1099年等となっています。慶長地震は津波被害は明確なものの、揺れの記録が乏しく、南海トラフ地震なのか、それ以外のより遠方の地震による津波なのかが不明です。いずれにしても、過去最短頻度で発生した南海トラフ地震は、安政地震から昭和東南海/南海地震までの約90年なので、そこから90年を経過する2030年代半ば以降は、次の南海トラフ地震がいつ起こっても不思議はない、ということになります。最長間隔は、慶長地震が南海トラフ地震だったのかそうでなかったのかによりますが、慶長地震が南海トラフ地震でなかったとすれば明応地震から宝永地震までの約210年が最長間隔、慶長地震が南海トラフ地震だったとすれば、宝永地震から安政地震までの約150年が最長間隔、ということになります。そして、その場合、1361年の正平地震以降、長くても150年、たいていは100年前後の間隔で、南海トラフ地震がずっと続いていることが分かります。なお、正平地震以前は、文献記録から推定される南海トラフ地震の発生間隔は200年以上になります。ただ、実際の地震の発生間隔が200年以上だったかどうかはわかりません。平安時代以前の話ですから、記録が残っていないだけかもしれません。というわけで、もし慶長地震が南海トラフ地震ではなかったとすれば、次の南海トラフ地震まであと100年以上の猶予がある「可能性はあります」。でも、そう甘く決めてかかる勇気は私にはありませんし、仮に慶長地震が南海トラフ地震でなかったとしても、結果として南海トラフ地震想定域を広範囲に地震被害(ほぼ津波のみ)が襲った事実は変わりません。結局、少なくとも14世紀以降、最短90年、長くても150年、たいていは100年前後の間隔で、南海トラフ地震か、その想定震源域を襲う巨大地震、超巨大地震が起きてきた、ということになります。したがって、早ければ今から10年後以降いつ南海トラフ地震が起こっても不思議はないし、どんなに遅くても今から60年後までには、ほぼ確実に起こるだろう、と推測せざるを得ないわけです。更に詳細に考えると、過去3回の南海トラフ地震のうち、宝永地震がもっとも規模が大きかったことが分かっています。その150年後に起きた安政地震は、宝永地震に比べれば規模は小さかった(それでもM8クラスだったと推定されていますが)。更に90年後の昭和東南海/南海地震も、M7.9〜8クラスで、宝永地震ほどの規模ではなかったようです。ということは、地震の規模が大きいほど(プレートの歪みが大きく解放されるほど)次の地震までの発生間隔は伸びる、ということが言えるのかもしれません。ということは、前回昭和地震の規模が(南海トラフ地震としては)それほど大きくなかったとすると、次の地震までの発生間隔は、ものすごく長いということにはならないのではないか、という気はします。もちろん、確実にそうだと断言できるわけではないですけど。
2025.04.02
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陸自隊員1人死亡 草津白根山噴火、雪崩は確認できず気象庁は23日午前、群馬県草津町の草津白根山が噴火したと発表した。噴火とほぼ同じ午前10時ごろ、東側にある草津国際スキー場に多数の噴石が落下。スキー場で訓練中だった陸上自衛隊員30人のうち、噴石が当たった男性隊員1人が死亡した。ほかにも自衛隊員7人やスキー客ら計11人も噴石で骨折するなどのけがを負った。草津白根山は主に三つの山から成り、気象庁は、北側の白根山(標高2160m)を噴火の可能性が高いとして24時間監視していたが、今回は警戒していなかった本白根山(同2171m)の東側にある鏡池付近の火口で噴火した。県災害対策本部などによると、山頂とふもとを結ぶ「白根火山ロープウェイ」のゴンドラに噴石のようなものが当たり、窓ガラスが割れて乗客がけがをした。このほか、スキー客ら約80人が一時、山頂駅(標高約2000m)付近に取り残されたが、日没までに自衛隊のヘリコプターや民間のスノーモービルで救出された。防衛省によると、隊員1人が死亡したほか、5人が骨折などの重傷、2人がけがをした。当初、雪崩に巻き込まれたとしていたが、その後、雪崩ではなく、噴石によるけがと明らかにした。(以下略)---日本で噴火に人が巻き込まれて死者が出たのは、2014年10月の御嶽山噴火以来、3年ぶりのことでしょうか。当初は噴火によって雪崩が発生と報じられたようですが、実際には雪崩はおこっていなかったようです。御嶽山の噴火と同様、噴火自体の規模はきわめて小規模だったようですが、スキー場の至近距離だったために、犠牲者が出てしまいました。ただ、これが御嶽山のときのように休日だったら、被害の規模はもっとはるかに大きなものになっていたかもしれません。亡くなった方には申し訳ありませんが、スキー場に比較的人が少ない平日だったことが不幸中の幸いだった、と言えそうです。ただ、2人ほど重態の方がいるとの報道です。これ以上犠牲者が増えないよう願っております。それにしても、雪山と火山の噴火は、大変相性の悪いものです。もちろん、火山の噴火が雪を融かすからです。火山泥流と呼ばれるものです。歴史上おそらく最悪の火山泥流は1985年、コロンビア・アンデスのネバドデルルイス火山の噴火です。火砕流が山頂付近の氷河を一挙に溶かし、それが泥流となって、麓にあったアルメロという町を埋め尽くしたのです。当時アルメロの人口は約2万9千人ほどでしたが、そのうちなんと2万人以上が犠牲になっています。この町は、過去にも火山泥流に襲われたことがあり、また2ヶ月ほど前の噴火でも火山泥流が大きく流れ下っていたため、急遽ハザードマップが作成されていたものの、それが活かされることはなく、市長が「噴火はない」とラジオで放送し続けたことも被害の拡大を招いたといわれます。そのため、「史上最悪の人災の一つ」という見方もされています。当時13歳の少女が泥流の中に足を挟まれ、顔と手だけが泥から出ている状態で救出を待ったものの、救助隊は掘り出すことができないまま、3日後に死去したことが全世界に報道されたことは、私の記憶に残っています。(当時私は高校生でした)日本でも、1926年5月に北海道の十勝岳の噴火が有名です。噴火そのものの規模は小さかったものの、5月の北海道の山はまだ残雪がたっぷりありますから、それを融かして、火山泥流が発生しました。このときの火山泥流は富良野に流れくだり、144名の犠牲者を出ています。この噴火は三浦綾子の小説「泥流地帯」「続・泥流地帯」に描かれています。今回、草津白根山はこれら歴史に残るような災害にはならずに済みました、と、言いたいところですが、それはあくまでも噴火がこれで終息した場合です。十勝岳の例でも触れたように、大量の雪があるところでの噴火は、噴火自体が小規模であっても、火山泥流で大きな被害を出すことがありますから、まだしばらくは安心できない状態と言わざるを得ないでしょう。一刻も早く終息が確認されてほしいものです。
2018.01.23
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関東大震災 朝鮮人虐殺、新公文書 埼玉で四十数人「悉く殺さる」 陸軍省調査資料関東大震災で起きた朝鮮人集団虐殺について、同年11月に当時の陸軍省が行った実態調査の一部資料が、防衛省防衛研究所史料室で新たに見つかった。現在の埼玉県熊谷市内で保護のため警察署へ移送中の朝鮮人四十数人が「殺気立てる群衆の為めに悉く殺さる」などと報告。事件を「鮮人(朝鮮人の蔑称)虐殺」「不祥事」「不法行為」と表現し、「鮮人の襲来は遂に一名も来なかった。火付けもなかった。毒を(井戸に)投げ込まれた事も聞かない」との記述もある。資料の存在は、震災直後に政府が違法な虐殺の事実を認識し、広範な調査を実施していたことを示している。今年8月、当時の松野博一官房長官は記者会見で事件への見解を問われ「政府内に事実関係を把握できる記録が見当たらない」と述べていた。~陸軍省副官(官房長に相当)は23年11月2日、震災に関係した全部隊に対し、活動内容を陸軍大臣・参謀総長宛に同25日までに報告するよう通達。熊谷連隊区司令部は遅れて12月15日付で提出した。虐殺は「行動の大要」に記載。同年9月4日、警察官が保護した朝鮮人二百余人を浦和方面から深谷・本所警察署へ自動車で護送中、昼間のうちに移送できなかった四十数人が、夜に入って殺気立った群衆に、現在の熊谷市内各所で全員殺されたと報告している。「将来参考となるべき所見」にも、保護した朝鮮人の移送は「夜暗を避くるを要す」とし、夜間にずれ込むと「悉く暗所に於て殺さるるの惨状を見るに至れり」と警告している。(以下略)---記事は、ネット上では冒頭部分以外会員登録しないと読めません。(我が家は紙の毎日新聞を購読しています)この資料自体は今回新たに発見されたものということですが、言うまでもなく、従前から司法省報告書と戒厳業務詳報が震災時の朝鮮人虐殺の統計は明らかになっているところです。それら報告書の根拠となった資料の一つ、と言いたいところですが、戒厳業務詳報には埼玉県での虐殺事例は掲載されていません。司法省報告書では、埼玉県における朝鮮人94人と日本人1人の虐殺が掲載されていますが、これは犯人が起訴された事件だけの統計です。この件は、闇夜に紛れて殺された、というものなので、監視カメラなどなかった当時、果たして犯人が特定できたかどうか疑問です。つまり、司法省報告書には出ていない(もとより戒厳業務詳報には掲載されていない)事例のかもしれません。というわけで、震災時の朝鮮人虐殺については、従前より官憲による報告、資料が数多く存在するにもかかわらず、松野裏金官房長官は答弁において「政府内に事実関係を把握できる記録が見当たらない」と言い放ったわけです。いや、それは記録が見当たらないのではなく、単に記録は見ない、ようにしているだけでしょう。地震という災害は人間の力で止めることはできません。しかし、自身が原因で発生する様々な被害の中には、人間の力で止める、あるいは被害規模を最小限にとどめることが可能なものも少なからずあります。デマの蔓延や、その結果としての虐殺事件など、人間の努力で発生を食い止められる、食い止めなければならない事例の最たるものです。それにもかかわらず、「把握できる資料が見当たらない」などと公然たるウソによって事実から目を逸らす政府が、いつか再び起こるであろう大震災の際に、同じような悲劇を生まないよう最適な努力を払うつもりがあるのかどうか、少なからず疑念を抱かざるを得ません。
2023.12.25
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「巨大地震注意」呼びかけ終了後も日ごろから地震への備えを 気象庁南海トラフの臨時情報「巨大地震注意」について、特別な注意の呼び掛けが終了したことを受けて気象庁などが会見を開き、特別の防災対応が終了した後も日頃から地震に備えるよう強調しました。8日に発表された南海トラフ臨時情報「巨大地震注意」について、想定震源域で特段の変化はないとして政府は15日の午後5時に特別な注意の呼び掛けを終了しました。これを受けて気象庁などが会見を開き、8日の地震発生以降、南海トラフの想定震源域で地殻変動などに特段の変化は見られていないと改めて説明しました。その一方で、「日本国内では、いつどこで強い揺れを伴う地震が発生してもおかしくない」として、政府による特別な注意の呼び掛けが終了した後も日頃から地震への備えを行うように強調しました。---8月8日に宮崎県沖で起きた地震を機に出された「巨大地震注意」の臨時情報が15日に終了しました。予想どおり、というのもなんですが、この間特に何事も起きませんでした。客観的に考えて、この1週間で巨大地震の蛾起こる可能性がものすごく高かったか、というと、そうではないだろうと思います。ただし、ではこの臨時情報がまったく無意味なものだったかというと、そんなことはないだろうと私は思います。先の記事にも書きましたが、南海トラフ周辺では100~150年に1回、大きな被害をもたらす巨大地震、超巨大地震が繰り返されてきました。具体的には1944/46年 昭和東南海地震/昭和南海地震1854年 安政地震(東海地震と南海地震が約30時間の時間差で発生)1707年 宝永地震1605年 慶長地震(南海トラフ地震ではないとする説もあり)1498年 明応地震1361年 正平地震と、なります。この間、もっとも発生間隔が短かったのは安政地震から昭和と東南海地震の間の約90年であり、最も発生間隔が長かったのは宝永地震から安政地震までの147年です。とすれば、次の南海地震、東南海地震も、前回昭和東南海/南海地震の90年から150年後である2035年頃から2095年頃までの間に起こる可能性が高いだろう、と考えることができます。つまり、「臨時情報」は終わったけれど、実際に地震が起きる可能性は、これから上がることはあっても下がることはないだろう、ということです。そして、南海トラフ地震はいつか「必ず」起こるので、最終的な発生確率は100%、ということになります。ただ、そうはいっても「いつ」起こるかを断定することは、現在の人類の科学力では不可能です。そして、これから60年間にわたって平常活動を犠牲にして地震を警戒し続けることはできないのが現実です。そういう意味では、南海トラフ地震に対して「備える」ことは、現実的には不可能です。それでも、平常活動を犠牲にしない範囲では、今後半永続的に備えをしていくしかないのだろうと思います。
2024.08.17
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自民、国旗損壊の映像送信も処罰 罰則は刑法を参考に定める方向自民党が、日本国旗を傷つける行為を罰する「日本国国章損壊罪」創設を巡り、国旗の「損壊、除去、汚損」に加えて、公然とその状況を撮影した映像を送信することや、損壊された国旗の陳列を処罰の対象とする方向で調整していることが分かった。具体的な罰則については、刑法にある外国国章損壊罪や器物損壊罪を参考にして定める方向だ。関係者が12日、明らかにした。自民は今週中に、党プロジェクトチーム(PT)の会合を開き、こうした内容を盛り込んだ法案の骨子を議論する。法案は、不特定または多数の人が認識できる場合、著しく不快感や嫌悪感を催させるような方法によって、国旗を損壊、除去、汚損した行為を罰則の対象にする見通し。罰するのは、国章ではなく国旗を損壊する行為に限定する方針だ。罰則の参考にする外国国章損壊罪は、外国に侮辱を加える目的で国旗や国章を損壊した場合、2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金を科す。器物損壊罪は他人のものを損壊するなどした場合、3年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金か科料と定めている。---自民党が圧倒的な議席数を背景に、国旗損壊罪というトンデモ法案を提案しようとしています。しかも、国旗損壊の映像を送信する行為まで罰則を設けようとしているのが今の状況です。狂っていると言わざるを得ません。そもそも、外国国章損壊罪の罰則を参考にすると言っていますが、前提条件が間違っています。巷間、「外国国章損壊罪はあるのに日本の国旗損壊に罰則街なのはおかしい」という、それこそおかしな言説がまかり通っていますが、それは正しい説明ではありません。刑法の外国国章損壊罪は、外国の国旗を損壊すること一般を禁じているわけではありません。外国国章損壊罪の処罰対象は、外国公館が公的に掲揚した国旗を損壊した場合(かつ、当該外国政府からの請求を要件とする)に限られます。法律の条文にそのように書かれてはいませんが、現実に過去の事例で、自前で用意した外国国旗や、デパートの物産展に掲揚されていた国旗を引きずり下ろした行為などは、外国国章損壊罪は適用されていません。前者は起訴されておらず、後者は軽犯罪法しか適用されていません。ということは、外国国章損壊罪と整合性のある国旗損壊罪は、公的施設に掲示、掲揚されている国旗を損壊する行為に限られるはずです。(そのような行為は、それ以前に器物損壊、不法侵入など別の罪状によって違法ですが)当然、自前で用意した日の丸を焼こうが破ろうが踏みつけようが、処罰の対象ではない、ということになるはずです。ところが、この法案は、個人が所有する国旗の損壊も処罰の対象(自民党プロジェクトチーム)だというのです。更にそれを撮影して送信する行為まで罰則を設けようというわけです。諸外国を見ても、国旗損壊罪に類する罪を設けている国は、ありますが多くはありません。この種の話で常に引き合いに出されるのが米国ですが、一般的風潮としてはあれほど星条旗への敬意が重んじられる国ですが、国旗を損壊する行為は合法です。禁じようとする法案は、最高裁で憲法違反で無効の判決が出ています。要するに、ネトウヨのお気持ちに反する行為は違法化する、というわけです。流石にこのトンデモ法案対しては、自民党内でも、岩屋元外相など、かなり強い異論が出ています。しかし、与党は衆院で三分の二を超える議席を持っているので、果たしてどうなるやら、と思います。もはや日本の言論の自由も風前の灯となりそうです。※但し、個人の所有する「国旗」を損壊する行為を国旗損壊罪で立件することは、現実には相当困難だろうと思います。国旗国歌法では、国旗について厳密な定義を定めています。縦 横の三分の二日章直径 縦の五分の三中心 旗の中心色は 地 白色・日章 紅色但し当分の間は縦を横の十分の七とし、かつ、日章の中心の位置について旗の中心から旗竿ざお側に横の長さの百分の一偏した位置にできる、とあります。一般的なコピー用紙は縦横比が10:7よりわずかに横幅が短いし、日の丸を5:3よりちょっとでも大きく、あるいは小さく作成すれば、これはもう法的には国旗ではないので、処罰はできないはずです。追記:自民党内で了承された「骨子案」によると、「社会通念上、国旗の用に供していると認識される」ものとされているようです。つまり、国旗国歌法の国旗の定義ではなく、何でも「国旗」と見做せるような規定にして逃げ道をふさぐ気のようです。
2026.05.14
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同志社国際高の辺野古移設めぐる学習、文科相「教育基本法に違反」沖縄県名護市辺野古沖で小型船2隻が転覆し、研修旅行の平和学習で訪れていた同志社国際高校の生徒ら2人が死亡した事故を受け、松本洋平文部科学相は22日の記者会見で、辺野古への移設工事に関する同志社国際高の教育内容が政治的中立性を定めた教育基本法に違反するとの考えを示した。文科省が、政治的中立性を理由に教育基本法違反を認定するのは初めてという。文科省は、研修旅行が安全管理も含めて「著しく不適切」だとし、学校法人同志社などに改善を求める指導通知を出した。事故は3月16日、平和学習の一環として小型船2隻に同志社国際高の生徒18人が分乗し、辺野古を見学する中で起きた。2隻が転覆し、女子生徒1人と船長1人が死亡。生徒と乗組員の計14人が重軽傷を負った。船は米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する市民団体「ヘリ基地反対協議会」に所属するもので、普段は海上での抗議活動に使われていた。また、同志社国際高は過去に研修旅行で、反対の座り込みが行われている辺野古テント村を訪れているが、当時のしおりには、ヘリ基地反対協議会が「私たちの行動に賛同いただける方は、まず一緒に座り込んでください」と呼びかける内容を載せていた。(以下略)---研修(修学)旅行の生徒が辺野古沖で船の転覆によって亡くなった件は、大変残念なことです。人の命は重いですし、その原因が転覆した船と亡くなった船長に帰することは間違いなさそうです。また、修学旅行で座り込みへの参加(を呼びかけること)は、事故がなかったとしてもいささかどうなのか、とは私も思います。「左翼」である私でも、自分の娘が「修学旅行で」座り込みに参加と言われたら、「えっ、ちょっと大丈夫?」と思ってしまうのは確かです。勿論、修学旅行の一環ではなく、自分の意志でそういう行動に参加するというなら、話はまったく違いますが。従って、安全管理という点で著しく不適切だったことはそのとおりであろうと思うのですが、ただ、平和教育として辺野古への基地移設問題を学ぶことが「政治的中立性を定めた教育基本法に違反」という言い分には、とうてい賛成しがたいものがあります。特定の政党や選挙運動に参加すような教育をしてはならない、という意味での「政治的中立」は重要なことです。しかし、意見の割れる政治的課題について学ぶことが政治的中立に反する、というのは欺瞞です。例えば、国旗と国歌というものがあります。私は、純然たる個人的好みでは日の丸は好きですし(少なくとも嫌いではありません)、それなりに敬意も表します(ただし、強制には断固反対)。しかし、君が代は嫌いですし、歌いません。世の中には、日の丸も嫌いだ、という人もいますし、もちろんその考えも尊重します。その一方で、政府は国旗と国歌を尊重せよ、と言い、教育の現場では、入学式卒業式で国旗国歌を強制しています。国旗国歌への賛成も反対も、それぞれ政治的立場である点に変わりはないはずですが、国旗国歌を教育現場に強制することは「政治的中立に反する」とは言わずに、それに反対することだけが「政治的中立に反する」と指弾されるのです。つまり、要約すれば、政府の方針に従うのは政治的中立に反しない、政府の方針に反するのは政治的中立に反する、と、「政治的中立」という言葉はそのような使われ方をしているのが現実です。自衛隊音楽隊の歌手が自民党大会で歌った問題だって、突き詰めればそういうことです。与党の大会で歌うのは中立違反じゃない、野党の大会で歌ったら中立違反だ、身も蓋もない話ですが、そういうことです。それをもっと要約すれば、「長い物には巻かれろ。」というのが「政治的中立」ということばの実態です。「巨大な悪ほど合法的である」という言葉がありますが、同様に、「巨大な偏向ほど『中立』的である」と私は思います。それを何のためらいもなく政府が大声で言い始めた、そういう状況なのでしょう。国旗損壊罪の創設というトンデモ法案もそうですが、政府の方針に反する奴は圧殺してやる、という意図を隠そうともしなくなった、ということでしょう。悲しいことですが、末期的です。
2026.05.23
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京都で生存権を求めるデモ 「たまにはウナギも食べたいぞ」「生存権を求める京都デモ」が1日、京都市であった。生活保護の利用者と支援者100人が路上から訴えた。「たまには旅行に行きたいぞ」「たまにはオシャレもしたいぞ」「たまにはウナギも食べたいぞ」憲法25条は「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を保障するよう政府に命じている。その政府は生活保護費を大きく削っている。京都では、生活保護を使いながら地域で自立生活をしている障害者が「生活保護改悪に反対する人々の会」(小松満雄代表)をつくり、「全京都生活と健康を守る会連合会」とともに政府を相手に裁判中だ。「人々の会」がさらに重大視しているのが「バッシング報道」の後遺症だ。政府による削減方針とおなじころさかんに報じられたのが芸能人の家族の「不正受給」で、実際は不正はなく生活保護への偏見と差別をあおっただけだった。そうした報道のせいで生活保護制度はとても使いづらいものへとおとしめられたと「人々の会」は怒っている。対抗手段として2019年にはじめたのが「生存権デモ」で、この日も先頭集団をあるいた。(以下略)---このデモをめぐっては、各方面から様々な意見が出ているようです。というか、例によってネット上ではバッシングする意見があふれかえっているようです。良し悪しとか「べき」論を度外視して現実論を言えば、今の日本のこの現実、生活保護叩きが跋扈している状況のなかで、私自身がもしもこのデモに参加していたとしたら、「たまには旅行に行きたいぞ」「たまにはオシャレもしたいぞ」「たまにはウナギも食べたいぞ」は言わないかな、と思います。ただでさえ生保バッシングで満ち溢れているのに、火に油を注ぐことになるのは明らかですから。と、言わざるを得ないのが今の日本の現実です、残念ながら。出る杭は打たれる、声高に主張する者は、とりわけ弱者の立場から声高に主張する者は、寄ってたかって袋叩きにされるのがこの国の現状です。賛否とか、それが実現できるかどうかはともかくとして、「旅行」「おしゃれ」「ウナギ」は、人間の欲望として、少なくとも道を踏み外したものではまったくありません。だって、わたしも旅行は好きだし、ウナギも好きですから(ただし、ウナギは絶滅危惧種なので、最近は食べないようにしています)。男だからおしゃれにはそれほど興味はないですけどね。世の大半の人は、その程度のささやかな願望は持っているはずです。ならば生活保護受給者が同様の願望を持っていたとして、なにもおかしくはありません。もちろん、それが権利として保証できるかどうかは別の問題です。願望がすべて認められる、というわけにはいきません。私も「旅行」「おしゃれ」「ウナギ」という願望をすべて実現すべきだ、とは思いません。でも、そのような主張を掲げること自体がおかしい、異常だ、反社会的だ、などということは、まったくありません。「旅行」「おしゃれ」「ウナギ」と具体例を書いてしまうと、共感を得にくくなってしまう傾向は否めないものの、一般論として言えば、生活保護の根拠である憲法第25条の生存権は「健康で文化的な最低限度の生活」を保障と書いてあります。一切何の娯楽も余裕もなく、餓死せずにギリギリ命をつなぐだけ、というのが生存権の趣旨ではありません。正直なところを言えば、かつて、十数年前に知人から保護基準(最低生活費)の金額のいろいろなパターンを教えてもらった時、多人数世帯の最低生活費は「なんでこんなに高いの?」と思ったことがあることは事実です。母子加算なんかも、個人的には、思うところがないわけではありません。しかし、現実に生活保護世帯の大半を占める高齢単身世帯の最低生活費が「高い」とは思えないのです。元々がそうでしたが、それ以降保護基準はどんどん引き下げられています。かつて私が「高い」と感じた多人数世帯の保護基準は、その後大幅に引き下げられていますし、元々高いとは思えない単身世帯の保護基準も引き下げられています。それなのに、急激に物価上昇しつつある今、単身世帯の保護基準ですら、引き上げとはなっていません。「旅行」「おしゃれ」「ウナギ」などという表現の問題ではなく、そのことに対して、受給者が不満を抱くのは、おかしなことではありません。にもかかわらず、そのような主張をすること自体を許さないような社会状況が、この国をよい方向に導くことは決してないと言わざるを得ません。
2023.10.24
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「さっきまで元気だったのに」と同僚絶句 目の前で40代男性が死亡 歓送迎会で脳出血 脳卒中サバイバー記者脳卒中は「再発しやすい病気」だそうだ。ぼくは、そのことを入院中に開催された病院内の講習会で知った。そこで「発症10年間で半数の患者が再発するというデータもあるんです」という説明を聞き、あらためて「ぼくは再発で死ぬ可能性が高いんだな」と、ちょっとショックを受けた。~令和元年12月に脳出血を発症した後、翌月にリハビリ病院に転院した。半身まひになり、リハビリを続けていたが、これからは再発のリスクとも向き合わなくてはならない。院内で、脳出血や脳梗塞など「脳卒中」について学べる講習会があると聞き、参加させてもらうことにした。~脳卒中になる背景には、食生活や喫煙、ストレスといった生活習慣、高血圧や糖尿病などのリスク因子がある。できるだけ、そういった要因を取り除かなくては、また病気になってしまう可能性が高くなるので注意しましょう-といった内容だった。講師の看護師さんは「まず、たばこはやめてください。お酒もよくないです。ストレスもだめですね」と繰り返していた。以前、たばこを吸っていたことはあるが、禁煙して20年近くになる。日常的に飲酒もしない。原因はストレスだったのだろうか。~退院して自宅療養に入り1カ月ほどたった令和2年8月のことだ。急激な血圧の上昇や身体の硬直などの変調を感じ、再び救急搬送された。このときは再発したと思い~だが、搬送先の大学病院で検査を受けた結果、幸いにして再発ではないことが確認された。~ぼくのいた未明の高度治療室に別の男性が救急搬送されてきたのだ。40代半ばの男性。職場の歓送迎会の最中に倒れ、脳出血と診断されたようだ。同僚が付き添って搬送されてきたらしい。~その後も、複数の医師が声を掛け合いながら必死に治療を続ける音もしていた。医療ドラマよりも生々しい、はりつめた現場。詳しい状況は分からなかったが、しばらくすると、医師たちが、その場を離れた。~少しうとうとして目を覚ますと、治療台から男性がいなくなっていた。後から聞くと、やはり亡くなったという。(以下略)---嫌いな産経新聞の記事ではありますが、この内容には目が釘付けになりました。職業上やり取りした人でも、職場の同僚でも、あるいは個人的な知人友人でも、脳血管障害は結構います。再発した人も、この記事にあるような「半数」ほどではないけれど、います。何と言っても、先日健康診断で血圧が160-104というかなり高い数値を出してしまいました。再測定では145-84に落ちましたが。昨年は130-93(再測定もほとんど差なし)、2年前も大同小異(再測定では少し落ちた)でした。元々私は超低血圧人間で、30代半ばころまでは上が100に届かず、下は60未満くらいだったのです。それから20年、年齢が上がると血圧も上がり、今や上が160か、とショックを受けました。実は知人にも、若い頃は低血圧だったのに、だんだん血圧が上がり、脳梗塞という方がいます。そして、私もタバコは1本も吸った頃はないし(もっとも、若い頃は、自分で吸わなくても職場の同僚、上司の副流煙をずいぶん吸わされましたが、それも20年以上前の話になります)、酒は飲みますが、金土日に350mlのビールを1缶のみというのは、飲んでいる部類には入らないだろうと思います。塩分摂りすぎ?そんなに塩味の濃いものが好みではないし、運動不足かというと、以前月間100km走っていた頃よりは運動量は減ってますが、これだけ山に登っていて、毎日階段も登っていて(1週間で、自宅、通勤、職場を合計して、標高差にして500m程度)それでも高血圧から逃れられないのですね。私もストレスに行き着くのかなあ。確かに精神的ストレスは色々あるけど、パワハラを受けているわけではないし、超長時間残業をしているわけではないし、はてさて、というところです。というわけで、結局は、加齢なのでしょうかね。もちろん、血圧の上が160で、ただちに脳血管障害の可能性が極度の高い、というわけではないでしょう。健康診断の総合判定も、C判定でしたが、再検査ということにはなっていません。しかし、これまで経過から考えると、血圧がこれから下がるとは考え難いので、60歳になり70歳になったとき、私は無事なんだろうか、と思ってしまう訳です。人間、50を過ぎると、体の各所にガタが来ますね。私の場合、膝(膝痛)と目(老眼)に、それをひしひしと感じますが、血圧もその一つ、ということになるのでしょう。山登りでそれなりに体を動かしていてもこうなのか、と思う反面、これで山登りをやめたら、もっとひどいことになるんだろうなと思ってしまいます。
2025.09.02
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ホルムズ海峡通らない原油タンカー、日本に28日に到着予定-代替ルート赤沢経産相は、ホルムズ海峡を通らない代替ルートを利用した原油タンカーが28日に初めて日本へ到着する見込みを明らかにした。サウジアラビアの東西パイプラインやUAEのフジャイラ港を活用した出荷が進んでおり、原油の安定調達手段として期待が集まっている。赤沢氏は24日の閣議後会見で、2社のタンカーが日本に向かっているが、社名については「公表できない」と述べた。28日に続いて4月5日にも到着する予定だ。さらに、中東以外の地域からの調達分として、4月25日にも別のタンカーが到着する見通しだという。経産省の発表資料によると、太陽石油が3月1日にサウジアラビアのヤンブー港で原油を積み、マレーシアで積み替えを行ったタンカーが28日にも愛媛県に到着する予定だという。太陽石油は愛媛県今治市に日量13万8000万バレルの精製能力を持つ四国事業所を保有している。(以下略)---引用記事にあるうちの1隻が、おそらく先週末に日本に入港したはずです。このことをもって、問題が解決したかのように舞い上がっている人たちが一部いるようてすが、残念ながらそんなことはありません。そもそも、日本全体の石油需要は年間2億8千万kLで、これを1日当たりに換算すると77万kL、25万トンタンカーで2.7隻分である、とのデータが石油情報センターから公開されています。ただし、これらすべてが原油の形で産油国から輸入されているわけではなく、精製済、商品して加工済の商品として産油国以外の加工国から輸入される分も多いので、オイルタンカーは1隻で国内需要の約0.7日分を供給すると言われます(1日1.5隻分程度ということ)。つまりタンカー3隻とは、日本の石油全需要の2日分に過ぎません。これから4月25日までの約一か月間に日本に来るタンカーがその3隻だけだったら(そんなことはないでしょうが)、焼け石に水です。勿論、ペルシャ湾以外から日本が輸入する原油もゼロではありません。しかし、かつて主要な石油輸出国だったインドネシアとブルネイの石油輸出は激減し、アメリカ大陸の主要な油田はエクアドルを除いてメキシコ湾岸にあり、超大型タンカーはパナマ運河を通過不可能なので、日本までは非常に長距離、油質も需要とマッチしないため、現在は日本の石油供給の8〜9割はホルムズ海峡経由となっています。このうち、引用記事にあるとおり、サウジアラビアは国土を東西に横断するパイプラインで紅海の港に原油を送り、そこから石油を積み出せます。ただし、紅海の港の石油積み出し能力は低く、ペルシャ湾側の6割程度とされます。そこに各国が石油の供給を求めて殺到するわけです。しかも、紅海の入口にはイエメンの武装組織フーシ派がいます。この戦争が始まる前は、フーシ派こそが中東の海運にとって最大のリスクで、紅海を通過する商船を盛んに攻撃していました。そしてUAEもホルムズ海峡の外側までパイプラインで石油を送り、そこから石油を積み出すことができます。ただし、こちらもホルムズ海峡内側の6割程度の積み出し能力しかなく、また、ホルムズ海峡よりは距離は遠いとはいえ対岸はやはりイランなので、ドローン等による攻撃を受けています。それ以外の湾岸諸国(オマーン、カタール、クウェート、イラク)は、ホルムズ海峡を迂回して原油を積み出すルートはありません。結局、サウジアラビアとUAEのみが、最大で平時の6割程度の積み出しができるに過ぎないわけです。実際には前述のような攻撃を考慮すると、その2/3、つまり平時の4割日本が輸入できたら御の字でしょう。この両国は日本の石油輸入元1位と2位で、それぞれ4割程度のシェアを持っています。それ以外のオマーン、カタール、クウェート、イラクからの輸入は、従前は15%程度ありましたが、これはゼロになります。これ以外の、非中東諸国(米国、エクアドル、オーストラリア、インドネシア、ベトナム等)は従前は5%にも満ちません。他国も必死で中東以外からの石油輸入に狂奔するでしょうから、短期的にこれを大幅に増やすことは難しいですが、倍増の1割まで増やせたと仮定します※。※日本が現在石油を買っていないが、輸出の余力があり、中東とは離れた位置の産油国が一つあります。それはロシアですが、果たして今の自民党政権がロシアから石油輸入ができるかは疑問です。これらを合計すると、ホルムズ海峡が封鎖されている間、平時の原油輸入量に対して良くて6割、おそらく4割しか原油が入ってこない計算になります。その減少がどの程度の影響を社会に及ぼすか、正確に予想はできませんが、一つ参考になるのは、近年、前年比で石油の輸入量+国内生産量(ほぼ無視するに足る微量)の合計が、前年に対して群を抜いて大幅に減少した年が2年あります。過去最大の減少幅だったのは、2020年、つまりコロナ騒動の勃発した年で、前年比-21.1%、それに次ぐのが2009年リーマンショックの年で前年比-9.7%でした。つまり、原油輸入が4~6割減は、リーマンショックもコロナも比較にならない規模の経済活動の停滞に連動することが想像できます。なお、石油備蓄が254日分あったとされますが(今は取崩したので、それより減っている)、実際の備蓄量は本当の国内消費の254日分ではないことが指摘されています。というのは、「1日分」の想定消費量が現在の実需よりかなり少ないのです。1月末の石油備蓄量は7289万KL・248日分と公表されていますが、備蓄量を日数で割り返すと1日分とは29.4万KLになります。しかし、実際には記事冒頭で指摘したように、日本全体の石油需要は1日当たり77万kLです。最初から石油製品に加工されて輸入されている分は備蓄の何日分の計算に入っておらず、更に国内でナフサ(ビニール、プラスチックなどの原料)に精製される分も除いて計算しているようです。また、備蓄量には、タンクの底、吸油ポンプより低い位置の取り出し不能な分(備蓄量の約1割)も含まれているとも指摘されています。これらを考慮すると、実際の備蓄量は公称の半分を少し超える程度の日数分にしかならなそうです。概ね135日程度分です。そして、原油の輸入量が仮に平時の半分とすると、それを2倍した270日程度、つまり9か月程度の備蓄となります。しかも、先ほど「最初から石油製品に加工されて輸入されている分は備蓄の何日分の計算に入っておらず、更に国内でナフサに精製される分も除いて計算している」と書きました。しかし、現在石油の需給がひっ迫しているのは日本だけではありません。世界中、とりわけアジアはホルムズ海峡への石油依存率が高く、石油製品を従前どおりに生産できなくなっています。つまり、石油製品も従前どおりの輸入は難しくなります。例えば、前述のナフサは、国内在庫が20日分程度しかありません。また従前相当量のナフサを海外から輸入していましたが、それらのナフサも元をただせば中東から輸入した原油から生成されたナフサを日本に輸出しているわけです。日本への最大手のナフサ輸出国だった韓国は、すでにナフサの輸出が停止になっています。ナフサはすでに不足が表面化しています。いずれ、他の石油製品も、個別の品目によって不足してくるでしょう。原油を精製して得られる様々な石油製品の割合と、実際の石油製品の需要は同じではないので、あまり必要のない油種が大量に余り、必要性の高い油種はあまり生産できない、ということが必然的に起こるからです。また、精製済の石油製品は長く保存できないので、原油のように備蓄しておくこともできません。そのため、原油としての備蓄量が保つ期間よりずっと前から、様々な石油製品が不足します。というわけで、結局ホルムズ海峡を通れない(通らない)ままでは、石油の輸入は4~6割減という致命的な状態に陥るしかありません。ならばホルムズ海峡を通してもらうように交渉すればいいじゃないですか。イラン側は「米国とイスラエル以外の船は通過を認める」と言っているのです。にもかかわらず日本側はイランと交渉しようとせず、ホルムズ海峡以外の石油調達を模索しているようです。要するに「トランプ様の敵であるイランなんかと交渉して、膝を屈してお願いなどしたら、トランプ様の顔に泥を塗る」と考えているのでしょう。冗談ではありません。現代文明は、石油がなかったら1日たりとも維持できません。とりわけ資源を国内て賄えない日本が資源を確保できなかったらどうなるか、太平洋戦争末期に痛いほど体験したはずです。そして、ここまでの戦争の推移から考えて、トランプがイランに勝てる見込みはもはやゼロです。攻撃されたイランは戦争をやめる気はありません。つまり、戦争が短期間で終結する可能性は低く、ホルムズ海峡封鎖がいつ解かれるのか想像もつきません。それなのに、資源の確保よりトランプ様のご意向に逆らわないことを優先する国、これでは日本の将来は破滅しか待っていないでしょう。石油が尽きて経済破綻してトランプに忠義を尽くすつもりなのでしょうか。
2026.03.31
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舛添要一氏、中国の経済発展に私見「事実すら認めない嫌中派が支配してきたこの10年の日本の凋落ぶりには愕然」「習近平は高笑い」元東京都知事舛添要一氏が自身のXを更新。中国の劇的な経済発展と、それに対比させた日本の現状について、私見を述べた。舛添氏は、1980年と2026年の中国の街並みを比較した動画を投稿した海外Xユーザーのポストを引用。動画には、かつての貧しい時代から現代の超近代的な都市へと変貌を遂げた様子が写されていた。これに対し、舛添氏は「過去45年で中国がいかに豊かになったか、この事実すら認めない嫌中派、右翼排外主義者が支配してきたこの10年の日本の凋落ぶりには愕然とする。そして、今の高市政権には日中関係改善の意思がない。彼我の差は拡大するばかりだ。習近平は高笑い!」とつづり、中国の経済発展を評価するとともに、日本の現状に危機感を示した。---舛添要一を私は支持はしませんが、近年都知事を務めた人物の中で、見識においても実績、手腕においても、もっとも「マシ」な政治家であったことは疑いないと思っています。そして、引用記事に書かれていることも、まったくのとおりです。その一方で海自護衛艦が台湾海峡を通過 高市政権で初、中国は抗議海上自衛隊の護衛艦「いかづち」が、台湾海峡を通過していたことが政府関係者への取材でわかった。中国軍東部戦区は17日、日本の自衛隊の艦艇が同日に台湾海峡を通過したと発表。中国外務省の報道官は定例会見で「中国の主権と安全を深刻に脅かしている」として日本側に抗議したことを明らかにした。高市政権になって、海自の艦艇による台湾海峡通過が明らかになるのは初めて。政府関係者によると、護衛艦は20日に始まる米比主催の多国間合同演習「バリカタン」に参加するため、フィリピンに向かう途中だった。台湾海峡通過には、軍事活動を活発化させる中国を牽制(けんせい)するほか、「日米比の結束を示す」(関係者)狙いがあるとみられる。---台湾有事発言で日中関係が冷え込む中、更に中国に対してけんかを売る気満々、というわけです。もちろん、台湾海峡は中心部に中国(台湾も含)の領海はかかっておらず、中心部は公海なので、そこを通過することは国際法に反するわけではありません。しかし、それが中国に対してけんかを売る態度であることは明らかです。けんかを売って勝てるならやってよい、とは私は思いませんけど、まだマシです。しかしよりによって今、勝てるんですか?言うまでもなく、米国とイスラエルの対イラン戦争によってホルムズ海峡が封鎖され、日本はホルムズ海峡通過についてイランとの個別交渉を行なおうとはしないので、石油供給はピンチに陥っています。一方の中国は、自国で国内需要の3割程度は原油が算出し、ロシアからも多くの原油を輸入、イランとも友好関係にあるので、通過を許可されています。もちろんホルムズ海峡封鎖の影響はありますが、日本に比べればまだしも比較的影響は小さいでしょう。日本が置かれている現在の状況は、エネルギー供給に関しては第一次、第二次石油ショックを上回る、戦後最大の危機です。米国とイランの停戦交渉は行われていますが、ホルムズ海峡の封鎖解除は、2度発表され2度ともすぐにご破算になっています。前の記事に書きましたが、イランが米国に一方的に膝を屈する形での戦争終結はもはやなく、先のことは見通せませんが、ホルムズ海峡の封鎖が半年1年、あるいはそれ以上続く可能性は低くはありません。確かに当時はなかった膨大な石油備蓄はありますが、備蓄日数が額面どおりのものではないことは、以前に指摘したとおりです。サウジアラビアとUAEからのホルムズ海峡を回避する迂回ルートを使っても、封鎖前より原油積出量は減ること、原油は迂回ルートがあっても、精製済の石油製品は迂回ルートがないことも、同じ投稿で指摘しました。ホルムズ海峡封鎖されている間、日本に一滴の石油も入ってこないわけではありませんが、供給量が相当減ることは明らかなのです。そのサウジアラビアからの紅海経由の迂回ルートは、ホルムズ海峡封鎖後原油積出量が急増していますが、その過半は中国向けと報じられています。イランとはホルムズ海峡通過の交渉をしつつ、サウジアラビアから大量の原油を購入、実に抜け目ないのです。その国に対して、石油供給に不安だらけの日本が、今、このタイミングで、ケンカを売る。台湾海峡は公海ではありますが、護衛艦が今、そこを通過しないと、何か不都合があるんでしょうか?売る必要のないケンカをわざわざ売る、気は確かか?と思わざるを得ません。ネトウヨに媚を売り、彼らの自尊心を満たし、代償に国を危うくする。太平洋戦争末期、日本の降伏を阻止しようとした「愛国者」の軍人たちを想起させます。(自称)愛国者こそが国を滅ぼすのです。
2026.04.23
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イラン、米作戦終了後も湾岸攻撃継続 クウェートなど被害イランは18日、米軍による7日連続の攻撃への報復で、ペルシャ湾岸諸国に対する攻撃を実施。米側が作戦終了を発表した後も攻撃が続いており、イランのイスラム革命防衛隊は、湾岸の米同盟国に対するさらなる攻撃を警告した。米中央軍は7日連続となるイランへの攻撃を開始し、日本時間18日午前に作戦終了を発表した。~米軍の攻撃を受けて、イランは、バーレーン、カタール、クウェートなど米軍基地が置かれている湾岸諸国への攻撃を発表。サウジアラビアでも、紅海側の主要石油積み出し港があるヤンブーなど少なくとも2カ所で一時、早期警戒情報が発令された。イランの攻撃は、米軍の作戦終了後も続いており、特にクウェートやバーレーンが執拗な攻撃を受けている。クウェートは、イランのドローン攻撃が続いており、クウェート国際空港が閉鎖され、クウェート航空は運航予定を変更すると発表した。電力・水・再生エネルギー省は、発電・淡水化施設で火災が発生し、一部発電設備が稼働停止したと明らかにした。イランメディアによると、バーレーンの米軍のドローン保管施設や、主要なAI施設が攻撃された。イランの革命防衛隊は「米軍の野蛮な行為を防ぐ国際機関が存在しないため、われわれにはコーランの『あなたを攻撃する者には、同じ方法で攻撃せよ』という教え以外の道はない」とする声明を発表し、地域の米同盟国にさらなる攻撃を警告した。これに先立ち、イラン最高指導者の顧問モフセン・レザイ氏は、米国がイラン国内に攻撃を行えば、イランは防衛から攻勢に転じる可能性があるとし、米国による攻撃がさらに数日間続けば、イランは全面的な攻勢作戦の段階に移行すると警告した。双方は、ホルムズ海峡を中心にせめぎ合いを展開する。米中央軍は、イラン港湾封鎖の一環で、これまでに商船4隻の航路を変更し、1隻を航行不能としたと発表。これに対し、イランのイスラム革命防衛隊は、航行規則に違反した船舶4隻をミサイルとドローンで攻撃し、海峡通過を阻止したとしている。イラン国営テレビは18日、海峡南部の機雷が敷設された海域を通過した2隻の石油タンカーが爆発・炎上したと報じた。米は報道は虚偽だと指摘した。---停戦合意したはずが、結局合意できず、米イランの交戦が止まりません。タンカーがホルムズ海峡を自由に通れる状況とは程遠いようです。されに、紅海側の海峡出口もフーシ派の攻撃にさらされているようです。つまり、状況は基本的に何も変わっていません。石油輸入の中東依存からの脱却が言われていますが、そもそも全世界の石油供給量の2割か中東から算出すると言われます。2割が消えたら、その不足分を完全に代替できるものではありません。米イランの停戦合意前のことですが、全世界の石油在庫が急減していると報じられています。それにもかかわらず、国会は「皇室典範改正案」と「国旗損壊罪」だそうです。いやー、悪いけど、物事の軽重の判断が、完全にいかれていると言わざるを得ません。男系男子安泰にて国滅ぶ、という言葉が頭をよぎってしまいました。高市首相のかじ取りで日本はどこに行くのか、不安しかありません。
2026.07.18
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自民党:BPOに政府関与検討 「放送局から独立を」自民党は17日、NHKとテレビ朝日の報道番組で「やらせ」や政治的圧力があったとされる問題に関連し、NHKと日本民間放送連盟でつくる「放送倫理・番組向上機構」(BPO)について、政府が関与する仕組みの創設を含めて組織のあり方を検討する方針を固めた。しかし、番組の内容などの問題点を検証するBPOに政府が関わることには識者らの間で批判も出ている。同党の川崎二郎情報通信戦略調査会長が17日、同調査会後に記者団に語った。川崎氏は、法律で担保された第三者機関が放送内容をチェックする欧州の仕組みを例に挙げ、「テレビ局がお金を出し合う機関できちんとチェックできないなら、独立した機関の方がいい。BPOがお手盛りと言われるなら、少し変えなければならないのかなという思いはある」と述べた。BPOを法律で規定することには党内にも慎重意見があるが、同党幹部は「政府側の人間や官僚OBを入れるなど別の方法もある」と述べ、政府がBPOに一定程度、関与できる仕組み作りは可能との認識を示した。同党は海外の例も参考にしながら検討する構えだ。しかし、鈴木秀美慶応大教授(メディア法)は「欧米では放送事業者を監督する機関は、政府からの独立が担保されているのが主流だ。放送事業が総務相の免許制の日本では、その代わりに放送局の自主規制が重視されている。BPOはそうした考えに沿って設置された」と指摘。BPOを法制化することに対しては「言論機関を閣僚が監督するという根本的な問題を放置したまま、報道の自由への配慮を欠いた仕組みを作ることになってしまう」と批判した。同調査会は17日の会合で、NHKとテレビ朝日の役員から聴取した。この日は事実関係の確認にとどめ、内容に踏み込んだ質疑はしなかったが、来週以降、小委員会で放送法やBPOの立場などを含めて議論する。(以下略)---自民党の言っていることは、要するに自分たちの政権にとって気に食わない放送を許さないために吊るし上げを行うぞ、ということに過ぎません。「テレビ局がお金を出し合う機関できちんとチェックできないなら、独立した機関の方がいい」と言ったそうですが、「政府側の人間や官僚OBを入れる」機関のどこが「独立した機関」なのか。「法律で担保された第三者機関が放送内容をチェックする欧州の仕組みを例に挙げ」たそうですが、「第三者機関」とは企業・組織などが、責任説明を果たし、透明性を確保するために設置する合議制の組織。公正・中立な専門家によって構成され、調査・評価・提言などを行う。犯罪・法令違反あるいは社会的非難を招くような不正行為が発生した場合などに設置される。というものです。(デジタル大辞泉の解説)政治に関わる問題を検討するのに、政府の立場を代弁する存在が「第三者」になるのか。当事者を第三者と称するのは詐称というもので、形容矛盾も甚だしいのです。要するに政府が思うようにコントロールしたい、そのために、外見上第三者を装いつつ、実際は政府の意のままに操れる監督機関を作りたい、ということです。言論の自由、報道の自由の自殺行為に他なりません。政権を握るものは、言論の自由に対する干渉に、特に抑制的でなければならないと私は思うのですが、安倍政権にそういう意識はまるでないようです。「安倍色」の国づくりのために、反対勢力は力ずくで排除したい、ということなのでしょうか。おそろしいことです。
2015.04.18
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フォルクローレと一口に言っても、実は様々な音楽があるので、一口にはくくれないのですが、世界的に見て(日本でも)もっとも知名度の高いボリビア系のアンデス・フォルクローレの場合、使われる楽器は管楽器のケーナ・サンポーニャ、弦楽器のギター(クラシックギター)・チャランゴ、打楽器のボンボ(太鼓)、だいたいこの5種類が中心です。その中でどの楽器が一番人気かというと、まず間違いなくケーナなのです。やはり、「コンドルは飛んでいく」で知名度がありますから。それに次いでサンポーニャとチャランゴでしょうか。もっとも、ケーナとサンポーニャは1人の奏者が掛け持ちで演奏するのが一般的ですが。で、最後に残るのはボンボとギターということになるわけです。特にギターは、なかなか人がいません。何故って、「ケーナの音色が好きだからフォルクローレを始めました」という人はいても、「ギターがかっこいいからフォルクローレを始めました」という人はあまりいないじゃないですか。正直言って、私もそうなのです。ところが、では実際にフォルクローレの演奏で何が一番重要かというと、実はボンボ(太鼓)とギターなのです。どちらもリズムの要だからです。特に重要なのはギターです。他の楽器がなくてもギターさえあればフォルクローレは成り立ちますが、ギターがなかったら音楽として成り立ちません。※※あくまでも、現代的なスタイルのフォルクローレの場合です。古いスタイルでは、ギターのない音楽も存在します。というわけで、日本のアマチュア・フォルクローレ界では恒常的にギターの人材が足りない。私がキラ・ウィルカというグループに参加した一番最初の担当はボンボと笛だったのですが、途中からギターのおおさかさんが休業→復帰→休業→復帰→休業と繰り返したため、私の担当楽器も笛→ギター→笛→ギター→笛→ギターと、行ったり来たりしています。この間、他にギター奏者はいないかと思ったのですが、前述のような事情で、なかなか見つからないのです。上手いギター奏者は、すでにグループをいくつも掛け持ちしていたり、仕事が忙しかったり。一時期、関西在住の助っ人(ギターも弾ける)に参加してもらったことがあるのですが、長続きはしませんでした。関西からずっと東京に通い続けてもらうわけにはいきませんからねえ。もっとも、そのおかげで私も随分ギターの練習をしたから、腕前が多少回復しましたが。(ギターをまったく弾かない時期が数年続いたので、一時はかなり下手になっていました)まあ、「腕前が回復した」と言っても、ストロークとアルペジオ、簡単なベースラインしか弾けない「なんちゃってギタリスト」なんですけれどね。ただし、フォルクローレの伴奏ギターにとって、絶対必要なのはストローク。それさえできれば、最低限伴奏者としての役割は果たせます。難しいフレーズはチャランゴに弾いてもらえば何とかなる。(いしのさんのチャランゴはメチャクチャ上手いし)ちょうど1年ほど前に、やっと新しいギター奏者を発掘して、1年練習に参加してもらって、先日のライブでデビューしていただきました。おかげで、私も半分だけ笛担当に戻ったわけです。彼女のギターの腕前は、明らかに私より上手い。私には弾けない難しいフレーズがちゃんと弾ける。ただ、練習に参加した当初は、音量が圧倒的に少なかった。私は、ギターの腕前はないけれど、音量だけは自信ありなのです。フォルクローレの楽器の中で、ギターはもっとも音量の小さい楽器です。ケーナの3オクターブの爆音に負けないためには、とにかく強く弾くしかない。私は、長年フォルクローレの伴奏ばかりやってきたおかげで、音だけはでかい。おかげで左手人差し指は時々爪が剥がれるんですけどね。実は、私のギターそのものも、彼女のギターと比べると弦長が長くて音量が出ます。しかし、1年一緒に練習したら、彼女のギターも見違えるほど音量を増しました。先日のライブの時は、充分な音量が出ていたと思います。---ところで、フォルクローレのギター・ストロークというのはギターの弾き方としてかなり特殊な部類に入るかもしれません。何が特殊かというと、カッティングを多用するところです。カッティングができないとフォルクローレのギターは弾けません。具体的にどういう音かというと、ま、まずは実例から。手前みそで恐縮ですが、私が弾いているギターの例から。ギターは冒頭部分と間奏から後半途中までにしか映っていませんが、ギターの音はずっと入っているので、どんな音かは分かると思います。このリズム(クエッカといいます)を譜面にすると↓のようになります。下段のチャランゴのリズムはとりあえず無視して、上段のギターのリズムの×のついている部分に使われている音、カットコトンカットントンという「カッ」の部分の音がそれです。私は、ギターを弾き始めた頃(20台前半)、周囲にフォルクローレを演奏する知り合いが1人もいなかったので、カッティングの音が、どうやって出しているのか、どうしても分からなかったのです。ああでもない、こうでもないと試行錯誤したのですが、さっぱり分からない。それがカッティングという奏法であること自体に気がついていませんでした。というのは、一般的なギターの教則本には、カッティングとは弦の振動をとめて音を消すことだと書いてあるのですが(当時私が持っていた教則本にもそう書いてあった)、フォルクローレのカッティングはそれとはかなり違うのです。実際のところ「カッティング」という言葉であの奏法を表現するのが正しいのかどうかは私には分かりません。ただ、より正しい他の表現も存在しないと思うので。だから、私がフォルクローレの仲間と知り合ったとき、真っ先に聞いたのは、「ギターのあの音はどうやって出しているんでしょうか」ということでした。知ってみれば、ある意味簡単なことだったのですが。教則本に載っているカッティングは「音を消す(止める)」ことですが、フォルクローレのカッティングは「音を止めながら弾く」ものです。難しい言葉で言えば、ハーモニクス音を出すということです。具体的には、親指の付け根付近を弦に軽く当てる(ほんの瞬間的です)、それと同時に人差し指以下では弦をはじいている。弦に親指の付け根を当てている時間が長ければ、教則本どおりの「音の消えるカッティング」に近くなりますが、そのあたりは微妙なタイミングです。私の演奏は真正面から撮影しているので、指の動きが分かりにくいので、他の動画で指の動きが分かりやすいものを探してみました。カッティングが分かりやすいのは、前奏と間奏の、それぞれ最後の方だけですけれど。このリズムはアルゼンチンサンバといって、リズムを譜面にすると下記のようになります。やはり、×のところにカッティングが入っています。1小節に1回だけです。次はもっと分かりやすい映像。アルゼンチンのチャカレーラというリズムですが、教則用ビデオとして撮影したもののようです。このリズムは、私は全部の音をダウンストロークで弾くのですが、この人はダウン→アップ→ダウン→ダウンと弾いていますね。指の動きに決まりがあるわけではないので、どちらでも間違いではないと思います。このリズムを譜面にすると、以下のようになります。(先と同様、×のところがカッティング)(弾き方のバリエーションが幅広いので、これは一例です)このカッティングができれば、フォルクローレのギターは弾けたも同然(えっっっっ)さあ、あなたも是非フォルクローレのギターを弾いてみませんか・・・・・・参考までに、フォルクローレで使われギターはクラシックギターです。「フォルクローレ」という名前から、まれにフォークギターを使うと思う人もいるようですので念のため。クラシックギターは、更にフラメンコ用と(狭義の)クラシック用に分かれますが、一般的にフラメンコギターはフォルクローレには合いません。フラメンコギターは高音が重視されますが、フォルクローレのギターは低音の響きが求められるからです。
2011.04.24
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実は、「チャランゴの集い」というコンサートがあります。フォルクローレの使われる楽器の中で、チャランゴだけに焦点を当てて(実際には、ギターを中心に様々な伴奏楽器が加わりますが)行われるコンサートで、チャランゴ奏者の福田大治さんが中心に、今年で何と第10回になるのです。が、私は今まで一度も見に行ったことがありませんでした。しかし、今回はスペシャルゲストとして、ボリビアのチャランゴ奏者アルフレド・コカさんが特別出演するというので、昨日見に行ってきました。アルフレド・コカいや、なかなかすばらしかったです。もちろん、コカさんの演奏はいうまでもないのですが、その他の皆さんもすばらしい演奏でした。恵泉女学園大学チャランゴ部と、伴奏福田大治さん。日本唯一の大学のチャランゴ・サークルだそうです。(フォルクローレのサークルは、東大を筆頭に、おそらく10くらいの大学にあると思われます)土手暁さん、今回の出演者中唯一、広底のペルースタイルのチャランゴを演奏しました。(ペルーとボリビア1曲ずつ)左が丸底のボリビアのチャランゴ、右はギターなどと同じ平底のペルーのチャランゴ。(もっとも、最近はペルーでもボリビアスタイルのチャランゴはいくらでもあります)鈴木萌里さん、伴奏ギターは朝倉隆文さん。鈴木龍くん荒川美樹子さん ギター伴奏がTOYO草薙さん、笛が岡田浩安さんという、超豪華編成チャランゴ・アンサンブル「ラプラタ」、貝谷吉浩さんを中心とする4人編成。太鼓に弦を張っているのは「カラティンヤ」という楽器。ベースのようなもの。正確な音程を出すのは難しそうですが。YOSHIOさん実は、「チャランゴの集い」にただ一人、チャランゴではなくケーナで参戦したつわもの(それもソロ)。チャランゴの独奏曲をケーナで吹くという斬新なアプローチ(彼の演奏は、いつも斬新ですが)。笑いすぎて、写真を撮り忘れてしまいました、すみません。このコンサートの主催者(なのかな?少なくともいちばんの中心メンバー)であるダイジートこと福田大治さん。ギター伴奏はホセ犬伏さん、笛は岡田さん岡田浩安さん。ケーナ・サンポーニャ奏者ですが、チャランゴも実は上手かった。動画では見たことがありますが、岡田さんのチャランゴを生で見たのは、多分初めてです。際田泰弘さん。ベネズエラの曲をチャランゴで。普段はチャランゴよりクワトロを弾くことが多いそうです。植月佳奈さん。はるばる仙台から参戦。伴奏ギターはホセ犬伏さん。富谷雅樹さん。ここまで、だいたいナイロン弦のチャランゴが使われていましたが、ここでボリビア・北ポトシの鉄弦チャランゴが登場。元々マイナーな楽器であるチャランゴの、更にマイナーな奏法、北ポトシのカランペアードが登場。小黒謙治さんと、ボンボ梅崎かほりさん、ケーナ福田一弘さん、ギター矢沼隆さん。小黒さんはアルフレド・コカさんより年上で、今回出演者中最年長でした。ケーナの福田さんは、現在日本のアマチュアのケーナ奏者の中では、いちばん上手い。多分、私の3割増くらいは上手い。(数字に根拠はありません)齋藤征範さん。仙台から。富谷さんに続いて、北ポトシ鉄弦チャランゴで演奏。TOYO草薙こと草薙雅介さん。伴奏ギターは朝倉隆文さん。1曲だけ、メトロノームを伴奏にソロで演奏していましたが、写真を撮っていません。そしてアルフレド・コカさん。伴奏ギターは福田大治さん。同じく、アルフレド・コカさん。1曲だけ鉄弦のチャランゴを使いました。なお、写真は撮りましたが、動画は撮影していません。動画を撮っている方は何人かいましたし、過去の例から考えて、そのうちにYouTubeにアップされるだろうと思います。とりあえず、一昨年と昨年の演奏をご紹介しておきます。第8回第9回ところで、私は、ケーナ、サンポーニャ、フルート、ギターを弾く(吹く)ことができますが、フォルクローレの主要楽器の中で、唯一チャランゴだけは弾けません。いや、まったく弾けないわけでもありません。コードくらいは知っています。でも、ストロークで指が引っかかっちゃうので、とても人前で弾けるレベルには達していません。そんな私が、かつて必死でごまかしてチャランゴを弾いた曲(1人多重録音)多重録音で何曲も録音しましたが、ほぼ全曲、チャランゴは抜きなのです。が、この曲はチャランゴ抜きというわけに行かなかったので、録音しました。他の楽器にかき消されて、かき鳴らしの下手さ加減が程よくごまかされて(笑)、まあまあ聞ける演奏になっています。
2016.05.15
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鳥の写真をアップしはじめたころ、昔使っていた野鳥図鑑をまた引っ張り出して使っている話を書きました。それがこちらです。小学館「日本の野鳥」高野伸二著、1976年発行。(私が持っている版は1980年第4版)40年経ったからと言って青い鳥が赤くなったり、20cmの鳥が30cmに太ったりはしないから、古い図鑑でも問題ない・・・・・・、とは思ったのですが、鳥の分類が当時とはだいぶ変わりました。たとえばスズメは当時スズメ目ハタオリドリ科でしたが、今はスズメ目スズメ科です。なので、とうとう新しい野鳥図鑑を買ってしまいました。日本野鳥の会「フィールドガイド日本の野鳥」高野伸二著「新しい図鑑」と書きましたがウソです、全然新しくありません。初版1982年発行なので、これも35年経過しています。もっとも、今回購入したのは2015年発行の増補改訂版です。どちらの図鑑も、著者は同じ高野伸二さん、日本野鳥の会の理事でしたが、この図鑑が遺作となり、1984年にガンで亡くなっています。まだ50代後半でした。当時、野鳥の会の会報「野鳥」に、図鑑の絵を描くときの苦労話が掲載されていました。鳥の足を描くのが苦手で、足を後回しにして鳥の画を描き続けた結果、最後になってどの画も足だけ描き残ってしまい、来る日も来る日も足ばかり描き続けてうんざりした、というような話。図鑑が出版されてすぐ、知人から電話がかかってきて、野外での識別が困難な2種のシギについて「高野さんの図鑑を見て、××シギと○○シギ(具体的な種名は失念しましたが、ジシギ類でしょう)の見分け方が分かりました!」と言われて仰天、そのとき初めて、片方のシギの頭に線を1本描き忘れていたことに気が付いた、という話などがおぼろげな記憶にあります。高野氏は、日本の野鳥観察、ナチュラリストの第一人者でしたが、正直なところ、絵の専門家とはとても言えません。小学館版の「日本の野鳥」は、お世辞にも上手い絵の図鑑とは言い難いです。が、おそらくその後、よほど画の訓練をしたのでしょう。野鳥の会版の「フィールドガイド日本の野鳥」では、絵がずいぶん向上しています。それでも、図鑑としてではなく絵としてみると、これをプロの絵とは言うのは、ちょっと辛いところだろうな、とは思います。おそらく小学館版は絵の具で彩色しているのに対して、野鳥の会版は多分色鉛筆でしょう。それはともかく、気が付いたら我が家にはずいぶんいろいろな鳥の図鑑があることに気が付きました。9冊あります。一番上の3冊は、日本野鳥の会が発行している「山野の鳥」「水辺の鳥」で、同じ野鳥の会発行の「フィールドガイド日本の野鳥」よりも初心者向けの図鑑です。左端は1976年発行の初版(「水辺の鳥」しか手元にありません。「山野の鳥」は紛失したか実家にあるか???)です。中央と右の2冊は3訂版で1996年に発行されています。私が買った記憶はまったくなく、相棒が買ったもののようです。中段左端は、高野伸二氏による野鳥識別ハンドブック、これは図鑑ではなく、似た種類同士の識別のポイントを白黒のイラストと文章でまとめたものです。中央と右の2冊はすでに紹介したとおりです。下段の3冊は、ヨーロッパ(左)と米国(中央)とオーストラリア(右)の鳥類図鑑です。ヨーロッパと米国の図鑑は、中学生のとき、多分野鳥の会のショップで買ったのではないかと思います。外国に行けもしないのに、背伸びしたものです。オーストラリアの図鑑は、1999年にオーストラリアに行ったときに買ったものです。そのときのオーストラリア旅行は、諸事情により私の中では黒歴史になっているので(笑)、撮った写真もすべて処分したのですが、鳥の図鑑とディジリドゥ(先住民の笛)だけがかすかに旅行の痕跡として残っています。で、具体的にページの中身を並べてみました。左上が今回購入した日本野鳥の会「フィールドガイド日本の野鳥」左下が、40年前の小学館「日本の野鳥」右上が野鳥の会「水辺の鳥」1976年初版(松井虎二郎画)右下は同じ「水辺の鳥」3訂版(谷口高司画)※谷口高司氏は、「フィールドガイド日本の野鳥」増補改訂版でも、新たに追加になった鳥の画を描いています。左上がイギリスとヨーロッパの鳥図鑑右上北米の鳥図鑑左下オーストラリアの鳥図鑑です。北米の鳥図鑑は、ちょっと版ずれしています。日米欧の鳥図鑑がみんな頭を左にしている中で、オーストラリアの図鑑だけが頭を右に描いています。ただし、このページはたまたま右向きですが、ページごとに右向きになったり左向きになったりしています。(それ以外の日米欧の図鑑は全部左向き)で、この中で、同じ鳥の絵を比べて見ました。と言っても、日本、ヨーロッパ、北米、オーストラリアのすべてで共通に見られる鳥は、そう多くはありません。が、いないわけでもありません。いくつかの該当する種の中から、先日葛西臨海公園で見たキョウジョシギ(英名Ruddy turnstone 学名Arenaria interpres)を選びました。野鳥の会「フィールドガイド日本の野鳥」小学館「日本の野鳥」日本野鳥の会「水辺の鳥」1976年初版日本野鳥の会「水辺の鳥」1996年三訂版ハムリン「イギリスとヨーロッパの鳥」ゴールデン「北米の鳥」「オーストラリアの鳥」ページごとに違うので一概には言えないのですが、全体的にはヨーロッパの図鑑がもっとも画が上手いように私には思えます。北米の図鑑は、私が持っている版はが版ずれしていなければね。で、本物のキョウジョシギの写真はこちらです。
2017.05.11
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【台風19号】自民が対策本部会合 「八ッ場ダムが氾濫防止に」の報告も自民党は15日午前、台風19号の影響で広範囲にわたり被害が出ていることを受け、災害対策本部の会合を党本部で開いた。出席者からは、早期の激甚災害への指定や被災地のライフライン復旧を求める声が相次いだ。二階俊博幹事長は会合で「一日も早く(被災者が)元の生活ができるよう、全国各地から情報収集すると同時に的確な対応をしてもらいたい」と語った。群馬県長野原町の「八ッ場ダム」が川の氾濫防止に役立ったとの報告もあった。群馬県選出の国会議員は「民主党政権のときに(ダム建設が)ストップされて本当にひどい目にあった。われわれが目指してきた方向は正しかった」と述べた。---この種の話はネット上でも出ているようですが、「八ッ場ダムが氾濫防止に役立った」というのは、眉につばをつけて聞いたほうがよいという類の話のように思われます。そもそもの前提条件として、ダムは建設に際して巨額の費用がかかることは言うまでもありませんが加えて多くの家が水の底に沈みます。八ッ場ダムの場合は、総工費5000億円以上かかり、340世帯、川湯原温泉の18の旅館と約50の土産物店など、それに48ヘクタールの農地が水の底に沈んでいます。治水のためのダムは、言い換えれば「みんなの家が洪水で水に浸からないように、おまえの家を湖底に沈めろ」と、簡単に言えばそういう理屈になります。であれば、ダムに求められる治水効果は、「ないよりあった方がマシ」程度の曖昧なものであってはならないでしょう。「340世帯の家を湖の底に沈めることと引き替えにしても必要」なほどの明白で大きな効果のあるものなのかどうか、が問われるはずです。国交省関東地方整備局の発表によると、台風19号の降雨により、八ッ場ダムにおいては、総貯留量約7,500万立方メートル、最大流入量約2,500立方メートル/秒を貯め込み、ダムの貯水池は518.8メートルから573.2メートルまで、約54メートル水位が上昇した、とのことです。確かに、一見すごい効果のように見えますが、この間の利根川の流量は、栗橋において毎秒1万1700立方メートルだったと推定されるようです。つまり、八ッ場ダムによって、利根川の流量の2割強がカットできた、ということになります。しかし、いくつかの資料を見ると、利根川の治水計画による最大流量の計画は毎秒2万1千立方メールとのようです。ということは、実はまだ全然余裕がある、ということになります。しかも、先の八ッ場ダムな最大流入量毎秒2500立方メートルというのは、瞬間最大値です。7500万立方メートルの水が貯まるのに要した時間は、11日2時から13日5時までというので、51時間かかっています。割返すと、この間の平均流入量は、毎秒408立方メートルに過ぎません。先に見た今回の台風での利根川の最大水量の5%にも満たない割合、となります。それを明白な効果と言えるのかは大いに疑問です。加えて、全くの偶然ながら、今回八ッ場ダムが一挙に7500万立方メートルもの水をため込むことが出来がのは、たまたまダムの工事は完成し、水の貯留試験が始まったばかり、というタイミングで台風が来たからです。ダムが通常の稼働を始めていたら、貯水量は満水に近い状況であったことが予想されます。(今年、関東の各ダムでは水不足に陥ったことはなく、いずれも台風の直前に充分な貯水量がありました)その場合は、あっという間にダムは満水となり、緊急放流を余儀なくされたはずです。つまり、民主党政権が八ッ場ダムの建設をストップして完成が遅れたことが功を奏した、とも言えるでしょう。もちろん、たまたまの偶然にすぎませんが。これらを考え合わせると、八ッ場ダムの治水効果は、もちろん皆無ではなかったでしょうが、5000億円の工費と340世帯を湖底に沈めることと引き替えにできるだけの明白で大きな効果があった、とは言い難いように思います。ダムの存在価値は治水だけではない、という意見もあるかもしれません。しかし、利根川水系には、すでに8つもダムがあるのです。これからの人口減、経済の下り坂傾向を考え合わせれば、水の需要が右肩上がりで上昇していくなど想定し難いことと言うしかありません。
2019.10.16
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10年ぶりに御嶽山に登ってきました。前回登った2年後に噴火が発生し、その後数年間は入山規制が敷かれていましたが、現在は一定の制約のもと、登ることができます。新宿を7時発の特急「あずさ」で塩尻まで、そこで中央西線の「しなの」に乗り換えて10時半に木曽福島到着、そこからバスでロープウェイ山麓駅へ。木曽御嶽山は東京から遠いのです。ロープウェイの山頂駅より。新宿を7時に出て、ここに着いたのは12時です。昼食を食べて山登りスタートです。ヤマハハコ。ロープウェイの駅近くで咲いていました。2週間前、南アルプスの仙丈ケ岳に登った時はナナカマドの花が満開でしたが、今はもう花は散って実がなっています。1時間程度登ったところで八合目女人堂に到着。御嶽山の山頂はまだまだ先です。イワギキョウがたくさん咲いています。ロープウェイの山頂駅にも咲いていましたが。植生に乏しいゴツゴツした岩山を登っていきます。登った先には・・・・・こちらの山小屋があるのですがなんと、登山道は山小屋の中を通過しています。で、この後雨に降られて、慌てて合羽を着こむとともに、カメラをザックにしまったので、写真はまったく撮影しないまま、3時すぎにこの日の宿泊場所、二の池ヒュッテ(旧称二の池本館)に到着しました。ヒュッテでしばらく滞在していると、雨は上がったので、4時すぎに山頂に向かいました。雨は降っていませんが、濃密なガスの中で視界はありません。山頂直下に到着。3000m級の山頂に忽然と現れた立派な神社。ここは教派神道の一派である御嶽教の聖山です。10年前に来たときは、3000mの山とこの立派な階段、鳥居に驚いたものです。しかし・・・・10年前にはなかったもの、2014年の噴火の慰霊碑です。慰霊碑のとなりには強固なシェルターも設置されています。階段を上って山頂に到着。この天気だし、時間も5時近いので、他に一人も登山者がいません。御嶽神社の社務所。この建物は記憶にあります。2014年の噴火でひょっとしたら損壊したかもしれませんが、修復されています。社務所のとなりに、先ほどのものよりは簡易的ですが、シェルターが設置差反れています。表示によれば、噴火口まで500mだそうです。この視界なのでまったく見えませんでしたが。死者58名、行方不明者5名。ご冥福をお祈りします。二の池。噴火によって景色が一変した場所です。噴火前の2012年には、ここはエメラルドグリーンの水を湛えた、神秘的なたたずまいの池でした。噴火によって水はなくなり、今は茶色と灰色の水なし池です。奥に見えるのが、10年前に登った時に宿泊した二の池山荘(当時の名称は二の池本館)雪渓の周りに少し水はあります。でも、エメラルドグリーンではありません。以下次回に続く。
2022.08.12
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トランプ氏、「手負いの獣」イランに「TACOる」兆候トランプ米大統領は、対イラン軍事作戦が間もなく終結する可能性を示唆することで逃げ道を用意したが、世界は依然として同氏が実際にその出口戦略を実行するのか、そしてイランがそれを受け入れるのかを見極めかねている。原油価格の高騰が世界経済とトランプ氏の政治生命を脅かす中、トランプ氏は9日、対イラン軍事作戦を「ほぼ完了したようなもの」であり「短期的な遠征」にとどまると述べ、発言のトーンを急変させた。だが、対イラン軍事作戦の終結時期やその目的について、依然として矛盾したメッセージを発し続けており、最終的にどのような決断を下すのかは依然として不透明だ。~一部の観測筋は、トランプ氏の対イラン軍事攻撃のスケジュールに関する発言は、トレーダーたちが「TACO(Trump Always Chickens Out、トランプはいつもチキって退く)現象」と呼ぶ動きの証拠だと捉えている。~トランプ氏とその政権は、イランの名ばかりの政権交代を目指すことから、ペルシャ湾岸の石油供給を確保することまで、対イラン軍事作戦の目標を次々と発表してきた。だが、文書上では、イランの核兵器保有阻止、弾道ミサイルと海軍の排除、そして中東における代理勢力の抑制といった中核的な軍事目標が列挙されており、トランプ氏にとっては受け入れやすいものかもしれない。しかし、そのような目標達成による勝利宣言は、イランにトランプ氏が先に屈服したと見なされる可能性が高い。米イスラエルの空爆による甚大な被害にもかかわらず、イランはトランプ氏の9日の発言以降、反抗的な姿勢を強めており、湾岸諸国からの原油供給を遮断すると宣言し、対イラン軍事作戦のスケジュールを掌握していると主張するトランプ氏をあざ笑っている。(以下略)---米軍とイスラエル軍はイランに対して奇襲攻撃をかけ、制空権(航空優勢)を完全に掌握してイラン上空を好きなように飛び回り、また情報面でもイラン側の機密情報は米・イスラエルに筒抜けで、最高指導者のハメネイや軍、革命防衛隊の居場所が易々と突き止められて、早々に殺害されるなど、完全に一方的な展開になっています。が、それにも関わらず、イラン政府やその体制が倒壊する気配は、少なくとも現段階ではありません。イランは米・イスラエル軍の航空攻撃を阻止することはまったくできていないものの、米・イスラエル軍も、イラン軍のミサイルやドローンによる反撃を阻止することはできていません。いや、阻止はしているのでしょうが、すべての迎撃に成功しているわけではなく、中東各国の米軍基地にはイランのミサイルが降りそそぎ、ある程度の被害が生じています。自衛隊元陸将補による今後の予想です。ブルーリボンのバッチをつけているような司会者による番組なので、右翼系ではあるでしょうし、この人の言っていることにすべて賛同するものでもありませんが、軍事の専門家であるだけに、今後の戦争の帰趨についての予測はある程度参考になります。それによると・空爆だけで戦争に勝った戦史はない。・米軍は地上戦をする気はないし、地形と兵力差から、地上戦で勝てる見込みもない。・米軍のミサイルの備蓄は多くないので、枯渇してきた頃にイランは温存しているミサイルを使って大反撃に出るだろう。・イランのミサイルは米国本土には届かないので狙うのはイスラエル。・大量のミサイルが降り注ぎ、イスラエルが存亡の危機に陥るかもしれない。イスラエルが核で反撃する可能性がある。・それはさすがに米国が止めるが、その結果、米国はイランに大幅譲歩を強いられるだろう。・・・・当たるかどうかは分かりませんが、一理ある予測とは思います。ただ、米国がイスラエルを止められるでしょうか?トランプ自身が狂っていると私などは思っているのですが、今のイスラエルもやはり狂っているとしか私には思えません。狂っているトランプが狂っているイスラエルを止められるのか、疑問を禁じえません。万が一にもイスラエルが核兵器を使うようなことがあれば、イランも大量破壊兵器で反撃する可能性があります。ここでいう大量破壊兵器とは、化学兵器です。イランは化学兵器禁止条約に加盟しており、化学兵器は持っていないはずですが、保有を疑われています。もっとも、あれだけイランの機密情報が筒抜けになっている中で化学兵器に関する話が出てこないので、保有していないのかもしれませんが。ただ、製造できる技術と設備、原料があるのは間違いありません。従って、作ろうと思えば短期間で製造できるでしょう。もちろん、先制使用などしたら、確実にイスラエルから核による報復を受けるので、先制使用はしないでしょうが、逆に言えば万が一にも核攻撃を受けた場合は、もはや化学兵器をミサイルに搭載することをためらう理由はなくなります。そんなものの応酬になったら、犠牲者数は数十万人に及び、またそれ以降世界中で核使用に対する敷居は低下するのは確実であり、そうなることは世界のほとんどの国にとって(日本にとっても)困った事態となります。というわけで、そんなことになってほしくはありませんが、果たしてどうなるのでしょうか。少なくとも、このまま米国が一方的に勝って戦争が終わる、という可能性は、まずないでしょう。
2026.03.11
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米イランが土壇場で停戦合意、双方が勝利を主張米国とイランは、ドナルド・トランプ大統領が設定したイランの発電所や橋などへの攻撃の猶予期限である米東部時間7日午後8時のわずか1時間前に、2週間の停戦に合意した。これによりイランはホルムズ海峡を一時的に開放する。両国共に、1か月以上にわたる交戦で勝利したのは自国と主張した。この戦いは世界の金融市場を混乱させ、原油価格を急騰させた。トランプ氏はAFPの電話インタビューに応じ、停戦合意は米国にとって「完全な勝利」だと述べた。イランも停戦を勝利と位置づけ、交戦終結に向けた協議を10日にパキスタンで開始することで米国と合意したと発表した。イラン国家安全保障最高評議会は声明で、「敵は、イラン国民に対する卑劣で違法かつ犯罪的な戦争において、紛れもない歴史的かつ壊滅的な敗北を喫した」「イランは偉大な勝利を収めた」と述べた。米ホワイトハウスはイスラエルも停戦に同意したと発表したが、イスラエル首相府は、停戦合意にレバノンは含まれていないと強調した。(以下略)---現時点では2週間の停戦なので、そのまま戦争が終わると確定はしていませんが、何とか戦争が終わってほしいものです。以前に記事を書いたように、このまま戦争が続き、ホルムズ海峡が通過できない(日本政府がかたくなにイランとの個別交渉に応じようとしない)ままでは、日本が経済的に破綻する可能性がありました。米国・イスラエルもイランも、戦争終結に応じそうな気配がありませんでしたから、下手をすると年単位で戦争が続く(膠着状態で戦闘が下火になっても、ホルムズ海峡封鎖は解かれない)ことを危惧していました。安心するのはまだ早いですが、どうやらそんな事態にならないで済みそうです。まあ戦争が終わってくれるなら、どちらが勝ったかはどうでもよいのですが、とはいえ、客観的に見ると、「米国は戦闘に勝って戦争にはボロ負けした」のは明らかです。純軍事的には、米・イスラエル軍はイラン側を圧倒し、イラン上空を自在に飛び回り、爆弾とミサイルの雨を降らせ、標的とした軍事目標の破壊、要人の殺害にほとんど成功しています。ただし、イラン側の弾道ミサイルとドローンによる反撃も熾烈でした。米イスラエル側も大き損害を受けてはいます。とはいえ、双方の受けた損害比較なら、そりゃイランの方が圧倒的に大きな被害を受けているはずです。人的被害もそうです。しかし、戦争の勝敗という意味では逆転します。米・イスラエルは戦果では圧倒しながら、戦争目的は何も達成できていません。ハメネイや多くに要人は殺害しても、イランの政治体制はびくともせず、ホルムズ海峡封鎖によって世界経済を人質に取られ原油価格の高騰を招いているのが今の状況です。で、結局米国は発電所や橋への攻撃の最後通牒を何度も延期した挙句、イラン側の提示した和平への10条件をトランプか受け入れて、とりあえず2週間の停戦となったのが今の状況です。その10条件とは、BBCが引用するイラン国営放送の報道によれば・イラク、レバノン、イエメンにおける戦争の完全停止・期限を設けない、イランに対する戦争の完全かつ恒久的な停止・湾岸地域におけるすべての紛争の全面的な終結・ホルムズ海峡の再開・ホルムズ海峡における航行の自由と安全を確保するための協定および条件の確立・イランに対する復興費用の補償金の全額支払い・イランへの制裁解除の完全な履行・アメリカが保有するイランの資金および凍結資産の解放・イランがいかなる核兵器の保有も求めないことへの全面的な確約・上記条件が承認され次第、すべての戦線で即時に停戦を発効することだそうです。要するに、イランがホルムズ海峡封鎖を解除し、核兵器開発を完全に放棄するなら、米国はイランへの制裁と資産凍結を解除し、補償金を払って戦争はおしまいにする、要約すればそういう内容の提案です。しかし元々、戦争前はホルムズ海峡は自在に通航できていました。戦争前に戻るだけのことです。そして、核兵器開発の放棄と制裁、資産凍結の解除は、トランプ自身が「生ぬるい」と破棄してしまった核合意と同じ内容です。つまり、イランは何も譲歩していない、単純に2015年の核合意が成立した段階まで戻れと言っているだけです。一方のトランプは、自分が破棄した核合意の復活を求められているわけです。ましてや、補償金の支払いは、明らかに負けた側が勝った側に対して行うものであることは明らかです。しかも、一説には「ホルムズ海峡における航行の自由と安全を確保するための協定および条件の確立」にはホルムズ海峡の通行料を新設して、それをイランと対岸のオマーンで折半する内容が含まれるのではないか、との説があります。現時点ではこの項目がそのような内意を含むのか私には分かりませんが、これが事実なら、尚更「イランの勝ち」です。勿論、この内容で決着したわけではありませんが、トランプはこの10項目を「交渉の基盤となる」と言っています。この内容が「たたき台」だとトランプ自身が言っているのだから、トランプの負け前提での交渉スタートということになります。とはいえ、世界は、この狂人の無謀な戦争と日々変わる言動に振り回されて、多大な経済的損失をこうむりました。そんな狂人に、媚を売って売って、売りまくって、骨の髄まで属国根性を見せつけた、とこかの国の首相がいました。しかし、その挙句にトランプに「日本は我々を助けてくれなかった」と言い放たれ、あれだけ媚びを売った効果が何一つなかったことを露呈する結果となりました。この人のかじ取りで日本が破滅する前に戦争が終わりそうであることは、不幸中の幸いです。
2026.04.08
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イラン「ホルムズ海峡を再封鎖」 レバノンでの停戦違反と非難イラン革命防衛隊は20日の声明でホルムズ海峡が「全ての船舶に対して封鎖された。接近してはならない」と主張した。国営テレビが報じた。イラン軍事当局は、米国やイスラエルが戦闘終結に向けた覚書合意に違反しているとして非難した。レバノンでの停戦は米イランの交渉入りの条件だったが、イスラエルとレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラの交戦が激化し死者が多数出ていた。米政府当局者によると、双方は19日に停戦で合意したが、停戦発効後も応酬が続いていた。停戦発効後の20日、イスラエル軍がレバノンの東部や南部を攻撃し、レバノン兵を含む計17人が死亡した。レバノンの国営通信が報じた。ヒズボラは20日の声明で「イスラエル軍に応戦した」と主張。イスラエル軍は「停戦を順守する姿勢は維持する」としつつ「攻撃には断固として対応する」と警告した。米イランは軍事作戦終結を含む覚書に正式署名し、18日に60日間の交渉期間に入った。19日にスイスで協議を予定していたが延期。アクシオスはイスラエル軍とヒズボラの交戦が理由だと伝えた。---米国とイランが停戦合意して、やっと戦争が終わった・・・・・と、思いきや、これに不服のイスラエルがレバノンに対する攻撃を続けていることから、イランはホルムズ海峡を再封鎖すると宣言してしまいました。というわけで、依然としてホルムズ海峡をタンカーが自由に出入りできる状態にはなっていません。いや、もういい加減にしてくれ、と思うのですが、こればかりはどうにもなりません。おそらく、依然として日本関係のタンカー等はほとんどペルシャ湾に出入りすることができない状態のままでしょう。そして、それを米軍がこじ開けることは不可能です。先の合意内容にしても、今回の再封鎖にしても、一連の米イラン戦争でどちらが勝ち、どちらが負けたのか、実に明白です。合意内容を見ると1.米国・イラン・両国同盟国がレバノンを含めて即時停戦とレバノンの領土保全と主権を確保。2.相互の主権と領土保全、互いの内政不干渉。3.60日以内(延長可)に最終合意を交渉し、達成。4.米国はイランに対する海上封鎖、妨害行為や障害の除去に着手し、30日以内に終了。米国は最終合意後30日以内にイラン周辺から自国の部隊を撤退。5.イランはペルシャ湾~オマーン湾の商船の安全な通航を60日間に限り無料で確保。イランは、他の沿岸諸国と協議し、ホルムズ海峡の管理と海事サービスついてオマーンと対話。6.イランの復興と経済開発のため、3000億ドル以上の復興支援。7.イランに対するあらゆる種類の制裁を解除。8.イランは、核兵器を調達も開発もしない。備蓄された濃縮物質は希釈。9.最終合意までの間は現状維持。イランは核開発計画の現状を維持し、米国は新たな制裁、追加部隊の展開をしない。10.制裁解除までの間、イラン産原油、石油製品等の輸出、銀行取引、保険、輸送等全ての関連サービスについて制裁の適用除外。11.イランの資金および資産の凍結・制限を解除。交渉中にこれらの資金を解放。12.本覚書の履行と順守を監視するため、執行メカニズムを設置。13.第1・4・5・10・11項の開始・継続を条件として最終合意についての交渉を開始。14.最終合意は拘束力を持つ国連安全保障理事会決議によって承認。といった内容となっています。イラン側に課されているのはホルムズ海峡封鎖解除と、核開発放棄。それに対して米側に課されているのは、米側のイラン封鎖解除、3000億ドルの復興援助、制裁解除、資産凍結解除です。戦争に勝って、敗戦国政府が倒壊した後に、戦勝国が敗戦国の新政府に資金援助を行う例は過去にもありますが、交戦相手の政府が倒壊もせずそのまま存続しているのに、「戦勝国」が金を払うなんて話は、過去に聞いたことはありません。賠償金は負けた政府が勝った政府に対して払うものです。この一事をもってしても、どらが勝ってどちらが負けたかは明白です。しかも、イラン側はなお、このように米国に対して「イスラエルに言うことを聞かせられないなら、停戦なんか実行しないぞ」と脅しをかけることができています。それだけ余裕がある(実際には、イランだってギリギリ限界で、余裕なんてないと思うので、余裕があるそぶりが見せられる、という方が正解でしょうが)。更にびっくりなのは、ペルシャ湾の商船の通行を「60日間に限り無料で確保」という条項です。それを言いかえれば、将来は通行料を取って構いません、ということです。そもそもトランプ自身が「イランが通行料を取ったって構わない」的なことを放言していましたが、それが反映した形です。高市政権は、ペルシャ湾内に取り残されている日本関係の商船のホルムズ海峡通過について、「通行料は払わない」という原則を叫んできました。高市応援団の連中も「イランに通行料を払ういわれはない、払うな」の大合唱だったわけですが、61日後以降、いったいどうするつもりなんでしょうか。もちろん、イランが実際に通行料を徴取するかは分かりませんが、そのつもりがあればいつでも「停戦合意に基づいて通行料を取ることにしました!」と言えるわけですが、それでも通行料を払わない(ペルシャ湾を日本関係商船に通過させない)つもりなのかどうか、あるいは実質的に禁輸が解除されたイラン産の原油の輸入を再開するつもりがあるのかどうか、今後の展開が非常に注目されるところです。今の日本政府にとって、日米安保が大事だ、ということは(賛成はしませんが)分かります。しかし、石油もまた、現代文明を維持するためには絶対必要不可欠なものです。日米安保と石油とどちらが大事か、なんてことを天秤にかける必要性は、これまではあまり生じてこなかったものの、1979年のイラン革命以来、米国とイランは完全な敵対関係ですが、それを尻目に日本はイランとある程度近しい関係を維持して、石油を大量に輸入し続けました。つまり、日米安保に重大なヒビを入れない範囲内ではあれ、石油の安定供給のために米国のお眼鏡にはかなわないことをやってきたのです。しかし、高市政権は、石油の安定供給という現代文明の根本にかかわることでさえ、米国の言いなりになっています。米国と言ったって、2年後には変わっているトランプの意向に過ぎないわけですが。イタリアでは、元々トランプと親密な極右であるメローニ首相が、トランプに反旗を翻しています。しかし高市には、その気配はありません。いくら同盟国と言ったところで、同じ国ではない他国です。利害が一致しないことが必ず生じます。小さな事ならともかく、石油の安定供給という、国家の存続の根源を揺るがすことについてまで、常時相手国の言い分に常に従うのであれば、それは「同盟国」ではなく「宗主国と属国」の関係でしかない、ということです。
2026.06.21
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大雪山の写真を連載している途中ですが、それを中断して別の話題です。(北海道つながりの話ではありますが)妊娠した国会議員に「職務放棄」の非難 働く女性が妊娠することへの批判か、恵まれた待遇へのやっかみか鈴木宗男氏の長女、鈴木貴子衆議院議員は7月12日、自身のブログで第一子妊娠を報告した。しかし後日、このブログの投稿について「職務放棄ではないか」「任期中の妊娠はいかがなものか」などの批判が届いていると明らかにした。鈴木氏は14日のブログで「多くのコメントやメッセージを頂いておりますが中には正直、簡単に受け入れられない、もしくは受け入れることは如何なものか、というコメントもあります」と述べ、「だから女性議員っていうのは……」「任期中の妊娠はいかがなものか」「一旦辞職すべきだ」「職務放棄ではないか」との声があったと紹介。「国民の代表としての責任、公人としての立場もあります。しかしながら、女性が妊娠することがそれらを放棄している、という考えには、私は承服しかねます」と、寄せられる誹謗中傷に反論した。鈴木氏のブログのコメント欄には、同氏が言及したような内容の書き込みは見当たらない。不適切な内容のコメントを表示しないよう承認制になっていると思われる。ただ、ツイッターでは僅かながら、「妊娠してそのまま仕事するならなんだって構わないと思うけどそうじゃないなら無責任だと思うね」「批判する側の言い分も分かる。だって任期あるのに仕事に支障出るわけじゃん」などの意見が見られていた。2日に行われた都議選でも、都民ファーストの会から出馬した妊娠中の候補者に一部で批判の声が上がり、当時会の代表だった小池百合子氏が応援演説で反論する一幕があった。鈴木議員の妊娠に冷ややかな目が向けられたのは、女性が仕事と妊娠・出産を両立させることへ理解が浅いことも理由だが、もう一つ、議員という立場ならではの事情もあるのではないだろうか。民間企業で産休を取得する場合、その多くが無給だ。~一方で議員の場合、出産を理由に議会を欠席しても議員報酬が減額されることはない。衆議院事務局が「議員である限り任期終了まで支払われます」と言うように、報酬は全額支払われる仕組みになっている。---私は、民主党を離党して自民党に走った鈴木貴子という議員に対して好感を抱くことは、まったくできません。が、主義主張や政治的行動への賛否の問題は別にして、女性議員が議員の任期中に妊娠、出産することに、何か問題があるでしょうか。そのことを、引用記事にあるように批判する人の神経というのは、まったく理解できないものがあります。そもそも、女性議員の妊娠、出産は過去に例のないことではありません。共産党の吉良よし子参院議員、自民党の金子恵美議員(夫の宮崎謙介が不倫騒動で名をはせてしまった)などが議員在任中に出産しています。これらの議員に関しても、出産に対し果てそのような批判はあったのでしょうか。私には分かりませんが、少なくとも新聞記事に大きく取り上げられるようなことはありませんでした。あるいは、たまたま取り上げられなかっただけで、これらの議員の例でも同様の批判はあったのかもしれませんが。確かに、引用記事にあるように、一般企業では育児休業は無給か、そうでなくても給料は減額されるのに、議員は歳費を満額もらえる。不公平ではないか、という感情は分からないこともありません。しかし、一般企業は育児休業明けに復職できる権利が保障されていますが、議員の場合、選挙で落選してしまえば、ただの無職ですから、何の権利も保障されません。そして、育児休業に関して有権者の反感が強ければ落選の可能性が高まる、そういう条件の下での育児休業ですから、そう一方的に批判すべきものであるようには、私には思えません。世は少子化が言われています。そういう中で、子どもを産もうという女性に対して(それが議員であれ誰であれ)こういう態度をとることは、少子化の解決にまったく寄与するところがないと私は思います。ただ、鈴木貴子がそのような批判を浴びる背景には、もう一つの理由もあるのではないか、という気がします。周知のとおり、鈴木貴子は父親の鈴木宗男が汚職で有罪が確定して公民権が停止されていた間に、その身代わりとして立候補して当選しました。そして、公民権停止が解けた鈴木宗男は、おそらく次の選挙で鈴木貴子に代わって立候補するのでしょう。鈴木貴子は、立候補しないか、立候補しても地盤は父親に譲り比例順位も父親が上、つまり当選の可能性は宗男に譲る形になるのでしょう。もしかしたら、そのための地ならしとしての妊娠かもしれません。もしそうなれば、鈴木貴子は完全に父親の操り人形として、その不在期間の代理をつとめていただけ、ということになります。「政治家」としての自立的な判断も行動もないまま、父親の復権とともに議員を退く、そのためのツールとして妊娠があるのならば、妊娠したことではなく、そもそも政治家になったことについて、辛らつな批判が浴びせられるのもやむを得ないところだろうな、と思います。
2017.07.22
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