inti-solのブログ

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2011.01.11
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テーマ: ニュース(100306)
カテゴリ: その他
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110111-00000076-san-soci



天皇陛下に敬称を付けず“呼び捨て”の記述が文部科学省の教科書検定をパスし、今年4月から小学校6年生の教科書として供給・使用されることが10日わかった。巻末の用語の索引に「天皇」を盛り込まなかった教科書もあった。天皇、皇后両陛下はじめ「皇室軽視」の傾向はこれまでも教科書でみられたが、学習指導要領では「天皇への理解と敬愛の念を深める」よう求めている。専門家からは「指導要領の趣旨が教科書に十分浸透していない」との批判の声が上がる。
敬称がない表記があったのは、小6社会の教科書。文科省の検定を通過した4出版社のうち教育出版と日本文教出版、光村図書の教科書が、陛下ご自身が写った写真を説明する際に「文化勲章を授与する天皇」「インドの首相をむかえた天皇」と表記していた。
2つの教科書を出す日本文教出版は、別の教科書でも天皇、皇后両陛下の写真説明を「福祉施設を訪問される天皇と皇后」と表記。「される」と敬語はあるが敬称はなかった。
「天皇」という地位自体の説明は、憲法や法律、指導要領でも敬称を付けずにただ「天皇」と記述し、新聞や出版物も同様。しかし、陛下ご自身の行動や表情などを伝える際には必ず敬称をつけるのが一般的。
しかし、教科書は陛下に敬称がなく、一方で一般国民や外国人らの名前には「被爆体験を持つ○○さん」「緒方貞子さん」(元国連難民高等弁務官)などと敬称があった。
東京書籍は“呼び捨て”はないが、教科書の重要語を並べた巻末索引に「天皇」はなし。一方で「内閣総理大臣」「ユニバーサルデザイン」などはあった。
過去の小中高の教科書でも「仁徳天皇陵」の記載が括弧書きや「大仙陵古墳」「大山古墳」「仁徳陵」として検定をパス。「皇太子明仁」の記載が「明仁皇太子」となったり、皇后陛下を「正田美智子」とした記載がパスしたことがあった。
皇室や教科書問題に詳しい高崎経済大学の八木秀次教授は「憲法上の『天皇の地位』は、重い。国民の敬愛を受ける存在で、教科書では敬称を付けるべきだ」と話すが、文科省は「教科書記述の内容に誤りがあるわけではない」とする。


産経の狂信ぶりが露骨に現れた、かなり笑える記事です。
「陛下」を付けないと「皇室軽視」なんだそうです。あまりに馬鹿馬鹿しい。
「天皇」というのは肩書きです。まあ、天皇家の一族に生まれた長男は、天皇になることが生まれたときから決まっている(それでも、即位する前に亡くなることだってあるんだから、確定した事実ではないけれど)という特殊な身分ではあるけれど、それでも、天皇という名前の人間がいるわけではない。
そうである以上、天皇にいちいち「陛下」という尊称を付けるのは、好みの問題でしかありません。
普通に考えて、「インドの首相をむかえた天皇」という表現は何の問題もない、それどころか、「インドの首相をむかえた天皇陛下」という表現では、むしろインドの首相にたいしてどうなのかとおもいますよ。それなら「インドの首相閣下を迎える天皇陛下」にしなくては。少なくとも実際に天皇と外国首相が会見する場で、「天皇陛下」と「××国首相」なんて失礼な言い方はしていないでしょう。もっとも、教科書で首相に「閣下」などといちいち表記することはあり得ないですから、そうしたら「首相と天皇」って書くしかない。

「一般国民や外国人らの名前には「被爆体験を持つ○○さん」「緒方貞子さん」(元国連難民高等弁務官)などと敬称があった。」これも馬鹿馬鹿しい話。天皇というのは肩書きです。たとえば、「首相」「大統領」「議員」「大使」「社長」「部長」「選手」「提督」「党首」・・・・・・・・何でもいいのですが、これらの肩書きは、基本的に敬称がそこに含まれているものと扱われます。首相を、儀礼の場では首相閣下と言いますが、それ以外の場では、いちいち「閣下」なんて付けないし、まして「首相様」「首相さん」なんて言いません。しかし、肩書きではなく、その人の氏名そのものに対しては、敬称を付けることもある。
菅首相さんとは言わないけれど、菅直人さんと呼ぶことは不自然ではない。従って天皇という肩書きには尊称を付けず、何の肩書きもない一般人の名前にさん付けをするのは不思議なことではありません。緒方貞子が現職の国連難民高等弁務官だったら、「緒方弁務官さん」とは書かない。

※ちなみに、このブログでは原則的にはどんな人名でも、「論」として人名を挙げるときには原則として呼び捨てにしています。たとえ尊敬する本多勝一だろうと、もちろん直接お会いする場合は必ず「本多さん」ですが、論として名前を書くときは本多勝一。ただ、時々この原則どおりにはならないこともありますけれど。

「過去の小中高の教科書でも「仁徳天皇陵」の記載が括弧書きや「大仙陵古墳」「大山古墳」「仁徳陵」として検定をパス。」
→それのどこが問題なんでしょうか。歴史についてちょっとでも知識があれば、「仁徳天皇陵」と呼ばれている(宮内庁がそう主張している)古墳が、本当に仁徳天皇の古墳である可能性はかなり低い、ということは誰でも知っている話ですが。「社会科」の教科書は「神話」の教科書じゃないんだから、こんなものを注釈もなく、ただ仁徳天皇陵と書いたら、その方がよほど時代錯誤的です。

八木秀次のコメントも凄いです。「憲法上の『天皇の地位』は、重い。国民の敬愛を受ける存在で、教科書では敬称を付けるべきだ」だそうですが、「天皇の地位」と呼び捨てにしたその口で「教科書では敬称を付けるべき」って・・・・・・。まあ、記者の要約のせいかもしれないですけれど。国民の敬愛を受ける存在というのも、敬愛ってのは感情の問題なんだから、「敬愛を受ける存在であるべき」というなら分かるけど、こういう決めつけは空しいだけというものです。






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最終更新日  2011.01.12 00:53:08
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