inti-solのブログ

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2011.01.28
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テーマ: ニュース(100804)
カテゴリ: その他
何でこうなるのかなと思うのですが、口蹄疫、鳥インフルエンザに続いて、宮崎県で火山の噴火です。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110128-00000000-maiall-soci

<新燃岳>火口付近で火砕流 52年ぶり爆発的噴火

鹿児島、宮崎県境にある霧島山系新燃(しんもえ)岳(1421メートル)の噴火で、火口付近で火砕流が起きていたことが分かった。27日、宮崎県高原町であった霧島火山防災連絡会コア会議の後、鹿児島大学の井村隆介准教授(火山地質学)が明らかにした。井村准教授は「さらに大きな噴火が起きる可能性がある」と警戒を呼びかけており、両県は同日、災害警戒本部を設置した。
上空調査に同乗した井村准教授によると、火口から北西以外のほぼ全方向へ火砕流の跡が確認された。
新燃岳は、27日午後3時41分、爆発的噴火(爆発)を観測した。爆発は52年ぶりで、噴煙はその後最高で火口から約3000メートル立ち上った。噴煙量から中規模な爆発的噴火という。
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霧島山系で噴火というと、石黒曜の「死都日本」という小説を連想してしまいました。まさしく、霧島山系で超巨大噴火が起こり、南九州が壊滅する、という内容です。火山の噴火で南九州が壊滅するとは、一見大げさな話に感じますが、実際には決して大げさな話ではありません。霧島は実は加久藤盆地を囲む巨大カルデラの一部なのですが、この加久藤カルデラは、実際に30万年以上前に、100立方キロもの噴出物を伴う巨大噴火を起こしています。このときの火砕流は、鹿児島県と宮崎県の広範囲に広がっています。
更に巨大な噴火は同じく九州の阿蘇山で9万年前に起こっており、その噴出物は600立方キロ、火砕流は九州の半分を埋め尽くし、更に海を越えて山口県にまで達しています。今同じ噴火が起これば、死者は500万人以上、いや1000万人に達するかも知れません。

ま、不幸中の幸いというか、今回の新燃岳の噴火が、そういう巨大噴火に匹敵する事態になる可能性は、目下のところありません。 毎日新聞の報道
もっとも、地震の規模と災害としての規模は必ずしもイコールとは限りません。噴火としてはごく小規模でも、火砕流の下る先に人口密集地があれば、大惨事になる可能性があるわけですから。そういう意味では警戒を怠るわけにはいかないようです。

YouYubeに噴火の瞬間の映像がいくつかアップされています。一番迫力があるのは、以下の2つの映像です。





後の方の映像では、火砕流が起こっているところが写っています。火砕流の瞬間にカメラが振られてしまっているのがちょっと惜しいですけれど。画面上では豆粒のように見える火山弾が飛び散っていますが、落ちた先の森林の樹木の大きさとの対比で考えると、豆粒どころではない、数十センチか、下手すると1メートル以上あるような溶岩がポンポンと飛び散っているのです。

もとは、↓こんなにきれいなカルデラ湖を抱いた美しい火口だったそうですが。

新燃岳火口

もう、この美しい姿には二度と戻らないんでしょうね。





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最終更新日  2011.01.30 09:05:06
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ここは大きな火山島  
楚星蘭三 さん
<火山の噴火で南九州が壊滅するとは、一見大げさな話に感じますが、実際には決して大げさな話ではありません

確かにね。日常生活していると忘れがちですが、こういうことが起きると、あらためて自分が火山の島の上に暮らしていることを実感します。
シラス台地など、まさしく火山灰が堆積して土壌を形成しているわけですし、温泉や地下水など、広い意味での火山活動の恩恵も日ごろ受けているわけですが…
有史以来でも何度か噴火災害が記録されていますし、外国の例ではポンペイやアトランティス伝説のもとになったと言われるサントリーニ島など、局地的ながらひとつの文明活動が壊滅した例も、歴史上多くありますからね。

inti-solさんが紹介しておられる阿蘇のカルデラは、他地方の方には大きさが実感しにくいと思いますが、数年前の合併前は、その9万年前の噴火の跡に6町村が立地していました。

前どこかで聞いたたとえでは、地球誕生から現在までを1年間に例えると、ヒトの進化の全過程は「紅白歌合戦」、農耕文明の成立以降の歴史は「ゆく年くる年」が始まってからの時間に収まってしまうそうです。その尺度でいうと9万年といっても「最近」ですし、有史以来噴火がない、といっても、ちょっと一休み、程度かもしれません。

ま、阿蘇や桜島みたいに日常的に噴火噴煙を続けている山は、エネルギーを小出しにしている分逆に大丈夫かもしれません。関東の近くにある(標高では)日本最大の旧火山はどうなんでしょう? (2011.01.30 22:13:47)

Re:ここは大きな火山島(01/28)  
楚星蘭三さん

>確かにね。日常生活していると忘れがちですが、こういうことが起きると、あらためて自分が火山の島の上に暮らしていることを実感します。

東京にも、箱根と富士山という二大巨頭がありますけどね。関東ローム層なんて、厚さ十数メートルの火山灰土が、下半分は箱根、上半分は富士山の火山灰ですから、積もった当時はどんな噴火だったのだろうと思います。そして、その関東ローム層に中に、阿蘇の九万年前の火山灰もはっきりと残っています。厚さ数ミリですけれど、風雨で飛ばされたり、その後で積み重なった火山灰の重みで圧縮された結果の数ミリですから、降った当時の厚さはおそらく十センチ以上だったろうと思います。1000kmも離れた関東でそれだけの火山灰が積もったのですから、噴火の規模がどれほどのものか分かります。

>温泉や地下水など、広い意味での火山活動の恩恵も日ごろ受けているわけですが…

そうなんですよね。

>関東の近くにある(標高では)日本最大の旧火山はどうなんでしょう?

はい、あれは地質年代的に見れば、立派に活火山で、いつ噴火してもおかしくはありません。しかも、以前の記事で書いたことがありますが、少なくとも有史以降の噴火に関して言えば、富士山の噴火は必ず東海/東南海/南海地震と連動しています。大地震が起こると必ず富士山が噴火するわけではありませんが、富士山が噴火するときは必ず大地震がある、とは言えます。つまり、ある意味では富士山の噴火のみを警戒することは意味がない、とも言えるわけですが・・・・・・。

報道によると、新燃岳に蓄積されたマグマの量は、約700万立方メートルだそうです。立方キロでいうと、0.007立方キロ。それが全部噴出しても、記事に触れたような超巨大爆発と比べれば豆粒のようなものですが、それでも地元の住民にとっては、甚大な被害がありますからね。 (2011.01.30 22:36:45)

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