inti-solのブログ

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2012.05.07
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維新の会、条例案提出を撤回 「偏見助長」など批判受け


条例案を推進していた維新の辻淳子市議によると、条例案の文案は4月下旬、「親学」を提唱する高橋史朗・明星大教授から資料として提供を受けたという。辻氏らは1日、条例案の原案として提示。市議団の美延映夫幹事長は報道陣に「5月議会への提出を目指す」と表明していた。

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「親の愛情不足が発達障害の要因」というのは、あまりにむちゃくちゃな理論です。ちょっとでも考えればそんなのおかしいと気がつくはずなのに、こんな発想をそのまま条例案として発表する以前に、誰か「これは違う」とストップをかける人が維新の会内部にいなかったという事実に驚きます。

まれに、「自閉症」を引きこもりと混同している人がいます。両者はまったく異なった概念です。自閉症は脳の機能障害であり、その原因は先天的です。発達障害も、自閉症と同様脳の機能障害であろうと言われています。ただ、我々人類はまだ、自分たちの脳の機能についてごくわずかしか知りません。脳のどの部分の機能障害が自閉症につながっているのかはよく分かっていません。
この条例案は、どう考えても自閉症(発達障害も)を引きこもりと混同してしまうようなノリで作られているように見えます。あまりにレベルが低い。

それにしても、「伝統的子育て」というのが具体的にどういう内容を意味するのかは知りませんが、1人の女性が生涯に5人も6人も子どもを産んでいた時代と、1人かせいぜい2人の現在で、子育てのスタイルが同じにできるはずがありません。もちろん、「伝統的子育て」によって発達障害が減るということはあり得ないでしょう。
確かに障害者(児)は増えています。しかし、これは二つの要因があります。一つは、医療の発達によって、昔は生き残ることができなかった重度の障害児が生き残るようになってきたことです。
そしてもう一つは、昔は「障害」とは認知されていなかった軽度の発達障害が、社会の発展や教育水準の向上によって障害者と認知されるようになったこと、です。識字率が5割にも届かないような社会だったら、読み書きができない発達障害なんてのは、障害にならないのです。
昔話に出てくる「ちょっと頭の回らない人」なんてのは、今の時代に連れてくれば、おそらくは発達障害とか軽度の知的障害ということになるだろうと思われます。
従って、医療水準や教育水準を昔に戻すというのでない限り、「伝統的子育て」だろうが「近代的子育て」だろうが障害者の発生はまったく変わりません。






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最終更新日  2012.05.07 23:03:34
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