inti-solのブログ

inti-solのブログ

2012.09.06
XML
カテゴリ: 災害
「もんじゅ廃炉、とんでもない」 石原知事が視察


「もんじゅ」の長期運転中止について記者団に問われた石原知事は、「誰がつくった手続きか知らないが、そういったものを簡略化、スピードアップするのが政治家の責任」と批判した。今後の原発新設については「半分本気で東京に造ったらいいよ」と語った。

----

高速増殖炉「もんじゅ」の問題点については、 以前にも記事を書いた ことがあります。
実質7ヶ月間の運転で大きな事故が2回ですから、非常に効率の事故発生率です。通常の原発だって危険ですが、高速増殖炉の根本的な問題は、冷却材にナトリウムを使っているという点です。金属ナトリウムは空気や水に触れただけで発火します。つまり、何らかの事情で冷却材が配管から漏れ出すと、それだけで火事になってしまうのです。事実、1995年に、「もんじゅ」はナトリウム漏れによる火災事故を起こしています。このとき発火の原因になったナトリウム漏れは、原子炉本体ではなく二次冷却系からのものなので、放射能漏れはありませんでしたが、鎮火までに2時間以上を要し、鋼鉄の床が高熱で解け落ちていたことが後で分かっています。

地震でもなんでもないときに起こったナトリウム漏れでも、これほど鎮火に手間取るのです。
一応、原子炉は窒素を充填した部屋に置かれているので、漏れ出しても発火はしない設計になっているそうです。しかし、二次冷却系はそうではありません。だから火災事故が起きた。「平時」の火災事故でさえ、鎮火に何時間もかかっているのに、地震で混乱状態のときに火災が起きたら、事態はかなり絶望的に思えます。
仮に直接的には原子炉内のナトリウムが漏れなくても、二次冷却系のナトリウムが発火して、それが鎮火しなければ、原子炉本体にも危機が及ぶでしょう。
水をかけて消すことができない、というのは、なかなかに決定的な問題です。
冷却材が漏れ出すリスクがどの程度あるか、という点も問題です。福島第一原発の事故でも、東電の公式見解によれば、津波によって始めて事故が起きたということになっていますが、地震の直後から配管からの水漏れがあったという証言があります。新潟中越沖地震でも、柏崎仮羽原発で冷却水の水漏れはありました。その他にも冷却水漏れ事故は(あってはならないことではありますが)時々起こっているのが現状です。それらの冷却水漏れ事故が、高速増殖炉だと、そのまま火災事故に直結してしまう可能性が高いのです。

だから、原発先進国で地震のない国であるフランスでさえ、高速増殖炉からは撤退しました。地震のある日本で、こんな軽水炉以上に危険な原発がトラブルなしに維持なんて、人類の能力を超えると私は思います。

そんな「もんじゅ」を廃炉にするな、早く動かせと我らが都知事は言うのです。滅茶苦茶な話です。何があっても、「もんじゅ」だけはは動かしてはいけない。他の原発は動かしていいというわけではないけれど、特にもんじゅは危険すぎます。そして、それを動かせと公言する石原慎太郎も、やはり危険すぎます。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2012.09.06 23:39:54
コメント(4) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: