inti-solのブログ

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2012.09.17
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テーマ: ニュース(95887)
カテゴリ: 対中・対韓関係
私が富士山に登っていた間に、日中関係は緊迫の度を増し、中国では反日デモが頻発し、それが暴動化して手が付けられない状況になっているようです。



「まるで強盗団だった」
山東省青島で15日、日系のスーパーや工場を襲ったデモ隊を目撃した中国人男性は、こう声を震わせた。襲撃されたパナソニックグループなどの工場は、一夜明けた16日、放火ですすけた建物や、壊された機械類が無残な姿をさらしていた。
複数の目撃者らによると、15日午前11時ごろ、デモ隊は、郊外にあるジャスコ黄島店内で破壊、略奪を開始。1時間後、リーダー格の男が「次は保税区だ」と叫んだ。外資系の工場が集まる保税区には、パナソニックグループの電子部品工場など日系企業が入居している。
ジャスコを出たデモ隊はまず2キロ先の日系工場を襲撃した後、午後2時頃、さらに2キロ先のパナソニック工場に到着。3、4階建ての建物数棟が立ち並ぶ工場は、スタッフ全員が避難し、無人だった。群衆は最も大きな建物に乱入、1階に火を放ち、機械類も壊した。火は2階に燃え広がった。
隣の工場労働者は「3万人はいた。これだけの人間が道路を埋め尽くす光景は初めてで、とても抗議運動とは思えなかった」と振り返った。
日系企業を狙うデモ隊はさらに、約300メートル先の自動車部品工場を襲撃。警官隊が六、七重の隊列を敷いて侵入を食い止めようとしたが、人数ではるかに上回るデモ隊はやすやすと突破。工員ら数百人には目もくれず、無言で破壊、放火に及び、十数分後には別の工場へ向かった。
自動車部品工場管理職の中国人男性は「うちは再起不能。ほかの工場も含めて、これで数万人の失業者が生まれるが、中国人がやったことだ」とやりきれない表情だった。

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記事にもありますが、「日系企業」と言ったって、そこで働いている日本人は幹部だけで、大半の従業員は現地の中国人です。つまり、「反日」の名目で実際は中国人自身の首を絞める行為を行っているわけです。

反日デモ:「たたき壊すのが愛国なのか」…山東省青島市
青島イオンは、地元学生への奨学金支給や緑化事業などの社会貢献でも知られる。「中国共産党のためでも日本政府のためでもなく、現地の人に喜ばれる企業になれればと地道に事業に取り組んできた。ただ反日と叫んでたたき壊す行為が愛国なのか。間違っている」。折口社長は声を荒らげた。(以下略)
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「たたき壊す行為が愛国なのか」まったくそのとおりとしか言いようがありません。

<駐日中国大使>尖閣事態悪化、日本を批判
中国の程永華駐日大使は16日、毎日新聞の書面インタビューに答え、日本の尖閣諸島(中国名・釣魚島)国有化に抗議する反日デモが拡大していることについて、「日本政府の違法な島購入は、中国人民の憤りを引き起こしている。事態を放っておけば、両国の各分野の交流、協力がさらに大きな打撃を受ける」と日本政府の対応を厳しく批判した。その上で、領有権問題を「棚上げ」した過去の日中の合意に立ち返り、「領土紛争を交渉で解決する軌道に戻る」ことの必要性を訴えた。
尖閣国有化について、大使は「両国民の利益に合致せず、事態悪化の責任は中国側にはない」と指摘。尖閣問題は「中国の領土主権に関わるだけでなく、歴史問題に関わり、非常に敏感」との認識を示した。(以下略)

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確かに、一連の騒動のきっかけが尖閣諸島の買収問題だったことは歴然たる事実です。しかし、いくらなんでも、だから日本に責任があるということにはなりません。「中国人民の憤りを引き起こしている」というのが事実としても(何度も書くように、私は尖閣諸島は当然日本の領土であると思っていますが、仮にその点を措いたとしても)、だからこのような暴動が許されてよい、ということにはなりません。憤りがあれば何をやっても許される、と受け取られかねないような発言を、仮にも大使ともあろう立場の人間がする、というのはあまりに常軌を逸しています。これでは、石原慎太郎や在特会と同レベルといわざるを得ない。

もうひとつ気になるニュース
超党派国会議員団の訪中、中国側が延期申し入れ
日中国交正常化40周年の記念行事に出席するため、超党派の国会議員ら約30人が26日から予定していた北京訪問が延期されることになった。
中国側が、日本政府による尖閣諸島(沖縄県石垣市)の国有化を理由に延期を申し入れた。訪中団団長を務める野中広務元官房長官が12日、明らかにした。
野中氏によると、同日午前、招待していた中国共産党側から、「こういう状況なので見送りにさせてほしい」と連絡があったという。訪中団には、野中氏のほか、民主党の仙谷由人政調会長代行、自民党の古賀誠元幹事長、太田昭宏前公明党代表らが参加。26~28日の日程で訪中し、記念行事などに出席する予定だった。

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記事に書いた ことがあります。彼を含めて、ここに名の挙がっている政治家それぞれの政策や主張に対しては、必ずしも前面賛同ではありませんが(というか、私は公明党は嫌いだし、仙谷由人も好きじゃない)、それにしても中国との友好関係をある程度は重視している議員の訪中団を、中国側から拒否したわけです。ということは、日中友好を願う立場の人間すら、日本人という属性によって拒否するということになるわけです。これでは、対話もなにも成立しません。

正直なところ、日中友好を願ってきた人間の一人として、今の状況はあまりに絶望的です。中国側にも日本側にも、好んで事を荒立てたい連中がいる。事を荒立てて相手を叩くことが「愛国」「国の誇り」だと思っている人たちの言動ばかりが派手で、国全体がそれに振り回されてしまっている状態に対して、それを食い止めようとする力は、あまりにも無力です。
が、それでも私は言いたい。そうやって日中が互いに対立を深めて、得られるものはいったいなんなのでしょうか。底の浅い自尊心を満たす代償として、失うものがあまりに多いとしか私には思えません。





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最終更新日  2012.09.17 10:55:11
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