inti-solのブログ

inti-solのブログ

2015.11.25
XML
カテゴリ: その他
朝日新聞の夫婦別姓賛成論は的外れな論旨が多い しわ寄せは子や孫に… 秦郁彦(現代史家)

ここでは論点を前者、すなわち夫婦別姓問題に限定したい。どんな制度も長所と短所が絡み合っているので、新聞は賛否両論を公平に紹介し読者の判断に委ねるべきだと思うが、そうなっていない。各紙が概して別姓制の導入に好意的ななかで、特に朝日新聞はかなり露骨な賛成論を展開している。

たとえば11月7日の社説は「家族の一体感が損なわれるなどを理由とした」反対論は、「今の時代にそぐわないのは明らかだ」とあっさり切って捨てる。そして推進派に立つ理由を次々に列挙するが、的外れの論旨が多い。
好例は「海外でも夫婦に同姓を義務づける国はほとんどなく」のくだりだ。わが国の世論は「先進諸国の大勢」とか「グローバルな基準」のような「神託」に弱く簡単に説得されてしまう傾向がある。これもその一例だが、そもそも全国一律の戸籍制度を完備してきた国は日本以外はほとんどないから、次元の違う制度比較は空論になってしまう。~

差別といえば現行民法では、夫婦は「夫又は妻の氏を称する」と規定しているが、実際には96・1%が夫の姓を選んでいるのを、朝日社説は「実質的に女性が姓の変更を強いられており、正当化できない」ときめつけているが、果たしてそうか。~
ところで別姓反対者の論拠は「家族の一体感を損なう」としか報じられないが、問題の核心は夫婦別姓が親子別姓を意味する点にあると筆者は考える。ここで、結婚の態様を整理してみると、(1)同姓婚(通称併用は可)(2)別姓婚(3)事実婚(4)新姓創造(結合姓を含む)(5)通称拡大(戸籍法の裏付け)-となる。現状は(1)だが、(5)の方向へ進みつつある。~

(2)を採用した際の難点は、子の姓を決めるすっきりした名案が見つからぬことだろう。2001年の森山真弓法相時代に別姓実現の一歩前で、(5)を推す高市早苗議員の奔走により流れたことがある。このとき法案の作成を命じられた法務省官僚は、子の姓について、あちらを立てればこちら立たずで、条文化に苦慮した。~最終案は、別姓での結婚時にカップルが協議して子たちの統一姓を決め、登録しないと結婚届を受理しないという「荒業」に落ち着いた。双方の親も加わる協議がまとまらないと事実婚(内縁)状態が続き子は自動的に母親の姓になる~。
最近の世論調査では別姓容認と反対は35%前後で拮抗しているが、容認しても実行する人は「百人に一人」(野田聖子議員)という見方もある一方、同姓から別姓に切り替える夫婦が多いと経費増が心配だという声もある。いずれにせよ、しわ寄せが子(や孫)に集まる事情に変わりはない。
最高裁は予見される実務上の波及効果も念頭に置いて、理念倒れにならぬ判断を下してほしい。

---

どうも、長い割には(引用はだいぶ省略しましたが)何が言いたいのかいまひとつよく分からない文章です。ただ、要するに選択的夫婦別姓制には反対、ということでしょう。しかし、「朝日の主張は的外れ」と叫ぶ秦郁彦の主張のほうが、的外れのように思えます。

「新聞は賛否両論を公平に紹介し読者の判断に委ねるべき」だそうですが、その種の公平性からはもっとも縁遠い新聞である産経にそんなことを書いてもねえ、と思います。
「わが国の世論は『先進諸国の大勢』とか『グローバルな基準』のような『神託』に弱く」とのことですが、それは、「日本以外のすべての国が集団的自衛権を認めている(だから日本も集団的自衛権を認めるべきだ)」などという「神託」を叫ぶ産経新聞(を初めとする右派勢力)にこそ当てはまるんじゃないでしょうか。

現状は同姓婚だが通称拡大の方向へ進みつつある、ということですけれど、どうも私には、「通称拡大」が現実に前に進んでするようには、まったく見えないのです。この案が出てきたのは、引用記事にあるように2001年のことで、それから14年も経つのに、何一つ実現していないじゃないですか。要するに、選択的夫婦別姓制の導入を妨げる目くらましのために持ち出しただけで、本当はそれも実現するつもりはないんじゃないの?ということです。

別姓での結婚時にカップルが協議して子たちの統一姓を決め、登録しないと結婚届を受理しないという「荒業」に落ち着いた。

というのですが、私は、それが「荒業」とは思えません。だいたいにおいて合理的な制度を考えた、と私は思います。あえて言えば、子どもの姓は父母の好きなほうを(出生時に親が)選択する、という制度もありかな、と思います。子どもの姓をどちらにするかでもめるような夫婦なら、夫婦同姓の場合は結婚時にどちらが改姓するかで揉めるに決まっています。同姓ならもめないで済む、というものではありません。
今の制度だって離婚と再婚を繰り返せば、あるいは養子縁組によって、親子あるいは兄弟間で苗字が違う、ということは起こります。母子家庭を中心に、そういう例は少なくありません。

選択的夫婦別姓制が導入されたとき、実際にそれを実行する夫婦はどの程度いるでしょうか。私は、周囲に別姓実現を心待ちにしている夫婦が何組かいるので、100人に1人よりは多いだろうと思います。とはいえ、1割には届かないだろうとは私も思います。我が家も、別姓にする予定はありません。いずれにしても、そのために戸籍を書き換えるのに、いくらかかるというのでしょうか。心配するような経費増があるとは思えません。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2015.11.25 23:01:30
コメント(5) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ

利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


Re:的外れなのは果たして・・・・・・(11/25)  
maki5417  さん
>新聞は賛否両論を公平に紹介し読者の判断に委ねるべきだと思うが、そうなっていない。各紙が概して別姓制の導入に好意的ななかで、特に朝日新聞はかなり露骨な賛成論を展開している。

新聞と放送法の縛りを受けるテレビとを混同しているのではないでしょうか。
この論で行けば、新聞の社説は不要どころか、けしからんということになってしまいます。
それでも、朝日は比較的賛否両論を公平に紹介しているほうだと思います。

(2015.11.26 00:08:17)

Re:的外れなのは果たして・・・・・・(11/25)  
Bill McCreary さん
秦は法学部卒の法博ですが、さすがに家族法は素人ですよね(苦笑)。元大蔵官僚ですから、公法は詳しいでしょうけど。いずれにせよこんな人をこんなことで起用する新聞は、産経以外にない(笑)。

それにしても以前の秦なら、こんな駄文は引き受けなかったと思いますが、彼も行きつくところへ行ったようですね。困ったものです。 (2015.11.26 00:19:09)

Re[1]:的外れなのは果たして・・・・・・(11/25)  
inti-sol  さん
maki5417さん

>新聞と放送法の縛りを受けるテレビとを混同しているのではないでしょうか。

混同しているのではなく、違いは知りつつ、ないものねだりをしているだけではないかと思います。

>この論で行けば、新聞の社説は不要どころか、けしからんということになってしまいます。

まったくです。
朝日新聞と産経新聞は、一見すると政治的立場は真逆です。しかし、朝日には中立性への遠慮があるけれど、産経にはそんな遠慮がまったくない、という違いはあります。私は、むしろ朝日新聞の無用な遠慮が腹立たしい。産経の主義主張にはまったく、かけらほども同意しませんが、中立性に逃げることなく、主張を前面に出す、そのスタイル自体は間違っていないと(首長の中身は間違っているけれど)思っています。

Bill McCreary さん

>いずれにせよこんな人をこんなことで起用する新聞は、産経以外にない(笑)。

まったくそのとおりです。どう考えたって、戸籍や夫婦別姓問題の専門家であるはずがないのですから。

>以前の秦なら、こんな駄文は引き受けなかったと思いますが

そのあたりは、正直言ってよく分かりません。南京の問題に関してはともかく、それ以外の問題に関しては、元々保守派
でしょうからね。 (2015.11.26 23:14:13)

Re:的外れなのは果たして・・・・・・(11/25)  
Bill McCreary さん
>そのあたりは、正直言ってよく分かりません。南京の問題に関してはともかく、それ以外の問題に関しては、元々保守派
でしょうからね。

確かに彼は、家永裁判で、国側の証人になるような人物ですからね。昔から相当な保守派であったのは確かですよね。百人斬りだって、鹿児島の野田の地元を取材したのに、百人斬り訴訟の結末が見えるまで発表をしなかったような人物ですからね(苦笑)。

ところでやや牽強付会な持っていきかたですが、inti-solさんが興味のありそうな記事がありましたよ。

//www.sankei.com/politics/news/151127/plt1511270019-n1.html

こういうものを、新聞社の中でやるんだから、講演する稲田も産経も、狂っていますね。今日に始まり明日に終わることではありませんが。 (2015.11.27 19:43:03)

Re[1]:的外れなのは果たして・・・・・・(11/25)  
inti-sol  さん
Bill McCrearyさん

>確かに彼は、家永裁判で、国側の証人になるような人物ですからね。昔から相当な保守派であったのは確かですよね。

そうです。それでも、南京事件に関しては、まあまともな主張だと思いますけれど、それ以外はね。

>百人斬りだって、鹿児島の野田の地元を取材したのに、百人斬り訴訟の結末が見えるまで発表をしなかったような人物ですからね

それでも、発表しただけマシではありますけどね。

>//www.sankei.com/politics/news/151127/plt1511270019-n1.html

>こういうものを、新聞社の中でやるんだから、講演する稲田も産経も、狂っていますね。今日に始まり明日に終わることではありませんが。

まったです。ネトウヨ機関紙(というか自民党の機関紙)そのものです。政権とここまで距離感のない新聞というのは、ひどいとしか言いようがありません。 (2015.11.27 21:20:03)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: