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2026.06.21
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テーマ: ニュース(96801)
カテゴリ: 戦争と平和
イラン「ホルムズ海峡を再封鎖」 レバノンでの停戦違反と非難

停戦発効後の20日、イスラエル軍がレバノンの東部や南部を攻撃し、レバノン兵を含む計17人が死亡した。レバノンの国営通信が報じた。ヒズボラは20日の声明で「イスラエル軍に応戦した」と主張。イスラエル軍は「停戦を順守する姿勢は維持する」としつつ「攻撃には断固として対応する」と警告した。
米イランは軍事作戦終結を含む覚書に正式署名し、18日に60日間の交渉期間に入った。19日にスイスで協議を予定していたが延期。アクシオスはイスラエル軍とヒズボラの交戦が理由だと伝えた。

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米国とイランが停戦合意して、やっと戦争が終わった・・・・・と、思いきや、これに不服のイスラエルがレバノンに対する攻撃を続けていることから、イランはホルムズ海峡を再封鎖すると宣言してしまいました。
というわけで、依然としてホルムズ海峡をタンカーが自由に出入りできる状態にはなっていません。
いや、もういい加減にしてくれ、と思うのですが、こればかりはどうにもなりません。おそらく、依然として日本関係のタンカー等はほとんどペルシャ湾に出入りすることができない状態のままでしょう。そして、それを米軍がこじ開けることは不可能です。

先の合意内容にしても、今回の再封鎖にしても、一連の米イラン戦争でどちらが勝ち、どちらが負けたのか、実に明白です。
合意内容を見ると


2.相互の主権と領土保全、互いの内政不干渉。
3.60日以内(延長可)に最終合意を交渉し、達成。
4.米国はイランに対する海上封鎖、妨害行​為や障害の除去に着手し、30日以内に終了。米国は最終合意後30日以内にイラン周辺から自国の部隊を撤退。
5.イランはペルシャ湾~オマーン湾の商船の安全な通航を60日間に限り無料で確保。イランは、他の沿岸諸国と協議し、ホルムズ海峡の管理と海事サービスついてオマーンと対話。
6.イランの復興と経済開発のため、3000億ドル以上の復興支援。
7.イランに対するあらゆる種類の制裁を解除。
8.イランは、核兵器を調達も開発もしない。備蓄された濃縮物質は希釈。
9.最終合意までの間は現状維持。イランは核開発計画の現状を維持し、​米国は新たな制裁、追加部隊の展開をしない。
10.制裁解除までの間、イラン産原油、石油製品等の輸出、銀行取引、保険、輸送等全ての関連サービスについて制裁の適用除外。
11.イランの資金および資産の凍結・制限を解除。交渉中にこれらの資金を解放。
12.本覚書の履行と順守を監視するため、執行メカニズムを設置。
13.第1・4・5・10・11項の開始・継続を条件として最終合意についての交渉を開始。
14.最終合意は拘束力を持つ国連安全保障理事会決議によって承認。


といった内容となっています。
イラン側に課されているのはホルムズ海峡封鎖解除と、核開発放棄。それに対して米側に課されているのは、米側のイラン封鎖解除、3000億ドルの復興援助、制裁解除、資産凍結解除です。

戦争に勝って、敗戦国政府が倒壊した後に、戦勝国が敗戦国の新政府に資金援助を行う例は過去にもありますが、交戦相手の政府が倒壊もせずそのまま存続しているのに、「戦勝国」が金を払うなんて話は、過去に聞いたことはありません。賠償金は負けた政府が勝った政府に対して払うものです。この一事をもってしても、どらが勝ってどちらが負けたかは明白です。


更にびっくりなのは、ペルシャ湾の商船の通行を「60日間に限り無料で確保」という条項です。それを言いかえれば、将来は通行料を取って構いません、ということです。そもそもトランプ自身が「イランが通行料を取ったって構わない」的なことを放言していましたが、それが反映した形です。
高市政権は、ペルシャ湾内に取り残されている日本関係の商船のホルムズ海峡通過について、「通行料は払わない」という原則を叫んできました。高市応援団の連中も「イランに通行料を払ういわれはない、払うな」の大合唱だったわけですが、61日後以降、いったいどうするつもりなんでしょうか。
もちろん、イランが実際に通行料を徴取するかは分かりませんが、そのつもりがあればいつでも「停戦合意に基づいて通行料を取ることにしました!」と言えるわけですが、それでも通行料を払わない(ペルシャ湾を日本関係商船に通過させない)つもりなのかどうか、あるいは実質的に禁輸が解除されたイラン産の原油の輸入を再開するつもりがあるのかどうか、今後の展開が非常に注目されるところです。

今の日本政府にとって、日米安保が大事だ、ということは(賛成はしませんが)分かります。しかし、石油もまた、現代文明を維持するためには絶対必要不可欠なものです。日米安保と石油とどちらが大事か、なんてことを天秤にかける必要性は、これまではあまり生じてこなかったものの、1979年のイラン革命以来、米国とイランは完全な敵対関係ですが、それを尻目に日本はイランとある程度近しい関係を維持して、石油を大量に輸入し続けました。
つまり、日米安保に重大なヒビを入れない範囲内ではあれ、石油の安定供給のために米国のお眼鏡にはかなわないことをやってきたのです。しかし、高市政権は、石油の安定供給という現代文明の根本にかかわることでさえ、米国の言いなりになっています。米国と言ったって、2年後には変わっているトランプの意向に過ぎないわけですが。
イタリアでは、元々トランプと親密な極右であるメローニ首相が、トランプに反旗を翻しています。しかし高市には、その気配はありません。
いくら同盟国と言ったところで、同じ国ではない他国です。利害が一致しないことが必ず生じます。小さな事ならともかく、石油の安定供給という、国家の存続の根源を揺るがすことについてまで、常時相手国の言い分に常に従うのであれば、それは「同盟国」ではなく「宗主国と属国」の関係でしかない、ということです。





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最終更新日  2026.06.21 08:53:23
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