『犬の鼻先におなら』

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2012年05月24日
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ウェットなアメリカ映画。家を買ったら突然ムツゴロウ。

 半年前に最愛の妻を亡くした主人公が二人の子供と共に、過去を振り払うべく引越しを計るのだが、新居に入居する条件は、おんぼろ動物園を引き継ぐ事だった。
 実話に基づいているとの事。主演はマット・デイモン。

 そもそも「家に動物園が付いている」っていう時点で、敷地面積としてなんですが、ハイ、舞台は“アメリカ”です。クローゼットが六畳ぐらいあったりする国です。極普通の事です(ウソ。なお実際は英国での話です)。

 筋は大体想像がつくでしょうね。紆余曲折の挙句、見事動物園を復活させ、新しい人間関係の中で、主人公家族が妻(母)の死を受け入れられるようになるというもの。
 予定調和じゃないかと言えば、そうですが、実話だから仕方がないと言うべきか(実際は奥さんが亡くなる前に動物園購入を決意)。

アメリカ映画としては随分“ウエット” な作りです(「ウェット」なる日本語、訳しづらいですね(笑)でもこの場合ぴったり)。感傷的と言ってもいいです。
 主人公が亡くなった奥さんの写真をじっと眺めて目を潤ませたりしていると、一寸私には辛いです。表現がストレート過ぎます。


 脚本は『プラダを着た悪魔』のアライン・ブロッシュ・マッケンナとの事(「エッー」という感じ。全然感じが違うじゃない)。

 近年の山田洋次監督作品なんかが好きな人であれば、向いているかも知れません(私の趣味ではない)。


 アメリカに秘かに流れる“ウエット陰流”の発露といった感じです。
 もっとも正確に言えば、こういう側面を所謂“国際人”が知らない、若しくは語りたがらないだけで、「秘か」でもなんでもないんだけどね(他にもよくいるじゃない、「アメリカ人は合理的で、日本人は感情的」とか未だに言っている奴。アメリカ人自身がそんな事言っている例が一例でもあるのか)。
 例えばカントリーミュージックなんかの歌詞をみると、まるっきり演歌なんですよね。「おぉ、別れた妻よ、恋人よ~。もう一度会いたいよ~。泣く」みたいな(笑)。ウエット、感傷的。(どっちも長距離トラックの運転手さん御愛用という点も同じだね)

 一番大きいのは個人差。次にその人物が属している“階級”差。さらにその次に所謂“国民性”“民族差”(この「民族」なる概念、相当疑ったほうが良いです。実体概念じゃないですよ。デオキシリボ核酸と無関係)。

 というわけで、こういうストレートに“ウエット”な映画が好きな人が日米両国とも一定数いるんだろうな、という話。


 ただ、“陳腐さ”という“悪癖”は各国、各民族で差異に富んでいるようです(陳腐なのは映画ではなく、私の予想ね。念の為)。


 主人公は虎をなんとか無理やりにでも生かそうとするのですが、動物園スタッフと揉めます。

 で、平均的日本人なら話の展開をこう想像するでしょう。
 「なるほど、虎の死をきっかけに、どんな生にも終わりがある事を悟り、それが奥さんの死を受け入れる事に繋がるんだな。」(陳腐だけどね)

 そうなりません(笑)。なんかやられたって感じ(笑)。「虎の死」と「奥さんの死」をリンクさせないの。
 テーマが「死」だけに、宗教的なバックボーンの問題なのでしょうね。あの人たちはキリスト教を始めとするセム族系宗教が主流派で、こっちは仏教系。意識しなくても自然と仏教的死生観が身についている。身についているが故の“陳腐さ”、をあらためて実感(たぶんタイ人やチベット人の映画好きも同じ筋展開を予想する筈)。


 文化の“差異”というのは、“陳腐さ”の中に姿を現すのでしょう。


 幼い娘役の子役マギー・エリザベス・ジョーンズが上手い。こましゃくれていて可愛い。

 ↑原作本。大昔テレビで『ムツゴロウの結婚記』というのを観たが、あれは明るかったなぁ。同じ動物ワサワサでも、これから結婚するのと奥さん亡くなっちゃうのとでは正反対。今は凡作でも良いから明るい映画が観たいです。





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最終更新日  2012年06月05日 22時15分03秒
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