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鼻が黒いのは生まれつきなのさ、、、、、。
「ミネビン、キャットフード食べたら、眠くなっちゃった、、、」
僕たちはいろんな人から餌をもらって生きているんだ、、、。
「あたしは静御前という名前らしいわ、、、、」
「僕はザルジバルだよ。」
「鼻が黒いってのも、チャーミングだろ?」
チッチです。
「こんなに愛くるしいのに、どうして私を捨てたのかしら?」
「まぁ、とりあえず餌持ってんだろうな?」
アルゲリョです。
(曲を聴きながら読んで下さいね、、、、。Natalia)
「揚花火」
あの夜、
僕は仕事に忙しくて
おまけに体も壊していた。
君を養っていく自信がなくて
つい別れ話を切り出した。
呼び出された素直な君は驚いていた。
最後の意思を告げた
しばらくの沈黙のあとで
不意に揚花火
一瞬、僕は慄いた。
浜辺はひととき光のしずくで満ちていた。
あんなに美しい瞳を見たことがない
君の涼しい瞳
涙にあふれていた。
散りばめられた光のしずくに溢れていた。
急に呼び出されたので
口紅も引かずに出てきたのだろう
「ひとりにしないで」
と一言だけ僕に懇願した。
花火の光芒がまなうらに残した
薄い唇の影
細い顎をひきつらせて
取り繕う笑顔でさえ胸を熱くする
<僕は君をただ道連れにはしたくなかっただけだ。>
手に入れようとして求めることは
諦めて
焦燥と苦しみに苛まされ
闇の中に離してしまったぬくもり
消えていく揚花火のように
そして、いま
三年経って
思い出す。
深夜になって
気ままな飼猫が戻って来るとき、
その肢体をカーティンにからませ
部屋に入ってくる音で
ふと起こされて、
静かにひとり身を横たえながら
月影たよりに
涙に濡れた
君の瞳を
思い出す
あの震えていた唇を
今になって
思い出す。
「ひとりにしないで」
と震えていた
その君の唇を、
月影たよりに
ひそかに思い出す