2006年10月03日
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今日のまとめ

1.テレブラスの分割で13社がひしめく過当競争が生まれた
2.現在は業界再編成で会社数が半減する途上にある
3.ブラジルの携帯電話市場は早くも頭打ちの兆候を見せている

歴史

もともとブラジルには2000を超える零細な電話会社が存在しました。ブラジルの軍事政権は国益上の理由から通信事業を国営化する目標を立て、1972年に国営電話会社、テレブラスを設立します。テレブラスは零細な業者を次々に買取り近代的な国営の独占企業体となりました。

当初はこの体制で社会のニーズを満たすことが出来たのですが、時間の経過とともに官僚制の弊害が目立つようになり同社は非効率の見本のような存在になってしまいました。1990年代に民営化の波がラテン・アメリカ諸国にも押し寄せ、電話事業も分割民営化の対象とされました。ブラジル政府は改革を断行するため政府とは独立した通信監督当局、アナテルを設置します。

アナテルの主な仕事は通信事業の新規事業の決定やサービスの廃止の決定権限を持つほか、周波数帯域のライセンスの管理や各種サービス料金の承認、当事者企業同士の係争の調停などです。アナテルの最初の大きな仕事はテレブラスの解体でした。1998年にテレブラスは8つの携帯電話会社、3つの地方電話会社、1つの長距離電話会社に12分割されました。

4.jpg

業界再編成

上の表の「分割直後の名称」で挙げられた12社が旧テレブラスの分割後の姿です。これに独立系のCRTセルラーを加えて全部で13社がひしめく形となったわけです。しかし他の国と比べてみてもブラジルの場合、中途半端な規模の携帯電話の会社が乱立している観は否めませんでした。これではスケール・メリットを享受することは出来ません。

そこで2004年8月のテレ・ノルデステ・セルラーとテレ・セル・スルの合併によるティム(ティッカー:TSU)の誕生を皮切りに業界の再編成の大きなうねりが起こりました。今年の2月にはテレスプ・セルラー、テレ・セントロ、テレ・レステ・セルラー、テレ・スーデステの4社が合併してビボ(ティッカー:VIV)が誕生しています。



ブラジル携帯電話市場占有率(%、テレマー)

また、再編成後の地方電話会社の市場市場占有率は下のようになります。

ブラジルの地方電話市場の市場占有率(%、テレマー)

踊り場を迎えるブラジルの通信市場

さて、ブラジルの通信市場を論ずるにあたって先ず最初に言及されるべき特徴は特に携帯電話の市場に於ける市場そのものの成長が早くも頭打ちの局面に入った観がある点です。下のグラフは エマージング各国 の携帯電話普及率を示したものですが、ブラジルだけが明らかに成長鈍化の傾向を示しています。ブラジルの普及率は49%と、未だ50%にも達していませんから他国における実績から考えて今の水準が飽和点だとは思えません。

ただ、 モメンタム の鈍化は誰の目にも明らかであり、折からブラジルは他の国に比べて中途半端な規模の携帯電話会社がひしめく構造ですから、今後一層お互いの顧客の奪い合いが激しくなることが予想されます。

エマージング各国の携帯電話普及率(%、コンテクスチュアル・インベストメンツ)

一方、地方電話の普及率にも言及しておくと、こちらの方は2002年に23%の普及率(ここでは一人当たりの回線数)に達したところで頭打ちになり、それ以降加入者は漸減しています。携帯電話の普及が固定電話の顧客を奪っていることは間違いありません。





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最終更新日  2006年10月16日 19時14分25秒


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