2006年10月10日
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今日のまとめ

1.ビボは最大手だが競争力の低下が著しい
2.テレマーは安定した地方電話のビジネス+急成長中の携帯事業を展開
3.ティムは携帯電話専業で上手く経営されている
4・アメリカ・モバイルは南米最大の電話会社である

テレフォニカ・グループ

スペインのテレフォニカ(ティッカー:TEF)はブラジルで積極的に通信事業を展開しています。携帯電話市場ではブラジルでのマーケット・シェア・リーダーであるビボ(ティッカー:VIV)を持っています。下のグラフは携帯電話加入者数を示しています。

ブラジルの携帯電話各社の加入者数

このグラフでわかるとおり、ビボは加入者数ではブラジルで最大です。しかし同社は最近加入者の減少を見ていることが読み取れます。ビボはCDMA(注1)に基づいたネットワークを展開しています。サンパウロやリオ・デ・ジャネイロなどの大都市圏のライセンスを所有しており、主に裕福層をターゲットとして事業展開してきました。しかし隣のミナス・ジェライス州にはデジタルのシグナルが届かず、サンパウロやリオ・デ・ジャネイロから週末に別荘に行くユーザーはアナログ・モードに切り替えないといけないという不都合があります。これに愛想を尽かした裕福なユーザーがテレマーをはじめとする他社のサービスに乗り換えているのが加入者減の一因です。さらにハンドセットの品揃えが悪いことなども人気凋落の原因となっています。テレフォニカ・グループは地方電話ではサンパウロ・テレコム(ティッカー:TSP)を所有しています。同社は地方電話のマーケット・シェアで32%を占有しており、テレマーに次いで第2位の位置につけています。

テレマー

テレマー(ティッカー:TNE)は携帯電話市場では比較的参入が遅く、3年前に参入したばかりです。同社のサービスはGSM(注2)です。同社の地域はブラジルで最も平均所得の低い北部が中心です。従ってマーケティング戦略もヴァリュー志向を前面に出したものとなっています。同社はマーケット・シェアの伸張に重きを置いていますから場合によってはSIMカード(注3)の販売だけでも喜んで引き受けます。この場合、ユーザーは中古のハンドセットをどこかで手に入れてきてカードだけを差し替えるわけです。ヴァリューを前面に打ち出したテレマーの営業戦略はARPU(顧客単価)にも表れています。



テレマーは北部が中心なのですが、そのライセンス地域の南端にはリオ・デ・ジャネイロとそれに隣接するミナス・ジェライス州が含まれており、この両地域では先述のようにビボからかなり顧客を奪っています。現在の同社のマーケット・シェアは13%にしか過ぎませんが、成長率という点ではブラジルの大手携帯電話会社中、最も速く成長している携帯電話会社です。


ティム

ティム(ティッカー:TIM)はテレコム・イタリア・モバイルの略称です。同社は携帯電話のみに特化したプレーヤーです。同社はGSMとTDMA(注4)によるサービスを展開しています。現在のマーケット・シェアは24%でビボの後塵を拝していますが最近どんどん追いつきつつあります。同社のサービスは電波のカバレッジの信頼度が高い点にあります。

ブラジルの携帯電話会社のEBITDA

ティムは直近の第2四半期決算ではEBITDA(利払い・税・減価償却前利益)で見ると上のグラフのようにビボを抜いてブラジルの携帯電話会社の中で最も儲けている企業に躍り出ています。一方、EBITDAマージンでは遥かに規模の小さいテレミグを除けばブラジルの携帯電話会社の中で最も利益率の高い部類に属します。

ブラジルの携帯電話各社のEBITDAマージン

ティムは総合的に見て上手く経営されていると評することが出来ると思います。

ブラジル・テレコム

ブラジル・テレコム(ティッカー:BRP<持ち株会社>およびBTM<営業会社>)は地方電話および長距離電話を主体とした企業です。同社のサービスはGSMです。地域的には内陸部が中心です。同社の主力は地方電話部門で、ここでの市場占有率は業界3位の25%です。地方電話は同社の売り上げ高の約50%を占めており、30%が長距離通話、11%がデータ通信からの売り上げです。携帯事業に関しては自前でGSMのネットワークを立ち上げ始めているわけですが、未だ初期投資の段階ですから上のEBITDAマージンのグラフに見られるとおり今は赤字が先行しています。

アメリカ・モバイル

アメリカ・モバイル(ティッカー:AMX)はメキシコのテルメックス(ティッカー:TMX)系の携帯電話会社ですが、ラテン・アメリカ各国で幅広くモバイル事業を展開しています。

世界の携帯電話会社の時価総額(2006年9月22日、抜粋)

アメリカ・モバイルのブラジルに於ける携帯電話事業はクラーロ(Claro)というブランドで展開されています。同社のサービスはTDMAとGSMです。加入者数ではビボ、ティムに続いて第3位、マーケット・シェアで言うと23%です。アメリカ・モバイルの他国でのパフォーマンスに比べるとブラジルに於ける携帯事業は今ひとつ冴えませんが、ブラジル国内の競合他社との比較という点においては平均的なパフォーマンスであると言えるでしょう。
アメリカ・モバイルは固定電話事業ではエンブラテル(ティッカー:EMT)を所有しており、同社はブラジルの代表的な長距離電話会社です。

テレミグ

テレミグ(ティッカー:TMB)はミナス・ジェライス州を中心とした携帯電話会社です。同社のサービスはGSMとTDMAです。加入者数で見るとブラジル・テレコムに次いで少なく、携帯事業を専業とする企業としてはいかにも中途半端な事業規模です。ただ、携帯免許を受けている地域が他社にとって比較的魅力的な地域であるため、M&A期待で同社株は買われることが多いようです。ただ、競争が激しい地域でもあり、チャーン(顧客の離反率)が高いことが懸念要因です。

ブラジルの携帯電話会社のチャーン

(注1)CDMA:Code Division Multiple Access=符合分割多元接続方式
(注2)GSM: Global System for Mobile Communications=第二世代携帯電話の方式
(注3)SIMカード:Subscriber Identity Module Card=携帯の利用者を特定するICカード






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最終更新日  2006年10月16日 11時53分29秒


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