2006年12月18日
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今日のまとめ

1.南米の航空会社の操業環境は良い
2.ブラジルにおける拡張競争の行き過ぎが懸念される
3.ランとコパの市場は秩序だった競争が展開されている
4.航空会社のビジネスは多くのリスク・ファクターに晒されている

南米航空会社の操業状況

これまで見てきたように南米の航空市場は旅客需要が堅調なことに加えて経営的にも工夫を凝らしたユニークな企業がそれぞれ腕を競うという状況になっています。このためこれらの企業のファンダメンタルズは概ね良好です。下のグラフは各社のロードファクター(Revenue Passenger KilometerをAvailable Seat Kilometerで割ったもの=稼働率の指標)です。全体に稼働率は右上がりであることがわかると思います。この中にあってゴールだけは最近稼働率に翳りが見えてきています。同社は近年積極的にキャパシティーを増やしたので、今、その消化に苦労しているわけです。

南米航空会社のロードファクター(%、各社資料)

ブラジル市場の場合、これまではヴァリグが事業縮小していたので少々強気で拡張しても大丈夫な面がありました。しかし、ヴァリグの事業縮小はここへきて一巡した観があります。さて、ロードファクターは座席がどれだけ埋まっているかの指標ですが、次に運行キロ当たりの売り上げ高という視点で見てみることにします。旅客イールド(旅客売り上げ高÷運行キロ数)がその指標ですが、ブラジルの場合、インフレ修正後の旅客イールド(ピンク色)は近年、ずっとプレッシャーに晒されてきました。これは各社がキャパシティー増やしてきたこととディスカウント競争のためです。

ブラジル国内線のイールド

ブラジル市場の状況をその他の地域を拠点とするランやコパのケースと比較してやるとこのことはより鮮明になると思います。下のグラフで見るとおり、ブラジル以外の航空会社のイールド(旅客売上高を運行キロで割った数字)は極めて安定しており、秩序だった拡張がなされていることを示唆しています。

コパとランの旅客イールド(セント、各社資料)

リスク

さて、ブラジルをはじめとするラテン・アメリカの航空会社の株式に投資する際のリスクですが、先ず航空会社の特徴として収益のブレが極端に激しい点を挙げずにはおれません。これは航空会社のビジネスが航空機や予約コンピューターなど莫大な資産を必要とすること、従って損益分岐点が高いビジネスであることによります。おまけにジェット燃料の高騰や景気後退によるビジネス客の減少など企業の経営努力だけではどうしようもない外部的ファクターが及ぼす影響が大きいです。ラテン・アメリカは歴史的にハイパー・インフレに悩まされてきましたがインフレは購買力の減退を招来します。もっと平易な言い方に直すとインフレになると生活するのに精一杯でとても旅行どころではなくなるということです。



世界の航空会社の2007年予想EPSに基づいたPER





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最終更新日  2006年12月19日 10時42分34秒


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